○正森
委員 四月十五日にNHKが「おはようジャーナル」の特集番組、これを放送いたしましたが、そこに登場した統一協会の脱会者は、この霊感商法が統一協会の目的を達成するために行われたものであることを次のように語っております。「「経済活動」というのは「万物復帰」という
考え方がありまして、これは、地球上全体のすべてのものが神のものであるという教えです。それは神のものであるけれど、サタン=悪魔にとられた、だからその悪魔によって奪われたものを神側のわれわれ信者が、再び神の方に持ち返るという教えにもとづいてやっているんですね。」こういうように言っておるんですね。
国家公安
委員長、つまり霊感商法というのは、本来神の国のものであるものがサタン、悪魔にとられているんだ、それを万物復帰で返すんだから、少々のことを言うたってそれは構わないんであるという
考え方に基づいてやられているんですね。
きょうは時間がございませんので申しませんが、法務
大臣は根元までさかのぼってこの問題は対処していかなければならないということを言っておられます。
そこで、この統一協会はどういうものであるかといえば、その中心の教典は原理講論というものなんですね。原理講論の一番のもとは韓国版でありまして、これはこの間まで極端な韓国中心主義を唱えておりました。最近は、余り批判がひどいので、それを削っておるという話がございます。日本語訳では削っておる部分がございました。しかし、もとのところでどういうことを言っているかといいますと、「端的にいって、イエスが再臨される東方のその国とはまさに韓国である……イエスが韓国に再臨されるならば、韓民族は第三イスラエル選民となるのである」「この国であらゆる文明が結実されなければならない。有史以来、全世界にわたって発達してきた宗教と科学、即ち精神文明と物質文明とは韓国を中心として、みな
一つの真理のもとに吸収融合され、神が望まれる理想世界のものとして結実しなければならないのである」云々。
次いで「言語はどの国で統一されるであろうか?その問いに対する答えは明白である。子供は父母の言葉を学ぶのがならわしであるからである。人類の父母となられたイエスが韓国に再臨されることが事実であるならば、その方は間違いなく韓国語を使われるであろうから、韓国語はまさに祖国語となるであろう。したがってすべての民族はこの祖国語を使用せざるをえなくなるであろう」こう言っているんですね。こういう絶対的な韓国中心主義なんです。
そして、ほかにもいろいろ資料がございますが、統一協会の
関係者の秦道臣という男が「アジアに希望の陽が昇る」という本を書いております。その本の中でどう言っているかというと、日本のことをこう言っているのです。七百四ページ「女性日本と男性韓国の婚姻」という題なんですね。そこでどう書いているかというと、「一四〇○年の歴史において、幾度か外圧をもろに受けながらも、日蓮・竜馬のような愛国的義人が突如輩出され、彼らの涙と血によってその外圧を押し返し属邦化を奇蹟的にまぬがれてきたのである。」こういうぐあいに日本を褒めて、その上でこう言っているのです。「女性であれば、生娘、貞操を固く守られてきた処女に喩えられよう。」こう言っているのですね、日本のことを。「だがその女性も年頃に成長したのである。多くの男性が求婚してきている。その求婚の本命こそ、男性韓国なのである。」女性日本に対して男性韓国が求婚しておる。そして「男性韓国が、真理の国ということができるとすれば、女性日本は産業の国といえるのではなかろうか。深遠な真理をもって語りかけてくる男性に、女性は何をもって返答をするであろうか。婚姻の約束が成った後は、仲人を立て、調度品を将来の夫のもとに納める習いがあるではないか。日本は、二十年間の驚異的な産業の発展を有している。この産業・経済を男性韓国へ結納として収める歴史的必然性がある。」こう言っているんです。
いいですか。つまりイエス・キリストは韓国に再臨される。韓国語は世界語になる。日本は生娘だ。理想の男性は韓国だ。そこへ婚姻するには産業日本はこれをそっくり韓国へ結納として納める歴史的必然があるのだというようなことを言っているのですよ。そして万物復帰で、サタンのもとにあるものを、それはだまそうがどないしようが持ってきて、神の国だということで文鮮明なんかに贈ればそれは非常に結構なことだという
考えを持っているんですね。ですから、悪いことをやるのに悪の観念がないんですね。こういうことによって非常に重大な被害が起こっているということを国家公安
委員長も
警察も法務省も認識していただきたいと思うのですね。ところが皆さん方は、国会ではいろいろ言うと、根元に迫るとかいろいろ言われているのですが、実際上の対処になるとそれをされておらない。
幾つか例がございますが、時間がございませんので
一つだけ申し上げます。長崎で統一神霊協会のいろいろな霊感商法を暴露した「ちゃんぽん」という雑誌があります。この編集者に対して空気銃まがいのもので射撃して負傷させたという
事件がございました。私は、七月の初めですが、長崎へ実際に参りまして、この方から事情を聴取してまいりました。
警察、ぜひ聞いていただきたいのですが、
警察も御存じのように、霊感商法を批判しますと、まず集中的な電話がかかってまいります。何千件、二年前の朝日
新聞の場合には数万件の電話がかかってまいりました。実際上仕事ができないという
状況まで起こるわけですね。そして、朝日
新聞の場合には二年前に、私どもの調べでは実に四万六千三百二十六本の電話が六日間にかかってきたというように言われております。
この川原さんのところにも、空気銃まがいのもので撃たれる前の晩、空気銃で撃たれたのはその日の零時過ぎですから、数時間前こういう電話がかかってきました。無言電話で、時々物を言うのですが、「川原、おめえは共産党か。おめえ、本当になめると、こっちは承知しないぞ。いよいよ覚悟せろ」、覚悟しろというのを佐世保の言葉で「せろ」と言うのですね。そういうふうに言っているのですが、このテープを長崎の統一協会を脱退した人に聞かせると、全員一致して、これは勝共連合長崎支部の
事務局の最高幹部の声に間違いがない、こう言っているのです。私は名前もわかっております。それで、そのことを本人が幾ら言っても
警察は取り上げない。声紋でも調べれば非常によくわかるのですけれども、それを取り上げてくれないということを言っているのですね。
それからまだあります。この川原さんが告訴しまして
警察に調べられたら、長崎の
警察はこう言っているのですね。調書をとるときに、襲われたと書くか、けがと書くか。波紋が大きい。死人が出るかもしれない。あんたが酔っていたという証言もある。警備の園田は木の切り株でけがをしたのかもしらぬと言っている。けがをしたということであれば波紋はない。空気銃を見たわけではないだろう。こういうように執拗に、これは単純なけがであるというように誘導しようとしているのですね。これでは
事件をもみつぶそうとかかっていると言われても仕方がないんじゃないですか。私は、本人のところへ行って直接その録音テープも聞き、また実際に話を聞いた上で言っているのです。国会で言っていることと全然違うじゃないですか。守っているのですか、この統一協会を。