○
伊藤(茂)
委員 そこが私
どもは全然
意見が違うので、六十二年度の
財源としてなぜ
マル優を採用されるのか。これは六十二年度中に全然カウントされないということになりましたし、
もともとカウントしたってごくわずかなことですし、それから平年度分の一兆六千ですか、税収になるのは七年、八年後というふうな
数字になる。そしてまた、これが本当に
国民合意かと言えば、前
国会の
経緯からいたしましても、私
どもは常に
売上税、
マル優、セットで話をしてまいったわけでありますが、
国民合意が得られているとは思いません。むしろ、今
国民世論の中で、これは不公平だ、なぜこんな
状況がありここに課税しないのですかと言われているものをやっていくのが筋ではないのかと実は私は思うわけでありまして、この点は恐らく完全にすれ違いのままでこの議論が行われる。今の
大臣の御答弁でしたら残念ながらそうならざるを得ないというふうなことであろうと思います。
ただ、
書記長・
幹事長会談の
お話を伺いますと、
合意の第四項でございましたか、将来これを見直すことを検討するでしたか、これを未来永久に断固これでやり抜くのだというふうなことではない意味合いのことが言われていたようであります。また、私
ども野党間で政審で勉強する中でも、ある党によっては、三年時限立法、三年たったら白紙という
一つの枠をつくっておいて、その三年の間に言うならばほかのキャピタルゲインの問題その他を含めて徹底的に一遍勉強して、三年後には
国民の御
理解の得られる全体像の姿の中でスタートしたらどうかというようなこともいろいろ語り合われた経過がございます。また、それらのことが
与野党協議でも主張されまして、
与党の代表の方からも、そういう議論を踏まえて
一定の時間、
一定期間の再検討期を置いて次を
考えるということにしたらどうかということも二、三回そういう御発言もあった経過が実はあるわけでありますが、私はそれらの中で思うのですが、基本的には私
どもはけしからぬというふうに思っているわけなんです。
例えばこういう発想もその勉強の中にございました。今一人九百万、四人家族で三千六百万、財形を足せば四千万以上という枠があります。このこと自体が異常なんじゃないだろうか。例えば、日本
国民が、標準家庭の人が五千万、六千万貯金する能力を持っているならその中で四千万くらいはこれにしようという現実がどこにもなかったわけですから、現実に貯金をする能力よりも枠の方がはるかに多い。普通のサラリーマンで四千万の貯金がありますかと言ったらとんでもないというのが大部分でありまして、いろいろな組合の集会なんかに行って、あなたのところ月給一年分の貯金を持っている人どれくらいいるかと聞くわけですが、とて
もとて
もと言う。
年収一年分ぐらいの貯金は持ちたいな、そうすれば気持ちも非常に落ちつく、家族も安心するというのだけれ
ども、貯蓄動向調査の中での最多地域は二百七十万でしたか、二百万円ですね。大体二百万、三百万というのが平均的な
状況ということになるわけであります。
そう
考えますと、三百兆近くのものがあるのも異常だし、それから勤労者の
生活にとって四千万円の枠があるというのもある意味では異常じゃないか。実態論で行こう。本当に守るべき
マル優は、
国民生活を見たらどうなのか。そういたしますと、家族一人百万がいいのか、あるいは一世帯三百万がいいのか、何がいいのか。デザインのしようはあります。デザインの仕方はあるけれ
ども、これが実態に即したいわゆる
マル優制度というものじゃないだろうか。
それから目的にしても、時代が違いますから前とは違うと思います。昔は
生活保護がなんかいろいろな貯蓄奨励がかかったと思いますけれ
ども、これからの時代ですから、もっとお買い物ができるようにとか内需に資するとか、あるいは新前川レポートに書いてあるこれからの
社会目標、豊かな
生活の質とか、いろいろな意味での効果と目標設定というのはあるんだろうと思うのです。ですから、何か三百兆近いトータルの額、それは計算して利息がこうですからこれだけの課税対象があるんだという発想にそちらはなるわけでありますけれ
ども、現実、実態論として
考えてみたら、
国民の望むあるいは望ましい現実とは何かというものからする
考え方もあるのではないだろうか。私は、これは大変に一理あると言ってはなんですが、それ以上に多くの
国民の皆さんには御
理解いただける。おそらくそれが百兆になれば百八十兆ぐらいのものは新たな課税対象になるということもあるかもしれません。ですから、そういうことも検討すべき課題ではないだろうか。
確かにそこで
限度管理の問題が起きます。だけれ
ども、例えばフランスのA通帳とかアメリカのシステムとか、諸外国の例を見るといろいろなものがありますね。例えば一人百万とか非常に単純な形で処理できる。本当に機械的に単純な処理ができる。いわゆるカード制その他難しい難しい、我々はやるべきだと言ってまいりましたけれ
ども、
非課税貯蓄利用者カードというものを主張して、
与党の方は難しいというような
お話だったのですが、そんな難しい話ではない、極めて単純な方法論も発見できるのではないかと思いますが、そういうアイデアといいますか、そういうお
考えを評価なさいますか。どうお
考えですか。