○中沢
委員 現状においては、所管の責任者としてはそういう御答弁だと思うのでありますけれども、産炭地に
関係する者といたしましては大変な
期待を持っている、このことをしっかり受けとめていただいて、これからもぜひ
全力を挙げて頑張っていただきたいと思います。
さて、今度は問題を北炭の真谷地
炭鉱の
閉山が必至であるということを前提にして、
通産大臣や
労働大臣あるいは担当の
政府委員の方から答弁をいただきたいと思うのであります。
当
委員会としては、
竹内委員長を団長といたしました北海道
調査団を六月に派遣いたしまして、私ももちろん行ってまいりましたが、あのとき夕張にも入りまして、真谷地の会社の幹部あるいは組合の皆さん、市長以下
関係者から、
閉山に恐れおののいている
状況を踏まえてつぶさに率直な意見を聞いて帰ってまいりました。実は残念ながら、今月の五日に会社側から組合側に、九月九日に特別労使協議会を開いて事実上の真谷地の
閉山提案をしたい、こういう文書による
連絡がございまして、九月九日ということになってまいりますと明後日であります。私どもは、もちろん第八次の
石炭政策は
基本的に
縮小撤退であるということで反対をする、それに関連いたしまして
閉山という事態については容認はできない、そういう立場は不変であります。しかし、また現実問題として、九月九日に
閉山提案がされるという現実については軽視するわけにいかぬ、無視するわけにいかぬ、このように受けとめざるを得ないわけであります。
実は社会党として五日に対馬参議院議員を団長にいたしまして、中西先輩にも御同行いただいて急遽
現地に行ってまいりました。会社グループ、労働組合グループあるいは市民グループの三グループに分けまして率直な意見を聞きました。普通の陳情、要請と違いまして、延べにして三百人ぐらいの
関係者に私ども会っていただいて、つぶさにいろいろな実情の
説明があったわけであります。
実は、私はこの五日に行った際に、団長の対馬さんと一緒にあえて真谷地の墓地にお参りに行きました。
通産大臣も御承知のように、残念ながら退職者会の加藤事務局長が
閉山に関連する労務債の問題をめぐって自殺されるという非常に痛ましい事態が発生いたしました。先月の二十一日、私のところにもお見えになりました。突然自殺をされた。私も正直に言ってびっくりいたしました。具体的にはまだ
閉山提案がされていないそれ以前に、退職者会の責任者の一人としてこの問題に相当思い悩んでみずからの命を絶った。それだけに本当に悲惨な事態だと私は思うのです。墓前に立ちまして万感胸に迫ったわけでありますけれども、前後いたしまして
大臣には二十七日でしたか、緊急申し入れに行きまして、加藤さんが自殺をされた。確かに労務債問題でいいますと労使問題だ、これは当たり前の話だと思うのです。労務債を返済するのは会社の責任だ、したがって労使問題だ、これは当たり前の話でありますけれども、しばしば私も
大臣と会って、この
委員会でも何回か
質問をしてお答えをいただいた。私が言うには、労使問題を完全に越えて社会問題であり、しかも人道問題であり、そして政治問題だ。
大臣も恐らくそういう見解を今日でもお持ちだと思うのであります。あのとき
大臣は加藤さんの自殺につきまして、大変悲惨なことである、人間が自分で自分の命をはっきり言いまして自殺に追い込むということは並み大抵な話ではない、こういう悲惨なことは二度と繰り返してはならない、
通産大臣としてとにかく労務債の問題処理について
全力を挙げる。これは私だけじゃなくてエネ庁の長官や石炭部長も含めて同席されておりましたけれども、官僚の責任者にこの問題の解決について
全力を挙げるようにという指示も改めてされた、こういう話がございました。
そこで
大臣、ああいう緊急申し入れの際はごく少人数でありまして、
関係者にしか事実問題は余りよく知られておりません。あえて私がこの
委員会でそういう話をするのは、この
委員会におきまして
通産大臣として私どもにお話をされました。つまり、真谷地の
閉山に関連をして労務債の処理について言うと、
大臣として最大限の
努力をする、参議院の場合は、超法規的に、こういう話もないわけではございません。そういう
大臣としての政治決断、政治力に私は一二〇%
期待をいたしまして、
大臣のこの問題についての
基本的な所見を改めてお尋ねをしたいと思います。