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深沢政府委員 お答えいたします。
外為法の
改正、人員増等を行うことで
先生御
指摘のように本当に再発防止ができるか、こういう御
趣旨かと思いますけれども、今回の事件、これは当時虚偽の申請がございました。そして、それを
通産省といたしまして見抜けずに、結果として不正
輸出ということにつながっていってしまったということでございますが、これはまさに極めて遺憾に考えているところでございます。したがいまして、こういう同様な不正行為ということが行われることのないような再発防止対策ということについて拡充強化、これはまさに万全を期してまいらなければならないという姿勢ではございます。
それで、そのありようにつきまして、今回の事件の教訓というようなことから見てまいりますと、要するに企業が本来
輸出申請、
輸出の
承認を要するものにつきまして、
承認があたかも不要であるような虚偽の申請を行ったものでございますけれども、
通産省といたしましても、膨大な申請を、正直申し上げまして少数の者でやってこざるを得なかった。ややもいたしますと、
先生も既に御
指摘のところでございますが、処理が画一的に流れていってしまったというような嫌いもないことはなかった。これが本件、結果として不正
輸出を許してしまった
一つの要因かな。こういった今回の事件の教訓なんかも踏まえまして、まずとりあえずのところ、この戦略物資の
輸出の審査のありようということにつきまして、審査官を新設いたしまして、それから審査、検査の人員を五割増、例えば七月九日ぐらいまでの段階におきましては、
貿易局を含み、機械情報産業局を含み、各局を含め、通産局等含めまして四十二名の体制でございましたけれども、十日を期しまして何とか
やりくり尊いたしまして、六十一二名ぐらいの体制にしたところでございます。これが
一つやったことでございます。
それからもう
一つは、やはりセンシティブないろいろな
品目等々がございます。その辺のところの重点審査を行うために省内で審査会を設置しているような
状態でございますし、また、違反防止というような
観点から
調査の体制を強化しているわけでございますし、また、省内だけではなくて、これはやはり波打ち際でのいろいろなやっていることとの
関係もいろいろやらなければならないということで、
輸出管理当局、なかんずく
大蔵省さんの方と連携を緊密化しているというようなところを、とりあえずの
対応策としてやったところでございます。
〔
委員長退席、
奥田(幹)
委員長代理着席〕
先般来、
大臣からも御
指摘いただいているところでございますけれども、今後とも人員の大幅な拡充、増強というようなことにつきまして、
政府内でいろいろお願いしていかなきゃいかぬかなというふうに思っているわけでございます。
こういうふうな審査等々につきます体制の強化というのが
一つでございますし、それからもう
一つは、やはり
先生の御
指摘もございますような
法律の
改正、
外為法の
改正ということがあるわけでございますが、これは今何を中心に検討しているかと申し上げますと、罰則等そういった制裁の強化ということを中心に検討しているわけでございます。これが言うなれば違反行為に対します抑止効果が高まるもの、あくまでもこれは不正
輸出に対する抑止効果が高まるものというふうにそれを考えておるわけでございます。現行法でもずっと
規制してきたわけではございますけれども、今回の事件の反省にかんがみて、管理体制の強化ということに加えてこういった
外為法の
改正を行うようにしているわけでございます。
ただ、本当にそれだけでもってできるかというところにも問題があるわけでございますが、これは
先生既に御案内のところかもしれませんが、要するに
政府の力だけでできるということでは必ずしもないと思います。それで問題は、やはり産業界サイドでも再発防止ということできちっと襟を正した
やり方を認識をしていただくということが非常に重要かと思っております。これが問題になって、閣議の場で総理から、再発防止のための
対応策をきちっとやるようにという指示が出て、それを踏まえた
格好で七月の二日及び七日には
関係業界団体百四十数団体の責任者においでいただきまして、それで法令の遵守方、もちろん各団体におきまして今後基本方針を立てて、その中では傘下の企業がこういうものに対して社内でいろいろチェックするようなシステムをつくること等を含めた基本方針を各団体につくっていただくというようなことも含め、
大臣じきじきに業界団体にもいろいろお願いしたような次第でございます。いろいろな機会をとらえて、
政府がやっていくということの
措置だけではなくて、産業界サイドにもその辺の認識を高めていただくべくいろいろ努力いたしてまいりたいと思います。
こういうようないろいろの角度から、再発防止ということについての万全の努力をいろいろしてまいるつもりでございます。