○沼川
委員 私もいろいろとこういった精神障害関係の相談を受けるわけですけれども、そのたびに感じますのが、
病院はもう
退院してよろしい、じゃあ自宅でさっとその方を引き受けられるかというと、最近のケースとして、御両親が非常に高齢化されている、足が悪い、体のぐあいも悪い、息子を引き取りたいんだけれども、家庭の事情でどうにもならない、そういうケースの話を非常に多く聞くわけでございます。
ですから、言ってみれば、そういう
病院と家庭の中間、こういう
施設づくり、やはりこれは受け皿としてぜひとも力を入れていただきたいと思いますし、こういう問題が
整備されない限り、長期
入院あるいは
病院収容中心主義の
体制というのは何年たっても変わらないじゃないか、そういう気が私はいたします。これはお答えは結構でございますので、ぜひひとつそういう方面に力を入れていただきたいと思います。
時間が余りありませんので、ちょっと先に進みたいと思います。これは本
会議でも問題になった件でございますが、国公立
病院のあり方について再度お尋ねをしておきたいと思います。
精神
病院を
開設者別に見ますと、総数千六百十
施設の約八割、千三百十三
施設が私立
病院でございます。そのためか世論の一部に、国公立
病院は本来の
設置目的に立ち返って、今よりさらに
精神医療を担当し地域
医療に貢献すべきである、こういう批判があるわけでございます。すなわち、人的にも
施設面においても
整備が不十分な私的
病院にいわば重度の
措置入院患者が比較的に多いという傾向もございますし、そういうところから宇都宮
病院事件みたいな問題も起こるのではないか。言ってみれば、本来そういう
措置入院に値するような
患者は、国とか公的
医療機関がきちっと対応しなければならないのに、実際にはそういう
患者は全部私立
病院に送り込んでしまう。あの宇都宮
事件のときのあの
内容は、これは確かに大きな問題でございます。しかし、いろいろ聞いていて私も一つ感じたのは、何でもかんでも宇都宮、とにかくあの
病院に
患者が集中して来た。いわば県境を越えて、都合の悪い病人はみんな送り込まれてきた。そして
事件が起こるとたたかれる、そういう不満をちょっと漏らしておられましたけれども、あの
事件は
社会的に本当にけしからぬ問題でございますけれども、その辺考えますと、もっとこの
精神医療という問題に対して力を入れなければならない国が余り力が入ってない、全部私立
病院にしりぬぐいさせている、そういう
体制では、これは本当に
精神医療というのは進まないんじゃないかという感じがいたします。
病院は私立が非常に多い、そこにゆだねている問題が多過ぎる、こういう点について、国公立の
病院の今後のあり方、どのようにお考えになっていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。