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田中(美)
委員 本当に時短をしようという気持ちがあるなら、三百人以上の四十六時間を実際にやっているところには四十時間を当てはめる、四十六時間よりはるかに上がっている建設業とか運輸業、三百人以上でも、こういうところこそまずこれを時間
短縮していかなければならないのに、こういうところを、むしろ多いところを削除していくというような、これはレクの中でもはっきりと
労働省言っているわけですからね。こういうことでは、やはり四十時間制を掲げながら、実際には困っているところは削除する、長くなっているところは削除していく、ここに
労働省が本気で時短に取り組んでいないという姿勢があらわれていると思います。もうこの問題は時間がありませんので、これだけにとどめておきます。
今ここに、これは西ドイツのポスターです。
委員の方にも皆さんにもちょっとお見せします。こういうふうになっています。西ドイツのポスターですね。これを見ますと、まさに
労働者の、人類の闘いといってもいいか、ずっと昔から
労働者が闘って六十時間制をかち取った、そして四十八時間制をかち取った。よく見てくださいよ、
労働省の方。そして四十時間制も完成した。現在は三十五時間、これがもう焦眉のところに来ている。ほとんどここまで来ている。今の子供の絵がありますでしょう。よく見てください。ここに子供がいますでしょう。この子供が大人になるときは、二十一世紀の初めには三十時間になる、ここまで来ているのです。世界の趨勢はここまで来ているんですね。こういう中で日本がまだ四十六時間、これがもうほとんどでしょう。今度の
改正で時短、時短、時短、労基
法改正と言わないでも、PRするときには時短法なんということを自民党の議員は言っているじゃないですか。何が時短法ですか。四十六時間、これは圧倒的な九四・七%が四十六時間です。そういう点では、四十時間になっていないということは、世界の趨勢から見ても全く恥ずかしい状態になっているということを言いまして、いかにこれがまやかしであるかということを言うことができると思います。
さて、次の
質問にいきますが、マスコミ
関係の労組の皆さんが労基法反対海外
意見広告実行
委員会というのをつくりまして、ニューヨーク・タイムズに、八月二十日、新聞の
意見広告を出しました。これがニューヨーク・タイムズの半面ですね。新聞の半面を使ってこういうものを出されているわけです。まだ十日ぐらいしかたっていないのですよ。この反響はすごいのですね。これはどういうことを書いているかといいますと、「ごまかしの
改正法案が今、国会に」「我々日本人は生まれながらの働き中毒ではありません」ということがここに書いてあるのですね。これに対する反響ですね。これはほんのきのう、きょうの反響なんです。まず、これが出ましたら、全米のネットワークのCNNというテレビが日本の二人のマスコミの婦人にインタビューしたものを放映しています。それからアメリカのウォールストリート・ジャーナルという全国紙が、
自分の新聞にもこの
意見広告を載せてくれ——載せれば売れるということですね。これだけアメリカ人の関心が強いということです。アメリカだけではありません。ヨーロッパのオランダの新聞社からも、この広告を載せてくれ、「まやかしの労基法が今、国会で」というのを載せてくれ。それからイタリアのザ・スタンプという新聞の新聞記者、それからフランス、西独の新聞記者、こういうところから問い合わせが来ています。これは
労働省にも取材でどんどん来ているようですので、
労働省は御存じですから、それをどう思いますかということを聞いたって始まらないと思います。
それで、まだこういうことがあります。これはもう本当につい最近です。アメリカのカリフォルニア大学のフリードランド教授という社会学者ですけれ
ども、この方がニューヨーク・タイムズのこれに対して賛意を表明している手紙が来ているのですね。その中にこういうことが書いてあるのです。極めてスキャンダラスな内容だ、私が一番驚いたのは、日本の法
制度がいまだに四十八時間制が残されていることだ、三十六時間制を掲げるべきだ、こういう手紙をよこしているわけです。それだけではありません。カナダのブリティッシュコロンビア大学の法学部のザルツバーグという助教授が、これには非常に関心がある、だから資料をぜひ送ってほしい、日本の弁護士や法学者を
紹介してほしいという反響が来ています。こういう問題になっていますので、今後イギリスのガーディアン紙には、もう二、三日うちには、またこの
意見広告が載ります。次々また載れば、世界でこれは大問題になっていくわけです。
こういう世界でも驚かれるような労基法の大改悪が、わずか十時間の審議できょうここで採決されていく。これでは国際的に日本がどのような大きな批判を受けるか、まさに恥ずかしいというような状態が起きてから
大臣はどうするのかということを聞いても始まりませんので、時間がありませんので、次の
質問に移ります。
日経連の増田雅一さんという法制部長ですか、この方が
労働法学
研究会報というところに「暇なときの無駄な拘束時間を繁忙期に廻すことによって時間
外労働時間を減らすという点で
変形労働時間制やフレックスタイム制は非常に合理的な
制度である」ということを言っていられます。この八月二十五日の
児玉議員の
質問に対しても、
労働省は、このように暇なときの時間を繁忙のときに回すということはいいことなんだという答弁をしていられます。
それで
質問したいわけですが、例えば三カ月の
変形労働時間制が導入された場合、この場合には、四月、五月、六月でちょっとやってみますよ。よく時間を聞いていてください。四月には九時から二時三十分まで働く、五月は九時から五時三十分まで働く、六月は九時から八時三十分まで働く。こうしますと、四月の二時三十分から五時三十分まで働くはずの三時間と六月の五時三十分から八時三十分まで働いた三時間、同じ三時間ですね。この中身は大きく違うと思いますけれ
ども、
労働大臣どうお考えになりますか。——
大臣に聞いています。