○沢藤
委員 それぞれ御答弁をいただいたわけでありますが、非常の事態でございますので、最善の
努力をお願いしたいと思います。
特にこれは御答弁要りませんが、先ほど申し上げた農業県であるということから、
被災地の農民は、今はやりの言葉で言えば非常に落ち込んでいるわけであります。減反面積が、
岩手の場合は約四分の一、二五%という大きな減反面積の割り当てが来ている、生産者米価が引き下げられた、転作助成金が二分の一ないしは三分の一に削られている、そういった先行き不安から、耕作放棄しようかなんという非常にデスペレートな発言も出ているという状況もあります。そこに
水害でございますから、農民は
希望を非常に失いかけているというのが実情だろうと思います。したがいまして、第一線の指導陣を十分激励をいただきまして、事後の
対策、特に
被災地、冠水した田畑の管理、復旧あるいは事後の転作等につきまして十分な御指導、御
配慮をお願いしたいということを、特に農水省にはお願いをしておきたいと思うわけであります。
次に、
岩手県の
一関遊水地について、私もこの問題について触れたいと思います。
一関の特徴というのは、
岩手県の総面積の半分以上の
地域から集まった川の水、それが一カ所に集中するという非常に特殊など申しますか、
災害発生の
可能性の非常に高い
地域であります。北は
岩手山の付近から東は釜石の近くまで、広い
地域から水を集めた各河川が
北上川一本に集中する。そしてそれが県南、宮城県との県境に近い
部分で、狐禅寺という非常に狭窄地に差しかかって、結局はそこでせきとめられる格好になりますから、
洪水になりますと
一関地域は
災害の常
襲地帯である。先ほ
ども出ましたように、アイオン、カスリンの
災害というのは本当に目を覆うばかりの惨状でございました。そういった土地に
遊水地計画ができた、これは全く適切な
計画だと思うのであります。
ただ、これが非常に長くかかっている。もう既に
事業開始してから十数年経過しておるのです。あそこの構造は、周囲堤と小堤、周囲の人家を
水害から守る周囲堤と、それから河川の水を守るというのですか、押さえる小堤と二重の
堤防、二線堤方式になっているわけでありますが、何といっても、人家に影響のあるのはこの周囲堤であります。この周囲堤が
完成してませんと、二年に一度、三年に一度という頻度で
洪水を迎える
一関の
市民は、その都度床上、床下浸水に悩まされるということになるわけであります。
先ほ
ども触れられましたように、百五十メートルほどのところの周囲堤、暫定の
堤防が
完成してないために、どうしてもその背後にある人家、住居地帯に浸水が起こる、こういうことが繰り返されるわけであります。十六から十九までの
水害の後、三日ほどたちました二十二日の深夜から二十三日未明にかけてまた
大雨がありまして、そして
遊水地の周囲堤の百五十メートルだけ未築堤、築堤になってなかったために
床上浸水などの大きな
被害が出た。これは中里の前堀地区というところであります。つまり、一週間のうちに二度
水害、水の襲来を受けた。
堤防がもう百五十メートル
完成していればということになるわけであります。
水の習性からいって、一〇〇の
堤防を九九
完成したから
完成度は九九だと言うことはできません。残りの一でもって
災害が起こるわけでありますから、九十九里をもって道の半ばとすという言葉がありますけれ
ども、それさえも当てはまらない。とにかく
完成しない限りは
完成しないわけであります。そういった意味で、何としても最低限周囲堤の完工を急いでいただきたいと思うのです。
そんなに大きな
予算じゃないと思うのですけれ
ども、ぜひこのくらいの
予算をつぎ込んで大体このくらいの
期間で
完成させる、小堤はその次といたしましてもまず周囲堤だけは速急に
完成することが必要だ、こう私は思うのですが、この点についての御見解をお願いしたいと思います。