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天野国務大臣 私余り発言したくないのですけれども、今の内閣、そう言っては悪いですけれども、本当の
土地政策をやってませんよ。法律があるんですから、執行するつもりならいつでもできますよ。ただし、全然手が打てなくなった
段階でやるのが強制手段であります。そうですから、
政府がやろうとすればまだ手段があると私は思っておるのです。
閣内で恐らく何十回となく私は発言をしているのでありますが、罰則や今の強行手段で売買停止すればそれは簡単に終わりますが、それ以外のことでは全部だめです。税金なんか何ぼ高くしたって納めないのですから、実態は適当にやりますから、規制区域をつくったなんという程度のものでは一%もおさまりませんよ、こんなことでは。そうですから、私ははっきり、需要供給のバランスをとるようにすれば地価はおさまるという意思表示をして、何回も閣議で発言をしているのですが、ようやく
一つの問題だけが今軌道に乗りつつあるようであります。
それも手ぬるいことに、中曽根内閣の一番の欠点だと私は言っているのですが、自分でやるのでなくて、人の
意見を聞いて仕事をやるなんというようなことは本当の政治家のやる仕事ではありませんよ。おれはこうやるんだ、これでどうなんだというなら話はわかりますが、
委員会に諮問してなんて言って、その答申が来春ごろ出るなんて、きょうあしたどうにかしなければいけないという
段階においてそんな悠長なことで仕事ができますかと、私この間も閣議でやったのです。
それで、じゃどうすればいいんだとこの前言いますから、それは供給しなさい、準備ができないほどの
土地ではないんだから、そういう
意味で
政府の
機関でやり得る
施策をやったらどうだと。まず、国公有地の販売は停止しなきゃだめです。そんなことは初めからわかり切っていることなんですから、それを
国土法の改正では今言った監視制度をつくっただけで、国公有地については全然触れていないと同じでございます。何といったって地価の暴騰につながったのは国公有地の払い下げです。大幅に国鉄の用地を処分するという法律を通したのですから、その
段階においてこの問題に対処する方法を講じなきゃだめじゃないかと主張したのです。
そこで要求しているのは、大体霞が関
ビルが七本分か八本分の事務所ができれば十二分だ、私はそう理解しているのであります。それも、ほかへつくったのではだめなんでありまして、都心の中心につくらなきゃだめだというので、私の
東京再開発をやるという案が出してあるわけであります。
この間もちょっと話をしましたが、大川端の三井不動産が開発しているマンションは一部屋が六千万になるそうです。それが驚くなかれ、何千倍になるかわからないという状態であります。それで、私の知っている者から一部屋取ってもらえないかというものだから、どうなっているか聞いてみてやるからというわけで、江戸、今相談役ですが、当時の会長に今から一カ月ばかり前に連絡をしました。そうしたら、先生いや何とも困ると言うのだ。何が困ったんだと言ったら、何千倍になる可能性がある。売り手として結構じゃないかと私が言ったら、いや私のつくったマンションを売って、それが地価暴騰にあおりをかけるようなことはしたくない。そういう点で、資本主義の権化と言われる三井財閥のそれを扱っている人からの発言として私は驚きましたよ。立派な発言だと思いましたよ。どうしてだめなんだと言ったら、いや小さな不動産屋の者が
大学校の生徒を利用して、少なくて五十人、多ければ五百人も八百人も申し込みをさせているんです、その申し込みの、抽せんでやるからいいようなものだが、抽せんした者が入るんでないというところに問題があるというので、それは賃貸きりないじゃないですかと言ったら、三日目に総会をやって賃貸に変更しましたよ。だから、民間の金もうけをやる会社ですらそうやっているのに
政府は何もやらないじゃないかと言って、私その直後の閣議でこれでも強力に発言したのです。
それですから、利用できるのは国鉄の用地があるいは国鉄の今使っている
土地きりないのですから、そういう
意味で
東京駅周辺と上野駅周辺というものを私話題に出しておるわけであります。両方とも今進みつつあるようであります。
東京駅はつくり方によっては霞が関
ビルが十二本以上あそこに建ちます。これはほとんどの
関係者は了解しているようであります、仄聞でありますが。仄聞でないのは、郵政省はすぐ
協力しますということになりました、郵便局ですね。それから、郵便局から国鉄の本社まで含めて、表通りは鉄鋼
ビルはいいそうです。そうですから、大丸と今の観光
ビルを含めば、今の労働組合の建物のあるところまでやりますと、恐らく三百メーターぐらいあると思います。私十二本以上建つんじゃないかと思っています、線路の上に建てるのでありますから。
そういう格好でいわゆるオフィス
ビルはあり余る。要するに、必要なものでなくても、今ほかに入っているものでも安いから移るという格好にしたいと考えておるのであります。大体三分の一から二分の一でできるんじゃないか。二分の一で仮にできたとすれば、
東京の地価は二分の一に下がること間違いないわけでありますから、そういう観点でこれは急ぎたい。
それからマンションの方も、六千万のマンションが今一億二千万しているそうです、その隣で。そういう状態ですからマンションもつくらざるを得ないという
考え方で、上野の駅から西日暮里の駅まで約三千メーターありますが、あの上に全部ふたをして、その上に四十階建てのマンションを、何十本建つか、建ててやるという
構想を今出しているわけでありますが、これを実行すれば必ず地価は下がります。絶対下がります。殊に上野周辺の、要するに二階建てマンションになりますが、これは通行上非常に便利が悪いところでありますから、上野の山に四万から道路を入れます。上野の広小路から博物館の下を通して、西日暮里の駅まで大規模な道路を入れます。あと西側から、団子坂の方から今の動物園の下を通す道路を入れて、マンションと上野の山の間に完全な道路を一本入れて、どこからでも出入りできるような格好にすればこれは完全に使えますから、そういう格好でやると、あそこは大体三分の一ぐらいで上がるんじゃないかという勘定をしています。これは民間にやってもらいますが、あくまでも利潤追求はしない、とりあえず国策として今の地価暴騰を抑えるためにやる仕事だという前提条件で、その会社は利益一割ぐらいきり出ない格好で、それは空中権の決め方
一つでありますから、そういう格好にしてやったらどうかというような提案をしております。
今、強権発動して日本の
経済が混乱しなければ結構です。地価の凍結をやるということになりますと、やはりちょっと問題が起きるのではないか。限って、
東京なら
東京になりますと何区と何区と何区をやるというような以外に、全国的にやりようありませんから、そういった
意味でその暴騰
地域だけを仮にやるとしても、相当
経済的に大きな問題が出てくるんじゃないかというような感じがしてなりません。まだ私のところには、いわゆる
国土利用
計画法による強制処分をしたいがどうだというような相談、だれからもあずかっておりません。あの法律は先生が御案内のように私がつくった法律でございますから、十二分内容については承知しているつもりでありますが、それをやる前にやはり
政府はやるべき仕事をやってからやるべきだという感じがしております。それでも下がらない、どうにもならないというなら、これはやむを得ないから相談をしなければいけないと思うのですが、やはり一呼吸置いて、その呼吸の中で
政府が対策を講ずるという具体的な仕事をやはりやるべきだ、私はそう考えております。
今、先生立派な御
意見述べられて、先生にばかり述べられて答弁が非常に苦しくなりますよ。そんな難しいこと言ったって答弁ができないです。だから、この問題はこれくらいにしてくださいよ。私もまだ閣僚の現業の一人ですから、何とか始末するように努力をいたします。きょう
国土庁の大臣も来ていないですし重荷ですから、ひとつその点、よろしくお願いいたします。