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岩垂委員 これはいろいろ読み方がありますから、どの部分をどういうふうに強調するかということになると思うのですけれ
ども、やはり沿道の
健康被害というものがもはや放置することができないということを裏づけるようなデータだと私は思います。それは大方の皆さんもそのことをお
考えをいただいていると思うのです。
問題は、私実はこの
委員会で
質問したことがございました。
東京都の
結論が出たじゃないですか、それは
中公審の議論の中で十分反映されるのでしょうねと。ところが、
東京都が三月に発表すると言ったら
環境庁がそれはちょっと待ってくれというやりとりがあった。いやそれはなかったとあなた方は答えたけれ
ども、あった、なかったという議論がありました。それで結果的に五月に発表ということになったわけです。五月に発表ということになったときには既に
専門委員会の議論というのは
結論が出ていて、それにのせることはできなかった。しかし、
あり方委員会の中ではそれは
検討したとは言いながらそれを見事に切り捨てた、こういうことなんですよ。いや、これは事実の
経過なんです。だから、私はやはりその辺のところはしっかり皆さんに受けとめていただきたいと思うのです。本当のことを言ったら、
東京都のあの調査の結果というものをもうちょっと真摯に受けとめて、
中公審の議論、
専門委員会の議論の中にそれをのせていくぐらいの時間的なあれはあったはずですから、それをのせて、その上で、しかしなおかつというならなおかつでしょう。そこのところを時間的な競争で先に駆け抜けちゃって、片方はちょっと黙ってろと言っておいて――言ったか言わないかは別として、その辺のところはそれ以上言いませんけれ
ども、とめておいて、
専門委員会の
答申だけ走った。しかし出ちゃった。いろいろ意見が出た。したがってこの議論というものは
あり方委員会で議論をしましたとは言っているが、実際はどのように生かされたかということについても跡形もない、こういう感じなんですよ。
そこで、私はぜひこの際一つの要望というか意見を申し上げたいと思います。本当はこれは撤回してほしいのです。やり直してほしいのです。しかし、
先ほどのやりとりの
経過を見るとそういうお気持ちはないようです。
まだ時間があればいろいろやりたいのですがもうだんだん時間もなくなってしまいましたから、ある種のまとめみたいな議論に入りたいと思うのですけれ
ども、
中公審の議論から
あり方委員会に至る
経過、この中でもいろんな問題がある。疑わしきは救済するじゃなくて疑わしきは払拭できない、不明朗さがある。その上に地方自治体に対する
諮問の手続や方法などについても問題がある。歴史的な
経過を振り返ってみれば、
NOxの
指定ということは待ったなしの
課題として
環境庁が背負っていたはずだ。
改善の
措置が全く見られない、にもかかわらずその辺のところは時間がいたずらに推移してきている。それなりの努力はなさったこともわかりますが、その努力の効果は決して十分な成果を上げ得ていないというふうに思うのです。
私は実は反対ですから何とかしてこの
法律を食いとめたいと思う。思うけれ
ども、頑張ってみても
国会は数の力だという面もある。非常に悔しい思いをしている。しかし、せめて皆さん方に良心があるとすれば、これを打ち切ってしまった、後
患者が出る、それを切り捨てるわけにはいかないという良心があるとすれば、そして同時に民事訴訟の上での損害賠償という建前、あるいはPPPの原則というようなことを
考えてみると最低限なさなければならないことがあるはずだ。それは何か。それは言うまでもないけれ
ども、沿道の健康調査に直ちに着手することです。因果
関係をはっきりさせるべきです。そのことは
環境庁の責任においてやるべきことです。データの蓄積はあります。今、
東京都のことだけではない。そういうものをやってみた上で一体どうするのかという道筋がないと、断ち切ったままで後は野となれ山となれといったことでは、公健法の
制度自身、加害者と
被害者の和解的
条件を
環境庁が取り持ってきたこの歴史的な役割と責任を踏襲することはできないと私は思う。確かにSOxは
改善されたということは私も認める。
被害者がどんどん出ているということは、皆さん方のやりとりの中で多少の意見の食い違いがある、しかしそれがすぐれて複合
汚染であり、すぐれて
NOxにかかわる、あるいはNO2にかかわる
健康被害という事実は否定できないと思う。だから私はこれはぜひ一つ一つ御確認をお願いしたいと思うのです。
長官、大都市における気管支
ぜんそく等に関する調査を直ちに始める。特にその
目的というのは、大都市や幹線道路の沿道において
大気汚染によるところの
健康影響というものが心配されているわけですから、こういう
地域の慢性閉塞性肺疾患の
患者の臨床的データを収集するだけではなくて、保健指導、これが問題なんです。つまり地方の
行政と
公害対策というものがばらばらになっているところに大きな問題があるのです。片方で保健所は
行政改革で整理統合だというような議論が出てきている。それらを結びつけたシステムをこの際確立すべきだ。それで沿道に起こるところの
健康被害の
原因を究明して、
患者の救済あるいは健康回復、こういうものを促進するという意思はないかどうか。
長官、私は率直にこのことを訴えたい。これは私は
患者の立場に立っても訴えたいし、
患者の皆さんが体の不自由なのを押しても雨や雪の降る中で
環境庁の前で座り込んでいる姿を私は涙なくして見ることはできない。
考えてみれば、自分たちは守られるんです。自分たちは守られることを承知の助で、しかし、やがて起きてくるであろう
患者たちのために、子供や孫たちのために何とかしなげればいけないという気持ちで精いっぱい頑張っていらっしゃる
患者の皆さんあるいは
患者の会の皆さんたちの気持ちも何らかの形で生かさないことには、この問題に対する解決というのは出ない。それですべてがいいというわけではない。私は
法律それ自体に反対だ。しかし、最低限このくらいのことはなさったらどうですか。このことについて
環境庁長官の良心に基づいた御
答弁をいただきたいと私は思います。