○武部
委員 今
局長から非常にめり張りのある
答弁をいただきました。
大臣、旧島民の三分の一は八十歳を超えているわけであります。ですからこの
墓参については、一日も早く実現をしていただきますようにその
努力を
政府に強く
お願いしたい、かように思います。
時間の制約もありますから、また大事なこともありますので、先に進めさせていただきたいと思います。
先ほど
北村君からいわゆる
北方基金の問題について
質問がございました。このことについて私見を申し上げますと、
現地の率直な素朴な気持ちは、第一に、五年以内を目途として百億を積む、これはいわゆる公約のように受けとめているわけであります。それが先ほど
大臣のお話ありましたように、最近の
マイナスシーリングというような制約のもとで
達成できなかった。しかし各位の
努力によりまして五年間延長されたということは非常によかったと思っておるわけでありますけれども、やはり
返還運動の拠点であり原点である
現地の
皆さんが、よし、とにかく百年かかっても二百年かかってもこの運動は絶やさずやるんだぞという気概と決意を持ち続けなければこの運動は進まないと私は思うのです。かような意味で、そのような五年間で百億ということを公約と受けとめている、これは率直な住民感情であります。このことをひとつ
大臣よく御
理解をいただきたい、このように思います。
それからもう
一つ、この
基金に何とか頼ろうとする背景も先ほど来お話ししたとおりでありまして、北洋等の影響を受けて経済的に大きな打撃を受けている
現地でありまして、
地域の振興策を何とか立てなければということで、市町村長を初め、各界が四苦八苦しているわけであります。ですから、これは
総務庁あるいは開発庁も御案内のとおり、この
基金を国や道の
事業に使えないのか。法律で示すとおりそれはできないわけでありますが、私はここで
大臣に
お願いしたいのは、やはり
現地が非常に疲弊しているという現状、これでは今後の
返還運動に大きな力にならないのではないか、したがって、
現地の
地域振興に
政府として思い切った手だてをしてもらいたい。
もちろん、この百億を積むということを、先ほどの
北村君とのやりとりの中では九億、
総務庁よく頑張った、こうおっしゃっておりますけれども、頑張らなかったとは言わないですけれども、我々も頑張って去年九億になったわけですね。ことし九億ですよ。この
概算要求を見ますと、国債費が非常に大きいとはいいながら、六十兆円を超える規模になっている。それなのに、なぜにこの国の基本的な
北方領土返還運動にかかわる
基金がことしは九億しか
要求できないのだ。
現地の素朴な住民はそれはわかりません、いろいろな制約があることはわかりません。したがって、このことをよく御
理解いただいて、
地域の振興に特に大きな手だてをいただきたい。
特に、地方財政が逼迫しておりまして、あれもやりたい、これもやりたい、経済の活性化のためにあの手この手と考えているわけでありますけれども、結局は財政事情が大きな制約になっている。きょうは開発庁にも来ていただいておりますからいろいろと御
質問申し上げたいこともあったのですが、時間がありませんから省略いたしますけれども、このことをいま一度
大臣にひとつ御銘記をいただいて御
努力を願いたい、このように思います。これは
答弁は要りません。
次に、私は提言を含めて考えを申し上げたい、こう思います。
その
一つは、先ほどもお話ししましたように、
北方領土返還運動、甚だ御
努力いただいている
皆さん方に、言葉は悪いのでありますけれども、どうもマンネリ化してきているのじゃないか、形式化してきているのじゃないか。その背景は老齢化の問題もある。それから、
現地の経済状態が非常に疲弊をしている。それからもう
一つは、先ほど来お話ししておりますように、これは国家の問題、
日本の問題ですから、もっと
政府自身が思い切った取り組み方をしてくれていいのではないか。さらにもう
一つは、国際世論にいかに訴えるかということなどが、今後の
領土問題を考えていく上で大事な要素になってくるのじゃないか、このように私は思うわけであります。
そこで、今申し上げましたような三つないし四つのこれからの視点について、私はぜひ
お願いをしたいと思っていることは、いかがなものでしょう、観光客は相当数道東に来ております。納沙布周辺にぜひ大規模な国際キャンプ村などをつくっていただいて、道東に来られる観光客に入ってきてもらう、あるいは若い人
たちに
北方領土返還運動についての
理解を深めるには、やはり百聞は一見にしかず、現場を見てもらうことだ、こう思うわけであります。先般、笹川良一
先生などの肝入りで平和の塔、大変立派なものが建設されました。それだけでも人の流れが変わってきているという話を
現地の人に伺うわけであります。
ぜひこの大規模な青少年キャンプ村あるいはオートキャンプ場あるいはイベント広場とか野外ステージもつくって、人がそこに来て、そして
現地で生の
北方領土の姿を見る、そういう
機会というものを、これは国が中心になって、町村に任せて補助
事業でやるということではなしに、国が中心になってやってみたらどうか、やってみていただきたいということを私は思うのでありますが、ひとつこの点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思う。