○野尻
政府委員 先生からは船員行政に関しまして幾つかの点について御
質問がありましたので、船員
関係については私からまとめて御
答弁させていただきます。
まず第一点は、船員中央労働
委員会から答申されました船員雇用対策の
基本方針について
運輸省はどのように考えておるかという御
質問であったかと思います。本件につきましては、去る五月十五日に船員中央労働
委員会から答申が出されたものでございまして、この答申は外航、内航、漁船各分野にわたりまして広範な今後の船員雇用対策、特に
昭和六十年代中ごろをめどとしました船員雇用対策につきまして
指摘されたもので、貴重な答申であるというふうに私
ども理解しております。今後、船員雇用対策を推進するに当たりましてはこの答申に基づいて実施してまいりたいと考えております。
その次に、船員雇用対策の問題として、具体的に海上職域の確保、さらにまた陸転の問題について御
指摘がありました。海上職域の確保につきましては、従来から離職船員に対しまして
外国船に乗れるような、そういうようなための奨励金、あるいは雇用船員につきましては、これは船員保険特別会計の問題でありますけれ
ども、船員派遣助成金という形で、
外国船に対しまして船員が何とか乗れるような、そういう対策を講じておるわけでありますけれ
ども、今後もこの対策を充実強化してまいりたいというふうに考えております。
なお、先生の御
発言の中で、陸転につきまして数字を把握しているかということでございますが、陸転につきましては、私
どもの方の資料といたしましては、船員の退職後の
状況につきまして、例えば退職後年金に入る人とか自分で就職先を見つける人、あるいはまた
会社のあっせんで就職する人とか私
どもの船員職業安定所であっせんさせていただいている人とか、いろいろな分野にわたっておりまして、その
状況についてなかなか把握できないという
状況でありまして、ここで陸転の数を何ぼというようにお答えできないことについては申しわけないと思いますが、いずれにしましても、私
どもの方の
調査によりますと、私
どもの職業安定所に参っております求職者のうちの半分は、陸転もやむを得ない、こういうような希望を述べております。そのようなことから、大体半数ぐらいの方はやはり陸転もやむを得ないと考えておるのではないかというように推測しているところでございます。
なお、船員法の改正の問題でありますが、船員法の改正につきましては、陸上の労働者につきまして労働時間の短縮等を内容とします労働基準法の改正案が今
国会で
審議されておりますことは先生よく御承知のとおりであります。海上労働につきましては、海上労働の特殊性ということから、労働基準法ではなくて船員法で労働時間等については定めているわけでありますけれ
ども、労働時間の短縮ということはいわば時代の趨勢でもあるわけでありまして、私
ども、船員法の改正につきましては今後さらに検討してまいりたいと考えております。