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山田(隆)
政府委員 おっしゃるように、現在日本の
国内の空港
能力には非常に制約がございます。特にその中でも首都圏並びに関西、近畿圏における空港
能力というのに大きな制約があることは先生おっしゃるとおりでございます。
そこで、その基幹空港についての
能力の拡張策といいますか制約の解消策といったものについて申し上げますと、まず第一に東京国際空港、羽田空港でございますが、東京国際空港の離発着容量は、
年間約十六万回と見込まれておりますが、現在既にその限界に達しておりまして、おっしゃいますように新規
路線とか増便に応じられないような
状況にございます。そこで、
運輸省といたしましては、空港の離発着
能力を
年間十六万回から二十三万回に増便し、あわせて
航空機の騒音対策を図りますために、現在の羽田空港を沖合に
展開いたしまして拡張する計画を持っておりまして、このための工事に五十九年の一月から着手をしておるところでございます。
本事業は
関係者の御協力も得まして着実に進んでおるところでございまして、来年の七月には、第一期計画といたしまして新たに三千メートルの新A滑走路が完成、供用される予定でございまして、これにより離発着
能力というものを
年間二万回程度増加できるというふうに考えております。それから、事業といたしましては、その後第二期工事で西ターミナル地区の
整備、さるに第三期工事といたしまして新B並びに新Cの二本の滑走路と東ターミナルを
整備する計画が残されておりますが、これにつきましてもできるだけ
早期に完成、供用できるよう全力を挙げてまいりたい、かように考えております。
次に、新東京国際空港、成田空港でございますけれ
ども、この空港は現在四千メートル滑走路とこれに附帯する
施設をもって
運用されておりまして、現滑走路の処理可能な発着回数は、ダイヤ調整を余り必要とせず
運用上も適切な
サービスレベルを保てる状態で
年間約九万回ぐらいというふうに見込まれております。さらにピーク時の大幅なダイヤ調整を行ったり、
運用上
利用者にも種々の支障が生じてもやむを得ないというふうに考えますと、処理可能な限界的な回数は
年間十一万回ぐらいと見込んでおります。他方、現在の使用
状況を見ますと、
昭和六十一年度におきましては、発着回数は
年間八万五千回に上っておりまして、滑走路の
能力の限界に近づいておるわけでございます。このため、今後とも増大する
航空需要に対処するために、我が国を代表する国際空港として当初計画に従いまして空港を
早期に完成させる必要があるというふうに考えております。
現在問題といたしましては、空港予定用地内に八戸の農家が残されておりますが、この農家との話し合いを行いながら、同時に既に取得しております公団用地内での建設工事というものを進めまして、昨年の十一月の閣議決定されました空港
整備五カ年計画にありますように、
昭和六十五年度までに空港の概成を図りたいというふうに考えておりまして、昨年秋以来、将来のエプロン地区での用地造成等可能な工事を鋭意
実施しているところでございます。
次に、大阪国際空港、伊丹空港でございますけれ
ども、これにつきましては、その発着枠につきまして、環境対策上の配慮から、
昭和五十二年十月以降一日当たり三百七十回という発着枠の制限を行っております。その内訳は、ジェット機が二百回、それから残りがYS機ということになるわけでございますが、このような制限を設けておりますために、地方空港からのジェット機の乗り入れの要望あるいは諸外国からの新規乗り入れ要望等に十分こたえることができない
状況にあります。
このような
状況を打開するために、関西国際空港を
昭和六十八年三月開港を目途にことしの一月から着工したところでございまして、現在鋭意人工島であるとか連絡橋の建設工事の進捗を図っておるところでございます。関西空港は一期計画、これは滑走路一本を
整備するわけでございますが、それが完成いたしますと十六万回の離発着
能力を有することになりまして、大阪国際空港よりも離発着
能力が
向上いたしますほか、大阪国際空港にありますようなジェット枠の制約が除かれることによりまして、今後増大が予想されます
航空需要に相当程度
対応することができるであろう、かように考えております。