○
山地参考人 まず
JDCの問題でございますが、
JDCという
会社は
昭和四十五年に設立されまして、五十三年までは
赤字が続いていたわけでございますが、五十四年度から単
年度黒字になりまして、六十一年度三月
期決算で
累積損失が解消いたしました。今、自営が二社、それから
運営受託のホテルが十五カ所ございまして、現在
建設中のところが九カ所ぐらいある
会社でございます。
まず、
監査役の
JDCに関する
報告書が出ましたのは、昨年の二月に私
ども経営者として
JDCの行き方に問題があるということで
監査役に特別の
調査をしていただいた
報告でございまして、本来この
監査の
報告というのは、私
ども最高経営者である三人に
提出されたものでございまして、先ほど
先生が公表されたというふうにおっしゃいましたけれ
ども、私
どもとしては内部の資料というふうに考えていたものでございます。ただ、おっしゃるように、今外に出ておりますので、その問題について私
どもも御心配をいただいているということを大変感謝いたしているわけでございます。
ところで、
JDCの問題について
監査役の
報告が出ておりますのは、このまま行けばどうなるという計算が出ていて、これについては私
どもの本社の関連
事業部といたしましてもいろいろと
調査に御協力を申し上げた立場にあるわけでございます。したがって、一定の仮定のもとでそうなるということでございますので、その仮定をどういうふうに直していくのかというのは
JDC自体の問題かと思います。そこで、その
JDCの問題について我々がどういうふうに対応しているかということでございますが、幸いなことに、
JDCがやっております大都市におけるホテル展開というのは一応これでめどがついている、今後は大都市における
開発ということはそうないだろう。それから、リゾートの
開発ということは
航空事業として今後とも大変
関心を持っておりますので、それについては、
日本航空の方としてホテルの
建設については自分たちで努力していく、
日航開発については受託という形でやってもらったらいいんじゃないか。
それから二番目に、
日航開発自体の
体質をもう少し財務的にも強化するということが必要だろう。それから、個々の挙げられておりますニューヨークのホテルとかサンフランシスコのホテルとかシカゴのホテルとか香港のホテルとか、それぞれいろいろ問題点があるのは事実でございますから、それらについてはどういうふうに財務的な強化をしたらいいのかということをただいま検討しているわけでございまして、
JDC自体は
日本航空にとって大変重要な関連
事業でございますので、これが健全に育っていくこと、さらには、私
どもについていささかも疑惑を持たれることのないようにするということに努力いたしている次第でございます。
それから
HSSTにつきましては、これは
運輸省の御
指導で、本来
航空事業が
HSST事業をやることについてはいかがなものであろうかという御見解がありまして、五十二、三年でございますか、私
どもの方で
HSSTを別
会社にするということを機関決定いたしました。しかし、これを処分するといってもなかなか買い手が右から左へあるわけではございませんので、いろいろと各方面に御相談をいたしましたけれ
ども、なかなか買い手がつかない。さればとて、
先生のおっしゃるように、
日本航空が五十何億も投資したものを今後どうするのかということは依然として
経営としては
関心がございます。これは
HSSTというのが、技術的に
航空事業が大変に
関心を持たざるを得ないような技術、今の言葉で申し上げれば先端技術を含んでいるということから、私
どもとしては、技術陣に
HSSTにおける
実用化の過程における技術レベルをぜひ調律してもらいたいという願望もございますので、これを今の
HSST会社におっしゃるような一億数千万円で売却した。価格については、ほかに買い手がなかったということでございます。
それから、問題になっております
HSSTの
山地念書についても、本来かような書類が世間に出るということは
企業として大変好ましくない。これはなぜかといいますと、ほかの
企業から見ると、
日本航空と取引するとそういう書類が外に出るというような評価につながるものでございますから、本来そういった書類が出ることは好ましくないのでございますが、私
どもの内部では、この念書を出すにつきましては、私がもう
社長でございましたので十分検討を重ねまして、
HSSTの
会社の
事業の
発展、これは私
どもが技術料として、些少でございますけれ
ども〇・五%
HSSTから将来受け取るということもございますので、
HSST会社が
発展するということは
日本航空にとってもプラスになるわけでございます。そういう意味で、念書は私
どもにとっても意味があるはずでございますけれ
ども、しかし、債務保証という金銭上の問題にならないということを法律的にも十分確認の上、相手方の金融機関にお渡ししたという実情でございまして、それについては裏に何らおかしな話は一切ございません。
それから
長期予約の話は、ちょうどG5のときでございますので、円安問題が大変重要な地位を占めておりまして、私
どもの
企業といたしましては、アメリカから飛行機を購入するという購入資金が六億から七億
ドルございます。そのほかに費用として四億ぐらいの金が常時動いております。これは支出でございます。収入の方は至って微々たるものでございますので、やがて十億
ドルぐらいの対
ドル赤字が出るわけでございます。特に
航空機の購入というのは恒常的に行われますので、円安ということになりますと
航空機の購入価格が高くなる、したがって、
経営を圧迫するという因果関係にあるわけでございます。
これを何とか安定して、かつ安く手に入れるものがないだろうかということで苦慮していたわけでございますが、たまたま五十九年ぐらいから十年物の先物予約というものが市場に出回りました。これですと、当時二百四十円あるいはその前は二百五十円していたわけでございますが、そういったものが安定的に百八十円から九十円で手に入るということで、対
ドル赤字の十億
ドルの約三分の一について
為替予約をした。
為替予約をしたということは、円高になれば三分の二は円高のメリットを当然受ける、しかし円高になった場合は三分の一については円高を享受できない、逆に円安になった場合は三分の二についてはダメージを受けるけれ
ども、三分の一については幾らかでも
企業に貢献できる、こういう意味でヘッジということをやっているわけでございまして、先ほど局長の答弁にございましたように、結果的には円高になりまして、円高にならなかったときに比べると、
企業としては得べかりし利益はなかったということでございますが、円安になるか円高になるかわからない時点の
判断であったと私は思うわけでございます。
以上でございます。