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国務大臣(
後藤田正晴君) 今も佐々室長から御説明を申し上げましたように、この
閣議決定がこれからの歯どめになるという私どもは
考え方でございます。
それは第一項目は、申し上げるまでもありませんが、改めて従来からの我が国の防衛方針の再確認をこの際はっきりしておこう、今度のこの一%問題で
日本の防衛方針が変わったんじゃないんだということだけを改めて再確認をしておく必要が
国民の
皆様方にわかりやすいであろうとこういうことが第一項目。
それから第二項目の
意味合いは、これは一つは中業ですね。この中業については、各年度の防衛
関係経費については年度ごとに枠内でこれを決定するんだと、これは従来どおりだと思いますが、一番問題は、この中期防衛力整備計画というのは御案内のように五年間で六十年度実質価格で実質十八兆四千億という決定をしておるわけですが、これも率直に言いますと、この五年計画を決める間に防衛当局と財政当局との間には相当厳しい実はやりとりがあったことは事実でございます。そういったようなやりとりの中で出てきておったのが三年後に見直しがあり得べしと。つまりローリング方式ということでございます。しかしこれは、ローリング方式というのは事と次第によるとはみ出てくるおそれのある規定であることも間違いがない。ならばこの際そういうおそれのある規定ははっきりとやめた方がよかろうということでローリングを廃止しておる。これは私は大きな
意味合いであろうとこう
考えるわけでございます。
それから第三項目は、それじゃ六十五年まではそれでいくとして、六十六年以降は一体どうなるんやと、こういう疑問が当然出てきます。そのときに私どもとしては、これはかねてから
総理が申し上げておりますように、まさか
総理それまで内閣をやっていらっしゃるというお
考えもないんだろうと思うわけですね。そういうようなこともあって、次の内閣までのことを我々として拘束するのはいかがなものであろうかという
考え方が一方にあった。しかしながら、さればといって野方図にするわけにもいかぬ、事柄の性質上。ということで、ここでそれ以後もやはり平和国家としての我が国の基本方針、つまり第一項目で述べておりますね、これによって決定を行うとこういうことを決めてあるわけでございます。
それと同時に、
最後のこの締めくくりで、今回の決定はやはり五十一年の
閣議決定の精神は引き続いていくんだと。つまり、あくまでも防衛の整備というものは整々としてやるべきであることは当然でありますけれども、それは抑制的な物の
考え方でやるべきであろうと、こういうことでございますので、これを全部読んでいただければ、我が国の防衛力の整備のあり方はちっとも変わっておらぬよということ、それから年度途中でローリングなんということはやりませんよと、それから六十六年度以降も五十一年の
閣議決定の精神の延長線上でありますよということでございますから、この第二項目にあることはこれは例の五カ年計画でしょう。その五カ年計画で六十六年度以降野方図にやるんじゃないかというところについての歯どめもある。
しかも、何といいますかね、必ずしもそれ以後野方図にやるということは一切我々としては
考えてないんだというようなことを決めて、総額明示という方針はやっぱり、三項目目に総額明示をもう一遍やりますよとは言っておりませんけれども、それは次の内閣を拘束したくないからだと、しかし
考え方は同じですよとこう言っておるわけでございますから、私は明確にこれは総額明示という物の
考え方で、しかもそれは従来の延長線上でやるんだと。ここまで書いてあってなおかつ青天井だという非難はこれはもうまるっきり当たらぬ。私どもはそれくらいのきついつもりで抑制的にしかもやるべきことだけはがっちりとやっていこうと、こういう基本方針を決めてあるというふうに御理解をいただきたいと思います。