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鶴岡洋君
総理大臣にお伺いします。
今お話しあったように、急激に農業問題それから農産物市場開放、この問題が国際的、世界的に大きな課題になってきているわけでございます。先日
総理が訪米されたときも当然アメリカから市場開放の強い要望があったと聞いておりますし、これからの国際会議、十二日からパリで行われるOECDの閣僚会議にも当然出るでしょうし、それからまた
総理が行かれるベネチア・サミット、これにも農業問題は必ず出てくると思いますし、さらにガットの新ラウンド、こういうところで話題になることは当然だと思います。
先日は米国のリン農務
長官、それからヤイター代表が来られまして、その訪日のときにも
加藤農林水産
大臣と会談をして、牛肉、オレンジ等の問題、完全自由化、さらに米の一部開放、こういう要求もあったわけでございます。この点については、
加藤農林
大臣、きょうおられませんけれ
ども、その会談で最後まで突っ張っておりました。最後に二国間で話し合いはどうだということでございましたけれ
ども、それも困難であるということで、いわゆる米国と日本との間では対立状態が鮮明になったような格好になっております。
米については農林
大臣が、米というものは日本のいわゆる主食である基幹作物である、また
国会で完全自給のいわゆる決議もした、それから米は国家貿易品目である、三十三年のときに日本がガットに報告をした、そのことはアメリカも承知しておる、こういうことを言って突っぱねておるわけでございますけれ
ども、その突っぱねるのは私はしてもらいたいと思いますけれ
ども、今いろいろな世界的な情勢から考えて、そのままで突っ張り切れるのかどうなのか、こういうふうにも考えます。
今、広中
委員からお話あったように、
消費者の立場からすれば、安くていいもので、そして量があるもの、こういうことになるわけでございます。これからの多国間の話し合いの中で日本がそれを説明し、実情を納得し切れるかどうか、私は非常に難しい場面に来ているんじゃないか、こういうふうに思います。
〔
委員長退席、理事原文兵衛君着席〕
もちろん、私は一遍に完全な自由化とかそういうことは考えてはおりませんけれ
ども、この残存輸入制限品目の中の関係品目について関係を持つ地域の経済に及ぼす影響も配慮しながら、その地域の振興計画、こういうことも配慮して、自由化による悪影響の解消、当然これを図りつつ、思い切って自由化のための段階的なスケジュールを明示すべきときが私は来たのじゃないか、こういうふうに思うのでございますけれ
ども、
総理の所見をお伺いしたいんです。