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増岡康治君 確かに、
経済緊急対策をやる上には
即効性があるという、これは私は
一つも否定しておるものじゃございません。
各省にも
公共事業でないものですぐやれるものがいっぱい出ております。今回の
緊急対策に入れてくれという
各省からいろんな御
要望がある。こういう問題は
一つも否定いたしませんが、いわゆる
公共事業というのは大体平均すれば二割ちょっとの
用地費なんです。そういうもので、それが非常に過大評価されますと、現場の
人たちも非常にこれは計画的な、どう言いますか、本当に
計画性のある
執行という面からくると狂い出すものですから、ちょっとこういう念のための御
質問をしたわけでございます。
だから、
総合経済対策においても、今回どういう事態が起ころうとも、
公共事業にあってはひとつ
進捗率を高めるというものをまず
最初に掲げた上で、その中において
即効性のあるものをと、こういうような表現で実は
自民党の
経済対策要綱には書いてある。これは非常に正しい方向だと私は思っておりますので、今後とも、今
大臣のおっしゃるような認識のもとにいろんな場合のこれからの対処をお願い申し上げたいと思っております。
私もいろいろ調べさせてもらったんですけれども、私自身が申し上げますと、治水
関係は大体二〇%切れる一八%ぐらいが
用地費なんです。
道路あたりで一般の
道路が一六%
程度のものでございまして、その他一番大きい、都市のど真ん中にあるいわゆる市街地
関係あたりが大体平均すると三〇%ぐらいの
用地費がかかるんです。またそれ以上のものもあるものはありますが、これは非常に特殊な例でございまして、全体をなべて
公共事業を
執行しようという場合にはそう大きな
ウエートではない。それより逆に、そのことによって各
地方が着実に計画的に進むという効果の方が非常に多いという
意味であえて申し上げた次第でございます。
それから
公共事業の六十二年度の
執行をこれから
予算が成立したらやるわけでございますが、おかげでこの五十日間の暫定
予算の中に投資的経費が入ったということは、
地方のサイドから見れば大変これはよくやったなと、こういう評価をいただいておることは確かでございます。これに追いかけて本
予算が上がりますといよいよ実施に入ってくるわけでございますが、既に各
地方公共団体等も、本
予算が上がったら直ちにもう物は出すよということで、所長さんのロッカーの中へ設計書がいっぱい並んでいるという、非常に
自治大臣の御指示がいいとみえまして、皆そういう段取りができているということで非常に私喜んでおるわけでございますが、その中で、
地方公共団体の財政負担の問題についてここで申し上げておきたい問題がございます。
これは既に何度がここで大議論になりました。
昭和六十一年度の
公共事業の補助率、負担率の引き下げが、問題は、三年間同じような比率でいきますよといって、今度六十二年度はまた再引き下げをしました。これには、いわゆる国の財政再建を助けよう、しかもなお
事業費を伸ばそうという二つのぎりぎりの接点が図られて、大蔵財務当局、自治省当局、本当に並み並みならぬ努力によって、国も
地方も五%ぐらいの
事業費を、六十二年度の
予算では姿としてはそうなっている。
しかし、よく考えてみますと、やはり
地方公共団体の負担というものが確実にふえておる。この三年間で三回下げてきた。もう御承知のように、直轄
事業でも大体三分の二のものが今や十分の五・五まで下がっておりますね。四分の三の直轄
事業の負担率のものが今や十分の六。こうなってきますと、また補助率は大体特別のものを除きまして、補助
工事においてはいわゆる十分の五。二五という、ほとんど半々になってきた。このいわゆる補助率カットによって
事業費を伸ばそうという選択はもう限界に来たなと。しかし、この問題は来年、六十三年もこれでやることになっておるので、あえてここで来年どうこうという問題は
一つも私は言いませんが、その結果、どういうことが起こったかといいますと、
昭和六十年度には投資経費だけで申しますと三千二百億、
昭和六十一年度では五千六百億、
昭和六十二年度は八千四百億の影響額が
地方に移動したということでございます。
そういうことで、これは大半は
地方債の発行で賄われるのは当然のことでございますけれども、これは逆に
地方財政から見たらやはり硬直化という現象になります。国よりはまだいいじゃないかとおっしゃるけれども、やはりだんだんと財政窮乏県もいろんな団体ができたりするのはこういうところからくるものでございますので、これからいろんな
緊急対策を打たれる間に、ことしはことしで六十二年度はこのままでいく、
地方はやると言っておりますが、さらにこれが上回って
公共事業の増加ということになると、何か考えてあげないと、また
地方単独の問題が出たりなんかしますとこの話がまた出てきはしまいかという
一つの懸念を私は思っております。
しかし、みんな協力するという建前の中において、国の場合は、NTT株をどうしようかとか日航株をどうしようか、いろんな新聞に今ごろは出ておりまして、国の方は年度途中でもいろんないいものがあるな、
地方には年度当初から何にもないぞ、本当に今度
公共事業で回すぐらいなら
地方にもやはり少しぐらいおすそ分けいただけないものだろうかという非常に素朴な意見が
地方団体の方から私の耳に入るわけです。これは非常に窮乏している
一つの問題として、訴えの
一つとしてでございましょうが、しかし、そういう声があることは確かでございますので、この面に対して
自治大臣の御所見をひとつ伺いたいと思います。