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国務大臣(
中曽根康弘君) これは私に関することですから私からお答えいたしますが、やっぱりあの
発言というものが
アメリカの市民の心を傷つけた、特に
黒人と言われる方々、
ヒスパニックと言われる方々を傷つけたということは事実でありますから、これは率直に謝った方がいいと私はもう率直にそう感じまして、それでやはり、自民党総裁としてやった
演説ではあるけれども、中曽根個人としてこれは甚だ申しわけない、そういう
意味のことを率直にやった方がいいと、そう思って
パーソナルメッセージという形でやったわけです。そうしましたら、
松永大使がその
黒人のコーカスという議員団のところへ行ってそれを持っていったら、ああそうか、よくわかった、そういうことで子としてくださった。やっぱりそれは率直に悪いことは悪いと、こっちが
反省した意思表示をしたのでかえって男らしいじゃないかと、そういうような逆の評価を受けたのではないかと
松永大使も言っておりました。それで、やっぱりああいうときには
アメリカ人に対しては自分の真情というものを隠し立てなく言う方が私はいいと思うんです。
現に、今回参りましても、デモがあるとか何があるとかと言われましたけれども、そういうことは一切ございません。むしろ私はそれから
日本へおいでになる
黒人の方、例えばアトランタのヤング市長であるとか、あるいは
アメリカの
黒人議員連盟の会長であるダイマリー議員であるとか、そのほかジェシー・ジャクソン師であるとか、おいでになれば必ずお会いして、いろいろ
日本とそういう人たちとの接触を密にしましょうという話もしますし、今度もこっちの方から申し込みましてそういう代表の方とお会いしたい、ぜひ集めてくださいと、そう言って私のホテルにリーランドという、ダイマリーさんはテキサスヘ行っていなかったので、リーランドという前の会長さん、あるいは実業界の方々、ジャーナリストのそういう方々七、八人お集まりいただいて懇談をしてきた。
日本の社会もやはりこれを一つの教訓にしまして、私自体も一つの教訓になったと思いますが、教訓にしまして、
黒人の雑誌やあれに広告をどんどん出すとか、あるいは就職の問題その他についても機会平等にやるとか、あるいは現地において接触の機会を増すとか、そういう
努力を実はしておるわけです。また、私も
政府をしてそういう方向に誘導させておるわけです。そういう実績もありまして、
黒人系の雑誌に対する
日本商社等の広告がうんとふえてきている。そういうことを見て向こうも誠意を感じてくれまして、今回のように非常に和気あいあいとして話が持たれたということです。
この機会に一つ申し上げたいのは、
黒人という
言葉を英話でどういう表現をするかという問題ですが、まあブラックとかブラックコーカスとかという
言葉を使っていますが、その
言葉あることはあるんです。しかし、あの人たちが自分でお使いになっている
言葉はアフリカン
アメリカン、アフリカ系
アメリカ人、そういう
言葉を使われているので、私はそういう
言葉を使う方がこれは今後礼儀にかなうなと、そういうことを感じまして、
日本へ帰ったらそのことを
日本の
国民の
皆さんにお知らせしようと、そう思っておったので、いい機会を与えていただいたので、むしろこれからは我々はアフリカ系
アメリカ人、アフリカン
アメリカン、そういう
言葉を使う方がいいのではないかと思いました。