○
政府委員(
野崎幸雄君) 最近、都心におけるビルの需要というものが非常に高まってまいりまして、新しくビルを建てようという企業がふえてまいりました。このことに関連いたしまして、事業の用地を確保しなければならない、そこでその敷地として適格であると思われる土地の購入でございますとか、借地人から借地権や建物の買い取りをいたしますこと、あるいは借家人に立ち退き
要求をするといったことを請け負ういわゆる地上げ業者というものが活躍するようになりまして、その行き過ぎが悪質な地上げ
行為ということで
一つの社会問題になり、ただいま
委員がお取り上げになりましたような
事件については新聞で大きく報道されるというようなことになっておることは私
どもも承知をいたしておるところでありまして、人権局としても非常に関心を持っておるところでございます。
地上げ
行為の内容というものは、適法なものから非常に違法なものまでさまざまあるわけで、一概に申すわけではありませんけれ
ども、宅建業者の監督機関でございます建設省におきましては、その是正についてこれまでもいろいろな行政
措置をとってきておられるようでありますし、今後ともそういった
措置をとられるというおつもりのようでございます。また、
犯罪を構成するものについては警察も、ただいま御答弁がございましたように、いろいろ対応をなさっているところでございます。
私
どもの方としましては人権相談などでこういったものを受け付けることになっておりますが、東京
法務局にはこれまで現実に相談があったケースはないということでございます。ただ、昨年暮れに、ある弁護士さんから、東京都内の土地、これは借地でございますけれ
ども、その借地権を売れということで地上げ業者が非常にしつこくその売り渡しを迫り、だんだん
犯罪的な手法を用いて脅迫するようになってきた、こういうことについてどうすればよいかということの相談がございました。そこで警視庁とも連絡をとりましていろいろ
対策を練りまして、警視庁の方でいろいろな
手当てをしていただいて解決したという事案がございます。
私
どもといたしましては、建設省、警察の対応というものを見守るとともに、事案によっては、人権侵犯として
処理することが適当であると考えられるものについては人権機関として調査立件をしていく。また、その内容によっては民事的な対応をするのが望ましいという場合もあるわけであります。私
どもの方では、今、えせ同和
行為などとも関連いたしまして、日弁連の民暴の
委員会といろいろ
関係があるわけでございますが、事案事案に応じまして弁護士会の方に御相談申し上げ、もし訴訟
費用などについて援助の必要があるものについては、私
どもとしては
法律扶助のあっせんをするといったことで、司法的な解決をするのが望ましい
事件につきましても我々のできる限りの
努力はしていきたい、かように考えておるところであります。