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山田耕三郎君 次に、私はさきにある町の経済調査をいたしました。私が見ましたところ、古い家は新しく建ちかわっております、町はきれいでございまして、そんなに大きな家ではありませんけれ
ども、カラフルな、どちらかといえばしょうしゃという感じを受けました。町の人の
説明によりますと、この町は
農業、沿岸
漁業、さらに観光、この三つから成り立っておりまして、観光は上向きの
事業であります。
漁業は横ばいであります。
農業は畑作主体でありますけれ
ども、若干低下ぎみでございますということではありましたが、総体としては安定をいたしております。こういうことで町並みもきれいになりましたという
説明をいただきました。
しかし、子細に検討をしてみますと、必ずしもそうは言えません。
農業だけについて言えば、その多くが借金農家でございましたし借金の額も比較的多い方でございました。一番多いのは肉牛の肥育
事業をやっておいでになる方であり、次いでは酪農家でありまして、一番少ないのは畑作農家でございました。市況の影響をもろに受けます度合いの大きい畜産業はやっぱり困難だと思いました。さらにまた、最近の
ように乳量制限を受けなければならない酪農家はだんだんと苦しさが増すのではないか。先ほどの御
答弁にありました
ように、最近は円高の影響で輸入飼料の価格が下がってきております。そういったことで畜産業の採算性が若干向上をいたしておりますということでありました。こういったことはまことに喜ぶべきことではありますけれ
ども、しかし、これはそう楽観を許さない他の要因もあります。そして、その借金は借りかえによって
経過をしておられるということから見ますと、安定しておるという中身はこういうことなのではないか、こうも思われました。
翻って、
農業基金協会の
業務状況を見てみました。特徴的なことがあらわれております。すなわち、近代化資金が減る一方で一般資金が増加そしておりますことと、代位弁済は増加の傾向にあり、その要因はやはり一般資金の代位弁済が増加をしておるからであります。さらに求償権残高を見てみましても、前年度比さらに二〇%の増加で、これは基金残高の三三%に
相当いたしますという統計上の数字も出ております。また、保険協会の
事業状況を見てみましても、保険の引き受け残高のうち一般資金が過半数の五四%を占めております。貸し付け事故は、畜産農家のみならず、一般耕種農家にも増加をしておりまして、
農業を取り巻く
状況の厳しさがこの辺にあらわれております。先般、テレビで放映されました「農家が破産するとき」を見ましたが、全く痛ましい限りであります。あれを見て、農協とても結果的には一般の金融機関と何ら変わりはないのではないかと批判をしておいでになります評論家がありましたが、規模拡大を主体とする行政指導に問題はありますと思いますけれ
ども、あの
ように農家が倒産するまでに何とかならなかったのかと思いますと、政治の責任を感じます。
この
ような現実の中で、
一つは、
農業信用
保証保険制度は今後どの
ような役割を果たしていくべきか、二つ目には、畜産農家の一部に見られる
ような農家の負債について、破局を迎えさせない
ようにどの
ような施策を講じておいでになりますのか、以上の二点についてお尋ねをいたします。