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国務大臣(
唐沢俊二郎君) 最初に、
電気通信事業法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び
内容の概要を御説明申し上げます。
この
法律案は、最近における国際電気通信役務の需要の多様化等にかんがみ、本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する特別第二種電気通信
事業の実現とその健全な発達を図る等のため、所要の改正を行おうとするものであります。
次に、この
法律案の概要を御説明申し上げます。
まず第一に、
郵政大臣は、電気通信
事業者が国際電気通信
事業に関する条約その他の国際約束により課された義務を誠実に履行していない等のため、公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができることとしております。
第二に、第一種電気通信
事業者及び特別第二種電気通信
事業者は、他の電気通信
事業者と電気通信設備の接続または共用に関する協定を締結し、または変更しようとするときは、
郵政大臣の認可等を要することとしております。
第三に、第一種電気通信
事業者は、提供条件が契約約款と異なる電気通信役務(約款外役務)を第二種電気通信中業者に提供するため、約款外役務の提供に関する契約を締結し、または変更しようとするときは、
郵政大臣の認可を要することとしております。
第四に、
郵政大臣は、
一定の電気通信
事業者間の電気通信設備の接続もしくは共用または第一種電気通信
事業者の特別第二種電気通信
事業者に対する約款外役務の提供に関し、公共の利益を増進するために特に必要かつ適切と認めるときは、当該接続等に関する協定または契約を締結すべきことを命ずることができることとしております。
以上のほか、所要の規定の
整備を行うこととしております。
なお、この
法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、特別第二種電気通信
事業の変更登録に係る規定の
整備を行う改正規定は、公布の日から施行することとして一おります。
以上が、この
法律案の提案理由及び
内容の概要であります。
次に、
放送法及び
電波法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び
内容の概要を御説明申し上げます。
この
法律案は、国際放送の受信改善を図るため、外国放送
事業者に我が国の国際放送の放送番組を中継してもらう場合に、その外国放送
事業者の放送番組を日本放送協会が中継することができるようにし、また、超短波多重放送を実用化するために、必要な規定の
整備を行おうとするものであります。
次に
法律案の概要を申し上げます。
まず、
放送法の一部改正の
内容でありますが、その第一は中継国際放送についてであります。
日本放送協会は、国際放送の放送番組を外国において送信する外国放送
事業者に係る中継国際放送を行うことができることとするとともに、日本放送協会が外国放送
事業者との間に中継国際放送の放送区域、放送時間等を
内容とする協定の締結等を行うときは、
郵政大臣の認可を受けなければならないこととしております。また、
郵政大臣は、この認可を行うときは、電波監理審議会へ諮問しなければならないこととしております。
第二は、超短波多重放送についてであります。
日本放送協会は、超短波文字多重放送を行うこととするとともに、超短波多重放送を行おうとする者に放送設備を賃貸することができることとしております。また、
郵政大臣は、日本放送協会及び超短波放送を行う一般放送
事業者に対し、その超短波放送の放送設備を超短波多重放送の用に供するための計画の
策定及びその
提出を求めることができることとしております。
その他、所要の規定の
整備を行うこととしております。
次に
電波法の一部改正の
内容について申し上げます。
これは、超短波放送をする無線局の免許が効力を失ったときは、その放送の電波に重畳して超短波多重放送を行う無線局の免許も効力を失うこととするものであります。
なお、この
法律は、
昭和六十二年一月一日から施行することとしております。
以上が、この
法律案を
提出いたしました理由及びその
内容の概要であります。
次に、
電波法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び
内容の概要を御説明申し上げます。
この
法律案は、最近における電波利用の増加等
の
状況にかんがみ、行政事務の簡素合理化等のために特定の無線局の免許を要しないこととする等の措置を定めるとともに、電波の有効な利用の促進を図るための所要の措置を講じ、あわせて違法な無線局の増加に対処する等のため、所要の改正を行おうとするものであります。
次に、この
法律案の概要を御説明申し上げます。
まず第一に、空中線電力が〇・〇一ワット以下である無線局のうち
郵政省令で定めるものについては、技術基準への適合性等を確保した上で免許を要しないこととしております。
第二に、九百三メガヘルツから九百五メガヘルツまでの周波数の電波を使用し、かつ、空中線電力が五ワット以下である無線局であって、技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用するものの免許の有効期間については、現在の五年から十年とすることとしております。
第三に、
郵政大臣は、混信に関する調査など無線局の開設等に必要な事項について照会及び相談に応じる等の業務を適正かつ確実に行うことができると認められる公益法人を電波有効利用促進センターとして指定することができることとしております。
第四に、免許状に記載された空中線電力の範囲を超えて無線局の
運用を行った場合の罰則を
整備することとしております。
第五に、
郵政大臣は、技術基準に適合しない無線設備を使用する無線局が他の無線局に妨害を与えた場合において、その妨害が技術基準に適合しない設計に基づき製造等された無線設備を使用したことにより生じ、かつ、当該設計と同一の設計に基づき製造等された無線設備(基準不適合設備)が広く販売されており、これを放置しては、当該基準不適合設備を使用する無線局が他の無線局の
運用に重大な悪影響を与えると認めるときは、製造業春または販売業者に対し必要な勧告をし、これに従わない者があるときはその旨を公表することができることとしております。
以上のほか、電波有効利用促進センターの指定等について電波監理審議会に諮問すること等所要の規定の
整備を行うこととしております。
なお、この
法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、免許の有効期間の延長に関する改正規定は、公布の日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の提案理由及び
内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますよう
お願い申し上げます。