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志苫裕君 私ども毎年
審議にかかおっておるんですから、何もしてないと言っているんじゃないんですね。さまざまな手を打っておることは
承知をしています。けれども、目標は遠のく。さてそこで、果たして目標が目標を得ているんだろうか、今やっている手法が有効なんだろうか、もっと大きいポリシーの誤りではないのか等々、問題の解明をしないで、政治的に錦の御旗を掲げていくだけでは私は国を誤ると思うんです、率直に。そういう懸念を持つ人がいてこれは当然だと思いますね。
そこで、どうでしょう
大蔵大臣、私はむしろ政治的にいろんな
意味合いは持っていると思いますね、この錦の御旗というのは。実際に
経済的にそれがどのような効力を持っているかということは疑問だと。旗おろしたらわあっと圧力がきて、防ぎようがないという
意味合いしか持ってないんじゃないのかという気がするんですが、どうでしょうね。かたくなにそういう調子で、先ほどちょっと指摘したような問題点の解明も行わずにずるずるといった場合、国際関係を初めとして、
我が国の
財政はもちろんですが、
経済社会にどういう影響が出てくるだろうか。そこから先は面倒なんですが、そのような影響がまた政治にどのようなインセンチブを与えていくんだろうか。やっぱりそこまで考えるべきじゃないですか、ここまできますと。そういう点、
大蔵大臣、またずるずるもいけませんわな。ちょっと私、あなたからそういう点をひとつ予測してほしいんですよ。その予測を明確にすれば、変えるものは変える、なにするものはなにするというふうに
国民的な論議を起こさなければならぬことだと思うのですが、私はこれも一緒に答えてもらいたいんですが、
財政インフレの問題であるとかあるいは
財政機能の喪失であるとか、あるいはそのことが社会的な不公正をどんどん拡大をしていくだろうというふうに指摘をしておきたいわけですね。
そのうち社会的不公正の問題だけにちょっと敷衍しますが、
国債残高がどんどん高まっていく、したがって利払い費が二割出ていますね。そうすると、
予算に占めるウエートがどんどん大きくなっていくでしょう。利払い費というのは、
国債の保有者に対して国が支払う経費で、これは税金ですよね、利払いというのは。そうすると、この
国債を保有しておって利払いを受ける者、企業もしくは個人ですね、そういう者はどちらかというと社会的な強者です、
経済的な強者です、
国債を保有して利払いを受ける者。その
経済的、社会的強者に対して広く
国民から集めた税金がどんどん流れていくという機構を
財政がつくり上げているわけですね。
国民から集めた税金の二割ないし三割を、国が
発行する
国債を保有することのできる社会的な強者に対して際限なく流していくという仕組みを
財政がつくっている。こういう構図がだんだん大きくなっていくでしょう。利払い費がかさむほど
財政を通じて
経済的強者に金が流れていくという形になる。
もう言うまでもなく
財政に課された
役割の一番大きいものは
所得の再配分、こう言われておりますが、
国債利払い費の増高に伴って
所得再配分の方は機能はどんどん失われていきまして、社会的不公正はどんどん拡大をしていく。その利払いの
財源に広く薄く
国民から間接税等でお金を集めて流していくといったら不公正が二倍に拡大するじゃないですか。五十兆円のうち十兆円、二十兆円というふうなものが、ほかに使えばほかに使い道があるのに、それが
国債を買ってくれた社会的強者に、元金は返さないのですから、まさに永久に近く
財政がお金を流す
役割を果たすじゃないですか。現実にそういう形が進行しているじゃないですか。こういうことも含めて、どうでしょう、このままずるずるといったら、国際的にも国内的にも
経済社会等にどんな影響が出てくるんだろうかということは、それは明らかにしておく必要があると思いますよ。いかがですか、
大臣。