○
志苫裕君 これ以上ここではどうしようもないんで、いずれまた、この点については強い関心を持っておりますので、これからも取り上げていきたいと思っているんです。
ただ、私が申し上げておきたいのは、自民党の総合経済対策要綱でも途上国への
資金の
還流促進計画、先ほども
黒字還流論の話がありましたが、私は、
資金還流という発想は多分に
経済協力の理念、あれは
援助理念と深くかかわっておるからこれに強い関心を持つんですが、
経済協力の理念、各国のシフトの仕方を見ていますと、それぞれの国によって国益を中心に考えたり、経済利益の追求を考えたりさまざまなものがありますが、大まかにいくと戦略
援助、人道主義というこの両極において、真ん中に相互依存なり
世界共同体的な発想がシフトされておる。
日本の
援助の場合には、書いたものは別としまして、その軌跡を見るというと、大まかに言うと戦略
援助に近い。別の言葉で言うと、やっぱり経済利益の追求というものが大きな核だったというふうに思います。
借款による例えばインフラの整備にしましても、よくよくたどっていけば、結局
日本の進出企業のインフラ整備というふうにつながっている面もあるわけであって、それが
資金の
還流というところまでいけば、
援助理念のやっぱり
それなりの意思の転換とでもいうか、あるいは確立というかそういう
内容にもかかわっているんだな、またそうしなきゃならぬと思っているんですが、それだけにひとつ
ODAの指標をもう少し正確にして、みんなそこへ向けて頑張るというふうに求めておきます。
この問題の最後になりますが、実は私、参議院の外交・総合安全保障調査会の国際経済・社会小
委員会の小
委員長をしているんですよ。この間初めて一国際経済社会といってもいっぱいありますので、とりあえず
日本の
ODAのあり方について手始めに取り上げて、与党、野党を問わず大体似たような意見になってきましたから、できればその辺の
合意でも形成しようということでやって、この間いろいろな方から意見を聞いておりまして、実はNGO、まあなぜNGOかという議論があるところですが、NGOに属している人たちの話を聞きまして、与党、野党を問わず非常に感銘したんです。我々はいかにNGOについて無関心であったか、逆に言うと、いかに大きな
役割を果たしておるかということですね。相手被
援助国の民衆と溶け込んでなかなか大変なことをやっていると感銘しました。
一種のボランティアですから、人様から金を集めてやっているんですが、そこで
大蔵大臣、これはあなたの方がいいんですが、NGOは
民間から善意の
お金を集めまして
政府ではできない分野で協力
援助の実を上げているので、NGOに対する寄附金の取り扱いに税制上の優遇
措置を講ずれば、もっとNGO
活動が活発になるという確信を持った。諸
外国には
ODAの相当の
部分をNGOを通じてやっておる、ヨーロッパもあるわけですが。そういう
意味でこの点は
大蔵大臣、あなたの即答で決まっちゃうんで、ひとついい返事してく
たさい。