○沓脱タケ子君 それでは限られた時間でございますので、まず最初に
原子爆弾被爆者に対する
特別措置に関する
法律の一部を
改正する
法律案からお伺いをしたいと思います。
最初に、地球上といいますか人類史上初めての
被爆国日本でございまして、
被爆の実相の全容をつかむというのはなかなか困難だと思うのでございます。人体影響はもちろんのこと、
被爆がどのように
我が国に影響を具体的に自然界にも及ぼしているか、これはたゆみなく検討を続けなければならないと思うわけでございます。
時間の都合がありますから端的にお伺いをしていきたいと思いますが、実はあの一九四五年八月六日に
広島に投下された
原爆で巨大な積乱雲が生じまして、各地に多量の死の灰を含んだ黒い雨を降らしたということは周知のことでございます。
ところで、この黒い雨の降雨地域は、従来厚生省が根拠にしているデータよりもずっと広
範囲に及んでいるということが問題になりまして、実は本日二十六日ですが、きょうから開かれます気象学会で発表される予定が出ております。これは気象学者の増田善信さんとおっしゃる元気象研究所室長さんが
原爆投下直後に実施された
調査の原
資料を発掘をして再
調査をしたところ、新たな降雨地域が判明をしたというものであります。もしこれが事実であるとするならば、これは
被爆者に対するもろもろの諸
対策を行う必要があるということになりますので、この点について御
意見を伺いたいと思うのです。
これは増田先生の発表された、発掘された
内容によりますとこういうことになるんですね。一図表を示す)今厚生省が認定をしている黒い雨の地域というのは卵形になっている。増田先生のきょう発表される状況によりますと、うんと広くなって複雑な形を示しているということでございます。
〔
委員長退席、理事
田代由紀男君
着席〕
こういうことになってまいりますと、これは発表予定の
内容をごく簡単に申し上げておきますが、今まで厚生省が根拠にしておられたこの卵形の地域よりもずっと広くて、四十キロメートル以遠にまで及んでいる、従来小雨が降った地域と言われていたところが大雨の地域に含まれることになっています。その雨域の形も従来の単純な卵形でなくて、大変変わった形でございまして、
広島と島根県境にまで複雑に広がっているというのがきょうの発表の
内容でございます。
もう一つは、従来雨が降らなかったとされております爆心地の南東部の仁保とか海田地域にも爆弾炸裂直後に、わずかですが降雨があったということ、これが明らかになっておるわけでございます。そこで、ひとつ厚生省、大臣、こういうことが学会で発表されるということになりますと大変な問題だと思いますので、
資料をお取り寄せになって関係の
専門家等にもよく御相談をいただいて、そして
資料の
調査分析をやられて対応をしなければならないのではないかと思いますが、御見解をまず伺っておきたいと思います。