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上田耕一郎君 どうも
実態はもっと深刻のようです。私もデータしか見ていないんだが、労働省の報告では、
建設業の技能労働者不足率、五十九年五・八%、それからずっと上がって、六十一年六・六%と上がっているんですね。
それから、三月に発表になった六十一年度の
調査結果を見ますと、一位が配管工・鉛工、二位が造園工・植木職、四位が構造物鉄工、五位が鉄筋工、それから九位が型枠工、十一位がとび工と、
かなり建設関係の不足率が多いテークが出ているんです。
そこで、五月二十日の日経の記事は、今季節でいろいろあるということを
局長お答えになられたが、「今後、首都圏における専門工不足は、
公共工事発注とアパート
建設の増える七−八月に厳しさを増しそう。」というのが日経の記事で、私
ども若干の
調査をしましたが、
業界でもことしの夏から秋にかけてなかなか大変だということが言われている。この問題も私毎年取り上げてきたんですけれ
ども、そういう技能工、職人の不足問題で、いろいろ原因があるだろうと思うんですけれ
ども、やはり賃金問題が
一つあるんですね。
これも毎年私取り上げてまいりましたが、東京土建がこの賃金問題で運動とそれから
調査を発表しています。東京土建の発表した
数字を見ますと、六十一年度一般
企業の平均賃金、東京の男子、全
産業で、これは日額換算で二万一千二百四十九円。これに対して
建設職人一万三千五百八十四円という
数字で、六四%なんです。これはやっぱり一般
産業の平均と比べて
建設職人は非常に低い、七割切っているというのが東京の実情です。東京土建は全建総連がやっているわけですが、いつも協定賃金を発表していて、ことしは去年より千円高い二万円。この二万円で年収五百二十八万円にやっとなる。東京の男子勤労者の平均年収はボーナス込みで五百五十万円だから、職人はボーナスもない、雨の日は休まなきゃならぬ、一カ月平均二十二日の計算で二万円という要望を出しているんです。
さて、ここからやはりいつもここで問題になるんだが、皆さん方は賃金を上げる必要があると言われるけれ
ども、問題になってくるのは三省協定なんです。三省協定がどのレベルになるかということは、民間のこういう職人さんの賃金にも当然影響を与えるわけです。
建設省はいつもこの
調査結果は発表しているが三省協定そのものの
数字は発表してないと言われるのだが、これはどこのゼネコンもみんな知っていますよ。みんな知っているから私
どもも手に入ったわけです。
これを見ますと、六十二年度の三省協定賃金、大工さんが一万五千三百円で伸び率四・八%、昨年二・八%ですからちょっとこれは上がっているのだが、しかしこれは左官は伸び率ゼロです。それから、型枠工ゼロです。型枠工、
先ほど非常に職人不足が大きい
分野だというのにゼロですよ。普通作業員もゼロ。それから運転手も伸び率ゼロなんですね。
なぜこういうふうになるのか。皆さん方は
調査に基づくと言うのだけれ
ども、きょうはちょっとその先を聞きたいんです。これは東京について六十年十月の
調査の
数字、それに基づく六十一年度の三省協定賃金、六十一年十月の
調査の
数字、六十二年度の三省協定賃金の
数字を見ますと、必ずしも全部比例的にいっているわけじゃないんです。
そうしますと、
調査に基づくと皆さん言われるのだが、こういう
実態調査だけでなく、例えば昨年
実態調査をやったその後の経済情勢、それからやっぱり政策的観点があると思うんですね、そういうものを加えてこういうものを出しているんでしょう。全部比例じゃないですから、何か係数か方程式かつくってやっているんですか。そういうことをひとつお答えいただきたいことと、今私が言いましたようなこういう職人さんの不足問題が大きな問題になっている時期であるとすれば、そのことを解決するためには去年の十月の
実態調査がこうだったからというのだけでなくて、経済情勢の変動、また補正予算による
公共工事をやろうというわけだから、そういう政策観点も交えて、三省協定についてもっとこれを上げていくという
方向が出せるのではないかと思いますが、その点お答えいただきたいと思います。