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参考人(勝川欣哉君) 先ほど先生も申されました
ように、この四月に製造たばこの関税が全廃されまして、外国たばこの一斉値下げが行われました結果、外国たばこのシェアが急速に高まっておりまして、私
どもといたしましては、総需要の停滞下で国産たばこのシェアを極力維持するためには、多様な要望にこたえた製品を開発するとともに、それを消費者に買っていただける
ような効果的な広告を行うということが極めて重要となっているわけであります。一方、たばこ消費の実態を見ますと、マイルドセブンの
ような軽くて吸いやすいたばこが主流となっておりますが、一方でコクのある喫味の製品を求める消費者もかなりおられることは事実であります。
今御
質問ありましたディーンは、この
ような強い喫味をお好みになる消費者の御要望にこたえるために開発されたものでありまして、比較的ニコチン、タールの値も高く、また太い巻きでありますので煙量感もありまして、吸いごたえのある仕上がりになっております。この
ようなディーンの製品特徴をどの
ように
表現したら最も消費者に容易に
理解していただけるかということを考えた末に、実は専門用語の展開から御
指摘いただいた
ような広告文句を使うことといたした次第であります。
と申しますのは、昔から専門家の間では、吸いごたえのあるとかあるいはコクのあるという喫味の特徴をあらわす技術用語といたしまして、英語のキック、キックが効いているという言葉が昔から使われているわけであります。しかし、キックという英語は非常にわかりにくいので、その
日本語の訳であります「ける」というのを使ったらどうかということで、実はキックの効いた喫味を「ケリの入ったうまさ」というふうにすることにしたわけでありますが、一方で広告は、一般になじみやすい
表現にする必要がありますので、登場する人物の話し言葉に直して「ケリの入った、うまさだぜ。」というふうな
表現にした次第であります。
ただ、私たちとしましても、それこそこれはキックが若干効き過ぎじゃないかというふうな懸念もありましたので、実はこの広告文句を採用する前に念のため消費者イメージの調査を行いましたが、その結果、「ケリの入った」というのは、日常的な用語でありまして、食品等のコマーシャルに使われても別に違和感がないという
評価を得ましたので広告に使用した次第であります。
事実、製品特徴といたしまして、ディーンは強目のたばこでありますので、たばこにある程度なれた人でないとこの喫味は
評価されないと思われるわけでありますが、こういった強い喫味を好む方々に製品特徴をストレートに伝えるためにこの文句を採用したものでありまして、特に未成年者を意識したものではございません。
私
どもといたしましては、業界の自主規制コードにのっとりまして未成年者の喫煙
防止には
十分配慮しているわけでありますが、二十代、三十代の喫煙者は、全体のそれぞれ二二、二六%と約半ばを占めておる実情でありまして、厳しい競争のもとにおきまして、これらの方々に新しい製品の特徴を時代感覚でストレートに
理解していただける
ような広告
表現を考えると、御
質問の
ような御
指摘を受けることもありまして、いろいろと苦労しているわけでありますが、いずれにしましても、今回御
指摘をいただいたことを十分踏まえまして、今後広告
表現については従来以上に注意を払ってまいりたいと考えております。