○宮崎秀樹君 まず最初に
斎藤厚生大臣にお伺いしたいと思います。
大臣、百七国会の老健法そして百八国会の売上税等大変御苦労さまでございました。私は政治というものは後世のいわゆる我々の子孫が善政であったか悪政であったか評価するものではないかと思います。そういう観点からこの社会
保障費につきましてその財源問題についてちょっと大臣の所感を聞きたいと思います。
御承知のように
昭和五十九年度の
国民総生産は三百三兆円、そして一般会計の国の予算が五十・六兆円でございます。社会
保障の国の負担は九・三兆円、そして
医療費に対する国庫負担は四・三兆円でございます。しかし社会
保障の給付費は三十三・六兆円と、こういうことでございます。また
国民医療費は十五兆一千億、こういうようなデータが出ております。また六十二年度は
国民総生産が三百五十兆四千億というふうに見込まれております。一般会計は五十四兆一千億、そして社会
保障の国の負担は十兆一千億、そして
医療費に対する国庫負担は四兆三千億、そして
国民医療費は十八兆円ということでございます。
医療費の方はいずれ五十九年から六十二年までほとんど変わらないという
状況が続いております。
そこで私はこの
日本の人口動態を見ますると逆三角形になっているということが明らかでございます。ただいま同僚議員からも年金の
お話が出ました。そういうような中で年金の問題は受給者が増加しそして納付者は減少の一途をたどっておるわけでございます。また
医療費におきましては、高齢化社会それから疾病構造の変化それから技術革新、そういうような大きな要素がございまして、これまたどうしても膨張せざるを得ない、こういう
状況でございます。
先般、私ふがいなくも病気をいたしまして、胆石をやりまして、私
医者でございますけれ
ども、
医者の不養生でございまして、実際自分でCTのときに血管造影剤を実は打たれたわけでございます。そのときにまず最初に現在使っておるのはコンレイという薬がございます。これを打ちますと、かあっと熱くなって副作用がある、そして吐き気がある、万が一ショックなどを起こして死ぬこともある、こういう薬でございます。しかし、最近第三世代のすばらしい薬が出まして、これはイオパミロン370、これは二十CC五バイアルで、一バイアルは六千百七円です。コンレイという今まで使っていたやつは六百六十八円です。二回目のときはこの安全な薬を使ってくれたわけです。これは全く副作用がございません。安心して使う。私もドクターでございますから、もちろん高いのは承知だけれ
どもそれを使いたい。また大臣も病気したとき、危ない薬と危なくない薬とあったら恐らく高くても安全な薬を選ぶと思うんです。そういうようにどうしても、とにかく我々の意思に反して
医療費というのは膨らむ要素がございます。それから磁気CTという機械もございますし、大変そういう要素で今後そういうものは膨らんでくる。社会
保障が年金と
医療と福祉というものを今込みで考えている。しかし、私はそれを別々にやはり考えていくときに来たんじゃないかと思うわけでございます。将来どうしても社会
保障費が膨らむということが今わかっておるわけでございます。しかしそれに対して今無策であってはならない、私こう考えるわけでございます。
そこで、こういう問題に関しまして、国としまして、
厚生省としまして、財源をひとつどこかに求めなきゃならないのではないかという時期に来ていると思うわけでございます。これは大蔵省にもお聞きするわけでございますけれ
ども、例えば先般の売上税問題の中で福祉目的税というような
言葉もございました。それからもう一つの私の考えでございますが、これは大変乱暴な考えでございますが、今赤字国債が百五十三兆円、十一兆円の利子を払っておる。逆に
日本の
国民の預金というのは、貯金が一千兆円ある、こう言われております。私は、そういうものの中から二、三百兆円、これは無償国債でも何でもいい、無利子の国債でも買っていただきまして、そういうものの金利を運用してこういうものをやったらどうかというような考えも一つでございましょうし、私は、やはり相続税のときに、ある
程度二十年ぐらい前からお金のある人は積み立ててただでいただく、そして特例を設けてそのうちの何割かはそのときには免除しましょうというようなこともいいし、いろんな
方策があるかと思います。そういうものを今からやはり考えておかなきゃならないんではないか。ただこのままおりますと、これは病人に負担をふやせばいいんだ、年金の額を減らせばいいんだ、これでは福祉国家にはなっていかない、そういう観点からひとつ大臣に御所見をお聞きしたいと思います。