○金子(満)
委員 ありました。「私は、今後の
政治活動の公約の一つに「
大型間接税導入反対」を加えるとともに、中小小売商業の発展振興に
努力することを誓約いたします。(日専連)」これは日本専門店会連盟のことであります。これはちゃんとここに写真まで出てありますから、あなたの三島の住所も全部ありますし、
議員会館のことも全部書いてありますから、そういう点で私がいいかげんなことを言っているんじゃありませんから、その点は申し上げておきたいと思います。
そういうように、結局家計の消費支出が非課税の分野というのは六五%だ、こっちの方は三五%だから、薄いから大したことない大したことないという説明ですけれども、こういうことを考えてくると、これは大きく
影響してくることだけは間違いないし、その点を指摘しておきたいと思うのです。
それから、同じようなことで言えば、それはたくさんあります。本当に具体的な問題になると、細かいようだけれども、実は地域では、商店会などで大問題になるのは、缶ジュースが非課税だ、こうなるわけですね。これは非課税ですよ、百円で。ところが、缶その他輸送費などなどで物価が若干上がってきますね。仮にそれが缶詰業界などでも三%から四%近く上がるのではないか、缶そのものが。だとすると、仮にこれが百三円になったとします。自動販売機はどうするんだという問題が出るのです。今は百円入れてガチャッと押して出ますけれども、百三円にするわけにはいかない、百十円にしたら一割値上げになる、こういう問題が出てくるのですね。ですから、非課税
品目をうんとつくったから大型ではないということには、これはもちろんならないわけですね。
こういう点も一つ一つ見ていくと、今一斉
地方選挙前半戦の中で、どこに行ってもこういう問題が
議論になるのです。
議論になるから、
自民党の
候補者も
売上税反対をみんなやっているのですよ。これは間違いなくやっている。その点を見て見ぬふりをしているんだと思うのです、
総理の方も。そういう形のところを、
総理自身がそういうことを今までも言ってきて、
権限のない者の意見表明だと、だからということで触れないことにしていますけれどもね。そういうように
内容を知れば知るほどひどいことになる。
それからもう一つは、年商一億、つまり売り上げが一億円以下のところは税金はかからないんだ、何か一億円以下のところは
売上税真空地帯みたいにすかっとなるような感じがありますけれども、細かいことは別として、非課税業者から仕入れるもの以外はみんな五%かかってくるわけですから、これは消費者に転嫁すればいい、それは簡単に言いますけれども、だから商店の
皆さん、自分で払うんじゃないのです、それは消費者が払うんですからと簡単に言うけれども、今度
売上税導入で仕入れに五%かかってきているので、お客さん済みませんが五%あなたに乗っけますから、転嫁しますからどうですね、こんな商売できないですよ。転嫁がそんな簡単にできるものじゃないのですね。ですから、結局一億円の税金がからない真空地帯というのは、これは宣伝はできるけれども、そのとおりにはならない。計算はするのです。確かに消費者に転嫁する、計算は成り立ちます。しかし、実際の商売やっているときにはそんな形にはならない。
さて、そこでもう一つは、大型でないというのに税率の問題がありますけれども、もともとこの
売上税というのは仕組み、仕掛け、それ自身が大型だ。すべての商品、すべてのサービスに課税される、これはも
うそのとおりです。すべての人に全部課税されるわけですね。幼児からお年寄りから、亡くなった先まで課税されることは間違いないのですが、それ自身が大型である。一%上げただけで現在の
政府の計算でも一兆一千六百億円になりますか、五%で五兆八千億ですから。そうしますと、大蔵省の中には
売上税というのは打ち出の小づちだ、これが制度さえできてしまえば、一%上げるとそれで一兆一千六百億円になる。三回振って三%になると、今審議している
予算の防衛費が出ちゃうのですね。そのくらいのものだ。
こういうようなことを考えると、仕組みそのものが大型である。そして、幾らでも伸縮自在というより、縮がなくて伸ばかり出てくるわけですね。減らした例はない。みんな伸ばしていく、税率をふやしていくということですから。私は、こういう点で、一%上げてもこうなんだから、この仕掛け自身が大型だ。
こいつを全部、今度の
選挙の中でほとんどの人が見抜くわけですよ。だから、悪い病原菌みたいに、一たん入ったら根こそぎなくしてしまわなければだめなんだ。ちょっと修正して残そうとか、五%だからそれを三つにしようとか二つでどうやとか、非課税ふやすとか、こんなことで済むものじゃない。ですから、私は
選挙の結果から至言えることは、この
売上税については修正とか先送りとかいうのでなくて、完全に根をとめる。根っこを残しておくと必ずそこから芽が出るのです。これはもう間違いなく出るのですから。それで芽は、中曽根
総理大臣はそういう点を育てるのは相当の腕があると思って見るのですけれども、芽がすぐ幹になるのですよ。そういう
意味で、私は修正もだめ、先送りもだめだ。そして
売上税というのは撤回して、
予算も撤回して、それを除いて出し直しをするということを要求をしておきたいと思います。
さて、そういう中で次の問題ですが、
総理は身命を賭してやるということを繰り返し言われておるわけだし、きょうも撤回はしない、やるということを言うわけですね。そういう中で、何でそんなに夢中になって力を入れてやるのか。これは重大な
内容があるわけですね。今まで、例えば時によってはこれは
所得税減税の財源ですと言ったり、あるいはまた
法人税減税の財源になる、さらには高齢化社会の対策だ、だんだん幾つか出てきますけれども、高齢化社会対策は、これは税率を引き上げるという宣言にもなるわけですね。そういう中で私は、いろいう言っているけれどもねらいは三つあるだろう、これをやろうという考え方、動機の中には三つあるだろう。いろいろあるけれども、一つは、やはり
売上税というものは軍拡の財源として今必要になってきているということだ。もう一つは、財界がずっと要求してきた大企業に対する大幅な
減税、高額所得者に対する
減税という問題。それから、マル優の問題は後で具体的に触れますが、アメリカに対する公約と、その実行だと思うのですね。
そこで、まず軍拡財源のことであります。
ちょうど
売上税導入を
政府が決めたのは去年の十二月だ。軍事費GNP一%の枠を超したのも去年の十二月だ、二十九日の深夜である。ですから、この
売上税と一%枠外しが一緒になって出てきておる。これを別に表現すれば、軍拡、増税が抱き合わせになっておるということであります。
これをいろいろ見ると、例えば
自民党の、これは
選挙中にまかれたビラであります。税金の使い道のことで出ているのですが、「私たちが払った税金は国や
地方自治体が一時預かって、それを福祉や教育・道路・治安・ゴミ集めなど私たちの生活を守るために使っているのです。」と書いてある。これ自身はそうだと思いますよ。しかし、何かここのところに軍事費なんか全然入っていません。
政府がよく言う防衛費という名前もここに入っていないのですね。こういう点を考えたときに、一体これはどういうことなんだということになります。その点は、竹下幹事長はなかなか正直に物を言っています。
その点でいきますと、竹下幹事長は二月の
自民党の市長を集めた
会議で、
売上税の問題で「国防であれ、
国民生活に必要なことであれ、政策遂行のために
国民全体が税を薄く広く負担する時期にきている」、
売上税が国防のための税負担であるということをはっきりうたっているわけですよ。こっちはそれを隠すわけですね。
だから私は、こういう点で今総額明示方式十八兆四千億円が当面の目標、これは枠ではありません、これは枠とかなんとかじゃなくて目標としてやっておるわけですけれども、この点について、
売上税というのがそういう
意味で軍拡の財源だというのははっきりしているのですね。この点、
総理はどう考えますか。