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石橋(大)
委員 それでは最初に、先ほど辻議員からも質問がありましたが、私も日本の
林業の将来展望に関連しまして、
大臣に少しお聞きをしたいと思います。
今まで再々にわたっていろいろな方からも
指摘をされておりますように、長年にわたりまして安い外材依存の体制が続いたこと、あるいは国内
建造物、特に
住宅建設における
木材離れが進行したことによりまして、法案の説明資料などでも明らかなように
木材の価格が急落の一途をたどってきました。同時に、燃料革命によりまして薪炭
需要も決定的に減少し、また、農山村からたくさんの人々が高度成長のさなか都市へ流出をした。こういうようなことから、
間伐その他の
保育を含めまして非常に憂慮すべき事態が進んでおることは先ほども
指摘があったとおりであります。
こういう現状が国内の
林業を覆っているわけですが、一方で、長い間依存をしてまいりました熱帯林、熱帯樹の
状況につきましても、東南アジア諸国から森食い虫だと言われるような日本の外材輸入があったわけでありますが、それもインドネシア、フィリピン、タイなど次々と切り尽くして、だんだん限界
状況に近づきつつあるようでもあるわけです。御
承知のように、アメリカ
政府が発表しました特別調査報告「西暦二〇〇〇年の地球」研究によりますと、世界の
森林面積は、約三十年前の一九五六年には陸地の四分の一であったのが、一九七八年には二十五億六千三百万ヘクタールと世界の陸地の五分の一に減って、一年間に千八百万から二千万ヘクタールも
森林が破壊されておる。こういう
状況が急速に進んでおるわけでありまして、西暦二〇〇〇年には陸地の六分の一に減少する、二〇二〇年ころには陸地の七分の一に落ち込む、こういうふうに言われておるわけであります。人口増加とそれに伴う農地転用あるいは薪炭のための
森林の伐採が進む、こういうようなことから熱帯林の荒廃も大きく、非常に深刻の度を加えつつあるわけであります。
そういう中で、
森林の持っておる効用を考えますと、経済的な利潤を生首という
意味での効用だけではなくて、人間の生存にとって非常に重要な役割を
森林資源が果たしていることは、これもよく
指摘されるとおりであります。こういう
森林の持っておる役割について、少しデータが古くて恐縮ですけれども、
林野庁が
昭和五十四年に発表されました時点での価格では、そういう
森林の持っておる社会的、環境的ないろいろな効用を費用換算をして二十四兆二千億円という数字が出されているわけです。今はもっと大きくて、恐らく三十兆円を超えているのじゃないかと思いますが、そういう換算をしてみたところで、実際の効用は金銭では計算できないほど大きなものがあるのじゃないかと私は思うわけであります。こういうことを考えたときに、
森林の
整備や資源を守るための相当程度の一般会計からの繰り入れなどを含めまして、国や
地方自治体が
公共的な観点に立って日本の
林業や
森林資源を守っていくということが今ますます重要になっているのではないか、こう思うわけであります。そう言われながらなかなか容易に現状が打開できない、こういうことを大変憂慮するわけですが、その点について、ひとつ
大臣の将来展望を含めてお考えを承りたい。
同時に、あわせまして、けさの朝日新聞によりますと、林野行政のあり方あるいは財政問題を含めまして、国土庁の
計画・調整局
森林研究会なるものが「
森林に関する基本構想」という文書を発表した。それをめぐって国土庁と
林野庁でちょうちょうはっしの大激論が行われたかのように書かれているわけであります。同時に、大蔵省と
林野庁との間でも同じような論争があるようで、特に大蔵省との論争の中では、特別会計を廃止して一般会計で丸抱えにしたらどうか、こういうような議論もあって、そうなると長年独立を誇ってきた
林野庁の牙城が崩れる、こういうようなことで大変問題になっているようです。新聞では余り詳しいことを書いておりませんが、しかし、かなり重要な議論があっているように見えますので、この点は
大臣が御
承知なかったら
長官でも結構ですから、あわせて少しお話を承りたいと思います。