○松本
参考人 先生の御質問の一点目と二点目、そして、一番
最後にCATVの関係で御質問ございましたので、それについてお答えいたします。
まず一点目の
受信料の不払い、未
契約、
契約拒否ということについて今後どういう対策を持っておるのかという御質問でございます。
確かに六十一
年度上半期末で滞納者の数が九十九万四千ということになっております。それから
契約拒否につきましては十四万二千ということでございます。これは単身、共働き世帯という、昼間何度行ってもお目にかかれない方々が大変ふえておりまして、これは面接困難な世帯というふうに我々は申しております。それと、
視聴者の意識の多様化ということでどうも滞納数というものも
増加する傾向にございまして、確かに
昭和四十年代の後半から五十年代の初めにかけまして大変滞納の数がふえてきたという経緯がございます。
その間、五十二
年度からは、私
どもとしては滞納を何とか減らしたいということで、大都市圏に特別営業対策員というものを配置いたしまして専門に滞納の対策に当たってもらったわけでございます。その後も、
昭和五十八年十二月に外務職員の夜間、日曜の勤務の強化というような形で滞納を減らすための
努力を重ねてまいっておるわけでございます。こうした対策の結果として、滞納の数はここ数年まず歯どめがかかってきておるのじゃなかろうかというふうに思っております。
ここ数年の滞納の数は九十九万五千前後で一応とまっておるということでございますので、私
どもとしては、この滞納の数をできるだけ減らすための
努力をこれから先もしてまいらなければならぬというふうに思っております。
それから、
契約拒否者でございますけれ
ども、これも若干ふえている傾向があります。これは、全体といたしましては
契約総数がふえておりまして、
契約拒否者のふえ方というものはそれに比べますと決して心配するような
状況ではないと私は思っておりますけれ
ども、ふえていることは事実でございますので、これは
受信料制度の意義ということから考えましても、
協会の使命という点から考えましても、職員による訪問、説得活動をできるだけ繰り返してこれを抑えていきたいというふうに思います。
それから、未
契約の問題も先生お触れになられましたけれ
ども、未
契約の捕捉というものは大変難しゅうございます。これは、一つは先ほど申しました、お目にかかれないで、テレビを設置しておられるかどうかもわからないというような方々がかなりおいでになられるわけです。それと全体の世帯移動、人口移動の統計で見ましても、世帯移動が大都市圏ではほぼ一〇%以上になってきておる。東京は一二%というような数字も出ておりますけれ
ども、そういう世帯移動がございまして、それと未面接ということで未
契約が今、推定テレビ所有世帯を出しまして、それから
契約数を引きますと、三百万ぐらいの未
契約があるということがございます。
この滞納、
契約拒否、未
契約、世帯移動の管理というのは、これがこれから先の私
どもとして取り組んでまいらなければならない最も重大な課題だというふうに思っています。会えない方にどういう形でお目にかかるか、世帯移動をどれだけ早く捕捉するのか、あるいは支払い拒否をなされる方にどういうふうな形で説得していくのかということが大きな課題であるというふうに思っております。
このことと先生の二番目の御質問の六百億以上の
契約収納費ということと関連してくるわけでございますが、私
どもとしてはやはり現在の業績を確実に維持しながら、先ほど申しました、三つの課題と申しておりますけれ
ども、これに積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。そのことが
契約の
効率化あるいは
経費の節減ということにもまた結びついていくのだというふうにも考えております。
既に私
どもとしては民間の知恵もかりまして営業構想というものの方向を出しまして、この三つの課題にどうやって対応していくのかということで
努力してまいっているわけでございますが、その一つを申し上げますと、これは何といいましても受託者の活動力の
向上ということが大事だというふうに思います。大部分の
契約収納というのは受託者にやっていただいておるわけですから、この方々をどうやって活動力を維持していくのか、そのためには業績管理を徹底していかなければならぬということが一つございます。それから、できるだけ訪問効率を上げるということのために、システマチックな形での訪問というものをもっと慫慂していかなければならぬだろうというふうにも思います。それから、職員につきましても、今の
業務を抜本的に見直して
効率化の徹底をしていかなければならぬだろうというふうにも思います。それを全体としてバックアップするのは、今コンピューターを使ってやっておりますけれ
ども、そのコンピューターのシステムの精度を高めてまいらなければならぬということもございます。
そういった点で、六十二、六十三
年度は多少
契約収納費の減ということは難しいのでございますけれ
ども、これを徹底いたしまして六十四
年度からその効果が出てくるだろうというふうにも私は思っております。何としても、私自身六百億を超える
受信契約収納費というのは高過ぎるというふうに思って、これをどれだけ圧縮するかということ、これからそれにチャレンジしてまいりたいと思っている次第でございます。
最後にCATVの問題でございますけれ
ども、確かに先生のおっしゃるとおり都市型CATVがふえてまいりますと、
NHKの
受信料と、加入者による加入料というのですか、その二本立てになってまいります。しかし、我々としては、CATVと
放送というものがやはり共存関係を結んでいきたい。これは
番組の利用ということもございましょうし、いろいろな形での共存関係を結んでいきたいということで、
NHKに対してCATVから
放送の再送信の同意の申請がございました場合、これに対しまして、CATV加入約款上で
NHKとの
受信契約締結義務、これがあるんだぞということを明らかにしてほしい、あるいは
NHKの
契約収納業務に御協力いただきたいというようなことを条件として付しまして、そして再送信に同意するという形をとっている次第でございます。これも、今までのところは大変円滑にまいっておりますものの、これから光都市型CATVがふえてまいりますといろんな形の問題が起こってこようかと思いますので、注意深く見守りながら対策を講じてまいりたいと思う次第でございます。