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堀委員 証券局所管のようでありますから来ていただきませんけれ
ども、今理財
局長が言われたように、
国債が高く売れることは大変いいことですけれ
ども、高ければいいという話でもないので、
一つの水準というものがあるだろうと思って、その点については、じゃ証券局も理財局も、銀行局も
関係しますか、各局でひとつ、余り金もなくて売買ができるなどという話はどう
考えてもちょっと行き過ぎだなという面で、決済日のときに処理すればいいということのようでありますから、そこはぜひ処理していただきたいと思います。
当分、私質問させていただく機会がありませんから、もう
一つ、今度は最近の海外における
金融機関のオーバープレゼンスの問題というのを取り上げさせていただきたいと思います。
さっきちょっと私が触れましたように、
日本の
企業というのは、例えば自動車であれ電機であれ、あらゆる分野で国内において実は厳しい
過当競争が行われています。国内で厳しい
過当競争を行っているということは、もしこの人たちが輸出をすれば海外
市場でも同じように激しい競争を行うということになりますから、私はそのことが貿易の面においても、海外で今非常にひんしゅくを買っている面が多かろうと思っておるのであります。
御承知のように、最近イギリス中央銀行と
アメリカのFRBで、
金融機関の自己
資本規制の問題が取り上げられるようになっているわけであります。これはずっと見ていまして、
金融機関も
日本流にわっと出ていって、出ていった先でスプレッドの競争をやって、あそこがこのくらいの幅にするならばうちはこれでいきますよ、
日本の
金融機関同士でこうやるとそれは向こうの
金融機関に全部はね返って、
日本がそのスプレッドなら向こうもこれぐらいにしてくれという話が出てきますから、それは私は英国の
金融機関なり
アメリカの
金融機関に対してもいろいろな
影響を与えていると思う。どうもこれは、
日本の銀行の自己
資本比率がきっちり規制されていないためにああいうことをやるのじゃないかということで、イングランド銀行とFRBで、何か新しい自己
資本規制の問題を
日本もやれとなっているわけでありますね。
この問題は、いろいろな
関係者の話を聞いてみますと、これまでスプレッドについてはゴー・アンド・ストップというようなことをやってきた経過があるようでありますけれ
ども、必ずしもうまくいかないようであります。ここはひとつ、今度
金融小
委員会でも開いていただいて、
金融の
関係者に直接来ていただいて
要請をしたいと私は思うのでありますが、貿易と同じで、これは
金融機関が自主規制を皆さんでやっていただくことが必要な
段階に来ているのではないだろうか。これ以上そういうスプレッドの競争をやれば、私は
日本の
金融機関は締め出されるおそれが十分にある、実はこういう不安に駆られているわけでございます。ですから、これは
大蔵省や日銀がおっしゃるべき筋合いのものではありませんから、私
ども国民を代表する
立場から、ひとつここへ
金融界の代表に来ていただいて、皆さん自主規制をしてくれませんか、それは単に
日本の
金融機関というのではなくて、世界の
金融秩序を守るために、今
日本がやらなければならないことはここではないか。
貿易の問題は、私はこの前稲山さんといろいろな
お話をしておるときに、ここでも申し上げたかと思いますが、稲山哲学というのを
理解することができました。稲山さんはこう言われるわけですね。十九世紀までの世界の生産というのは、主たるものは農業生産であった。農業生産というのは、幸いにして豊作のときもあるけれ
ども凶作もある、要するに自然がコントロールしてくれた。しかし、二十世紀になって機械生産のものが主体になってきたら、この機械生産というのは本来的にコントロールできないのだ。製品の量は力のある者がだんだんふやしていく。そこで一定のところで自主規制をやるというのは、要するに凶作がないのなら人間の知恵でやる以外にないではないかというのが、私の自主規制論ですという
お話を稲山さんから聞きました。
自動車を、百万台のときにここで自主規制をしようと私が言ったけれ
ども、自動車業界は聞かなかった。それが今日の貿易摩擦の最大の原因じゃないだろうか。堀さん、どう思いますかと稲山さんに聞かれて、私は稲山さんのお
考え、よくわかります。自主規制は、そのときがよかったかどうかは別としても、今日対米の貿易をコントロールするのはやはり業界の皆さんが——私もさっきから申し上げておるように、自由競争
原則はわかりますけれ
ども、国際間の問題としては、行き過ぎたものは自分たちで自主規制するということなくして世界の
理解は得られない、私はこう
考えておるわけであります。
そういう
意味では、この貿易摩擦が
金融摩擦に来ておる今日、当然
金融機関、特に外へ出ておる——国内でなら少々やってもらってもいいのですが、外へ出ておるものはそういうスプレッドについての自主規制をきちっとしてもらいたいということを、
委員長にもお願いして閉会中審査で当
委員会に
関係者に来ていただいて
要請するつもりでありますけれ
ども、私のこの物の
考え方についての
大蔵大臣のお
感じを承っておきたいと思います。