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柴田(弘)
委員 まず最初に、私は、先ほど来いろいろ御質問のありましたG5、
G7の問題につきまして、
大臣にお伺いしたいと思います。
その前に、
大臣、非常に御苦労さまでございました。
私、いろいろと今回の
合意の
内容を見さしていただきまして、
一つは、果たして今回のこの
合意の
内容でその実効性があるかどうか、これは私は極めて疑問であると思います。
まず第一に、これは市場の期待をしておった協調介入の
実施というものが明文化をされてない。これはまた後で
大臣のいろいろなお考えがあると思います。
それから二つ目には、
アメリカのいわゆる
財政赤字、これは多少パーセンテージで出されました。ところが、
貿易赤字については一体どうなのか、この辺がどうも不明確。先ほど堀先生がいろいろお話がありましたが、しょせんは
日本の
内需拡大しかしょうがないんじゃないか。私はそうは思いませんが、まだまだ
アメリカのいわゆる産業の空洞化という問題もあろうかと思う。やはり私は言うべきことは言うべきじゃないか、このような考えを
一つ持っております。
それから三つ目には、
我が国のいわゆる総合
経済対策、これはもう既に新聞に報道されまして、やはり余りにも新味がないじゃないかということを私は強調しておきます。本当に、ではどの程度の
内需拡大を
日本がやっておるんだ、そして市場開放をどんどんやって、どう対応していくかという問題があると思います。
それから四つ目には、
西ドイツの
減税ですね。確かに
規模は
拡大をされましたが、果たしてその数字的なものはどうか。しかもこれは繰り上げ
実施というのが期待をされておった。ところがその表明をされていない。このようなことを申したんですが、これはドイツ内部の、連立政権内部の、いわゆる
政策調整のおくれというものを印象づけた結果ではないか。
でありますから、
関係者は、今後どうなっていくんだ、確かに百五十円から百六十円ぐらいのところで当分は安定するだろうけれ
ども、まあこれも六月のベネチア・サミットまでぐらいではないか、その後きちっとされないとやはりまたドル安・
円高ということになっていくだろう、こういう問題があると思う。
それから、私、何よりもこれはもう
大臣に申し上げたいのは、この
円高不況で悩んでいる、いわゆる構造調整の中で悩んでいる企業、そして
円高倒産の中で苦しんで、本当に塗炭の苦しみの中にあえいでいるそういった輸出型中小企業の
皆さんの声、これは一体本当に、このG5、
G7においてあなたが、
我が国の実情はこうなんです、失業者の実情はこうなんです、こういうことを本当に訴えられたかどうか、少なくともこの
合意の
内容を見ただけでは判然としません。だから、まことに申しわけない言い方をして恐縮でありますが、
大臣は
記者会見で、満足をしているというようなお話があったと聞きます。ところが、本当にこの中小企業の
皆さんあるいは構造不況の中でやむを得ず失業していく
皆さんの声というものは一切どの程度このG5、
G7の
合意に反映されているか。あの人たちは恐らく何とか百八十円ぐらいには持っていってもらいたいなという期待があったと私は思いますよ。そういった、今、
日本の
経済において本当に何が一番大事か、何を救っていかなければならないかということをよく見定めていただいてG5、
G7に臨んでいただきたかった、私はこんな気持ちでいっぱいであります。
いろいろ羅列しました。この諸問題について、私、いろいろと御質問したいと思いますが、まず総論的に
大臣の御
所見をお伺いしたいと思います。