○中西(績)
委員 時間がございませんから
指摘だけしたいと思います。
五年前の討論の際、亡くなられました田中六助当時の
通産大臣との論議の中で、彼は、二十年間の産炭地
振興策についての欠陥を認めざるを得ないというところまで言っているわけですね。それに基づいて、今あなたがおっしゃるような基本構想、基本計画、実施計画なるものが立てられ、例えば福岡県の場合にはこういう膨大なものがつくられています。ところが、道路
一つをとってみても、筑豊の場合で言いますならは、福岡市を
中心にする粕屋一帯、大体都市に糾合されるというような
状況、ちょうどいわきと同じような
状況で、関東圏の中に組み入れられるという
状況が出てきています。ところが、山を二つも越えて行くということになりますと、内陸部はそうなっていないのですね。例えば北九州と筑豊の東国を見ますと、北九州等の道路網はどうなっているかといったら、十トントラックがまだ離合できないという
状況でしょう。あれほど総合
政策あるいは各省庁間における計画の中でこれを確立すると言っておったけれ
ども、五年たってなおかつ、二十年たってできなかった、そして反省した上でこうしたものがつくり上げられて、なおかつこれが依然としてできていないという
状況なんですね。ですから、この点を考えますともう少し一文章はいいんです。ちょうど今外国から言われているように、文章はわかった、具体的な施策をどうするかというのがこれからの大きな課題です。これは
労働行政についても同じようなことが言えるわけです。時間がございませんから、これは今度の臨時国会のときにでも時間をたっぷりとらせていただいて徹底して論議をしたい。今しておかないと、ちょうど中間点に達しておりますから、この後の
高島の問題あるいは空知の問題も全部がそういう格好になるわけですから、この点をぜひしていきたいと思います。特に、先ほど申し上げました点で六月には結論的なものをある
程度出していくということもあるわけですから、そうした総合的な対策を打ち出していただければと思います。
次に鉱害問題でありますけれ
ども、鉱害問題について私ずっと今まで関与してまいりましたが、時間がもう参っておるようでありますけれ
ども、特に一点だけ皆さんに
お願いをしたいし
指摘をしたいと思うのです。
今まで、五十七年に十年間の延長をされましてから総量五千九百億円、これは五十七
年度価格でこのようになっています。ところが、このいただきました資料によりますと、現在の
状況というのは農地で四五、公共で三六・一、家屋で四七・六、合計いたしますと四五・四%となっています。ところが、これは有資力、無資力合わせてやってこれだけですね。有資力がうんとおくれておると思うのですね。ここいらをこれからどうしていくかという大きな問題が
一つ残っています。それと同時に問題にしなくてはなりませんのは、達成率がこのようですから、その後における、新しく新規認定をしなくちゃならなかったところがあり、さらにまた、鉱害復旧はしたけれ
どももう一度やりかえなくてはならぬというような問題なり、これを論議した五年前に十数項目にわたって私三時間ぐらいやった経験を持っています。ですから、こうした問題等につきましてもこれから本格的にやらなくちゃならぬようになっておりますが、このような
状況の中でやるわけですから、今後の具体的な計画をどう立てていくか、この点だけ
お答えいただきたいと思います。
その場合に、この前残念ながら不祥事件が派生をしまして一時中断をいたしましたし、そうしたことを経てその後遺症を克服しながら今やっておるわけでありますけれ
ども、ここいらで一番大事なことが、不祥事件が派生したために今度は締め上げていくという態勢で入っています。だから、そこで今度出ておりますのは被害者と鉱害行政をつかさどる
人たちとの間における信頼
関係がまた大きく損なわれていこうとしています。そうすると、年限は迫ってくるわけですから、そこで派生しますのは、また再びその
年度内にということになれば、力の強い人にという、こういう発想が出てくる
可能性があるわけです。であれば、ぜひ
お願いだけれ
ども、開かれた鉱害行政、計画をやっぱり綿密に立ててみんなに明らかにしていくということがなければ、再び同じような過ちを犯すんではないかということを非常に私は恐れています。そうした総合的なもの等を含めまして、ぜひこれは取り上げていただきたいと思います。この点どうでしょう。