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1987-05-18 第108回国会 衆議院 商工委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十二年五月十八日(月曜日)     午後一時開議 出席委員   委員長 佐藤信二君    理事 臼井日出男君 理事 奥田 幹生君    理事 加藤 卓二君 理事 田原  隆君    理事 与謝野 馨君 理事 城地 豊司君       麻生 太郎君    甘利  明君       石渡 照久君    小川  元君       尾身 幸次君    大坪健一郎君       大西 正男君    奥田 敬和君       梶山 静六君    粕谷  茂君       玉生 孝久君    中山 太郎君       額賀福志郎君    野中 英二君       松本 十郎君    宮下 創平君       山崎  拓君    緒方 克陽君       奥野 一雄君    上坂  昇君       関山 信之君    浜西 鉄雄君       前島 秀行君    森田 景一君       森本 晃司君    薮仲 義彦君       大矢 卓史君    米沢  隆君       藤原ひろ子君    矢島 恒夫君  出席国務大臣         通商産業大臣  田村  元君  出席政府委員         通商産業大臣官         房長      棚橋 祐治君         通商産業大臣官         房総務審議官  山本 幸助君         通商産業大臣官         房審議官    末木凰太郎君         通商産業省通商         政策局長    村岡 茂生君         通商産業省産業         政策局長    杉山  弘君         通商産業省立地         公害局長    加藤 昭六君         通商産業省機械         情報産業局次長 山本 雅司君         中小企業庁計画         部長      小林  惇君         運輸省港湾局長 藤野 愼吾君         建設大臣官房審         議官      中嶋 計廣君  委員外出席者         国土庁長官官房         審議官     御巫 清泰君         国土庁長官官房         参事官     菅野 利徳君         国土庁土地局土         地政策課長   原  隆之君         国土庁土地局土         地利用調整課長 鈴木 克之君         運輸省航空局飛         行場部管理課長 鈴木 光男君         郵政省通信政策         局次長     桑野扶美雄君         自治省財政局地         方債課長    遠藤 安彦君         自治省財政局調         整室長     二橋 正弘君         商工委員会調査         室長      倉田 雅広君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十八日  辞任         補欠選任   水田  稔君     前島 秀行君   長田 武士君     森田 景一君   米沢  隆君     大矢 卓史君 同日  辞任         補欠選任   前島 秀行君     水田  稔君   森田 景一君     長田 武士君   大矢 卓史君     米沢  隆君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  民間事業者能力活用による特定施設整備  の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第五一号)      ――――◇―――――
  2. 佐藤信二

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関山信之君。
  3. 関山信之

    関山委員 通産大臣には、OECDからお帰りになりまして一息するいとまもないほどに、また二階堂総裁選立候補などという事態になっておりまして、大変お忙しい毎日なんだと思うのですが、ひとつここは国家大事のときでもございますし、会期末、ぜひひとつ政務に御専念をいただきますように願っておるところでございます。  それにしても、せっかくの機会でございますし、OECDからお帰りになりまして初めての機会でもございますので、私ども新聞などでも拝見をいたしておりますが、改めて国際経済ざまざまなきしみに対して、日本内需拡大財政を主導にした内需拡大への期待あるいは為替レートの安定の問題などについても一定の御議論があったようでございまして、ひとつこの時期に改めて率直な御感想などをお聞かせいただければと思います。
  4. 田村元

    田村国務大臣 大変国会会期末で多事多難のときに留守にいたしておりまして申しわけなく思っておりますが、先般の会合は、一つはIEAの閣僚理事会であります。もう一つは今御指摘OECDでございます。  OECD会議閣僚理事会でございますが、議論されました点はおおむね三点であります。一つマクロ経済の問題、一つ貿易均衡の問題、一つは農業問題でございます。特に、やはり貿易均衡、農業問題というのが火花が散ったわけであります。農業問題に関しましては私から申し上げることははばかりますが、いずれにいたしましても、G5、G7の合意、それから先般の四極貿易大臣会合合意等々を踏まえた議論でありまして、マクロ的に申せば為替レート調整だけではもう間尺に合わない、要するに政策協調というものが一番基本になる。そこで、特にアメリカ日本ドイツ役割、つまりアメリカ財政赤字の削減、日本ドイツ内需拡大、これが特掲されました。  そして、とりわけ日本に対しては、例の五兆円という内需拡大策でございますが、大変な期待も寄せられておりますが、同時に、非常に疑念も抱かれておりました。でございますから、中身の濃い立派なものをつくらねばならないということは申すまでもありません。  ドイツは、今日までジャパン・バッシングの陰に隠れてうまくやっておったわけですが、今度は全く、これも土俵へ引きずり上げられて、随分議論対象にされたということでございます。  それから、市場開放につきまして、制度的に日本は閉鎖的だというふうな偏見がありましたから、私から、制度的には何ら遜色はない、むしろある意味においては欧米よりまさっておる、アクションプログラム進展状況あるいは石油関税率は二・一%で世界一安い等々、るる説明をいたしました。  そして共同コミュニケは結局最終的にほとんど大筋の修正なくこれが決められましたが、先ほど、冒頭申し上げましたように、日米独の三カ国、これを三大国という呼び方をしておりましたが、この経済大国の責務が非常に重くなったということをしみじみと痛感して帰ってきた次第でございます。
  5. 関山信之

    関山委員 この間、日米貿易均衡というところにどうしても焦点が絞られがちで推移をいたしておるわけでありますけれども、そういう意味では、主張すべきを主張し、みずからやるべきことをやってというその問題も、お話しのように、まさに先進資本主義国全体の調和の中で決まりをつけられていかなければならない話でありましょうし、また、広くは全世界的な、全国際的な規模でも対応がなされていかなければならない問題だろうと思うのですが、それにしても、今お話の中にございましたけれども、いわゆる日本内需拡大に対する疑念がいまだに残っているということでございました。  今回の半導体摩擦の問題をめぐっても、大臣が、昨年以来日本内需拡大策が、やるべきことがきちっとやられていないといったようなことを閣議の席でも御議論なすったというような新聞記事拝見をいたしておるわけでございますが、やはりやるべきことをやって物も言うということでなければならないわけでありましょうし、その点で、今緊急経済対策、二十二日か二十六日かというような段階に来ておるようでございますけれども、依然としてこの五兆円の内需拡大策中身、とりわけ減税の扱いなどに不確かな部分がございまして、なかなか今きちっとしたお答えはしにくい時点なのかもしれませんが、大臣としてのこの間のこの問題の扱いについての御理解なり、これから最終場面を迎えてのお立場なり御方針なりをこの際承っておきたいと思います。
  6. 田村元

    田村国務大臣 決定の直前でございますから、今私から主観的なお答えをすることははばからなければなりませんが、いずれにいたしましても、日本語で平素我々が使いまう真水、向こうの言葉リアルマネーと言っておるようですが、この真水をいかに薄めないようにするかということが必要だと思います。欧米諸国、つまり世界じゅうの国々の受けとめ方は、今度の総合経済対策中身中央政府による追加的支出ということを言っておりますから、別に日本外国のために内需拡大策をやるわけではないにしても、しょせんは中小企業対策でも何でも、基本的には内需拡大策だと思うのです。ですから、それはそれとして、やはり日本が諸外国から疑念を持たれておることは事実でございますから、信頼を回復する必要がある。もう日本語的な言い方は通用しない、言いわけは通用しない、政策の小出しはもう通用しないということです。よく言いますが、料理をするにしても、後塩は効かないという言葉がございます。最初の塩は効くけれども後塩は効かないという。それと同じでありまして、思い切った大胆率直な政策の展開こそ今一番必要なことであろう、このように思います。
  7. 関山信之

    関山委員 大臣御自身のお立場は私も承知をしておりますので結構なんですが、お話ございましたように、金額の問題というよりも、昨年あたり三兆円と言っておって、あけてみれば実際は四、五千億の国費しか持ち出していないといったような、そういうこそくなやり方がいつまでも国際的に通用するわけではありませんし、もちろんお話のように、国内的に言ってもこれだけの経済環境でありますから、事の重大さというものは国内的にも大変な意味を持つわけでありまして、この辺はひとつ念を入れて最終段階に臨んでいただきたいと思うのですが、重ねてどうでしょうか。
  8. 田村元

    田村国務大臣 私は今度の内需拡大策については異常なまでに思い詰めております。それがいろいろな発言になって皆さんのお目を汚しておるわけでございますけれども、今までの私がとってまいりました内需拡大策に対する考え方や行動は間違っておったとは思っておりません。これからもいよいよ国際信義のためにも、また国内の特に苦労しております中小企業者のためにも、国民のためにも頑張るつもりでございます。
  9. 関山信之

    関山委員 それでは法案の方の質問に移らしていただきますが、きょうまさかこの法律質問をするからということで出されたわけじゃないのかどうかわかりませんが、きょうの日本経済新聞では「民活、笛吹けど踊らず」ということで、この民活法記事が載っておるわけでございます。  今回は六つの対象施設に二つの施設をつけ加えるということだけでありますから、そこのところだけを言えば、どれほどの議論もないのかもしれませんけれども、私も百四国会における法制定のときの御議論を改めて拝見をいたしまして、やはりこの民活法というのは一体何をねらって、どのような手法で、どのような効果を期待してこの制度は動いていくんだろうかなということを改めて感ずるのですけれども、前回の法案制定のときの御議論にも、この制度が適用されるプロジェクトというのは一体どのくらいのものがあるのかという御議論もございまして、これについては四十とか五十とかあるいは熟度の高いものは二十八とかといったようないろいろな御答弁があって、今回の法改正の資料などでは、既に構想としては百ぐらいのものが出てきているがというような数字があるのですけれども、準備の段階事務局皆さん方にいろいろお尋ねをしてもなかなかはっきりしない。はっきりしないというのは、計画そのもの熟度が未成熟のものがあるからということなのかもしれませんけれども、改めて一年経過をして、今申し上げたような数字をひとつ下敷きにしながら、この時期における計画中のプロジェクト状況について、どういう分け方をしたらいいんでしょうか。少なくとも未成熟なものはどのくらい、成熟しているものはどのくらい、あるいは成熟しているものの中でいえば、この事業を進めていく上での一つのポイントにもなるのですけれども民間事業者という主体の中に第三セクターと純反間というようなことの割り振りは一体どうなっているのか。一年間経過をした今、当初予定をされました事業規模というものについての見通し変化があるのかないのか、この辺のことについてお尋ねをしておきたいと思います。
  10. 末木凰太郎

    末木政府委員 昨年の五月のこの民活法の公布、施行の後、六月、七月と二回に分けまして基本指針を定めまして公表いたしました。以後税制財投等各般支援措置背景に、全国各地民活プロジェクト構想を持っておるところに呼びかけて事業促進を慫慂してまいりました。さらに昨年の秋の補正予算におきまして事業費の五%の補助をする新しい補助金制度を創設していただきまして、民活プロジェクトの前倒しに努めてきているわけでございます。  しかし、結果といたしましては、御指摘のように必ずしも非常にたくさん今できてきておるわけではございません。今日までのところ事業認定申請がございましたのは、昨年の十二月に、いわゆる一号施設でございますリサーチコアでございますが、かながわサイエンスパーク認定を行いました。それからことしに入りまして二月に、三号施設情報化基盤施設ですが、新潟県の柏崎ソフトパーク認定をいたしました。それから五月の七日に、五号施設国際見本市施設でございますが、幕張メッセの認定をいたしました。このような状況でございまして、その後、後続案件につきましては、なお幾つかのものが遠からず認定申請が出てくるのではないかと見通しております。  先生おっしゃいますように、全体といたしまして、きょうの日経新聞をそのまま肯定するという意味ではございませんけれども、ややおくれぎみでございますが、これは基本的な原因といたしましては、何といいましても経済全体の状況が一年前と大きく変わったということがやはり大きいのではないかと思います。すなわち、六十年度経済成長率は四・二%でございましたが、六十一年度には当初見通し四・○に対しまして実績見込み三・○ということになっております。その間、円のレートも、昨年法律ができたころは百七十円台だったと思いますが、現在百三十円台になっている。こういうことで全体的に各地域経済力が弱まっているということと、それから経済の先行きに対する見通しの難しさ等から足踏みしているものがございます。  個々のプロジェクトにつきましては、それぞれ主要なものにつきましては、どんな事情でおくれているのかというようなこともある程度調査はしておりますが、全体に共通な基本的な問題は、そういうところにあろうかと思います。
  11. 関山信之

    関山委員 今お話の中に、この一年間の経済事情変化がおくれさせているというお話がございましたが、確かにそういう側面も否定はできないでしょうが、いずれにいたしましても二十八という数字熟度の高いプロジェクトは二十八、昨年の四月十五日の委員会の我が党の水田委員質問に対するお答えでは二十八という数字があるんですね。これは通産省所管だけでなくて全体の数字を言っているんだろうと思うのですが、この数字をひとつ横に置きながら、秋の総合経済対策補助金制度が持ち込まれる。当初から税制の問題があるわけですけれども、そこらの予算措置支援措置予算措置をしていらっしゃる、その背景にある予定された事業というのはどのくらいだったのか。これが明らかになりませんと、この一年間を踏まえてまたこの年度中といいましょうか、一応この支援措置の期限が六十三年の三月三十一日というのがございますから、ここに向けてどの程度事業が進むのかという全体の計画との見合いがつかめないのですけれども、そこのところはどういうことになるのでしょうか。
  12. 末木凰太郎

    末木政府委員 確かに昨年そういう答弁をしております。二十八のうちの一つ一つ、どれがということを申し上げる時間もございませんけれども、ちょっと先ほどの答弁を補足させていただきまして、どういう事情がということを一、二例を申し上げますと、これからの数字がどんなになるのかということの判断の材料になると思うのですが、例えば、これは名前を出して差し支えないと思います。といいますのは、比較的近い将来これは認定申請が出るのではないかと思われる熟度の高いものの一つの例でございますが、一号施設として現在検討しています北海道恵庭ハイコンプレックスシティでございますが、これが当初よりおくれている理由を聞いてみましたところが、これはエレクトロニクスをねらったプランでございますけれども円高によって輸出の採算が悪化して、当初考えていたよりも関係業界が低迷している。したがいまして、施設の運営の収益見通しをもう一遍見直さざるを得なくなっていた、そういったことでマスタープランづくりに時間がかかっている。これなどは典型的に円高の影響かと思います。  それからもう一つ、別の県の産業情報センター、これは三号施設のケースでございますが、これの場合には、円高もありますし、全般的な不況もございますけれども、地元の繊維産業に対する情報提供を主として考えていたわけでございますが、これも同じように繊維の生産が不振であるために、似たような事情から少し後ろにずれてきているというようなことでございます。  そのほか、こういったマクロ関係のないものもございますけれども、大方のものが大体こういった事情でおくれておりまして、その結果昨年考えました数字よりは、例えば今先生二十八とおっしゃいましたが、この時点熟度の高いものを数えてみると、既に三つ出ておりますから、それを除きまして十数案件ということで、既に認定いたしました三つを加えましても二十八よりは数割減っているという状況でございます。
  13. 関山信之

    関山委員 端的に今十数案件とおっしゃっている、このものは年度中までに滑り込むということになるのですか。年度中というのは六十二年度中という意味です。
  14. 末木凰太郎

    末木政府委員 まず、今申し上げたような状況でございますから、またこれは民間がやることでございますから、一つ一つについて確としたことを約束するという性質のものではない、それはお許しいただきますが、私どもはおおむね年度中に出てくるのではないかと見ているものでございます。
  15. 関山信之

    関山委員 わかりました。  そうしますと、百ぐらいの構想があって、五十ぐらいのプロジェクトがそれなりに検討中であって、今実際にこの制度を利用しようという段階に来ているのが十数プロジェクト、これでいいですね。  それから、もう一つこの際お伺いしておきたいのですが、きょう港湾局長おいでいただいておりますので、実は港湾の方の地区指定というものの考え方というのでしょうか、これはそもそも、建設省の方のことについても言えるのですが、ここは港湾で特に伺いたいわけですが、施設計画先行なんでしょうか、それとも地区指定先行なんでしょうか。この地区指定ということの意味がもう一つイメージとしてよくわからないものですから、この機会に、この一年間にどの程度地区指定があったのか、今後の地区指定をしていく場合、民間のそういうさまざまな事業を誘導するためには地区指定が先行するということになるのか、それとも構想がそれぞれ出てくる段階で追っかけていくのか、ここらあたりのかかわりをお聞かせをいただきたい。
  16. 藤野愼吾

    藤野政府委員 きょうまでの段階に、この法律に基づきますところのいわゆる特定港湾開発地区指定ないしは特定施設整備計画認定というふうな法律に基づきます事務処理は、運輸省関係ではないということをまず御報告申し上げなければならぬわけでありますが、それは先ほども通産省の方からも御説明がありましたような諸般の昨今の情勢、そしてまた特定プロジェクトについてはいわゆる用地の買収といいますか、地権者との調整問題といったふうなことに手間取っているというふうな事情を内包しているものもございます。  さて、今特定港湾開発地区意味なり考え方なりについてのお尋ねであったかと思いますが、もともと法律は、特定施設とそれからその周辺で展開される臨港道路とか港湾の緑地とかといいましたいわゆる公共事業によりますところの施設整備とが一体的に行われることによって、地域全体として整備が進み、そしてそのことが港湾開発整備の中において重点的な役割を果たすということをねらっているものでございます。具体的には、例えば当該港の港湾計画ないしはその周辺地域振興計画とマッチさせた、そういった視点から物事を眺めるとか、あるいはまた当該地区港湾開発整備の拠点となるような観点からとか、そしてひいては港湾全体の開発整備が進む、利用の増進に資するといったふうな観点からこの地区指定をするものでございます。  さて、計画段階におきましては、施設計画と申しますか、まずは港湾計画がございまするし、それからまた公共事業によりますところの五カ年計画の遂行ということがございまするし、そしてまた民間事業主体ないしは第三セクターがこの地区内、その地区周辺においていろんなプロジェクトを推進するというふうなことが現実にはある。そういった三つ、四つの要素というものが常に相互関連性を持ちながら計画として固まり、かつそれが実行に移されていくというのが現実の姿であるというふうに思っておりまして、平生から私たちも、そしてまた地方港湾管理者、そしてまた地方港湾管理者周辺にいろいろとおられます多くの民間の方、そしてそれらが一体となってでき上がる第三セクター、それぞれ相互情報交換に常日ごろから努めるということといたしておるものでございます。  そういった意味から、計画の精粗といいますか、具体性ということにつきましては、いろいろ程度の差はございまするけれども、数十といったプロジェクトが全国的にいろんな議論検討がされておるというのが私たち周辺実情でございます。
  17. 関山信之

    関山委員 重ねてお聞かせをいただきたいのですけれども、つまり、今局長の御答弁の中にもございました、私も新潟港という港を持っているものですから、そこで既に新しい港湾計画が決まっておりますし、第七次の五カ年もスタートをしている。この港湾計画の中では、例えば港湾管理中枢機能というようなものの張りつけも位置的には決まっているということなわけですね。そうすると、例えば新潟港のそういう状態について言えば、どうなんでしょうか、これは十五年もかかる大変大きな計画ですから、どういう順序でどういう整備を進めていくか、こういう問題を立てざるを得ない。  その場合に、例えば運輸省港湾局としては、いわば全体の事業進捗ぐあいの中で、今港湾の、六号施設になるのでしょうか、そういうものがやはり先行的に投資をされるべきだというように考えたときに、そこで特定港湾区域の設定をする、それが一つ呼び水になってそこへ民開発も呼び寄せていく、こういう関係になるのでしょうか。鐘が鳴るのか撞木が鳴るのかというのは、この法律絶えずつきまとう話なんですけれども、そして、まあその間のことをめぐってもいろいろ御議論があるのですが、その辺について少しお聞かせをいただいておきたいと思います。
  18. 藤野愼吾

    藤野政府委員 新潟実情については先生もお詳しゅうございますので、私各論を申し上げるつもりはございませんが、さきに港湾整備計画は約十五年間くらい先を見込んでおったかと思いますが、そのような計画を立てて、それの実行に移っておるわけでございます。  さてその中で、今先生お話しのどちらが鳴るのかというところは、それはやはり両方相マッチした格好で音を出すというのがこれまた実情であると思っています。ただ、これは新潟港の事例に限らず、全国的にやはりその地域地域実情によりまして、公共が若干先導的に動いていく場合もあれば、あるいはまた民間の側が若干先導的に動いていく場合もあれば、それぞれプロジェクトの内容なり地域経済情勢、地域実情なりによって若干の相違はあるというふうには思っています。ただ、昨今伺いますと、新潟におきましても、やはり第三セクターなどをつくって新しい地区の開発を進めようという勉強が、先生も御存じのあの万代地区で進んでおるという情報には接しておりまして、私たちもそれらがうまく推進されていくようお手伝いといいますか、情報の提供なりを初めとするいろいろな努力、協力をして進めていきたい、かように考えております。
  19. 関山信之

    関山委員 ありがとうございます。  鐘が鳴ろうと撞木が鳴ろうと、どっちが鳴ってもいいのですけれども、いずれにいたしましても地方の場合は、これも今まで御議論がございますように、民活といっても民間の活力はなかなか引き出しにくい。とりわけさっきもお話のありましたような経済情勢になればなおさらのことでございますから、そういう側面からいえば、撞木の方を少し大きく振ってほしいというのが恐らく全国の地方立場だろうと思うのです。  そこで、実は今回法改正によって二つの施設が追加をされた背景と理由は何か、こう聞けば、この種の参考書に書いてある建前がお答えとして返ってくるのでしょうが、その建前を聞きたいのじゃないのですけれども、一体一年もたって事業もろくすっぽ進まないのに、何でこの時期この二つの事業の追加が出てきたのか、本音は何なのかということが一つと、それにしてもこの民活の問題というのは、今の鐘と撞木じゃありませんけれども、未成熟なテーマが多過ぎるのじゃないでしょうか。これは一々議論をしては、これこそまた何時間もかかる話なんでしょうけれども、例えば、これは後で伺おうと思っているのですが、民間活力、物と人、物と資金、資金といえば一体どういう資金をまたどう生かしていくのかということも余りはっきりしていないし、官民の役割分担も、結局のところは鐘が鳴るのか撞木が鳴るのかというふうなところでやはりわけがわからないということがありますし、それからこの民活法では中央と地方関係についても手法や手だてがそれぞればらばらだったりする。  特に最大の問題は、目的が余りにも多様過ぎるというのでしょうかね。最初はそもそも臨調路線で国の銭がないから、ちょっとは民間から銭を出させてやろうやというところから出発しているのでしょうが、そのうち経済の情勢が厳しくなって内需喚起にウエートが移る。あるいは地域経済の活性化というような課題もある。土地の利用の問題もある。あるいは大きく言えば産業構造の転換を踏まえて、こうなるわけで、基本的にはそこのところに落ちついていくのでしょうけれども、余りにも雑多な要素が盛り込まれていて、しかもいわば計画の策定のスパンだって、短期のものも中期のものも長期のものもみんな何か一切合財ここへおじやのようにたたき込まれているという感じがいたしまして、そんなことを一方で考えながら、感じながら、一体この二事業の追加の背景と理由は何なのかということと、この事業の問題については、今後この種のものがその都度ふえてくるような関係に立つのか立たぬのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
  20. 杉山弘

    ○杉山政府委員 今回の二施設を追加するに至りました背景については、あるいはもう既に御案内かと存じますが、法制定以後一年という短い期間の中でございますけれども、この間におきます国際化、情報化の流れというのが相当急速に進展をいたしておりまして、特に国際化、情報化機能というのは東京、大阪等の大都市を中心にして集中せざるを得ないという背景もありまして、また、これが大都市におきます地価高騰の促進問題となってあらわれ、そういう観点から、これらの地区におきましては、臨海部を中心として再開発をしようじゃないかという動きが急速になってきております。こういった中で、マルチメディアセンターでございますとかインテリジェントビルの整備ということが言われております。また一方では、対外不均衡の解消の見地からのバランスのとれた投資交流を促進するという政策目的にも沿いますが、具体的には、先ほど来お話のありました幕張のプロジェクトでございますとか横浜のプロジェクト、こういったプロジェクト構想していく中におきまして、外国企業のために便宜を提供するような施設整備したらどうかというような構想が急速に浮上いたしてきております。  おっしゃいますように、すべての計画がまだ必ずしも十分詰まってないではないか、そういう段階でこの法律対象にしていいのか。先ほどの御質問も、昨年法律制定した段階からなかなか進んでいないじゃないか、こういうような御質問かと思いますが、この辺も実は計画が固まりました段階で、私どもこの法律対象にして助成をしていくというよりは、もう少し計画が未成熟段階でもやはり政府としてこれを支援をしていくという姿勢を示すことによりまして、一層その計画の成熟度を高めるための要因としたい、そういう気持ちがございますので、むしろアイデア、構想段階ではございますが、かなり具体化しそうなプロジェクトが出てきた段階で、これを対象に追加をさせていただくということでございます。  こういったことにつきまして資金的な面、官民の役割分担、中央と地方との関係等々いろいろ御質問がございましたが、ごく一般的に申し上げますと、そういう点について必ずしもかっちりしたものが固まる前に政府としても支援をするという態度をはっきりさせて、むしろ計画をより一層促進をしていきたい、こういう観点からお願いをしているわけでございます。  さらに重ねての御質問は、今回二施設を追加するけれども、さらにまた同じような構想が出てくるたびに追加をするのか。これは、対象施設については法律特定をする、こういうことになっておりますので、またその都度法律改正をお願いするというのも恐縮に存じますので、私ども、今回の改正の際にはその点につきましても十分配慮をしたつもりでございまして、現時点におきましては、特に対象施設で近い将来追加をお願いしなければいかぬというものはほかには見当たらないのかと思います。  一方では、民活問題ということでレジャー施設整備等も言われておりますが、これについては別に法律を今回政府としては御提案を申し上げ、御検討いただいているところでございますので、そういう状況を考えますと、当面追加をお願いするようなものはないものと私ども考えておりますが、あるいはまた将来にわたりましてこういった点について民間での事業構想が出てまいるということになりましたら、その段階でお願いをするということになるのかと存じます。
  21. 関山信之

    関山委員 そこで、ちょっとこれは担当が総務庁ということになるのでしょうけれども、例の民活懇、民活推進懇談会、これは関係省庁の方も参加をされておるようですけれども、昨年の秋口から報告書みたいなものが出ていますが、それはかなりいろいろなことを言っているわけですね。これはどうなんでしょうか。皆さんの方ではどういうものとして受けとめていらっしゃるのか。民活推進方針、こう言っているわけですけれども、いずれはこれは何かオーソライズされるものだというふうにお受けとめになっているのですか。それとも、どうもそういうものでもない、私的諮問機関ですからね。そうすると、ここで指摘をされている事柄は、私ども拝見をしておりましても、かなり重要な問題が含まれておるものですから、この種の問題はどういう形で取り入れられていくのか、ちょっとお聞かせをいただけませんか。
  22. 末木凰太郎

    末木政府委員 御指摘民間活力活用推進懇談会、私ども参加させていただいておりまして先生方のお話を承っておりますが、この懇談会の資料の取りまとめが時々数回行われておりますが、この資料にも冒頭に断ってございまして、「本資料は、民間活力活用推進懇談会の出席者の意見を整理してとりまとめたものである。」となっておりまして、中身も、全体としてこういう議論であったというものもありますし、あるいは違う議論もあったというものもありまして、したがいまして、これは会の性格がおっしゃるように私的な懇談会でございますし、会議の進行そのものも、必ずしも一つ議論を決めてそれで答申をするとか意見具申をするという形をとっていらっしゃらないものと理解しております。  ただ、お話に出ます中身につきましては、私ども仕事をしていく上に参考になるような示唆に富んだ御指摘がいろいろございます。それはある御意見は右の方を向いた御意見で、なるほどと思うものもございますし、全く逆の方向を向いて、そういう考え方もあるなというものもございます。今の段階としましては、そういったそれぞれの御意見を通産省通産省なりに参考にさせていただきまして、勉強の、政策立案の、あるいは遂行の参考にさせていただいているというのが今の段階でございます。
  23. 関山信之

    関山委員 時間がないものですから、いずれまた別の機会議論させてもらいましょう。  もう一つ、今いろいろお話がありました。確かに、さまざまな構想が未成熟な場合でもこれはひとつインセンティブを与えてと、こういう御発想はわかるのですが、これは一年間やってみて、そのインセンティブが本当にインセンティブとして機能していないというのがきょうあたりの新聞の指摘でもあるのですけれども、それかあらぬか、先ごろ、昨年の総合経済対策施設に対する補助が予算追加されたわけですけれども、これは五%を二五%に引き上げようという新聞記事が流れておりまして、これについては一体どういうことになるのか。総合経済対策の中では、この辺の補助率の引き上げあるいは期限の問題、それからもう時間がないのでまとめて聞きますけれども、今税制は第三セクターでなければだめだ、こうなっているわけですが、補助は第三セクターでなくても受けられるのかどうか。それからこの補助の問題、税制の問題含めて六十二年度末という期限の問題はどうするのか。これは自治省からもおいでいただいておりますので、あわせお聞かせをいただきたい。  それから、これは今までの議論にはないのですけれども地方団体の負担に対する財源措置、これは今申し上げました民活懇などでも触れられておるのですけれども地方税の方は減免措置はまあいいでしょう、交付税の算定から減るわけですからその分だけふえるという理屈もある。その是非は別として、そういう理屈もありましょう。ただ出資と補助、これについては仮に二五%なんということになりますと、今東京中心だからこれはちょっと事情は違うのだけれども、一般的なことを言えば、こういうものの地方財政上の負担の裏づけはどうするのか、一般財源でやれというのかどうなのか、自治省の方としてはどういうふうに受けとめてこの話をまとめていらっしゃるのか、あわせお聞かせをいただきたいと思います。
  24. 杉山弘

    ○杉山政府委員 新聞に報道されました民活事業に対する補助率の引き上げ等についてお尋ねがございました。  現在の経済状況から特に地方経済が相当打撃を受けている、この地方経済の活性化を図る必要があるのではないか、そういう観点から、実は私ども通産省内におきましては、今回の総合経済対策の中におきまして、地方経済活性化のためのプロジェクトについて政府として何らかの助成策を考えるべきではないか、こういう問題意識を持ちまして検討をいたしておるのは事実でございます。ただ、これはいわゆる民活事業だけではございませんので、そういう地方経済活性化のための地域開発プロジェクトという中には^結果的には民活プロジェクトも入ってまいります。そういう段階で現在の民活補助金等を含めてどうしていくかということについて今検討中でございまして、二五%の補助率引き上げ云々というのは、必ずしも正確な情報を伝えておるとは申せないと思います。通産省として成案が出ました段階では、今後政府部内で検討をいたします総合経済対策の一環として自治省とも御相談をし、財政当局とも御相談をしていかなければならないと考えておる次第でございます。  別途、現在の民活補助金について、例えば第三セクターでなければ交付できないのかというお話もございましたが、これは、現在の民活補助金については、対象施設が法定された施設であるということであれば、その事業主体がどうであるかということは問わないと考えております。ただ、これは財政当局との間では六十一年度及び六十二年度に着工されたものに限る、むしろ前倒しを促進するという観点から決めたものでございますので、現在のところ私どもはこの種の補助金については二年度間で終了したいというふうに考えております。
  25. 二橋正弘

    ○二橋説明員 地方団体が民活事業補助あるいは出資をいたしました場合の地方負担についての財政措置をどうするのかというお話でございます。  地方団体が民活事業にどのような助成措置を行うか、あるいは行うとしてもどの程度行うかということにつきましては、それぞれの事業ごとに事業の性格とか採算の見通しあるいはそれぞれの地方団体の財政状況とかをいろいろ総合的に検討した上で、地方団体がそれぞれの御判断によって対応していただくべきものというふうに考えております。昨年末にできました五%の民活事業補助につきましては、それに伴って地方がまたあわせて助成措置をするということにいたしておりますが、これについては、補助が期間が限られたものであるということもござい壊して、いわゆる留保財源、一般財源で対応していただくものと考えております。
  26. 関山信之

    関山委員 出資はどうですか。
  27. 二橋正弘

    ○二橋説明員 出資につきましては、これもケース・バイ・ケースでございますが、地方団体の方から相談がございまして私どもがいろいろお聞きいたしました結果、物によっては地方債措置をとるということはあり得ると思っております。
  28. 関山信之

    関山委員 物によってはとはどういうことになるのでしょうか。起債措置をとるというふうには言い切れないのですか、物によってはとはどういうことですか。
  29. 二橋正弘

    ○二橋説明員 先ほど申しましたように、民活事業にどのように出資等の助成をとるかということは、それぞれの事業ごとに金額あるいは地方団体のそのプロジェクトについての判断によりましてまちまちでございますので、わざわざ借金という形をとる必要がある場合もございますでしょうし、一般財源で対応可能なものもございますので、それぞれの個別事業ごとにお聞かせいただいて私どもとしては判断をしていきたいという趣旨でございます。
  30. 関山信之

    関山委員 起債を求めればそれは認める、こういうことですね。そういうふうに理解しておいていいわけですね。
  31. 二橋正弘

    ○二橋説明員 お話ございました場合に、個別に事情をお聞きして判断していきたいと思っております。
  32. 関山信之

    関山委員 よくわからぬけれども、持ち時間が終わってしまったのですが、いずれにいたしましても第三セクターにならざるを得ないケースが多いのだろうと思いますし、そうなれば出資の問題についての財源の手当ても、それは金持ちの地方公共団体は別にそんなことは問題にしていないわけでありまして、財政力の弱いところのことを問題にしておるのでありますので、そんなことは申し上げるまでもないわけですが、ひとつきちっとした御方針をお持ちいただきたいと思います。  いろいろお聞きしたいと思って各省お呼びしておいて申しわけないのですが、最後に、本法と他の地域開発の計画あるいは事業との関連及び整合性について、これも法制定段階でも御議論がありましたけれども、なお重ねてお聞きしておきたいと思うのです。  一つは四全総ですが、ここではどう位置づけられようと、今は吉としておるとしか言えないのでしょうけれども、どう位置づけられようとしておるのか。特にこれは法律の第三条第四項で、基本指針の策定に当たっては国土庁と協議をするということになっているのですが、この段階でいえば四全総が決まると再協議ということになるのかならぬのか、ここのところをお聞かせいただきたいと思います。  それから二番目は新産・工特との絡みなのですけれども、この種の新しい産業構造の転換というものを一つ置きながら、また新しい制度の展開が始まりつつあるわけですが、この新産・工特というのは、私が二年ほど前にお尋ねをして、全国でもまだ二万ヘクタールを超える未売却用地があるというような数字の提示がございまして、この辺の始末を一体どうつけるのだという議論をいたしたわけでありますけれども、その辺の現況をお聞かせいただきながら、見直しがあるのかないのかということも含めて、どういう展開になっていくのか。  最後に、これは通産省の方ですが、工業再配置計画は、これも四全総のおくれに伴って、見直しをするというような話がそのままずっとペンディングになっているようにも伺っているのですけれども、今回の四全総の確定を待ちながら、この民活法との絡みもとらえながら、工業再配置法の見直しは行われるのか行われないのか、ここのあたりをお聞かせいただいて、私の質問は終わります。
  33. 末木凰太郎

    末木政府委員 初めに四全総との関係を私からお答えさせていただきまして、その残りの部分につきまして立地公害局長の方からお答えさせていただきます。  地域計画あるいは地域の振興または整備に関する計画との調和が必要だということにつきましては、現在定められております基本指針においても明確にうたわれているところでございまして、この方針は今後とも堅持してまいります。ただ、具体的に突き合わせてという性質のものではないと思います。したがいまして、四全総が決まったということだけをもって、既に協議が終わっているものを再協議をするという仕組みにはなっていないことを御了承いただきたいと思います。  四全総の関係については以上であります。
  34. 御巫清泰

    ○御巫説明員 四全総につきましては、ただいま鋭意策定作業中でございます。  その中で、国土の均衡ある発展ということで、多極分散型の国土を目指そうということから地域づくりを非常に重視をいたしておりますけれども民間活力を大いに活用していこう、こういう位置づけを四全総の中でいたそう、こういうふうに考えているところであります。
  35. 菅野利徳

    ○菅野説明員 先ほど地域開発の事例といたしまして新産・工特制度を御言及いただいておりますけれども、新産・工特制度は、先生御承知のように、三十年代の後半以来、大都市の人口の集中とか産業の過度の集中の防止ということを図るため、地域格差の是正及び地方における雇用機会拡大というようなことを図っていくための制度としてつくられたものでございます。  それで、法制定以後今まで一期から三期にわたりまして計画がつくられまして、いろいろな基盤整備事業が展開されてきておるわけでございますけれども先生指摘のように、その中で工場用地の確保ということにつきましても各地域ごとに所要の施策展開が図られてまいりまして、先ほど先生二万ヘクタールほどの用地が余っているというお話がございましたけれども、一昨年度末、六十年度末までの一次-三次計画の中で売却可能用地として整備された土地が約二万一千ヘクタールでございます。その中で、まだ未売却のまま残っているというのは一割強でございまして、そういう意味ではちょっと数字のけたが一つ大きいのではないかと思いますけれども、御承知のように昨年の年度末に第四次建設整備基本計画というものが各地域から出されまして、国の承認をした段階でございます。今後四年間でございますけれども、第四次建設整備基本計画に基づきまして、そういった余っている工場用地等につきましても、新しい時代の要請等にこたえるべく、それぞれの地域の創意工夫をもとにして利用を図っていただくということを期待しているところでございます。
  36. 加藤昭六

    加藤(昭)政府委員 工業再配置促進法でございます。目的にございますように、過度に工業が集積している地域から工業の集積の低い地域へ工場の移転を図るということでございます。  最近の状況を見てみますと、工業立地というのはある程度地域に分散が進んでおります。全体の年立地件数、例えば昨年二千五百件でございましたが、そのうち七〇%程度地方へ立地が行われておるわけでございますが、まだまだ地方の工業の集積というのは十分に進んでいるとは言いがたいわけでございまして、今後とも工業再配置につきましては強力に推進していく必要があると考えております。  したがいまして、こうした現状におきますと、工業再配置促進法につきましては、現在のところ見直すことは考えていないわけでございます。しかし、最近のいろいろな我が国経済を取り巻く状況は大変変わってきております。技術革新、情報化、サービス化等進展しておるわけでございますので、工業再配置関係といたしまして一層これを促進するために、こうした環境の変化も考慮いたしまして施策を幅広く検討している状況でございます。
  37. 関山信之

    関山委員 奥野議員の御了解もいただきましたので、最後にちょっと大臣に。  民活問題たくさん議論したいのですが、どうも今いろいろ伺っておりましても、経済情勢の非常に激しい変化の中でさまざまな課題を詰め込んで、しかも制度的には民間の活力を引き出すためのインセンティブというものも一体どれだけの効果があるのかということの確かめもなかなかできないま史、きょうの新聞の内閣官房特命事項担当室長の遠山さんという人の談話によれば、実態は「走りながら考える」という状況なのでしょう。しかし、これはさっき民活懇のことでお尋ねをいたしましたが、ここらあたりともう少しきっちり詰めた、民活とは何かということについて新しい状況変化のもとで基本的な考え方をもう一遍まとめ直す必要があるのじゃないかという感じがいたしますが、この辺についてはいかがでしょうか。  特に、この間ずっと議論の展開を見ておりますと、やはり四全総絡みで、中央と地方というのは一つ大きな問題がありますし、また産業構造の転換が必ずしも中央と地方というバランスだけで動いていくものでもないという側面もこれまたあるわけでありますから、そこら辺のバランスをどうするかといったようなことも、もう少しみんなが納得できる方向というものを出しながら、インセンティブのありようについてもきめ細かな対応というものがきちっと確立されるべきじゃないか、もしこれをやっていくとするならば、まずもって民活とは何かということから議論が始まるわけですけれども、この際、最後に大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
  38. 田村元

    田村国務大臣 昔建設省がレク都市というのを手がけたことがございました。私は、この民活プロジェクト制度としてはすぐれた制度だと思うのです。問題は扱いの問題だと思います。実は担当者にも私から申したのでありますが、地方にはいろいろと戸惑いもあるかもしれないし、またすり合わせあるいは対応というものに時間もかかるだろうし、そういう点で十分の説明をし、またこれをやろうというプロジェクトが発足をするときに、いろいろな中央官庁との、あるいは地方官庁でもそうですが、中央官庁各部門との話し合いのあっせん役もしてあげたらどうだろうか、そういうふうにしてやっていくべきじゃないだろうか。  いずれにしてもこういう問題は、時に試行錯誤の繰り返しもあるかもしれませんけれども、しかしやらなければならぬことだし、それなりの大きな意義もあることだから、こういうことを申したのでございますが、今後この取り扱いについて、今まだ出足は少しゆったりしておるようでございますけれども、ある時期になるとだあっと一斉に出てくると思います。でございますから、そういう点でも万遺憾なきを期して対応してまいりたい、このように思っております。
  39. 関山信之

    関山委員 ありがとうございました。
  40. 佐藤信二

    佐藤委員長 奥野一雄君。
  41. 奥野一雄

    ○奥野(一)委員 大臣の方は大変お忙しいようでございますので、最初ちょっと基本的な関係について大臣の方にお尋ねをしておきたいと思います。  今この民活法の改正案が審議されているわけですけれども、これが出された背景というのは、第一に、我が国の経済社会の変化に対応して中長期的な発展基盤の整備を図る必要がある。第二に、貿易とか経済摩擦の関係ということから、我が国の外需依存型の経済体質から内需主導型、こういうものが恐らく第二としてあるのだろうと思うのです。第三は、今の行財政改革という視点から民間活力の導入、活用、こういうことがそれぞれこの法案を提出をした背景というもの、これは昨年の五月に現行法ができているわけでありますけれども、そのときの背景というものはそういうものがあったというふうに理解をしているわけです。  したがって、それぞれの関係というのは、単独で効果を上げるということは非常に難しいと思うのです。その背景にあった三つなら三つの要件というものがそれぞれ相互に関連をしながらお互いに十分な成果を上げていくということで、日本経済体質といいますか、今国際情勢の中で非常に厳しい環境に置かれている我が国の経済の立て直しと言うとちょっと語弊があるかもしれないけれども、そういう要素になっているのだろうと思うのです。しかし、この民活法案は、昨年五月の百四国会で制定をされて一年経過して、これは後でお尋ねしますけれども、それなりのスタートを始めてきている。  さて、それではほかの方の経済体質の変革とかなんとかということになってまいりますと、なるほど今までも何回かにわたって総合経済対策とかいろいろな政策というものは行われてきているように思うわけでありますけれども、具体的にどういう成果が上がってきたのかということを考えてみますと、何か後追い後追いという関係になってきているのではないか、効果が全体的に上がっていないのではないか、そういう感じがするんですね。これからまた総合経済対策というものをお立てになるというふうに我々聞いているわけです。ですから、民活化の法案だけが仮に先行していっても、先ほど申し上げましたように後の方の関係というものが一緒に進んでいくという状況でなければ非常に難しい状況になっていくのではないか、こういうふうに思われるわけです。  それで、民活化の方は今こういう状況で幾らかずつでも進みつつあるわけですけれども、そのほかの関係政策や何かについてこれからどんな対応をされていくのか、あるいは今の進みぐあいとかこれからの見通しについてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのです。ただ、時間が余りございませんから、いずれ二十二日に所信表明に対する質問がございますので、そのときにまた詳しく申し上げたいと思いますので、きょうは基本的な考え方だけ大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
  42. 田村元

    田村国務大臣 日本経済がこれから当面する問題、中長期的な問題も含めてとにかく現在取り組んでいかなければならぬ問題、そういう御趣旨のことだと今お聞きしたのでありますが、それはもう申すまでもなく内需拡大策の実践であり、かつ構造調整の進捗であろうと思います。  この内需拡大策というのは、私が口が酸っぱくなるほど申し上げたわけでございますけれども、とにかく中身の濃い立派なものをつくらなければならないことは申すまでもございません。例えば個人消費というものを見てみましても、昨年の十月から十二月の第四・四半期を見ても、珍しく〇・七%も減っておる。日本の消費の六〇%も占めておる個人消費がそういう姿でございますから、当然内需拡大、つまり供給に対して十分これを吸い上げていくことの可能な需要をつくっていくということであろうと思います。そうして、一方において、余剰施設等を持った業種あるいは恐らく過当競争になるであろう業種を転換せしめる、その受け皿として新しい技術分野を開発をしていく、こういうことになろうかと思います。そういう柱と今の民活プロジェクト等の柱を組み合わせて、三位一体、四位一体の姿をとって日本経済を進めていく、そういうことになろうかと存じます。  実は私ちょっと聞き取りにくかったところがあったものですから、あるいは間違えたかもしれませんけれども、御趣旨は大体そういうことじゃないかということでお答えをいたしました。これでよろしければ、また何かございましたら改めてお答えをいたしたいと思います。
  43. 奥野一雄

    ○奥野(一)委員 大臣、結構ですよ。私が申し上げたかったのは、今まで何回も総合経済対策がやられてきた。総合経済対策ですから、大臣も言われましたように、一つは個人消費支出をどうしてふやしていったらいいのか。それには例えば減税問題もあるでしょうし、週休二日制とか賃金の問題とか、そういうものが当然政策の中に出てこなければだめだろう。住宅関係なり設備投資なり公共事業なりあるいはこういう民活の問題なり構造調整なり、そういうものが総合経済対策だったと私は思うのです。  ところが、そっちの方は、確かに公共事業なんかは前倒しとかあるいは多少ふやしたりしてやるんだけれども、あるいは住宅なんかは確かに去年の何月でしたか、百四十九万戸という異例な伸びを示したこともございますけれども、今大臣言われましたように、個人消費の方は若干低下ぎみになっている。ですから、そういうものが全体的にうまく進んでいくことによって日本の今の経済政策、これがうまくいくのだろうと私は思います。それがどうもそっちの方は少し手薄になっているんじゃないかという感じがしてならないものですから、本来であれば、そっちの方の進みぐあいはどうなんですか、あるいはこれからどういうふうにして全体の整合性をとりながら総合経済対策というものを進めていかれる見通しなのか、こういうことを具体的にお聞きをしたかったのですが、きょうは時間がございませんので、後日また改めてこの点については個々にわたってお尋ねしてまいりたいと思っております。  大臣お忙しいようですから、あとは担当官の方とまたそれぞれやりとりをさせていただきます。  そういうことなんですが、産政局長がおられるわけで、恐らく専門家はそちらの方だと思うのですけれども、今私が言ったようなことについて御理解いただいたと思うのです。そういうもののこれからの見通しというのですか計画というのですか、そういうものはでき上がっておりますか。
  44. 杉山弘

    ○杉山政府委員 お尋ねのとおり、民活もこれからの全般的な内需拡大対策の一環として、財政事情の苦しい中で、今後の経済発展に必要な基盤的な施設整備するために考えられた方法でございます。したがって、それだけでというわけにはまいりませんので、日本経済全体として内需中心の成長を遂げるためには、先生指摘のような減税問題、さらには労働時間の短縮問題等々、基本的な対応が必要であるということはまことにごもっともなことだと思います。  とりあえずの話といたしましては、一応現在政府で検討しております当面の総合経済対策、この中で、これからの国会の御審議等との関係はございますけれども、例えば減税が可能であるということになってまいりますと、やはりその中には当然所得税の減税というものも検討対象に入ってくる可能性があると思いますし、それ以外の内需拡大対策についても当面の政府としての対応ぶりについて答えが出てくるはずでございます。  それから、少し中長期的に何か計画があるのかということでございますが、これは先般企画庁の経済審議会の中の経済構造調整特別部会で御検討になりました問題、これがこれからの日本の構造調整内需中心の経済運営についての基本的な指針になるのであろうと思います。政府としても、この経済審議会からの建議を受けまして、その中で逐次具体化できるものについては、総理が本部長になっておられます経済構造調整推進本部等での議を経て政府としての方針として具体化をしていく、こういうことになるのでございましょうから、これからの当面の話といたしましては、先ほど申し上げた総合経済対策、中長期的には経済企画庁の経済審議会の答申といったものをペースに進められていくことになる、こういうふうに了解をいたしております。
  45. 奥野一雄

    ○奥野(一)委員 この問題については後日ゆっくりやらせてもらいたいと思っておりますから、きょうは余り深入りはいたしませんけれども、この次のときには、どちらの方になるのか、企画庁になるのかとも思いますけれども、そのときちょっとお尋ねしようと思っておりましたけれども、三和総研だったと思いますが、あそこから出したリポートなんかを見ましても、これは経済だけでなくて雇用の関係についても触れているわけですけれども、その中でもやはりこれから賃金の問題でもあるいは労働時間の問題でも、そういうものでも、ある程度法制化をするぐらいの条件が出てこないと非常に厳しいのではないかというような意味のことも言われておるわけであります。ですから、日本経済を支える底力というのは、確かに企業のいろいろな努力もあると思いますけれども、問題はやはりそれがどんどん売れていくという状況がなければうまくいかないだろうと思うのですね。確かに伸びている産業もありますけれども、一般的には小売商業関係では売り上げはよくない、こういう状況になっております。そのためには個人消費支出というものを伸ばす、この点が総合経済対策の中では一番欠けているんではないか、おくれているんではないかなと思っているものですから、これから総合経済対策を新たにまた立てられる場合には、そういうものもきちっとした形の中で進められるように、ぜひひとつお願いをしておきたいと思っているわけであります。  それで次は、今関山委員の方からもいろいろお尋ねになりまして、多少ダブっている部分もございますから、そういう面については簡略にしていきたいと思っております。  現行の民活法ができてから一年たって、今のところはその中で確定したのが二つ、間もなくというのが一つ三つですか、こういう状況になっているわけでありますけれども、これは始まってからそんなに期間がたっておりませんので、一年といっても実際に最初の第一号は十一月ですか、そういうことですから、さてそれで効果はどうだったんだということは非常に難しいだろう、こう思うわけであります。  昨年五月の現行法ができたときの背景というのは先ほどちょっと申し上げましたけれども、そういう中でできてきて、こういう法案をつくったということは、それなりにこれをやればこういう効果が上がる、それによってこういうふうによくなっていくという見通しというのですか計画というのですか、これは当然あったろうと思うのですね。今実際にスタートしているのはわずかでありますけれども、そういうものに照らしてみて、効果というのは一体どういうふうに上がってきておったのか。あるいはこれからでもいいんですね。まだスタートしてないのもありますから、見通しとしてスタートするものもある、それから先ほどのお答えでは年度内に二十近くスタートできそうだ、こういう話にもなっているわけであります。ですから、もしそうだとすれば、この年度内に二十なら二十のプロジェクトが進行したときには将来こういう効果を上げることができますということが見通しとしてはあるだろうと思うのですね。その辺のところをちょっとお尋ねをしておきたい。  それから、先ほど同じく関山委員の方から質疑がございました、二つの施設が追加された理由。これは先ほどちょっと答弁を聞いておりましたけれども、何か大阪の関係とか国際化、そういうものなどが急浮上してきてこの二つを追加された、こういうのですが、もうちょっと詳しく御説明をお願いしたいし、これも今のことと関連をして、それじゃこの二つの施設を追加したということは、今までの六つの施設だけでは不足だから追加したということになると思うのですね。そうすれば、その追加したという一つの理由の中には、これを追加することによってなおこういう効果を上げることができるということだろうと思うんですよ。そういう効果の見通しと、それから先ほどは追加されるということについては追加の予定はない、こういうことなんですが、この施設の追加でなくて、先ほど二十くらい年度内にスタートするのでないかというお話だったのですが、これは施設ごとに内訳わかりますか。数だけでいいですよ。中身についてはいいんですが、施設ごとにもしわかったらお知らせいただきたいと思うのです。
  46. 杉山弘

    ○杉山政府委員 まず最初に、民活法の効果についてお尋ねがございました。  確かに民活法、昨年の五月三十日に施行されたわけでございますが、実はその後政府部内で整備に関する基本指針の作成というのを夏ごろまでかかってまとめましたので、むしろそれ以降初めて施設整備する側において認定申請等の手続が始まる、こういうことになりましたので、またそれが始まってから一年にはなっていないわけでございますが、先ほど関山先生お答えしましたとおり、現在まで通産省関係で三施設について整備計画認定を終わっております。当初は国会の審議の過程で、直接的な事業規模だけで約一兆四千億円、関連施設整備を含めますと六兆円から七兆円ぐらいまでの事業規模になるのじゃないかということを御答弁申し上げていたようでございますが、これも先ほど関山先生お答えしたような各種の事情がございまして、残念ながらその後計画の内容等については縮小等々が行われることになりまして、当初申し上げました一兆四千億が現時点で計算をしてみますと大体八千億円ぐらいではないのかという感じがいたしております。  それから、今回二つの施設を追加するに至りました理由でございますが、これも関山先生への御答弁と重複するようでございますが、昨年の法律制定の段階では具体的に計画として取り上げられておりませんでした、大都市の臨海部の再開発に伴いますマルチメディアセンター及びインテリジェントビルの整備というようなことがこのところ急速に具体化するようになってきておりますし、また幕張メッセなり横浜のみなとみらいの計画というような中で具体的なプロジェクト検討される過程におきまして、これも外国企業の海外進出を容易にするためのいわば国際的なビジネス交流施設とでも申しますか、そういうものもあわせて整備したらどうかというような話が具体的になってきておりますので、今回そういうものを従来の六施設に追加して指定をしたいというのが理由でございまして、そういう意味では、昨年の法律制定の段階では予想されていなかったものが急速に出てきたために今回追加をお願いする。それ以外につきましては、いわゆるレジャー施設整備については既に総合保養施設整備に関する臨時措置法という格好で国会の御審議をお願いしている段階でございますから、とりあえず民活対象施設として考えますと、従来の六施設に加えまして今回の二施設、さらにはレジャー施設などを入れますと、当面それでやっていくべきではないか。ただ、この民活法の趣旨に合致しますような施設整備計画がこれから出てまいらないとは断言できませんので、そういう段階になりましたら改めて検討はさせていただきたいと思っているわけでございます。  それから三番目に、従来の効果との関係であるいはお答えをすべきだったのかもしれませんけれども、今後例えば六十二年度内というようなタイムレンジで整備計画認定申請に至る可能性の高いプロジェクトということで当省関係を申し上げてみますと、いわゆる研究開発・企業化基盤整備施設関係では大体現時点で九つほどの施設が私どもの頭の中にはございますし、それから情報化基盤施設につきましては、柏崎のプロジェクトを現に認定しておりますが、そのほかにさらに三つほどの施設整備計画認定申請があるのではないか。それから国際会議施設といたしましては、先ほど来の御答弁の中でも申し上げました横浜のみなとみらいの計画のほかに、あるいはもう一つぐらい出てくる可能性がある。したがって、合計二つということになりますので、九、三、二、合計でいきますと大体十四ぐらいの施設年度内の整備計画の申請となって出てくることが期待できるのではないかと考えております。ただ、他省庁の関係ではこのほかにも幾つかあるようでございます。
  47. 奥野一雄

    ○奥野(一)委員 私の方の聞き方も悪いのか、ちょっと私の認識からいってわからない部分があるのです。これはテクノポリスなんかの指定もそうだろうと思うし、いろいろな政府の施策なんかもそうだと思うのですけれども、例えばこの民活法案なら民活法案というものを制定されて今やっているわけなんだけれども、端的に言って、例えば私どもが個人の生活をしておって、車なら車を買いたい、しかし金がない、それじゃひとつ奥さんにパートにでも行って働いてくれ、そうやって何カ月働いてもらえば車一台買える。普通、個人生活の場合だったらこういう計画を立てるわけですね。それはローンの場合だって同じだと思うのですね。ローンを払うためにちょっと半年ぐらいパートで働いてくれないかと言って、それが一つの効果だと思うのですね。  それで、今のお話を聞いておりますと、関連を含めたら六兆だとか七兆、こうなるというのだけれども民活法案というのは一体何を目的にしてこういうものがつくられたのか。そうすると、その目的に基づいてそれなりの経済効果というものについての考え方はあるのじゃないだろうか。ただやれば何かうまくいって、知らないうちに総合的に経済がよくなっていくのかというような、官庁の場合ですからそんな漠然とした考え方ではないように思うのですね。  これは次の質問の方にもちょっと関連してくるので、私はこれをこうやって見ておって、実際にこういう仕事をやられ、あるいはテクノポリスなんかもそうですけれども、アフターケアという感じのものを考えておられるのだろうか。もちろん何でもかんでも役所が口出しをするということは決していいことだとは思いません。しかし、政府の方でこういう構想を出した、それぞれの地域指定をした、後は知らない、こういうようなことになっているのが多いのじゃないかという感じもするわけです。これはアフターケアというのですか、あるいは徹底的なというとまた語弊がありますけれども、ある程度政府の決めた方針というものが末端でうまくいっているのだろうかというような調査とかということも一つは必要ではないのか。  例えば、先日私どもは山林労働者の方々と一緒に林野庁とか労働省への要請行動をやりましたけれども、労働省の方ではこういうことだという通達を出しても、末端には全然それが行き届いていない。ところが、本省の方は通達を出したからすべてがうまくいっているのだろうという認識で物を進めているわけですね。ところが、実態はそうではないということが明らかになっているわけです。ですから、通産の方も今のような民活法でもって、はい、ここは認定しました、これは認定しました、しかし後はどうなっているのかさっぱりわからない。当初の予想したとおりにその効果が上がって、その効果が一体何なんだ。例えばそのことによって地域経済活性化が非常によくなったとか、その地域の産業が盛り上がったとか、何かそんなものがあるのじゃないかと思うのですけれども、そういうものはどうなんですか。
  48. 杉山弘

    ○杉山政府委員 御質問の趣旨を十分理解しないまま御答弁申し上げて、大変失礼をいたしました。  民活法の主たるねらいは、財政事情のもとで内需拡大を考えます際には民間事業者能力活用というものを考えなければいかぬ、そのためには政府としても事業の採算性その他の面で若干の助成をするということでこれを促進するということであったかと思いましたので、その関係数字だけを申し上げたわけでございますが、やはりそういった内需拡大に資すると同時に、おっしゃるように地域の活性化を図るということも民活法の大きなねらいでございます。ただ、これにつきましては先ほども申し上げましたようにまだ計画自身がようやく認定をされた段階で、これから実際の工事が施工され施設が完成された際に、その意図した地域活性化効果というのがどういう形で出てくるか、こういうお話になるのかと思いますので、現時点でそのためにこうだということを申し上げるような材料を持ちませんので残念でございます。  ただ、私ども専ら計画だけ認定をしてしまえばということで過ごしているわけではございませんで、例えばということで考えてみますと、先ほどの民活の問題にいたしましても、最近の経済状況で、都市の民活事業は比較的円滑に進んでおりますが、地方民活事業は特に採算性の点等で問題がございまして余りはかばかしい進展を見ていないということから考えますと、こういったことについて政府として従来のような助成措置でいいのかどうか、地方経済活性化のためにはこういった民活事業を含めたプロジェクトについて政府として何らかの助成の努力をしなければいかぬのじゃないか、そういう観点から今省内で改めて検討もし直しているところでございます。  施行後一年という期間ではございますが、これからもこういった問題については実情を踏まえまして、当初の民活法による趣旨が達成されますよう通産省としても大いに努力をしていきたいとは考えております。    〔委員長退席、奥田(幹)委員長代理着席〕
  49. 奥野一雄

    ○奥野(一)委員 時間がもう少なくなってきているので急ぎたいと思います。  民間活力の導入あるいは活用、これは、先ほど関山委員も一体民間活力の導入というのは何だというような話もあったのですが、民間企業の場合に活力を出せるというのは利潤追求だろうと思うのですね。利潤追求がなかったら民間は活力なんて出さないと思うのですよ。ですから、こういうプロジェクト民間企業を参加させるということは、参加をする民間企業にとってはメリットがあるということだと思うのですね。それで、こういうふうな施設をつくることによって一体どんなメリットがあるのか。  それから、大体こういう施設は都市とかあるいは大都市中心ということで、地方都市も計画の中には幾らかありますけれども、大体都市中心になっているわけですね。それから。こういうものに参加ができることになった場合に、財政的な支援とかあるいは税制面での優遇措置などがあったりいたしましても、そう小さな企業というのは参加をすることはできない。やはりある程度の大きな企業ということになっていくのではないかと思います。その場合に、今局長の方からは地方経済の活性化についても考えなければというような意味のことだったのですが、それぞれの地方で行われるプロジェクトがこれから具体的に進んでいく場合に、本州の大手企業がそれに参加をしていってやるというような傾向が出てくる可能性がないか。そういう場合に、地元企業をどう活用していくのかという指導方針が具体的にできているのかどうか。そういう面も一つ考えなければならないのではないか、こう思うのですね。  それと、ついでですからみんな申し上げてしまいますが、これは都市対策の問題だって出てくると思います。東京なんかのようにそういうことをやることがまたどんどん地価を高騰させていく。ちょっと新聞なんか見ますと、今度都市政策で私権制限というような形のものが一部に限ってですけれども出されてきておりますが、地方の方で下手にやられて、そのことによって地価が高騰するなんということになった場合には大変迷惑することに逆になります。そういう面での土地対策というようなことについてはどういうようなお考えを持っておられるのか、あわせてお聞きしておきたいと思います。
  50. 杉山弘

    ○杉山政府委員 まず最初にお尋ねのございました民間企業に対するメリットということでございますが、お話にもございましたように、民間企業としてのメリットというのは収益、採算の問題ではないか、民活事業というのは政府が助成をして辛うじて何とか採算がとれるようなもので、直接それに参加することのメリットというのは乏しいのじゃないか、それはお尋ねのとおりであろうかと思います。むしろ地域の企業がこれに期待をいたしておりますのは、先ほど先生からお話のございましたように、施設が完成をしました暁にその施設が利用されることに伴う地域経済活性化のための効果ということに主眼があるのではないかと考えているところでございます。  ただ、実際の問題といたしましては、これまでに認定をいたしました計画のものの中では、あるいは大都市近辺の事業だということも理由があるのかもしれませんが、例えば民間の出資につきましては、むしろ当初計画以上に民間からの参加希望もあるということのようでございまして、このあたりにつきましては、私どももむしろ予想外の民間サイドの評価ということで、ありがたく思っているところでございます。  それから、実際問題として工事が行われる過程で、むしろそれに参加している大手企業のみならず地元企業の活用というものが考えられないか。これは事業主体につきましては必ずしも第三セクターに限るというものではございませんが、現実には主として第三セクターが中心になると思われます。そういたしますと、地元の都道府県その他地方公共団体が参加をされるということにもなりますし、また政府からは開銀も参加をするというようなことになってまいりますので、そういった株主サイドにおきましても、最終的にはこのプロジェクト自身が経済の活性化を目的といたしておるものでございますから、建設過程におきます地元企業の活用という問題につきましても十分配慮を払ってくれるものと考えますし、私ども通産省全体としては中小企業庁も抱えておりますので、地元、特に中小企業の活用という観点からもそういうような要請をしていくべきものと理解をいたしております。  それから、土地の問題につきまして、特に大都市にプロジェクトが集中するというようなことで地価高騰の問題等に影響があるのではないか、こういう御心配、これもごもっともなことであろうかと思います。ただ、幸いなところ、先ほど申し上げましたように、これまでの事業は主として第三セクターについて行われるということになっておりますので、特に公共用地の利用ということが中心になっております。したがいまして、現在のところのプロジェクトではそういった心配はまずないものと考えられますが、これからの話としてはあるいはそういう懸念が出てくる可能性もないわけではございませんので、こういったことにつきましては、今後の用地手当ての問題につきましては、区画整理事業等の基盤整備事業の一環としてやっていっていただくということをぜひお考えをいただく必要もあるのかなということを考えておりまして、私どもといたしましては、そういった点につきましても地元の地方公共団体を通じまして指導等に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
  51. 奥野一雄

    ○奥野(一)委員 地価対策の関係、これは公共用地を利用するということでいけばうまくいくかもしれませんけれども、そうでなければこれは地価高騰というものに恐らく拍車をかけることになります。私は、東京のことは余り心配してないのです。東京よりも自分の方のことを心配するわけでありますけれども、地価がそれによって上がっていくなんということになった場合には大変だ。  それから、先ほども申し上げておりますように、第三セクターを組むということになりましても、相当な力がついている企業でないと、つくって物を売るとかなんとかということであればすぐメリットがはね返ってくることになるのでしょうけれども、そうでなければ、地方の企業ということになれば非常に難しい面もあるのではないのかな、こんなような感じもしでいる。もちろん施設の内容にもよりけりだろうと思いますけれども、そういう感じがします。しかし、そうなって本州大手だけが乗り込んでくるということでは、地域としてはなかなか大変だと私は思うのです。これは北海道の開発予算なんかでも、調べてみますと本州企業の比率というのは七対三くらいで地元がといっていますけれども、金額にしたら逆になって本州大手の受注金額の方が多い。だから、実際に北海道の公共事業というものをたくさんやられても、地域経済に余りプラスになっていないのですね。そういうような感じになっていったのでは地域としてなかなか大変だと思っているわけなんで、そういう面の配慮ということについても、実際に認定される場合には十分な配慮はひとつしていただきたいと思っているわけであります。  それから、もう時間がありませんが、先ほど関山委員の方から質問があったのとちょっと関連しますけれども、これは財政支援というものが伴っていくことになるわけなんですが、例えば今、年度内に二十なら二十くらい何とかスタートできそうだ。その場合には、その部分についてはもう予算上は心配ないのですか。それと、たくさんの構想があるわけですから、これからそれが仮にどんどんふえていった場合には、通産省の方としてはそういう予算措置ということについては心配ない、こういうことになるわけですか。
  52. 杉山弘

    ○杉山政府委員 六十二年度予算の問題につきまして、先ほどお答えしたような整備計画認定の進展に伴って補助金等の支出について不足がないかというお尋ねてございますが、今年度につきましてはそういう事態にならないものという感じを私ども持っております。  ただ、これからの話といたしますと、先生御案内のように補助金は三年度にわたって支出をいたしますので、整備計画認定が進みますと、かなり累積的に額がふえてくる可能性もあります。こういった問題について、現在の予算要求のシーリング制度のもとでどうしたらいいかということについては頭の痛い話ではございますが、せっかくこういう補助金をつくりましたので、そういうことで前倒しをやっていただく計画につきまして、予算金額の面で御不便をおかけするということは私どもの本旨ではございませんので、そこにつきましては財政当局とも相談をし、必要な金額の確保については通産省として十分な努力をしてまいりたいと思っております。
  53. 奥野一雄

    ○奥野(一)委員 もう時間ですからこれで終わりますけれども、先ほどから申し上げてきておりますように、一つは、総合経済対策ということですからこういうような関係については随分力も入れられて、進みぐあいもほかのものより少し早いのではないかなと思いますが、そのほかの重要な部分についても、法制化しながら対応するとかそういうようなことも考えてもらいたいし、それから今の関係では、再三申し上げてきておりますように地方に迷惑になっては何にもならないと思うので、むしろ地方経済なり産業なりがそれによってうまくいくという方向に持っていってもらわなければならないし、余り本州大手ということだけでやられないような指導をぜひお願いしたい。  時間ですからやめます。
  54. 奥田幹生

    奥田(幹)委員長代理 森本晃司君。
  55. 森本晃司

    ○森本委員 民活法が生まれてからこれに対する大きな期待もかけられておりましたし、また今、殊に貿易摩擦あるいは内需拡大という視点から考えても、民活法の重要な位置づけが必要とされているところであります。従来六つだったものが今度新しく二つ加わりまして、今回の特定施設の建設が促進され、内需拡大がされていくわけでございますけれども、この内需拡大に対する効果はどのように考えておられるのか、その見通しはいかがなものなのか。これはまた後で大臣がお見えになったときにもお尋ね申し上げたいところでございますが、この民活を生かして内需拡大にどれだけの効果を見込んでおられるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
  56. 杉山弘

    ○杉山政府委員 今回二つの対象施設を追加することに伴います内需拡大効果についてのお尋ねでございますが、実はまだ今回造血する二つの施設についてのプロジェクトの具体化が必ずしも十分にできていない面がございまして、全体として幾らになるという確定的な数字をこの席で御答弁申し上げるほど自信のあるものはございませんけれども、おおよその見当をつけていただくという観点から、少しプロジェクトの内容についての詰めが進んでいるものについて例示的に申し上げることで御了解をいただきたいと存じます。  例えば東京臨海部の十三号埋立地で東京テレポート構想というものがございますけれども、これにつきましては、現時点事業費規模が約二千億円程度というようなことが想定されているようでございます。それから国際ビジネス交流基盤施設につきましては、例えば幕張の計画の一環として検討されておりますものでは、私ども承知しておりますところでは事業規模は大体六百億円程度になるのではないかという想定があるようでございます。これから計画が具体化されてまいりますと、それぞれのプロジェクトによりまして若干の規模の相違はあろうかと存ずるわけでございますけれども、おおよそ今申し上げたぐらいのかなり大きな事業規模になる可能性があると思います。特にマルチメディアセンターに関連いたしましては、それに附帯して整備をされるインテリジェントビル等が入ってくることを考えますと、事業規模としてはかなり大きなものになる可能性があるということは申し上げることができるのではないかと存じます。
  57. 森本晃司

    ○森本委員 この民活法がつくられましたときに、言うならば電車に乗りおくれまいというような思いで各地方もそれに参画してきたわけでございますけれども、現在プロジェクトの候補地は大体幾らぐらいになっているのでしょうか。通産省以外の分野も合わせていかほどのものなのか。そしてその規模が需要拡大にどれほど貢献してくるか。その効果について、大まかで結構でございますが、今二つについては伺いましたけれども、このプロジェクト全体いかがに考えておられるのか。各省庁によって、ほかの三省庁もございますので、通産省だけでわからないというのであれば通産省だけでも結構でございますが、通産省が今見込んでおられる内需拡大の効果をお願いしたいと思います。
  58. 杉山弘

    ○杉山政府委員 ただいまのお尋ねは、今回追加することになった二つの施設でございますか、それとも、それに限らず従来のものも含めて……。
  59. 森本晃司

    ○森本委員 従来のものです。
  60. 杉山弘

    ○杉山政府委員 従来の対象施設につきましては、通産省関係では、認定をいたしております三つプロジェクト以外、六十二年度中に整備計画認定に至る可能性が強いプロジェクトにつきましては十四ございます。それの事業規模の総計と、いたしますと約五千億円ぐらいかと存じますが、それ以外に、郵政省その他他省庁の関係で幾つかのプロジェクト整備計画認定に至る可能性が強いものとしてあるように承知はいたしておりますが、お答え関係省庁からお願いをしたいと思います。
  61. 森本晃司

    ○森本委員 関係省庁、きょうは時間がないので呼んでいないのですけれども、候補地はどれほど、百だとも言われておりますし、百七十とも言われておる、二百とも言われておる。
  62. 杉山弘

    ○杉山政府委員 恐れ入りました。  私どもが承知をいたしておりますところでは、他省庁の方については必ずしも十分に自信を持ってお答えする資料はないようでございますが、恐らく通産省が十四、それ以外合わせまして合計十八ぐらいになるのかと思います。ですから、他省庁の分が三つか四つ、恐らくそんなものかと思いますが、もうちょっと時間をいただけましたら、御質問の途中でもお答えをさせていただきます。
  63. 森本晃司

    ○森本委員 他省庁合わせて百二十近くになっているというふうに、候補地だけでもそれほどあるというふうに伺っているわけでございますけれども、現在候補地が百二十ほどあると言われながら、明確に認定になったプロジェクト三つほどしかないというふうに伺っております。  けさの日経新聞を見ましたら、「民活、笛吹けど踊らず」というふうな大きな見出しが出ておりますし、つい先般の朝日新聞の記事にも「不評の「民活法」にカツ」というふうな記事が出ております。百件にも上る候補地がありながら、今かながわサイエンスパーク、それから柏崎ソフトパーク、幕張メッセ、この三つだけしかなっていないということでございますが、昨年の十一月補正予算、今年度予算では全く手つかずの状況でございます。また同時に、これは限時立法として十年間の期限がございますが、この状況を今どのようにとらえておられるのか、お伺いしたいと思います。
  64. 杉山弘

    ○杉山政府委員 大変失礼をいたしました。  全体として対象となり得るプロジェクトということにつきましては、先生指摘のように法律制定の段階では百近くあると申し上げたはずでございますが、その中で、先ほどの御答弁の中でも申し上げましたように、その後の経済状況の推移からかなり計画の後退、縮小等がございますけれども、現在までのところでは、通産省関係では約四十、他省庁の分が約二十、合計いたしますと約六十ぐらいが、ある程度具体化に向かって計画が進められているものとしてあるように承知をいたします。  その中で、先ほど申し上げましたように、通産省関係では年度内にでも整備計画認定申請に及んでいただけるというようなものが十四、同じような観点から他省庁の分を紹介をしてみますと、郵政省関係では七つ、運輸省関係で五つ、合計いたしますと十二あるようでございますから、通産省の十四と合わせますと、全体で二十五、六のものが近く整備計画認定申請をしていただけるようなプロジェクトとして具体的に進んでいる、こういうふうに現状を承知をいたしております。
  65. 森本晃司

    ○森本委員 済みません、もう一度確認したいのですが、今二十六とおっしゃったのは、本年度スタートしそうな分ですか。
  66. 杉山弘

    ○杉山政府委員 本年度内に整備計画認定をしてスタートをしていただける、こういうプロジェクトでございます。
  67. 森本晃司

    ○森本委員 事業規模は、その二十六でいかほどになっておりますでしょうか。
  68. 杉山弘

    ○杉山政府委員 他省庁の分について今正確な数字まで申し上げることはちょっと自信がございませんですが、今御説明をいたしました二十六のプロジェクト事業規模を総計いたしますと、約八千億円ぐらいに上るのではないかというふうに考えております。
  69. 森本晃司

    ○森本委員 そこでお尋ねしたいのですが、二十六で八千億ほどのものが、通産省関係で十四というふうに今お答えいただきましたが、予算として民間能力活用特定施設緊急整備補助金補助金だけで今計画されておりますのが十四億九千七百九十一万七千円の補助金が組まれておるわけです。これはやはり事業規模が明確になってこそ補助金というのも組まれていくのではないかと思います。当然見込みも含まれてあるわけでありますが、十四億の補助金、五%補助するというものでありますけれども、これの算定基準はどのようにして出されたのでしょうか。
  70. 杉山弘

    ○杉山政府委員 補助金の額でありますが、これにつきましては、厳密な積み上げ計算の結果、年度内に着工されるこういうプロジェクトがあって、それの総事業費で当該年度分に相当するのが幾らという実は厳密な積み上げではないわけでございまして、ある程度年度内に着工されます計画につきまして計画の繰り上げが行われるような場合を含めて、こういった補助金の面でその計画の繰り上げ施行が実行されることに障害が生ずるということのないようにということでやっておりまして、極めてラフな試算なんでございますが、六十一年度分につきましては、年度内に着工されるものの事業規模が一千億円ぐらいあっても補助金の面で十分対応できるようにということでもございますし、それからこれは国会の予算審議の過程におきましては繰越明許費の扱いをしていただくということで予算を御提出申し上げておりますので、六十二年度についてはかなり着工がふえるといたしましても、六十二年度内の事業規模が新しくさらに一千億円ぐらい増加をすることありということで、六十一年度からの繰り越し分と六十二年度のものを含めますと、全体として年度内にかなりのものの着工がありましても補助金の面での御不便をおかけしないようにということで一応の計上をさせていただいておるところでございます。
  71. 森本晃司

    ○森本委員 当初通産省が予算を組み、あるいはこれくらいいけるというふうな見込みをされたにかかわらず、今三つという状況についてはどのように考えていらっしゃるのですか。
  72. 杉山弘

    ○杉山政府委員 今御答弁申し上げましたように、六十一年度内には予算上は一千億のものの着工があっても、こういうことで計上させていただいたわけでございますし、また内需拡大の効果からいきますと多くの事業が着工していただきたいと我々考えていたわけでございますが、そういう意味から申しますと、三件程度の着工申請というのは若干私ども期待から外れているというのが率直な感想でございます。  ただ、この点につきましては、私ども無為に過ごしたわけではございませんで、関係の都道府県にお集まりをいただいて新しい補助金制度の趣旨を御説明すると同時に、ぜひそういう観点から年度内の早期着工ということでお願いをしたわけで。ございますが、民活プロジェクトにつきましては、官民の出資の問題、地元との調整その他なかなか難しい問題があるようでございまして、今のところ年度内三件という極めて残念な結果に終わっておりますが、六十二年度につきましては、先ほど御答弁申し上げましたようなことで、かなりのものが実際認定申請に出てくるということを期待しておるわけでございます。
  73. 森本晃司

    ○森本委員 皆さん民活期待を寄せていらっしゃる、またどうしても今内需拡大をしなければならない、そういった角度から見ても、どうしてもこの民活を積極的に進めていかざるを得ない。しかし、現在三つしかそのことが認定をされていないという現状を考えてみますと、円高不況、あるいは民間と官界との話し合いが折り合わない、あるいは名前を挙げたけれども、それは乗りおくれまいとして挙げただけのことであって、具体策は何にもない、こういった条件がいろいろ考えられるわけでございますけれども一つは、民活に対して民間の人が資金を出していこうとする魅力がないのではないだろうかというふうにも思うことができるわけです。そういったことについてはまた後でお伺いしたいと思います。  去る五月十四日の朝日新聞に「不評の「民活法」にカツ 補助率五%→二五% 政府緊急対策に盛り込む」という大きな見出しが出ておりました。今スタートしたばかりで、補助率が五%で三つしかまだ出していないというのを今度は二五%にしようというのです。二五%にするということについては、これは魅力が出てくることで当然でございますが、同時にまた、じゃ民活とは一体何なのかということも問われかねない問題でもある。この朝日新聞の記事は「政府緊急対策に盛り込む」とあります。この記事は恐らく読んでいらっしゃると思いますが、これは一体どういうところから出てきたもので、政府の中にそんな考え方があるのか。今後この民活に活を入れるために、補助率を二五%といかなくても、少しでも上げようと考えていらっしゃるのか。あるいは、今そのことを言うと、スタートしたばかりで、後の方が二五%になるまでもう少し待とうという考え方が起きて、例えば今お答えいただいた十四の方も二五%まで待とうという考え方になるので言えないものなのか。この記事を見ての感じをおっしゃっていただきたい。
  74. 杉山弘

    ○杉山政府委員 朝日新聞に報道されました記事についてのお尋ねでございますが、私ども民活について二五%の補助をやることを総合経済対策の中で決めるということを現在具体化しているわけではございません。先生指摘のように、現在の補助金は二年度内に着工したものについてということでございますから、前倒し着工をお願いし、そのために政府としても前倒しされた分については一定の率で補助をして差し上げよう、こういうものでございますから、もしこれから出てくるものについて五%以上大きなものが受けられるという話になりますと、せっかく前倒しをお願いしております趣旨とは外れてまいります。したがって、先ほどの御質問の中でもお答えしたわけでございますが、早期着工を目的とした補助金制度については、私ども財政当局との間で二年間ということでやっておりますので、今これを変えるつもりはないわけでございます。  ただ、私ども問題として考えておりますのは、民活事業と申しましても、大都市周辺のものは比較的採算ベースに乗りやすいので、そういうものは具体化されることが容易ではございますが、地方のものについては、特に最近の経済情勢から見ますと、むしろだんだん計画の具体化がおくれる一方、採算性についての不安が増すだけ、こういうことになっておりますので、地域経済活性化という観点から考えますと、こういう事態は甚だ残念なことでございます。地域経済活性化のためには、民活プロジェクトだけではなくて、都道府県等が中心になってお考えのプロジェクトもございますが、こういったものを含めて、政府としての助成は現状のままでいいのかどうかという点についての検討は必要ではないかということで今省内で検討いたしておりまして、案が出ましたら財政当局等とも相談をして、今回の総合経済対策の一環として具体化をしたいと考えておるわけでございますが、今はまだ省内での検討及び今後の財政当局等との政府部内での折衝の過程でございます。確定的なことを御返答できませんが、そういう趣旨での検討はさせていただいております。
  75. 森本晃司

    ○森本委員 それでは補助率五%が二五%かという数字は別にいたしまして、都市ではなしに、それ以外の地域の今後の振興あるいはこの民活を魅力あるものにするためには補助率アップも積極的に考えていくというふうに解釈してよろしいでしょうか。
  76. 杉山弘

    ○杉山政府委員 地域経済活性化のため、先生からお尋ねのような方向で私ども今省内では検討いたしております。ただ、それが二五になるのかどうかということについては、確定的なことを申し上げる段階にはございませんので……。
  77. 森本晃司

    ○森本委員 各地方の特に地元では採算に非常に不安を持っているだけに、私はこの補助率をもう一度検討していかなければ、地元企業は魅力あるものとしてついてこないものの一つになってしまうのではないだろうかということをも思いますので、今後よく御検討をいただき、また発表のタイミングもございましょうから、その辺をよく御検討いただいて、補助率がアップになるように要望しておきたいと思います。  そこで、今回の改正で新たに二つの特定施設対象に追加されました。これは、東京、川崎、大阪の南港、南大阪、また東京テレポートとか横浜とか、主に大都市中心のプロジェクトが圧倒的に多いわけでございますけれども、今日までの分、地方のものもあるかと思いますが、大規模プロジェクトも大都市中心である、民活プロジェクトの方もともすれば東京一点主義になりそうであるというふうな批判があるようにも私は思うわけでございます。けさの同じ日経の記事で「こうした状況を大分県の平松知事は「東京は民活地方は官活」と表現する。「円高や産業構造の転換で地方の企業はへばっている。そんな中で民活を唱えても地方では何もできない。官活でインフラ整備を終えた段階地方にもやっと民活の時代がくる」」、こういうふうに平松知事が言っていたというふうにも書いておりますし、また熊本県の知事が「東京に偏った民活は「地方の反乱の時代」に火を付けかねない。」だんだん東京の民活のビジョンが掲げられれば掲げられるほど、かえって地方は冷めてくるのではないだろうか。この民活法律がつくられるときに論議された中で、各地方にもっともっとこの民活が生かされてきてこそ地方経済また文化の発展につながっていくんだということで、言葉的に草の根プロジェクト、そういうものがあってこそ地方が生きるんだというふうな論議もされたわけでございます。  しかし、現実に空白県が何県がありますが、一体書県というのは――私のおります奈良県もそうでございます。空白県でございます。と申しましても、すぐ隣の京都府の精華町のところにできる関西学術都市構想の中に郵政省のプロジェクトがあるので、それは奈良県と考えてもいいんじゃないだろうかというふうにも言われておるわけでございますけれども、私は民活空白県が何県あるのかということを一つお尋ねを申し上げたいということと、そして民活空白県というのは、民活を生かそうとする能力がその地域にはないとは決して言い切れないし、そういうものを要望していないとも言い切れないと思うのです。そこにはやはり具体化のためのインセンティブを含めていろいろな魅力を与えていく必要があるのではないだろうか。例えば、そのプロジェクトが投資機会として意義のあるものである、あるいはまた参画することによってその企業のイメージが非常に高く評価されるものである。これはただし、参画することによって高く評価されると申し上げましても、寄附金とかあるいは何か名誉的なものでここに寄贈されましたものなのでという形だけでは恐らく民間企業はついてこないと私は思うのですが、民活空白県あるいはこれからまだまだおくれているそれぞれの地方民活についてどのように考えていらっしゃるのか、また地方への還元、あるいはどのようにしてそれを誘導し指導していかれるのかということをお尋ねしたいと思います。
  78. 杉山弘

    ○杉山政府委員 空白県の数につきましては、今ちょっと調べておりますので後ほどお答えをさせていただきますが、確かに御指摘のように、今回追加いたしました二施設につきましても大都市圏中心のものでございます。それから従来の六施設につきましても、六つに限定をしておりますから、先生おっしゃいますように、これにつきましてまだ具体的な計画のできていない空白県が存在する点も事実でございますし、そういうところはそういう能力がないということではなくて、むしろそういうところまで含めて全部それぞれがまた同じような施設を持つということになりますと、また過剰になって、採算的な雨その他でいろいろ問題も生じできますので、空白県というものはあって当然ということではありませんが、それがないということがいいというわけではなくて、あってもやむを得ないのかなと思います。  むしろ問題は、先ほど引用されました平松知事のお話ではありませんが、現時点地方にはなかなかそういう民活ということをやりたくてもやれないんだ、そういう意味で官活が必要だ、こうおっしゃっているのであろうかと思うわけでございます。そういう意味で申しますと、先ほどお答えをいたしました補助率問題の私ども検討の視点もそうでございますが、最近におきます地方財政状況経済状況から考えますと、地方での民活というのが非常に進みにくい状況にある。そうすると、そういう中で民活事業というのを当初計画していただいたようなものを進めていただくためにはどうしたらいいか、そういう面での反省を含めていろいろ対策を検討をしているわけでございます。  そういうことにつきましては、単に民活だけではなくて、先ほどの御答弁の中で申し上げましたように、地方公共団体等が本来行うべき地域活性化の事業等についての政府としての対応というものもこの際考え直さなければいかぬのじゃないか。そういうことと相まって、いわば地方の官活についての中央政府としての力の入れ方ももう一遍再検討してみますし、また民活についても地方でできるだけやっていただくために、それに対する助成措置も再検討する、そういう観点で作業をさせていただいているわけでございますので、できるだけその成果を具体的なものとして地域の活性化に役立たせていただきたいというふうなことを考えて、今作業をいたしております。
  79. 森本晃司

    ○森本委員 東京や大都市は、むしろ採算性もあるので民活がいいんじゃないだろうかというふうな意見があり、地方の草の根民活プロジェクトを生かさなければならないとすると、この民活ということを実施するについて各地方ではインフラを含めた基盤整備をきちっと行っていただかないと、それが実現しにくいんだという声が非常に多いわけでございます。したがって、この草の根民活を生かすという場合に、私は、今度補正予算が組まれる云々という問題がありますけれども、そういった中で通産省として公共投資やあるいは財政投融資の重点配分をむしろ地方に持っていくようにされることが極めて大事なことである。それが今候補として挙がっている草の根プロジェクトを生かしていく方向につながってくるのではないだろうかと思うのです。  私の奈良県は、今民活空白県でありますけれども、この民活空白県である奈良県が、確かに民活をやれるような工業団地をつくろうとかいう候補地も挙がったり、いろいろ検討されているわけでございますけれども、じゃ果たしてその土地に企業が来てくれるかというと、道路事情の問題等々をまず解決しなければならないということから、やっぱりこの草の根民活プロジェクトを生かすには、財政投融資やあるいは公共事業を積極的にまず地方に配分してもらわなければという声があるのですが、このことに対していかがに考えられますか。
  80. 杉山弘

    ○杉山政府委員 御質問お答えをいたします前に、先ほどお問い合わせのございました民活空白県と申しますか、現時点民活プロジェクトについての計画のない府県の数でございますが、今私ども掌握している限りにおきましては九県のようでございます。  それから、先ほどの御答弁の中で私一つ落としましたが、地域民活一つの方向といたしましては、地域の自然的、社会的な条件を生かしましたいわゆるレジャー施設整備、滞在型余暇施設整備というものも一つの方向かと思いますが、こういう点につきましては今国会に別に法律をお願いをいたしまして検討をさせていただきますが、そういうことも地域民活を進める一つの方向かと存じます。  それから、ただいまの御質問でございますが、地域民活を進めるにしても、インフラ整備基本であって、そのために政府としては公共事業なり財政投融資なり、地方を重点に投入すべきではないかということでございますが、この点につきましては御指摘のように考えておりまして、総合保養施設整備につきましても、やはりそういったインフラの整備がございませんと、余暇施設だけ整備をいたしましてもなかなか人が来ないという問題がございます。  それから、先ほどお答えをしました中で、地域経済活性化のための都道府県等の地方公共団体が行う施設についての政府の肩入れというのもそういう観点からでございまして、例えば人材の養成施設でございますとか試験研究施設とかといったようなものも広い意味でのインフラの一つでございますが、そういうことにつきまして都道府県だけではなかなか計画が進まない場合には、こういうことに政府が肩入れをすることによって地域経済活性化のための一つの起爆剤にすることができるのではないかという観点検討させていただいているわけでございまして、御指摘まことにそのとおりであろうと思います。通産省といたしましても、そういう方向でこれからも努力をしてまいりたいと思っております。
  81. 田村元

    田村国務大臣 今ちょっと産政局長が、他省庁の問題でありますので遠慮して物を言ったと思います。  あなたのところと私のところとは全く隣県でございます。私はいつも申すのでございますけれども、大和や紀州、特に紀南はよく僻地だと言われますが、私は、僻地じゃない、日本列島のど真ん中にある、ただ不便なだけだ、こういうことをよく申すのであります。つまり、企業誘致をするにしても、先ほどおっしゃったように道路事情その他、あるいは奈良県には港湾等ありませんが、我々の方でいえば港湾、漁港、いろいろございますが、そういう輸送コストを低減せしめるインフラといいますか、そういう社会資本投資というものに欠けておるところが多分にございます。でございますから、今おっしゃいましたように公共投資、いわゆる社会資本投資というものをまずどんとほうり込むということとあわせていくことによって地域格差の是正というものができる。その意味において通産省としてはこの民活プロジェクトを進めていくわけでございますけれども、社会資本、とりわけ輸送面の施設を担当される省庁におかれては、ぜひそういう点で、奈良県とか三重県の南部とかいうのみにとどまらず、全国的になお公共施設の立ちおくれている地域に重点的に配分をしていただきたい。それでこそ立派にでき上がる。それがなければ画竜点睛を欠くの嫌いがあるというふうに存じます。
  82. 森本晃司

    ○森本委員 ちょうどそのことについて大臣お尋ねしようと思いましたところ、先にお答えいただきまして大変恐縮でございます。大臣がおっしゃっていただきましたこの通産省管轄の草の根プロジェクトが本当に生きていくためには、公共投資が必要ではないだろうか。先般、大臣の里へ世界の人々がお集まりいただきましたが、そのときもやはり輸送面等々で、従来整備されておったならばもっともっとスムーズにいったであろうと思うものが、まだまだインフラ、基盤整備地方に行けば行くほどおくれていると思いますので、通産省としてのより積極的な働きかけをお願い申し上げたいと思うところでございます。  そこで、あと民活の方でネックになっている問題は、一つは、今度はこの民活が四省庁にまたがっているということについてよく御意見を賜るところでございます。先ほどもいろいろと答えていただいておるわけでございますけれども、ちょっとほかの省庁の問題になるとこれが明確でない。役所の場合には縦割り組織が強くて、よその省庁のことには口を出さないのが慣例であり原則になっているように思われるわけでございますけれども、このいろいろな管轄の表を見ましても、主務大臣というのが書かれておりまして、主務と書かれておるのに主務大臣が二人も三人もいるというふうな状況下であります。運輸省通産省、郵政省、建設省、この四つの省庁がそれぞれこの民活に加わってやっているわけでございますが、見ますと、中にはよく似た、名称だけが違うのじゃないだろうかというふうに思われるプロジェクトの候補地も挙がっております。民間の人の御意見を伺いますと、とにかく関係各省の緊密なる連携、連絡をとってもらいたい、そして物事が迅速にいくように簡素化しないとこれはなかなか生きてこないのじゃないだろうかというふうな意見をよく聞くわけでございます。  この法律は特に通産省の管轄がありますので、他の省庁を統轄するといいますとほかの省庁からも御意見が多々あるかと思いますが、主導型でそういった調整をすることが必要なときではないだろうか。限時立法十年の間でというのを一つは目指しているところですし、これだけの内需拡大を要求されているときでございますので、そう思うわけでございますが、これはいかがでございましょう。
  83. 末木凰太郎

    末木政府委員 御指摘のとおり主務大臣が一見非常に複雑な形をとっておりますけれども考え方といたしましては、その施設が果たす機能がどこの省の所管がということでまず第一には所管大臣が出てまいりまして、その次に、それがどういう地域に設置されるかによりまして、その特定の都市整備計画地域ですと建設大臣、それから港湾地域ですと運輸大臣がかぶさってくるという形になっております。  いずれにいたしましても、地域との関係で申しますと、先ほど先生指摘のように、この民活施設整備とそれからその地域におけるインフラ、公共施設、これがよく連動して整備されるようにということに資する仕組みになっているはずでございます。ですから、一見複雑でございますけれども、要は関係者がよく心して、本当にばらばらじゃなくて全体としてよく連携のとれた整備をするという方向でいけば、こういう仕組みがよく働くわけですし、こんなことはもちろんあってはなりませんし、そのつもりも毛頭ございませんけれども、お互いに足の引っ張り合いをするようなことになれば、この仕組みが悪く働くというのは当然のことだと思います。  ちょっとおかしな言い方になるかもしれませんけれども、たまたま先ほど局長もちょっと言及いたしましたリゾート法につきまして、実は私ども建設省、運輸省、この法律で一緒にやっております運輸省とも毎日のように最近接触をしてずっとやってきて、今日国会にリゾート法の御審議をいただいているわけでございますし、郵政省はすぐ隣でございまして、何かと話題を呼んでいることも確かにございますが、今申し上げたようなことでこの仕組みをいい方に生かすということで心してやってまいりたいと思います。
  84. 森本晃司

    ○森本委員 まだスタートしたばかり、三つでございますので、今のところはさほど問題はないかと思いますが、これから百幾つというプロジェクトを推進していく上においては、ぜひその緊密な連携が必要ではないかと思いますので、より緊密に円滑にやってもらいたいと思うところであります。  それからもう一つは、官と民との役割分担が明確になっていないのじゃないだろうかというふうなことがネックであるというふうに言われていることも多々あるわけでございますし、また、せっかく民活民活と言いながら、完全に官主導型で、民間の知恵やあるいは研ぎ澄まされた競争原理の中で培ったノーハウ、そういうものが生かされないんではないだろうかというふうな声が非常に多いわけでございます。  関西国際空港、経緯はいろいろあったでありましょうけれども民間の人は顧問だけでありまして、顧問にはなっているけれども経営陣には加わっていない。まさに会社運営に必要な民間の知恵やノーハウが生かされて、また効率性や採算性があってこそ初めてこの民活というのは生きてくるわけでございますが、関西国際空港の場合には顧問だけである。結果、十年間無配当ということで、関西の財界人の中、あるいはこの関西国際空港をいろいろ考えた経済人の中には、まさに民間にとってはただ金を持っていかれただけのことだ。特に関西人の場合には、「もうかりまっか」という言葉が象徴するように利益あるいはその効率性を考えるわけでございますけれども、ただ取られただけである、金は出したが口は出すなということである、また我々のノーハウが生かされていないじゃないかという声が非常に多いわけでございます。これはどこにあるかというと、民間能力活用するとしながらも、その対象となる民間の参加可能性について十分に明記されていないところにその問題があるのではないだろうかというふうに思われます。  一方、神戸市でございますが、六甲アイランド等々の場合には、その土地は神戸市で開発をし、そしてインフラ整備をやる、その上物についてはすべて民間に任じていく、したがって民間は大変な知恵を絞っていくんだと言っているというよき例もありますが、今三つ認定になりましたそのプロジェクトにつきましては、民間人の登用はいかがなものになっているのか、それから民間の参画について、また効率性についてどのように考えていらっしゃるのか、御答弁いただきたいと思います。そうでないとなかなか民間人は、これからこの民活プロジェクト、まさにきょうの日経の見出しではありませんけれども、「笛吹けと踊らず」というふうな結果になりかねないと思うところであります。答弁をお願いします。
  85. 末木凰太郎

    末木政府委員 そもそも民間の資質、資源をどういうふうに活用するのかということでございますが、この民活法対象にしておりますいわゆる特定施設整備事業以外にも、世間で一般に民活と言われて、あるいはそういうふうに考えられているものもございまして、そういうものを含めて一たん整理をいたしますと、従来の考え方であれば、国または地方公共団体が一〇〇%責任を持って実施する分野のうち、特定の部分についてはある程度の条件整備をすれば民間の資金、民間の人的能力に任せてもいいのではないかと思われる部分が出てきているのは御承知のとおりでございまして、そういう部分、民活事業のうちのそういうカテゴリーと、それからもともと通常であれば民間が手がけるであろう事業ですが、しかし採算性が悪いためになかなか手がけられない、一方国民経済的あるいは地域振興的な立場からは、なかなか民間の方がやりませんねと言ってほうっておくわけにもいかないようなカテゴリー、その中間にもあると思いますけれども、そういうふうに分けてみますと、おのずから民間の関与の度合いあるいはその形態というものは差が出てくるかと思うわけでございます。  ところで、民活法で言っております特定施設は、その後者の方のカテゴリーを主として考えて、主としてといいますか、基本的にそういうカテゴリーでございますから、できるだけ民間能力活用し、官の方はその採算性をある程度改善するというところにとどまるのが原則でございます。したがいまして、この特定施設整備基本を定めました基本指針におきましても、「特定施設の運営に関する事項」の中におきまして「民間において実務経験を有する者の積極的登用に努めること。」ということをうたっております。これはもちろん個々のケースによりましてその程度、どの程度民間の方がどういう地位についたらいいかというのは一律に決めるわけにはまいりませんが、これが基本でございます。  そういたしまして、この三つプロジェクトについて見ますと、一人一人の方について、どなたがこれに該当するかというのを固有名詞で分類するのはやや自信がないわけでございますが、一応割り切って考えてみますと、かながわサイエンスパークにつきましては、役員十八名いらっしゃいますが、うち十四はこの民間能力のある方ということではないか。それから柏崎ソフトパークについては、六分の四が民間の方。幕張メッセについては、十八名中十四名がここで言う民間の方ではないか。お一人がお二人、分類の仕方があるいは違うかもしれませんが、全体としまして民間能力活用になっていると思います。
  86. 森本晃司

    ○森本委員 民間の知恵と資金を生かす民間活力ということでこの民活法が出てまいったわけでございます。ただし公共性を求めるものが非常に多いので、必ずしも利潤追求という形、またそういったうがった見方ではなしに、民間の知恵を生かしていくということで、今後とも通産省管轄の、本年度十四あるというふうに伺っておりますが、そういった認定の際にも、民間の知恵が生かされるようなプロジェクトになっているかどうかということを十分御検討いただき、また指示し、そして認定をするというふうにしていっていただきたいと思うところでございます。  次に、ネックになっている問題でよく言われるところが、高度経済成長時代、日本の一億の人々が必死になって経済再建を図り、また高度成長時代を迎えて、がむしゃらに世界の雄たらんとしてきて頑張ってきた。その経済情勢の中でいろいろな法律の規制が生まれてきたわけでございます。しかし今のような状況下になってきて、財政も非常に困難である、民間の力を生かさなければならない、そうしなければ新しいものがなかなかプロジェクトとして生まれてこないという状況下、こういう経済情勢の変化に伴って、民間の活力を生かしていく上に規制の法律が非常に弊害になっているものも多々あるように思われるわけでございます。例えば、建築基準法の建ぺい率あるいは容積率の問題等々、こういった点ももう一度検討をしていかなければならないというふうに思われますし、また同時に制限の問題で、一つは埋め立て事業等に見られる民間の参入を制限する参入規制等々が考えられるわけでございます。こういった従来の規制を今もう一度見直して、外すべきものは外していかないと、せっかくの民間の活力を生かそうとしても生きないという意見が非常に多いわけでございますが、これについていかが考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
  87. 末木凰太郎

    末木政府委員 御趣旨まことにおっしゃるとおりだと思います。そこで政府といたしましても、昨年の九月に決定いたしました総合経済対策におきまして諸規制の着実な緩和の方針を出しておりますし、また先般、自民党におかれましても総合経済対策要綱をお決めになりましたけれども、ここでも同じような規制緩和の引き続きの推進ということがうたわれております。個々の規制につきましては、それぞれしかるべき理由があって行われてきているわけでございますけれども、時代の要請に合うように常に見直しをしていくべきものだと思います。  今申し上げました昨年九月の総合経済対策におきます規制緩和項目の例を一、二申し上げますと、先生もおっしゃいましたが、例えば都市開発の促進等の観点から、既成市街地における容積率の見直しとか用途地域の見直し、あるいはまた新市街地の開発の促進観点から、線引きの見直し、開発許可手続の簡素化等がございますし、あるいはまた当省に関係の深いところでは、ガソリンスタンドの業務範囲について、これは安全の観点から相当厳しい規制が行われてきておりましたけれども、これについても今年度内に見直しをして、そこでやっていい仕事の拡大を図る等々の相当の項目が挙げられております。その大方は残念ながら通産省の所管でないものが多うございますけれども、政府の一員としましては、こういった方向に沿いまして今後とも適切な規制の緩和が図られますように期待をいたしますとともに、内部でもそういうつもりで仕事をしてまいりたいと思います。
  88. 森本晃司

    ○森本委員 時間がだんだんなくなってまいりましたので、次に進ませていただきます。  内需拡大の前倒しということで特定施設が箱づくりのみに終わってしまって、肝心の中身が十分検討されていないのではないかというふうなことも言われますし、またこれからそれぞれができていくわけでございますが、中身検討を今後も十分にやっていただきたいと思うと同時に、地域住民、特に草の根プロジェクトの場合も、そこの地域住民が利用できるような施設等々をも設けていくことの必要性もやはりあるのではないだろうかと思いますし、同時にその施設自体がその地域の文化を生み出していく、あるいは文化を象徴していく、あるいは文化を育成していく、そういったものも必要ではないだろうか。こういった民間プロジェクトでいろいろな国際施設等々を設ける場合には、提案でございますが、例えば美術館やコンサートホールを設けるように義務づけてはどうだろうかというふうに思うわけでございます。MM21には美術館があるようにも伺っておりますが、魅力ある地域づくりの一環として、そういった文化施設を加えていかれることも大事ではないかと思いますが、その辺いかがでしょうか。
  89. 末木凰太郎

    末木政府委員 通産省が産業関連の施設整備を手がけますときに、同時にその地域の産業に関連する文化というようなことを考えないわけではございません。  例えば、中小企業庁でやっております地場産業振興センターなどは、直接的にはこれは地場産業の振興でございますけれども、伝統的な産業の振興を通じて一つ地域文化の形成、保存に役立つのではないかと思われますし、それから民活法の第三号施設の情報化関係は、これは文化という名にはちょっと遠いかと思いますけれども、一般の市民の方々に対する情報化に関する啓蒙なり勉強の機会の提供ということがうたわれておるわけでございます。  そういう意味におきまして、先生指摘のような文化関連の施設整備というのは大変好ましいことではございますが、現在の一号から六号まで、そして追加を御提案申し上げていますあと二つ、七号、八号に関連しましてコンサートホール等を義務づけるところまでは、今のこういう状況のもと、あるいはこの法律の立て方からいいまして、ちょっと無理があるのではないかと思います。ただ、地元がそのような意識を持って、自発的にそのような地域住民が喜んでくださるような文化的な施設をあわせて整備されることは大変結構なことだと思います。
  90. 森本晃司

    ○森本委員 国土庁お見えいただいておりますでしょうか。――国土庁にお尋ねしたいと思います。  民活に水を差しているのは、また内需拡大に水を差しているのは土地の高騰であるというふうに言われております。国土庁は、都心部が上がっているだけで地方はそうではない、二極分化しているんだというふうにもおっしゃっているようでございます。済みません、私時間が五十三分まででございますので、簡潔に質問をいたしますので、お答えもよろしくお願い申し上げたいと思いますが、私特に申し上げたいのは、国有地が競争入札等々になって、そしてそれが一つの大きな誘因となって都市部の値段が高騰していくんだというふうによく言われておるわけでございます。また、民間の人がよく言うには、国有地等々そういったところは国土法の適用を受けないじゃないか。民間だけ国土法の適用を受ける、したがってそれは抑えることができるけれども、国有地やそういったものも国土法の適用を受けるようにしたらどうかという声があります。それから、国有地を競争入札しなければならないという考え方を改めていかなければならないという考え方もあるわけでございます。ひとつよろしくお願い申し上げます。    〔奥田(幹)委員長代理退席、委員長着席〕
  91. 鈴木克之

    鈴木(克)説明員 先生指摘のように、地価高騰地域におきまして国公有地等を一般競争入札で処分しようという場合に、地価高騰に拍車をかけるのではないかという問題がございます。国土庁といたしましては、このような処分に当たっては、周辺地価に配慮した慎重な取り扱いが必要であると考えている次第でございます。  このため、昨年来関係省庁と鋭意調整を重ねてまいりました結果、今回の国土利用計画法改正案に、国等の適正な地価の形成についての配慮規定を盛り込みますとともに、政府部内で必要に応じて関係行政機関が緊密な連絡、情報交換を行うことなどによりまして、適正な地価形成が図られるような措置を講ずることとしたものでございます。  今後とも関係行政機関の間で緊密に連絡、情報交換を行うことによりまして適正な地価形成が図られるよう努めてまいりたい、かように考えております。
  92. 森本晃司

    ○森本委員 もう少しやりたいのですが、時間がございません。国土庁、どうか国土法の適用、国有地等々も十分考えられるように今後も御検討をいただきたいと思います。今ちょっと御回答をいただけなかったのですが、地価対策としての閣僚会議の資料もいただきました。しかし、これで果たしてどこまで行くかという問題もかかっております。やはり民活を進める上での大きなネックは地価高騰にもあるように思われますので、よく御検討をお願いしたいと思います。  自治省お見えいただいておりますのでしょうか。――自治省にお尋ねと提案を申し上げたいわけでございます。  地方財政がだんだん厳しくなっております。先ほどから私は、インフラ整備を官側でやっていかなければ民活は生きてこないというふうに申し上げているところでございますが、その生かし方の資金調達の方法でございますが、一つは、地方債の弾力的な運用を図っていくことが必要ではないだろうかというふうにこれは申し上げたい。  それから二つ目は、是か非かについてはまだ今後もよく検討される必要がありますが、免税開発債等々の発行がよく言われているわけでございます。アメリカでは弊害があったとも言われておりますが、この辺についての検討も必要ではないだろうか。  それから三つ目は、ちょっととっぴな発想でございますが、特に公共性の高いものについては宝くじ等々の発行権を認めていってはどうか。  こういうふうな資金調達が考えられます。これもインフラ整備の上で非常に大事なところでございますが、自治省はいかが考えておられるかをお尋ねしたいと思います。
  93. 遠藤安彦

    ○遠藤説明員 お答え申し上げます。  第一点の、インフラ整備に当たって地方債の弾力的な運用を図ったらどうかということでございます。地方団体にとりましては、インフラ整備と申しますか、公共施設整備等非常に重要な仕事でありますし、昭和六十二年度地方計画におきましては、内需拡大等の要請も踏まえつつ、地方単独事業についてかなり思い切った総額の確保をいたしております。したがって、民活を推進するために地方公共団体が独自で総合的、計画的に各種インフラ整備をしようとする場合には、それに対応できるだけの額を用意してございます。今後、地方債の配分に当たりまして、地方団体の要望等もよく聞きまして、事業執行が円滑に行われるように適切に措置いたしてまいりたいというように思います。  それから、免税開発債の発行というものを考慮したらどうかという御提案であります。私どもアメリカ地方債の、いわゆる免税債について十分に知っているというわけではありませんけれどもアメリカの現状をちょっと調べますと、やはりこの免税債についてはいろいろな問題がある。例えば連邦所得税が免税になるわけでございますので、連邦の税収入が減少するではないか。あるいはこの免税債を買う層というのがいわゆる高所得者層であるということで、高所得者を優遇することになるというようないろいろな指摘がなされているような点もございます。聞くところによりますと、最近ではこの免税債、いわゆる産業開発債としての免税債の適用をもう少し抑えたらどうかというような議論もなされているようでございます。そういった意味も踏まえまして、私どももなお研究は続けていきたいと思いますが、現段階でこういうものを導入するのはなかなか状況としては難しいのではないかというように思われます。  それから最後に、宝くじを民活事業民間団体に発行してはいかがかというような御質問の御趣旨かと思われますが、御案内のとおり宝くじにつきましては、刑法の例外措置として当せん金付証票法という法律に基づきまして、地方公共団体に限って「地方財政資金の調達に資する」ということを目的として特別にその発売を認められたものでござい良すので、民間企業に発売権を認めるということはいかがなものかなというように現段階では考えておりますので、御了承を賜りたいと存じます。
  94. 森本晃司

    ○森本委員 時間が参りましたので、中小企業庁、お見えいただいておりますでしょうか。  また御答弁、時間がちょっとございませんので、私の方から要望をしておきたいと思います。  我が党の方から中小企業者の受注の確保に関する法律の一部を改正する法律案、またこういった提案をもしてまいりたい、そのように思っておるわけでございますが、この民活事業がだんだんだんだん推進されていった上で、ぜひこの点については注意をしていただきたいと思うわけでございますが、四十一年にこの法律ができまして、それから当面五〇%を中小企業は目標とするというふうにしてまいりましたが、だんだんこの数年受注の比率が三〇%台でとどまっているという状況になってまいりました。その理由の一つは、中小企業の定義から、大企業が支配関係を持っている会社、いわゆるダミー会社、こういった会社を除外していかなければ、だんだんそちらの方にとられていってしまって、中小企業の人たちが受注する機会が少ないというところでございます。  また第二は、中小企業官公需特定品目に係る国等の契約についててきるだけ中小企業者の受注の機会を与えるようにしていかなければならない、こういった問題等々がございますが、きょうは時間がございませんので、こういった問題について今後も中小企業庁へ要望してまいりたい。民間プロジェクトの中にも大いに中小企業の業者の人が生かされるような方法をも今後考えていっていただきたい。要望にしておきたいと思います。  時間が参りました。最後に大臣、重ねてお尋ね申し上げて大変恐縮でございますが、とにかく今まだ三つしかスタートしていない、認定を受けていない民間プロジェクトでございます。内需拡大が要求され、そしてまた多くの人が今この民活期待をかけながらも、なぜかいま一つ好評になっていない、「笛吹けと踊らず」というふうに言われておりますが、より積極的に推進していっていただく必要があるかと思います。大臣の所感をお尋ね申し上げまして私の質問とさせていただきます。
  95. 田村元

    田村国務大臣 御承知のように新しい制度でございますから、地方公共団体にしろ企業側にしろ若干の戸惑いがあるかもしれません。かつて建設省がレク都市というのをやって、そうしましたらオイルショックが来て産業界が手を引いて非常に混乱をしたことがございました。今度の場合、性格的には違いますけれども、若干事情がそれに似通ったところがないでもございません。しかし、私はこれは必ず今後志望するものはふえてくると思いますし、また、いろいろとPRにしても、その他十分対応していかなければなりませんし、こういう問題につきましては当然のこととして試行錯誤の繰り返しもあるわけでございます。でございますから、十分に地方の実態にも眼を開いて、より完璧を期するように、将来の発展を期するように努力をしてまいりたい、このように考えております。
  96. 森本晃司

    ○森本委員 ありがとうございました。質問を終わります。
  97. 佐藤信二

    佐藤委員長 米沢隆君。
  98. 米沢隆

    米沢委員 私も本法案に関連いたしまして若干の質問をいたしたいと思いますが、先ほどからるる質問が続いておりますから重複する部分があると思いますけれども、御容赦いただきたいと存じます。  民間の知恵と資金を生かす民間活力の活用という観点から現行の民活法ができ、そして今回提案されております。その一部改正法案の提出されましたその動機、背景、目的等につきましては、私どももその趣旨を了とするものでありますが、昨年の五月、本法律が成立して以来の約一年間の経緯を見ましたときに、先ほどからるる質問が出ておりますように、その間、諸般の準備で手間がかかったであろうということは予想にかたくないのでございますが、当時の意気込みに比べて、どうも実績が伴っていないという感じを強くする、私もその感じを強くする一人でございます。既に当時、昨年五月の法施行の時点では約百カ所ぐらいを数えるプロジェクト全国各地構想され、候補として名のりを上げているとお聞きをいたしましたし、また、昨年九月の総合経済対策において、この特定施設整備事業の前倒し促進を図るとの決定などがなされておりますが、今日までのこの特定施設整備計画認定申請がわずか三プロジェクトにしかすぎない、これは問題だ、そう言わざるを得ません。確かに円高の深刻化等で厳しい状況でございますから、意欲の面で少々陰りがあったことは認めるにやぶさかではございませんが、それにしても進捗状況ははかばかしくないと言ってもいいのではないかと思うのでございます。  これはいろいろと問題があるかもしれませんが、この法案が、各省の相乗りという形で現行法の制定がなされたという経緯からいたしまして、ひょっとすると事業計画等を立てる場合に、各省庁間の調整や合議において、あるいはまたその推進体制において、また法律の構造そのものが魅力的でないという意味において何か問題があるのではないかな、こう思わざるを得ないのでございます。その点について、そしてまた今までの進捗状況と今後の展望等について、総括的に通産大臣の所見を求めたいと思います。
  99. 末木凰太郎

    末木政府委員 先ほど来御答弁したことと若干重複しますので簡単に申し上げますが、私どもは、経済全体の不振が当初の見通しを狂わせた基本的な理由だと思っております。そのほかに、各地の実情によりましては、例えば産官学の連携を中核に据えていたプロジェクトで、大学の先生方との話し合いが予想外に長引いていますというような報告を受けた地域とか、特定の産業の不況が響いておりますというお話を承っている地域とか、ケースによってございますが、基本的には今申し上げたようなことではないかと思います。  先生がおっしゃいましたような、法律の仕組みにおいて、民間の人たちがもっと早くできるべきところをできなくしてしまうような、各省間の縄張りによる欠陥が法律にあるのではないかという点につきましては、私どもはそのようなことは全くないと確信しておりますし、個別のケースにつきまして、ある案件をめぐりまして、私どもとほかの三省との間で、このプロジェクトをどういうふうに持っていくべきかということについて意見を異にして手間をとっているというようなケースもないということは申し上げられると思います。
  100. 米沢隆

    米沢委員 先ほど、今のところ進捗状況ははかばかしくないけれども、今年度事業計画としてスタートするものが通産関係で十四プロジェクト、郵政省関係で七プロジェクト運輸省関係で五つのプロジェクトがある、こういうふうな御答弁がございましたが、どうも郵政省は非常におくれておるような感じがするのですが、何か特別な理由があるのでしょうか。  また運輸省も、例えば東京の竹芝地区の再開発計画あたりはかなり実現が早いというふうに聞いておったのでございますが、これがいまだに出てこないのは一体どういう理由があるのですか。両省にお尋ねいたします。
  101. 桑野扶美雄

    ○桑野説明員 郵政省の所管しております特定施設、二種類ございますけれども、電気通信研究開発促進施設につきましては、既に関西文化学術研究都市の中核的施設といたしまして国際電気通信基礎技術研究所、いわゆるATRが去る三月に土地を取得いたしておりまして、今後建物の建築に着手する予定のほか、札幌のテクノパークなど幾つかのプロジェクト計画中であります。  また、電気通信高度化基盤施設、いわゆるテレコムプラザにつきましても、川崎市の新百合丘情報センター、山口のテレコムプラザなど、十数カ所のプロジェクトが現在計画中でございます。  時期的に若干おくれているということもございますけれども、いずれにいたしましても、これは時代の先取り的な新しい試みでございますので、関係者が慎重な検討をいたすということもやむを得ないと存じておりますけれども、近々計画の実施、実現が図られるものと私どもは想定しております。
  102. 藤野愼吾

    藤野政府委員 運輸省関連のプロジェクトで五つばかりは、相当な早いスケジュールで進むというふうにかねがね私たち期待もし、またそのような努力もしてまいりましたが、残念ながらきょうの段階ではまだうまくいっておらない。ただ、横浜とか新潟の直江津とかにつきましては、ごくごく近々のうちに第三セクターの設立もできるというめどに相なっていることを御報告申し上げたいと存じます。  ただいま先生お話しになりました東京竹芝地区プロジェクトにつきましては、確かに私たちも一番早く動くというふうに考えておりましたが、土地の取得問題が中心となりまして第三セクターの設立にちょっと手間取っております。そういった意味で、いましばらくお時間をいただかなければならぬと思っておりますが、あわせて、その他釧路でありますとか四国八幡浜のプロジェクトも比較的早いプロジェクトだと思っておりまして、これらの推進に今後とも我々としても努力をし、また地元の公共団体ないしは関連の民間の方々にも御努力をお願いしていきたい、かように考えております。
  103. 米沢隆

    米沢委員 さて、本法の対象になっております特定施設は、現行の研究開発・企業化基盤施設など六種類の施設と、今回の改正によって二つが追加されてトータル八つになるわけでございますが、もともとこれらの対象となっている特定施設というものは、法の目的に沿って今日のあるいは将来のニーズが那辺にあるか検討され、あるいは民間の需要等の動向も加味されて指定されたものと考えております。  しかし、今後のこのような特定施設事業の進展という観点から気になりますことは、大変余談でありますけれども、お役人がつくる言葉は何でこんなに難しいのだろうかという率直な感じがあります。予算書を見てみましても、これは通産省やその他の省庁だけではありませんで、ほとんどの省庁がしち面倒くさい言葉を使って、聞いてみれば何のことはないということばかりがあるのでございます。特に、特定施設等の並べてある言葉を見ましても、頭のいい人が新しく言葉をつくられたとは思いますが、リサーチコアだとかテレコムリサーチパークとかニューメディアセンターとかテレコムプラザとかマルチメディアセンターとかインテリジェントビルとかテレポートとかワールドビジネスゾーンとか、よくもこんなにつくれるものだと思うぐらいに難しい言葉が使われて、一体みんなわかっておるのだろうかという気がします。こういう事業を推進していく場合、地方自治体の皆さん関係者の皆さんの理解を得たり、民間企業の皆さんの理解を得たりしなければなりません。こんな言葉が必要なのかもしれませんが、こんなふうな造語を次から次に出して、一体民間皆さん方に参加を呼びかける姿勢がおかしいのではないか、そんな気がしてならぬのですが、どうですか。
  104. 田村元

    田村国務大臣 私も同感でございます。どうもお役所の新しい言葉とマンションの名前は、このごろハイカラ過ぎて私意味がわからない。それ以外にも文章も、何々に資するためにとかなんとか、字を書けば確かにそのためにということなんですか、シするためにといえば、何か死ぬような感じがしたりして、どうも文章がまずい。もうちょっとうまくできないものか、ついさっきも文句宣言ったところでございます。こういうことは、当委員会におかれましてもどうぞどんどんと御指摘をいただきたい。私も十分に注意をしていきたいと思います。  ただ、弁解をするようで恐縮でございますが、この名前をつけておる本人は至極真剣に考えてつけたと思いますので、その点はひとつ情状酌量をお願い申し上げとうございます。
  105. 米沢隆

    米沢委員 当の本人は一生懸命頭をひねってつくられたのではないかと思いますが、鬼面人を驚かすといいますが、何か難しい言葉をつくると難しい仕事をしておるように思っておるのじゃないのかと皮肉を言いたくなるぐらいに言葉が難解過ぎて、我々頭の悪い者にはわかりませんので、これからはどうかわかりやすい言葉を選んでいただくように要望いたします。  それから、先ほど申しましたように、特定施設というのは今回の改正で八つになるわけでございますが、今後の追加方針、先ほどの答弁ではこれからは余りないというような感じでしたね。あるとしたらまた今から考えるということですが、例えば今通産省あたりで勉強されております情報化未来都市構想がある程度具体化すれば、早速特定施設指定する必要性が出てくるのではないでしょうか。あるいはまた金丸副総理の民活の懇談会がありますね。あの答申等を見ておりましても、これにふさわしい施設みたいなものが出てきそうな感じがするのでございますが、今のところはこの八つで十分だという御認識のようでございますが、これから先民活に引っかけて事業化を推進しようというものは本当にないのかどうか、もしあるとすれば認定要件みたいなものをどういうふうに考えておられるのか、御答弁いただきたい。
  106. 杉山弘

    ○杉山政府委員 施設の追加につきましては、先ほど来御答弁申し上げましたようなことで、現時点におきまして、近い将来にここに追加をお願いするようなことになるものは、私どもまだ目に触れてないということでございます。  具体的にお尋ねがございましたが、通産省が考えております情報化未来都市、これも主としてその中核となります施設は今回追加をお願いをいたしております七号施設の中で十分カバーが可能かと思います。あるいはまた、金丸副総理の私的諮問機関におきまして検討しておられます民活問題というものの中でこういうような対象施設の問題が出てくるかもしれませんが、これにつきましては、この法律では民活対象となるような施設をすべてということではございませんで、全体としてのこれからの新しい経済社会の基盤になるような施設民活でお願いするもの、こういうことでございますので、あるいは総合保養施設のような、また民活は利用いたしますが別の法体系でお願いするというようなものはあり得るかとも存じますけれども、今現在の民活法対象施設として考えるものにつきましては、当面はこれで何とかカバーできる。あるいは将来事態の進展に従ってこの対象になるようなものを追加をお願いするというようなことは、出てくる可能性を全く否定できないかとは存じますけれども、とりあえずの間といたしましては私どもこれでやってまいりたいと思っているところでございます。
  107. 米沢隆

    米沢委員 運輸省の方、例えばコミューターですね。今各地方でかなり要請の強いものにコミューター空港みたいなものがありますが、こんなものはこういうものにはなじまないのですか。
  108. 鈴木光男

    鈴木(光)説明員 運輸省といたしましては、現在、コミューター空港につきまして民間サイドからの発意によって整備しようという構想については聞いておりません。また、コミューター空港につきましては採算性の上で非常に大きな問題がございますので、仮に民活法対象としていただきまして税制の優遇措置等の措置を講じていただいたといたしましても、これが直ちに民活によって整備促進がなされるというふうにはなかなか期待しにくいと思っております。  なお、コミューター空港につきましては、各地方自治体等から非常に強い要望が参っておるのも事実でございますので、これを踏まえまして、その整備方策も含めて総合的に私どもの方で検討しておるところでございます。
  109. 米沢隆

    米沢委員 「本法の仕組みと支援措置」を見ますと、認定を受けた整備計画の推進に当たっては、これも先ほどから議論になっておりますが公共施設整備について配慮が行われることになっている。また「特定施設整備事業が、都市及び港湾の基盤整備事業と連携を保ちつつ計画的に推進されることが特に重要であることにかんがみ、特定都市開発地区及び特定港湾開発地区指定するとともに、当該地区の「開発整備方針」を定めることができる」とあります。これは本法の推進に当たりましては大変重要なポイントだろうと思うのでございます。例えば「公共施設整備についての配慮、」とありますが、具体的には一体どういうふうにこれが担保されておるのか、これが私は問題だと思うのですね。  このごろ例えば政府がつくられる総合経済対策等を読みましても、地方経済に配慮するとか、地方のいわゆる傾斜配分に配慮するとか、あるいはこのごろできました特定不況地域法案とか雇用開発法案なんかにも公共事業等については配慮するなどと書いてあるのでございますが、言葉としてはよくわかるのでございますが一体それじゃ各省庁間で鉛筆をなめるときに、そのあたりの担保が実際あるのかどうかというのが非常に問題だと私は思っておるわけでございます。例えば縦割り行政、名にし負う縦割り行政でもありますし、それぞれ係官が、これは特定施設をつくるためにインフラ整備をしなければならぬ地区だ、したがってそれを頭に入れてちょっとずつ鉛筆をなめて予算を増額しようなんということができるようなシステムになっているのかどうか、これは私は問題だと思うのですね。一体これはどうなっておるのですか。
  110. 中嶋計廣

    ○中嶋(計)政府委員 御指摘のとおり、特定施設につきまして特定都市開発地区というものが指定されますと、この地区におきましては、特定施設と市街地再開発事業あるいは土地区画整理事業、これとあわせまして道路、公園、下水道等の公共施設が一体的に整備をされる。その際に、国は円滑に事業が施行されますように配慮をしなければいけない、こういうことになってございます。建設省といたしましては、この趣旨を体しまして、所管の公共事業の施行に当たりまして十分に配慮をしているところでございます。  さらに、通常の公共事業の施行に当たりましても十分配慮をしているところでございますけれども状況によりまして民間事業の進捗度合いによりましては、それに対応いたしますために、先行的あるいは集中的に公共投資を整備する必要があるという場合が生じてこようかと思われます。そこで、本年度、現在御審議をいただいております六十二年度予算の中で、都市再開発関連公共施設整備促進事業を新設するようにお願いをいたしておりまして、通常の補助事業とは別枠の予算措置をとりまして、こういう民間事業と対応するために促進をしなければいけない公共事業に対応していこう、こういう制度を設けることを予定いたしております。    〔委員長退席、奥田(幹)委員長代理着席〕
  111. 米沢隆

    米沢委員 予定しておるのですか、それとももう既にあるのですか。
  112. 中嶋計廣

    ○中嶋(計)政府委員 現在御審議いただいております昭和六十二年度の予算案の中に計上させていただいております。
  113. 米沢隆

    米沢委員 この開発整備方針ができた場合には、今お話がありましたように、特別の予算措置等を考えておるということでございます。しかし、この開発整備方針が決められていない地区、そこでも同じような要請が、事は小さいかもしれませんが、あることは事実でございまして、そこらも配慮はあるんですね。
  114. 中嶋計廣

    ○中嶋(計)政府委員 ただいま御説明申し上げました都市再開発関連公共施設整備促進事業でございますが、これの対象といたしましては、民活法によりますところの特定都市開発地区、このほかに都市再開発法によります市街地再開発事業でございますとか、あるいは現在私どもの方で調査を進めております新都市拠点整備事業というのがございますが、こういったところも対象にいたしたいということで、民活法特定都市開発地区以外のところでも今回お願いをいたしております促進事業が適用できるように考えております。
  115. 米沢隆

    米沢委員 その開発整備方針が決められる、あるいはこのような特定施設ができる周辺のインフラ整備等については配慮があるというお話を今聞かしていただきましたが、問題は、これは何も国がすべて金を出すんじゃなくて、地方自治体も応分の負担をしなければならぬ。その場合問題なのは、民活のいろんな草の根のプロジェクト構想が出てきましても、インフラ整備に国の方である程度面倒を見ていただいても、実際地方自治体の財政がついていかないという問題がひょっとしたら出てくるんじゃないか、こう思うのですね。富裕団体は別にいたしまして、ほとんどの地域は、このごろ財政事情は両極端に広がりつつございます。そうなりますと、貧乏県がますます貧乏県になりつつあるのでございますが、そのあたりが結局特定施設をつくるという民間プロジェクトを生かしたいとは思いながらも、実際はその周辺の環境整備としてインフラ整備あたりの金がついていかないということで、逆に民間の草の根プロジェクトがつぶれてしまう可能性も十分にあるんじゃないのか、こう思うのですね。その点、自治省はどういうふうにお考えになっておりますか。
  116. 二橋正弘

    ○二橋説明員 お尋ねのように、開発整備方針を定めますと、国と地方団体がその方針の達成に資するために必要な公共施設整備を行うというふうに、その促進に配慮するというふうにこの民活法で定められておりまして、今お尋ねございましたように、現在地方財政が非常に厳しい現状にございますが、こういう関連の公共施設整備につきましてはそれぞれ財政制度がございますので、当該公共施設整備が円滑に実施されますように、こういうものにつきましては定められた所要の地方財政措置を的確に講じてまいる所存でございます。
  117. 米沢隆

    米沢委員 あるいは官僚的な御答弁で結構でございますが、例えば補助金のカット法等で、その分を仕事としてもらう、その分についてもまた裏づけが必要だということで、実際の地方自治団体は今あなたがすらすらと述べたようなことじゃないと私は思うのですがね。これ以外のことでもう手いっぱいで、こういう民活プロジェクトをやろう、そのかわりまたその周辺のインフラが必要だ、そのためにまた負担はどうかとなると、かなり私は負担感という意味では自治体は困っておるんじゃないかと思うのですよ。あなたのそんな答弁では間に合わないのじゃないのかな。
  118. 二橋正弘

    ○二橋説明員 御指摘のように、最近特に公共事業関係でいわゆる国庫補助負担率のカットということが行われておりまして、それによりまして地方団体の公債残高等がふえてくるという問題があることは御指摘のとおりでございます。  ただ、お話にございましたような公共施設関係補助率カットがございましたものにつきましては、それぞれそれにつきましてカットに見合う地方債を起こしまして、それの元利償還について別途財源措置をするという仕組みを公共施設整備についてとっておりますので、今お尋ねございましたような民活事業に関連いたします公共施設につきましても、各省庁から公共施設の予算配分がございますと、それは公共施設一般でございますので、その中で今申しましたような所要の地方財政措置を講じておるという意味で先ほどお答えいたしたわけでございます。    〔奥田(幹)委員長代理退席、委員長着席〕
  119. 米沢隆

    米沢委員 その公共施設の中には、いわゆる道路の整備なんかも入っておるんですね。
  120. 二橋正弘

    ○二橋説明員 いわゆる各省庁の所管をしております公共施設全般の話でございますので、おっしゃいますように道路関係も含まれております。
  121. 米沢隆

    米沢委員 先ほどからこれは指摘なされておりますが、景気が大変厳しい状況の中で、民間がこの民活法活用して参加するという意欲はちょっと薄れてきておる、これは事実だろうと思いますが、そういう意味で、現在の民活法に盛られておるインセンティブだけで果たして効果的であるのかという問題は、先ほどの答弁でもわかりますが、やはり検討に値する課題だ、こう思っておるわけでございます。  例えばこの特別償却だって、これは事業が始まって本当に黒字のところは使いようがありますけれども、もう採算とんとんぐらいだとか、あるいは立ち上がりは赤字だというところは、特別償却で支援措置をやりますといっても、こんなのは全然使いようがないわけですね。あるいはまた五%の補助率等が決められておりますけれども、ここらも実際採算ペースということを考えたときに、果たして間に合うものかどうか。特に都会は数の論理もありますし、採算性が成り立つような環境にもありますし、あるいはまたニーズが集積しておりますから、ある程度経営のよろしきを得たならばうまくいくかもしれませんけれども、先ほどから指摘がありますように、地方民活プロジェクト、このあたりにとっては、現在のような一律ただ五%の補助金というものでは問題にならないと思いますし、果たして生きたプロジェクトが出てくるかということにも疑問を呈せざるを得ないという気持ちが私どももいたしております。  そういう意味で、再度の御質問で大変恐縮でございますが、これからこのインセンティブの充実強化策についてどのように考えておられるか。  同時にまた、事業を行う場合にいろんなところから融資、出資等ができるようになっておりますが、実際はかなりの金が要るプロジェクトが多いと思いますね。その際には、民間が出資するとか民間の手持ちで金を出すというものではなくて、先ほども話がありましたが、私は免税債みたいなものはもっとまじめに、積極的に検討していただかねばならない問題ではないかと思います。確かに、始まりますと、何でも長所もあればデメリットもありますが、しかし、免税債等条件をつけてある程度限定的に発行するという手法をとらないと、実際はおっしゃるようなプロジェクトが次から次に成熟化していくということにはなり得ないのではないかという危惧の念を持っておることを申し添えて、御答弁をいただきたいと思います。
  122. 杉山弘

    ○杉山政府委員 民活の助成につきましては、確かに御指摘のございましたように、昨年この法律がスタートいたしました段階では、税制面では特別償却、固定資産税の軽減等、それから資金面では開銀、北東公庫によります低利融資、さらには債務保証といったものだけでございまして、これで果たして十分かという御批判がいろいろございました。そういう観点から、昨年の秋の補正予算段階では五%の民活補助金というものも創設をしていただきましたし、開銀等の融資金利につきましても引き下げたわけでございますが、今のような状況にかんがみますと、民活事業促進するために果たしてこれで十分かという御批判は、まことにそのとおりであろうかと思います。  そういった観点から、先ほど来の御答弁の中でも申し上げましたように、特に地方民活事業の問題につきましては、地方活性化プロジェクトの一環としてこの助成について再度検討すべきではないかということで、今具体的な案を省内で検討中でございます。そのほかにも、実は昨年の補正予算段階では、民間からの事業主体に対します出資につきまして、出資所得控除制度というのをつくったらどうかということで財政当局に要求をいたしましたが、残念ながら年末の税制改正の中では見送られるということになりました。  こういった問題について私ども再度その実現を図るべく努力をしていきたいと思っておりますし、その過程におきましては、先生から御指摘の免税債の発行という問題につきましても、改めてまた検討もさせていただいて、各面から民活に対する助成措置の充実についてはこれからも努力をしてまいりたいと思っております。
  123. 米沢隆

    米沢委員 最後になりましたが、六十二年度予算が成立した後、政府としては緊急経済対策ですかをやろう、こういう話でございますが、その中でこの民活プロジェクトに活を入れるとか促進を図るというような意味での施策は用意されるのでしょうか、それとも全然今そういう話はないのでしょうか。
  124. 杉山弘

    ○杉山政府委員 自民党で四月二十四日におまとめをいただきました総合経済対策要綱の中には、地域活性化のためのプロジェクトについての助成措置という極めて抽象的な表現でございますが、それを意味する一項目が入っております。この措置の具体化につきましては、財政措置を伴うものについては正式には補正予算の編成過程で財政当局と相談をいたしていかなければなりませんけれども、政府として決めます総合経済対策要綱の中には、私どもといたしまして、通産省といたしましては、地域活性化のためのプロジェクト、これは民活プロジェクトも含めてでございますが、それにつきまして助成の強化をする方向で、これからの政府部内での対策の決定のための折衝を財政当局と続けていきたいと思っております。
  125. 米沢隆

    米沢委員 終わります。
  126. 佐藤信二

    佐藤委員長 矢島恒夫君。
  127. 矢島恒夫

    ○矢島委員 大臣もお見えになったようなので、大臣に御質問申し上げますが、昨年の五月三十日に民活法が施行されました。約一年を経過したわけですけれども、この間、半年もたたない十一月の段階補正予算を組まれた。いわゆる民活推進対策費というので三十三億。さらに、本年度の租税特別措置法の改正の中で、特定施設についての一二%の特別償却率を二〇%に引き上げる。さらに今回二つの特定施設を追加する。次から次へとこういう措置がとられてきたわけですが、私は極めて異例ではないかと思うのですね。残念ながら、今までそういうような形での措置がとられたことがあるかどうか私知らないのですが、もしこの法案が成立して、そして同じ年度内でのいわゆる補正措置、助成のための措置というのが行われた例があるのかどうか、これが一つ。  それから、なぜこういう極めてわずかの期間にこのような助成の措置をとってきたのか、このように急がなければならなかった理由、この辺をちょっとお聞きしたい。
  128. 杉山弘

    ○杉山政府委員 御指摘のように、昨年秋の補正予算段階民活事業に対する補助金を計上さしていただきました。これと同じような例がほかにあるかどうかにつきましては、残念ながら今私ここで御答弁するような知識を持っておりませんのですけれども、昨年秋の段階で計上いたしました民活事業補助金の趣旨は、民活事業を一層助成をするということよりは、むしろ折からの内需拡大対策の必要性から、せっかく民活法も施行されたことでもあるし、できるだけ多くのプロジェクトを少しでも前倒しをして実施していただきたい、これが内需拡大にも貢献をするのではないか、そのために民活事業の中でも六十一年度及び六十二年度に着工されるものについてのみ五%の助成をする、こういう趣旨でございました。したがいまして、民活事業であれば、この法律対象になっている施設整備であればいつまでもということではございませんで、あくまでも内需拡大対策の一環として前倒しをお願いするという観点から助成措置をとらせていただいたわけでございます。  それから、特別償却制度の償却率の引き上げについても御質問がございましたが、これは御案内のように、税制改正は毎年年末にやらしていただくわけでございまして、その実施は六十二年度ということになりますので、実行の問題といたしましては、法律が制定されましたと同じ年度ではなくて次年度以降の話になるかと思います。特別償却制度については、先ほど来の御質問の中にもございましたように、採算がとれるまでになかなか時間がかかるとなると、どれだけ意味があるのか、こういう御指摘もあるわけでございますが、私どもといたしましては、税制改正の一環として、他にも同様の措置もございましたので、民活事業についてもそれと同じような趣旨で率の引き上げについてお願いをして、六十二年度から実施をしていただくということになった次第でございます。
  129. 矢島恒夫

    ○矢島委員 今すぐここでは、そのような措置をとったかどうか、そういうのがあるかどうかわからないというわけですが、ひとつ研究されて、もしありましたらその事例を教えていただければありがたいと私思うわけです。  それから、いろいろおっしゃられたわけですが、緊急な措置を次々ととったことについて言われたわけですが、やはり採算面という点が、非常にプロジェクト事業が進んでない大きな理由ではないかと私思うのですが、その辺はどういうふうに考えていらっしゃるか。
  130. 杉山弘

    ○杉山政府委員 確かに民活事業につきましては、御答弁の中で申し上げました助成措置はございますが、それらを勘案いたしましても、企業採算、事業採算となりますとなかなか難しいものがあるようでございます。特に事業採算面では、大都市周辺民活事業については比較的採算はとりやすいと言っておりますが、それでも今まで計画されております事業の収支計画拝見をいたしますと、累積損を解消するまでには着工後最低十数年必要であるという状況でございます。まして地方の場合には採算的に非常に難しゅうございます。その上、最近のような全体としての経済情勢でございますので、おっしゃるような意味での採算問題というのは、従来にも増して厳しくなっております。  そういう観点から、特に地方におきます民活事業の採算問題ということにつきましては、私ども、困難な採算状況にあるということを十分承知の上、しかも地域経済活性化のためにはそういったことを含めた地域活性化のためのプロジェクトを進めていただく必要があるという観点から、この際、地域経済活性化のための事業に対する政府の助成策のあり方というものをもう一遍考え直してみる必要があり、その結果について省内での検討で成案が得られました場合には、財政当局とも相談をいたしまして、緊急経済対策ないしはその後の補正予算の過程で実現できる方向で検討させていただきたいと考えておるところでございます。
  131. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私ここに、昨年の九月通産省民間活力推進室というのがつくられた「民活法プロジェクトの前倒しによる内需拡大について」というものをちょっと参考までに持ってきたのですが、今おっしゃられたように、このプロジェクト事業化が進まない理由として、採算性が低い、またその見通しが困難である。例えば、かながわサイエンスパークでいきますと、累積欠損を解消するのに十七年かかる。幕張メッセでは十四年が見込まれる。また②のところでは、「施設整備という事業の性格上、建設期間及び事業立上がり期間の資金コスト負担が大きく、」ということがいろいろと書かれているわけなんですね。  そういう状況の中にもかかわらず、民活民活ということを大合唱されて、内需拡大だ。しかし、私ども内需拡大そのものが大企業本位の内需拡大だと思う。そういう中で異例の措置を次々ととってきたと考えておるわけなんですが、この資料によりますと、通産省は当初利子補給ということで考えでおられたようですが、その点はそういうことで考えておられて、いわゆる建設費に対する補助になったのかどうか。  もう一つは、この中に書かれておることなんですが、大蔵省とのいろいろなやりとりが出ておるわけです。先ほどの異例の措置だという点で、ほかにも例があるかということをお聞きしたのですが、この場所ではということなので、大蔵省が言っていることですと、「民活法の助成措置は施行されたばかりで、まだ実際に適用された例がない。現時点で助成強化を議論するのは時期尚早。 また、特段の事情変更もないのに、今年度決定したばかりの助成措置を同一年度内に変更することは補正予算の建て前からも不可能。」こういうことを大蔵省は言っておられるわけです。これに対して、通産省が強引にこういう形を今日まで臨時国会で行ってきたわけですが、なぜそこまでしたか、その理由をもう一度お聞かせいただきたい。
  132. 杉山弘

    ○杉山政府委員 先ほども答弁申し上げましたように、去年の秋の補正予算段階補助金をお願いをいたしましたのは、先生からも御指摘がございましたように、採算面では、特に収支採算の面では金融機関からの借り入れ等に伴う利子負担が大きくなる、そこの面の負担を軽減すれば当初計画よりは前倒しをして事業の実施をしていただけることにならぬか、こういうことで、大蔵省に対しては御指摘のように当初は利子補給のような形でお話を持ちかけたわけでございますけれども財政当局としましては、利子補給というような形をとることの他への影響等々もございまして、むしろ実質的な事業建設費に対する補助金という形になったわけでございます。その趣旨は、繰り返しになって恐縮でございますが、あくまでも二年間に限って着工していただくものについてということで、民活事業の前倒し施行の促進、そのことによる内需拡大ということで、当時問題となっておりました総合経済対策の中でそれを政府として決定をさせていただいて補正予算に組ませていただいた、こういう経緯でございます。
  133. 矢島恒夫

    ○矢島委員 事業の前倒しの促進ということですけれども、実際に昨年度の三十三億円は使っていらっしゃらないわけですね。大蔵省とのやりとり、同じあなた方のつくられたこの文書ですけれども、「本措置を講じても当面の内需拡大には寄与しないのではないか。」こういう大蔵省の意見に対して、あなた方が、この前倒しという面では非常に期待できる。これは利子補給という段階でのあなた方の主張ですけれども、「三年間に五千億円の事業額の前倒しが可能」だとか、あるいは「今年度下期においても約三百億円の内需拡大期待できる。」というようなことが書かれているわけですが、実際にはこの三十三億も使われていない。実際に内需拡大という面でこの六十一年度下期でもあるんだとおっしゃられたから、私は通産省にどの程度の効果が上がったのかということをお聞きしたわけですが、通産省は、わからない、どの部分にどれだけの内需拡大が、そういう部分もあるかもしれませんが、具体的なものは出せない。実際にこれだけの見通しがあってやったことなんだから、それについての追跡調査ぐらいはしたらいいじゃないか、きちんとこれによっての効果はこれぐらいあったというあたりを出してもらいたいと思ったのですが、このお答えも得られなかったということです。  さらに、先ほど来、前の方の質問にもいろいろとあったわけですけれども通産省関係の一号と三号と五号の施設につきまして四十カ所以上の主なプロジェクトがある。その中で実際に具体化されているといいますか指定を受けたのは、かながわサイエンスパーク柏崎ソフトパーク、それに幕張メッセというのがある。私は、今三つきりか、もっと進めるという観点ではなくて、こういう三カ所についていろいろと調べてみましたところ、地元では今日いろいろな問題が起きているんだ。こういう点をしっかり踏まえないと、何でもかんでもどんどん推進すればいいんだ、三カ所だけれども、ことしは十六カ所かそれ以上できますよ、これでは地方自治体なりあるいは地域住民が非常に困るのではないか。  そこで、私は先日幕張メッセの状況を見に行ってきたのですが、この幕張の新都心地域を見てまいりますと、千葉県が埋立造成に大変なお金を使っているという状況の中で、土地については無償で貸与したり、あるいは建設費については四百億円のうち三百億円ですか、これは千葉県が負担する。同様に千葉市の方もいろいろな負担がかけられてきている。県や市がいろいろな負担をする中で、NCCですか、日本コンベンションセンターというのがやっと設立された。こういうふうに聞いているわけですけれども、結局のところ巨額な投資にもかかわらず、採算の面での危険があるので民間企業はおいそれと乗ってこない。これがこの地域状況なんだというわけなんですね。  幕張メッセでいいますと、何とか採算が合うのが年間の来場者数が六百万人だというふうに聞いております。ところが、すぐ近くには晴海もありますし、あるいはまたMM21の計画がありますし、私の埼玉県にもユーアンドアイ計画ということで、大宮操車場跡地の国際会議場や見本市会場の問題が出てきている。こうなりますと、本当に六百万人の入場者数は見込めるのかどうかということについても、県側あるいはそこに入ってこようとしている企業としては不安な材料になってきているということなんですね。ですから、このまま続けていくことがどうも国民に莫大なツケが回されてきてしまうんではないかという心配を私はするわけなんです。その問題が一つ。  それから基盤整備、幕張については千葉県がやっておりますし、東京の場合は東京都が中心で行っているわけですが、こういうことによって人口がふえてくる、地価が高騰する、上下水道の整備や道路建設、ごみ処理、公害問題、いろいろな問題で自治体の負担は大変なんじゃないかということも言われているわけです。こういう住民へのツケの問題、あるいは自治体に対して多大な犠牲を今後押しつける可能性のある問題じゃないかという点を危惧しているわけなんですけれども通産大臣、この辺についてひとつお考えを承りたいと思います。
  134. 末木凰太郎

    末木政府委員 幕張メッセを例に挙げてのお尋ねでございますが、お手元の資料によりますと、幕張の副都心計画全体は、幕張新都心というのでしょうか、この計画の全体は、四百四十ヘクタールくらいの大きな計画でございます。それに対しましてメッセの部分が約三十九ヘクタールくらいでございます。メッセの隣にはホテルのゾーンとかショッピングゾーンというのがございます。  そこで、メッセそのものについての採算の見通しは、専門家の方がいろいろ検討されていると思いますけれども、これだけ大きなブランでございますから、一般的に申しましてこの全体の計画がどういうふうに進むかということと密接に関連すると思います。例えば、ほかの部分が全然動かなくてこの部分だけ先に行けば当然採算性は悪いでしょうし、全体のバランスがとれて進めば採算性がよくなるというのは一般的に言えるかと思います。  それからいま一つは、利用の度合いでございますけれども、従来日本で考えられておりましたような日本の企業が出品をする見本市ということだけではなくて、今世界的な潮流は、世界じゅうの出品者が世界のどこかいい場所に集まって見本市をやるということになっておりまして、ヨーロッパの大規模メッセはほとんどみんなそういうことでございます。同時に、これは商品の展示だけでなくて、会議、コングレスが並行して行われる。そういったものをどのくらい誘致していくか、その見通しにもかかってくると思います。  そういうことで、いずれにいたしましても採算の見通しは大変難しい問題でございますけれども、私どもとしましては、大きな計画でございますから、その辺は当然関係当局の実際やられるところで十分御検討いただくことが必要だと思っておりますし。何でもかんでも早くやっていただければいいというふうな言い方はもちろんしておりません。先生指摘のように、当然地元住民へ公害等のいろいろな負担があってはなりませんから、そういったものは十分詰めた上で、しかもなおかつこういった状況を踏まえまして早くできれば大変好ましいというのが姿勢でございます。
  135. 矢島恒夫

    ○矢島委員 地方自治体に対するいろいろな負担という問題は先ほど来の質問の中で出ておりますので、ぜひそういう点もお答えいただきたいと思いましたが、時間の関係で、先ほどから出ております例の新聞記事の、五%の建設費の補助率を二五%に上げるという問題でちょっと確認したいのです。  杉山局長が御答弁されていたと思いますが、二五%というのは正確ではない、しかし地方経済の活性化のため具体化を考えている。つまり建設費の補助率を五%から何%かわかりませんけれども何%かに上げるということは実際に考えてないというお答えだったと思うのですが、そう考えていいのか。  それから、特にその中で第三セクターの問題と地方自治体の問題を分けていらっしゃいましたが、地方経済の活性化のためにはいろいろなことを考えているんだということですが、具体的にどの程度考えていらっしゃるのか。今のところは何%というところまではお答えいただけるかどうかわからないのですが、その辺をちょっと確認のためにお聞かせいただきたいと思います。
  136. 杉山弘

    ○杉山政府委員 念のために申し上げさせていただきますが、五%の補助金は、先ほど来御答弁申し上げておりますように前倒しのためのということでございまして、今省内で問題意識を持って検討いたしておりますのは、この民活施設整備を含めて、地域経済の活性化のために役立つ事業については、現下の地方経済実情から見で国のある程度積極的なてこ入れを必要とするのではないか、そういう観点からこの民活事業に対する補助というものも考えてみる、こういうことでございます。したがいまして、まだ今の段階で結果的に補助率をどうするということを確定的に申し上げる状況にはございません。むしろ通産省としての案が固まり次第、財政当局とも相談をし、総合経済対策、さらにはその後の補正予算編成の過程におきまして具体化を図っていくということになるのではなかろうかと思います。
  137. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私としては、民活民活と言いながら次々と大変大企業に手厚い保護、助成を進めようとしていることは大問題だと思うわけですが、同時に、これは土地の問題も再三再四にわたって出されておるようです。  そこで国土庁と、それから通産大臣にもできたらお答えいただければと思うのですが、大変東京都心の地価が上がっている、特に商業地域におきましては七四・九%ですか、大変な値上がりをしている。その理由についてこの「国土の利用に関する年次報告」ですか、この中でいろいろと述べていらっしゃいます。どうも納得できないし、なかなか責任がこの中で明確になっていないのじゃないか。つまり、今日の状況を招いた主要な責任というのが、やはり首都改造計画だとかあるいは民活型の開発推進あるいは中枢管理機能の集中というようなところが重大な責任を持っているのではないか、こう思うわけなのです。  この国土白書の中には、特に都心部におけるオフィスの需要、こういうものが、企業の国際化だとかあるいは情報化という中でなお根強い需要が予想されるというように書かれているわけですが、そうなりますと、この都心部の住民はどんどんオフィスに追い出されていってしまって、いわゆる周辺地域だとかヘッドタウンへ行かなければならなくなる。そうすると、私埼玉ですのでとりわけそういうことに関心を持っているわけですけれども、今度はそっちの方の地価の値上がりということを招くのではないかということが非常に懸念されるわけです。こういうことに対して、都心の今日の状況について、あなた方が一極集中構造の是正というようなことだとか、あるいは業務核都市ですか、あるいは臨海埋立地、こういうものの利用ということを言っていらっしゃるわけなんですが、十二号埋立地の問題で、何か東京テレポートを中心といたしまして、就業人口はおおよそ十万人ぐらいだ、出入りする人口は三十万人ぐらいといいますと、新宿副都心の二倍ぐらいのオフィスビル街ができ上がると思うわけなのですけれども、ロンドンやニューヨークに次いで、金融だとか情報だとかこういうもので二十四時間働くところのインテリジェントビルというようなものの群立が予想される。これはまだ具体的にはなっていないのはもちろんだろうと思いますが、私の埼玉の浦和でも、今県庁があるわけなのですけれども、これを壊して高層ビルを建てて、それで二十四時間働けるようなそういうインテリジェントビルにするのだなんということをちょっと耳にしているのです。  いずれにいたしましても、こういう事態の中で、とりわけ臨海部を見てみますと、例えば十三号ですと東京ガスだとか東京電力、あるいはMM21を見ますと三菱というのが大変土地を持っている。こういうような状況の中で、結局この埋立地を、都有地なりあるいは千葉県の幕張でいえば県有地の埋立地を安く提供させて基盤整備を行う。この基盤整備を行って地価が上がりますが、上がったところで周辺地域ももちろん、あるいはそこに土地を持っている大企業につきましてもこれはぼろもうけにつながるわけなんです。こういうことにつながっていくのではないか。あるいはまた、浦和や大宮のあのユーアンドアイ計画その他いわゆる業務核都市、こういうところにおきましても、この周辺の土地の値上がりというものが起こってくるのではないか。これに対して民活法というのは重大な役割を果たしているというふうに私は考えるのですが、その辺について通産大臣どんなお考えですか。
  138. 末木凰太郎

    末木政府委員 既成の市街地におきまして非常にオフィス需要が急増しているわけですし、それを受けてビルが活発に建設されているわけでございます。むしろ私どもはそういう状況を踏まえまして、このまま既成市街地にどんどん過密が幾らでも進んでも構わないということではいけないのではないか、それはよろしくないということで、そういう意味で今挙げられました十三号地か十号地か、そういうことは別としまして、一般的にこの周辺部へそういう需要を吸収していくことが既成市街地の恐れられている問題の防止に役立つのではないかとむしろ思っているわけでございます。  また、民活事業による土地の取得が直接的に地価の高騰にならないかどうかという点につきましては、今のところ私ども関係者から聴取した結果によりますと、たまたま現在進行中、検討中のプロジェクトにおきましては、第三セクターが中心になっているケースが多いこともございまして、用地のかなりの部分は県とか市の公有地の有効活用を予定されていることになっております。したがいまして、そういう意味では、新たに民有地を買いあさるというようなことで土地をつり上げるようなことにはなっておりませんし、それ以外につきましても区画整理事業等の基盤整備事業の一環として用地を確保するというような対応が考えられているのが多うございます。したがいまして、これらの民活特定施設の建設が地価をつり上げるということにはならないと思っております。
  139. 矢島恒夫

    ○矢島委員 周辺部へそのために移していくのだということで、私はそういうことによっての周辺部の土地の値上がりや、あるいは周辺都市の土地の値上がりということを懸念して質問したのですが、国土庁の方はどういうお考えか、ちょっとお聞かせいただきます。
  140. 原隆之

    ○原説明員 御説明申し上げます。  私どもといたしましては、今先生議論ございましたように業務機能を適正に分散をしていくということのほかに、私ども投機的な土地の取引を抑制するための手だてをいろいろ講じてまいっておるところでございます。一つには、土地取引の規制の強化につきましては国土利用計画法の改正案を国会に御提出申し上げているところでございますし、また土地税制につきましても、二年以下の非常に短い保有期間の土地の譲渡益につきましては重い税金を課するという超短期重課制度の創設につきまして国会にも御審議をお願いしているところでございまして、こういった措置によりまして土地の投機的な取引によりますところの値上がりというものは相当抑え込めるのではないかというふうに考えているところでございます。
  141. 矢島恒夫

    ○矢島委員 時間がなくなりましたので、もう少しその辺についてもお聞きしたいのですけれども、いずれにいたしましても、土地投機の問題も今国土庁の方から出されましたが、そういう問題やあるいは大企業に対する手厚い補助というような形の内需拡大ではなくて、今円高不況で苦しんでいる中小企業対策ということでの問題をちょっと中小企業庁にお尋ねしたいのですけれども中小企業対策費の伸び率が今年度はマイナス三・八%ですか、そういうような状況になってきております。そういう中で、円高不況対策として政府系三機関によるところの融資の弾力化という措置がとられたわけですけれども、この制度の利用状況がどうなっているか。統計があれば示していただけば一番いいのですけれども、大まかな状況でも教えていただければと思います。同時に、この円高融資制度は六月十五日ですか、切れると思うのですけれども、さらにこの延長拡充をすべきではないかと私は思うのですが、そういう方向が打ち出されているかどうか。  それから、ちょっと申しわけないのですが、私の質問時間非常に短いので、あともう一つのことをあわせて質問してしまいたいと思うのですが、こういう状況円高対策はもちろんのことですけれども円高緊急融資として激甚災害並みの利率三%とすべきではないか、また三年間の返済猶予だとか返済期間の延長だとか金利の免除だとか、思い切った助成を通産大臣に考えていただきたいと思うのです。  私たちは、さきの予算要求の中でも、赤字企業への無担保無保証人の融資の適用だとか、休業に追い込まれた自営業者、小規模企業者の生活維持と事業再建のための休業補償制度を創設してもらいたいということだとか、下請取引適正化指導通達の完全実施をやってもらいたいとか、下請発注の打ち切りだとか大幅削減、単価の不当切り下げ、こういう違反をしたところは直ちに企業の名前を出すべきだとか、いろいろ要求しているわけですが、これらの後半については通産大臣のお考えをお聞きしたい、こんなふうに思います。
  142. 佐藤信二

    佐藤委員長 小林計画部長。時間がありませんから簡潔にお願いいたします。
  143. 小林惇

    ○小林(惇)政府委員 お尋ねの不況業種の赤字企業に対します元利返済資金緊急融資制度は、昨年の六月から始めておりまして、三月末現在で約一千件余の利用がございます。そのほかに、御指摘のありました繰り上げ償還の弾力化でございますとか担保徴求の弾力化あるいは返済の猶予等についてもそれぞれやっております。  それから、後段の元利返済資金緊急融資制度等の六月十五日以降の取り扱いにつきましては、最近の金利水準の動向あるいは円高の動向等、諸般の情勢をにらみながら、現在部内で検討しておるところでございます。
  144. 田村元

    田村国務大臣 当然、総合経済対策におきまして中小企業対策というものは大きな柱になるわけでございます。一つの御意見として承っておきます。
  145. 矢島恒夫

    ○矢島委員 時間が参りましたので、質問を終わります。
  146. 佐藤信二

    佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
  147. 佐藤信二

    佐藤委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。藤原ひろ子君。
  148. 藤原ひろ子

    ○藤原(ひ)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、本改正案に対する反対討論を行います。  以下、反対の理由を述べます。  その第一は、本改正案が、民間活力の活用による大企業本位の内需拡大策であることです。  今首都圏では、東京を中心に、二十一世紀の国際ビジネス都市として内外多国籍企業の中枢拠点に仕立て上げる首都改造計画実行されております。東京をニューヨーク、ロンドンと並ぶ二十四時間稼働の国際金融・情報センターにしようとの動きも活発化しております。外国企業の東京などへの進出、事務所の開設も急増しております。  本改正案は、こうした情報化、国際化への対応など、大企業の進める二十一世紀戦略を支援するものにほかなりません。このような大企業本位の内需拡大策は、住宅、公園、下水道など、国際的にも大きくおくれている生活基盤の整備など、今緊急に求められている真の内需拡大をさらにおくらせるものであります。  第二は、大企業奉仕を拡大する一方、自治体と地域住民、国民に一層の負担と犠牲を強いることです。  民活法が住民参加や市町村自治体の町づくりを保障せず、特定施設整備のための財政的支援、施設同辺地域の公共施設整備など、専らツケを地方自治体、地域住民に回すものであることは、昨年の法律制定時に指摘したとおりであります。  ところが政府は、これでもまだ大企業への助成策が不十分として、昨年の補正予算では、民活法対象事業には生の財政資金は使わないとの政府部内の合意を踏みにじってまで、対象事業への五%補助金制度を創設しました。補正予算で計上された補助金三十三億円の交付実績はいまだゼロであります。政府は、これでもまだ足りないとして、二五%補助に助成を拡充しようとしていると伝えられています。  異常円高で痛めつけられている中小企業、国民の苦しみをよそに、大企業奉仕だけを次々に拡大する政府のやり方は到底認めることはできません。  第三は、大都市の再開発優先で、地方と大都市の格差を拡大することです。  本改正案による追加施設は、マルチメディアセンター、インテリジェントビル、ワールドビジネスゾーンなど、いずれも東京など大都市中心の大規模再開発に関連するものばかりであります。中曽根内閣の民活政策は、大都市の大規模再開発をあおり、乱立させ、史上空前の狂乱地価を生み出しております。  本改正案は、こうした方向に一層拍車をかけるとともに、大都市と、異常円高で壊滅的打撃を受けている地方との地域間格差を一層大きくするものであります。  以上の理由によりまして、本改正案に強く反対をし、反対討論を終わります。
  149. 佐藤信二

    佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  150. 佐藤信二

    佐藤委員長 これより採決に入ります。  民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  151. 佐藤信二

    佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 佐藤信二

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  153. 佐藤信二

    佐藤委員長 次回は、来る二十二日金曜日委員会を開会することとし、開会時刻は公報をもってお知らせいたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時八分散会