○坂井
委員 恐らく今後におきましても私はこの
委員会の場をおかりしながら一貫して申し上げてまいりたいと思いますことは、やはり
集中と分散ということ、これを車の両輪としてとらえて、これを一番根っこに踏まえての
土地対策でありあるいは
住宅行政であり、さまざまな建設行政あるいは大きくは日本の国土行政――国土行政ということは、単に政治の側面だけではなくて社会、文化、経済、すべての分野にわたって
集中から分散へ、この方向をひとつ根本に踏まえまして、そこで議論を重ねて私の思う方向である地方分散ということが真に具体化され、そういう中でさまざまな問題が解決をされていく、本当のあるべき望ましい国土の方向、そこで一億一千万がすべて豊かにといいますか平等にと申しましょうか、生活をエンジョイ、享受できるような国土のあり方、それは分散の手法だ、こういう
観点からお尋ねをしてまいりたいと思っております。
したがいまして、
東京におきます最近の
地価暴騰は、まず、
都心部におけるオフィス床の不足は
供給が不足しているんだ、
供給すればこれは是正される、解決される、そう見るのはいささか近視眼的ではなかろうか。当面の
対策としてこれは不必要だとは私は言いません、やらなければならない。しかし足らないから
供給をふやせばいいのだという論理で進めますと、ますますそこに人が集まる、物が集まる、全国の企業の本社、中枢機能というのはすべて
東京に
集中する、
供給すればますます
東京に集まる、こういう悪循環を断ち切ることはできない。
したがって、例えば
東京におきまして多核多圏域型の都市構造をつくる、これが
都心における
地価高騰、オフィス床の不足を賄って
東京圏域のあるべき姿にする、まず当面の手法である、このことは否定はしません。否定はしませんが、多核多圏域型のそういう
東京圏ということだけを考える
施策、政策になりますと、もう一方におきます地方がそれじゃますます
東京に
東京に、この流れは変わらない。流れを変える手法は何かというと、大変極論かもしれませんが、極論で申し上げますならば、もう
東京は何もしない、
地価が上がれば上がるで上がりっぱなし、
供給はしない、いたし力なくそれじゃという地方への誘導策がもう一方にあれば、そんなのはいたし方がない、これぐらい物の
考え方を頭の中で割り切って、まずそこからどういう手法が具体的に現実的にあるかというぐらいの発想に立たなければ、この
東京におきます
地価暴騰、それに伴いますさまざまなデメリット、これを解決することはもはやできないのではないかな、私はそんな気すらしてなりません。
と申し上げますのは、今日までも
地価対策につきましては随分苦慮され、さまざまな
施策が用意されて手が打たれてきたことは事実です。大変な御苦労をいただいてきた。にもかかわらず、なぜ今日このようなまさに犯罪にも似たような
東京における
地価暴騰、
狂乱が起こるのか。企業はもう
土地投機に狂奔をする、金が余った人は金を持って
東京にやってきて
土地を買いあさる、こんなばかげたことが世界じゅうどこにも行われている国はないと私は思う。この事実を本当に怒りを持って食いとめなければいかぬ、是正しなければならぬということを考えた場合に、私が今申しましたような、いささか極論かもしれません、暴論かもしれませんが、それぐらいの物の
考え方を持ってしなければこの
地価暴騰を食いとめることはできないのじゃないかなというような気がいたしますものですから、申し上げているわけでございます。
そこで、例えば今
東京圏がそういう
状況にある、そうすると一方、関西圏は関西新国際空港ができる、これにかけまして関西の復権と、今盛んに関西の各方面はこれにしがみついて必死でございます。本当にここに関西空港ができて、
東京圏に対するもう
一つの相対するくらいの力のある関西圏ができ上がるかどうか。これはまさに、今申しました
東京一極
集中を地方に分散していく多極分散のその一翼を関西圏に持たすのだというその物の
考え方が基底にありませんと、単に空港ができる、国際空港だ、二十四時間本格的な空港ができます、この空港をてこにして関西は浮揚するのです、これだけでは関西は浮揚しない。のみならず、これは国土全体にとって均衡ある発展にはならないと私は思う。四全総で言う多極分散型を本当にやるのだというならば、例えば今の関西における関西圏は、これは
東京が国際交流の日本における唯一の拠点である、この唯一の
東京の拠点をもう
一つ、関西も国際交流のもう
一つの拠点である、つまり単眼から複眼にするというような
考え方が根底にあって、そこで関西空港だ、関西の復権だというのならばこれは成功するであろうと私は思います。
そういうものの
考え方、そのことのためには、
東京に
集中いたしました中央
管理機能あるいは情報機能、それらを例えば今言う関西なら関西に一部は分散をする。その前に本社機能を関西に持っていきなさい、情報機能を関西で受けとめるように
一つはしなさい、発信機能も置きなさいと言ったってこれはだめだ。政策の誘導がなければ、行政側の誘導がなければできない。その行政側の誘導は何かというと、まさに中央省庁の地方への一部分散だ。分散という言い方がいいのかどうなのか、これはよくわかりません。つまり、中央官庁が全部
東京にある。これを関西圏なら関西圏に、九州圏なら九州圏に、東北圏なら東北圏に、北海道あるいは四国、国鉄がJRで六つになりましたが、それぐらいの多極の
考え方、手法を持たなければ、きょうは
土地問題をメーンに置いてのお尋ねをしているつもりでございますが、この
東京における
地価高騰も食いとめることはできないのじゃないか、こう思いながら申し上げているところでございます。
この議論につきましてはまたおいおいとお願いいたしたいと思いますが、ただ、この際、長官御出席でございますので、この四全総で中央省庁の一部を地方にということが取り上げられるというようなことのようでございますが、その辺のお取り組みについて、お聞かせいただける
範囲でお願いできればと思います。