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岩垂委員 林野庁がなさった調査を私は信頼しないというふうに一方的に言っているわけじゃないのです。あなたは、あれは施業のための調査でございましたということをこの
委員会で答弁していらっしゃるわけです。だから、生息並びに繁殖などを含めて今日の時点で調査をなさるくらいなことは、問題が問題であり、世論が世論であるだけに、そして
環境庁長官がわざわざ足を運んでおとりになった御努力に対しても、それをきちんと後づける努力ではないだろうかというふうに私は思うので、もう一遍その辺は御
検討を煩わしておきたいというふうに思います。
もう時間が参りましたからぼちぽちやめますけれ
ども、私は知床問題というのは、ある
意味で林野行政というものが国民的なレベルで間われた問題であったというふうに受けとめます。それは森林を守っていくということは大変なことですし、そしてそのままでいいものでもございません。しかし、守るべき原生あるいは原生に近い自然というものをどうやって守っていくのか。お金がかかります。そのお金がかかるものについて、国民がみんなで
考えていこうじゃないかという問題提起をしているように思うのです。だとすれば、林野庁はこの世論にこたえなければいけません。国民から見捨てられた林野行政などというものはありません。独立採算で賄っていくということでいけば、木を切る以外には林野財政はもたないということになってしまいます。何年切ったら一体どうなるかということも私たちには目に見えています。そういう
意味では、三百年とか二百年とかというような樹齢を重ねてきた、歴史を重ねてきた、歴史の生き証人、知床の人たちはあの地域のことをある種の文化というふうに言っています。そういう点で私は、文化や自然というものをどうやって守っていくかということを教えてくれた非常に大きな出来事であったというふうに思うのです。だから、ぜひこれに学びたいと思います。そして、学んでいただきたいと思います。できれば、国会でも終わったら、現地へもう一遍行こうかなと思っています、先っぽまでは私、行ったことがないものですから。それはそれとして、今あなたが御答弁いただいたこと、大変困難な
立場でありながら御答弁をいただいたことに感謝します。
恐らく午来君、きょうあたり私の部屋に来ると思いますけれ
ども、彼が当選をした
背景というのは、単に斜里町の町民の選択だけではなくて、やはり
日本人の選択であったというふうに、ちょっと大げさですけれ
ども私はとらえたいというふうに思うのです。事によったら、それは
世界に向けても
日本人の心が問われた、そんなことにもなりかねない要素を持っている、大げさで恐縮ですけれ
ども。そういう点で、国道からこっちという話なんで、まだそれも問題が残っていると思うのですが、それについては町長が
反対あるいは町民の圧倒的な部分が
反対と言うなら切らぬということが、こうやって透かしてみたら明らかになりましたので、その透かしが本当に本物になるように御努力を願いたい、このことをお願いして、私の
質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。