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1987-05-21 第108回国会 衆議院 環境委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十二年五月二十一日(木曜日)     午前十時一分開議 出席委員   委員長 林  大幹君    理事 小杉  隆君 理事 武村 正義君    理事 戸沢 政方君 理事 福島 譲二君    理事 山崎平八郎君 理事 岩垂寿喜男君    理事 春田 重昭君 理事 滝沢 幸助君       石破  茂君    大石 正光君       片岡 武司君    古賀  誠君       中島  衛君    平泉  渉君       宮里 松正君    森  美秀君       金子 みつ君    山口 鶴男君       遠藤 和良君    斉藤  節君       岩佐 恵美君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (環境庁長官) 稲村 利幸君  出席政府委員         環境庁長官官房         長       山内 豊徳君         環境庁企画調整         局長      加藤 陸美君         環境庁企画調整         局環境保健部長 目黒 克己君         環境庁自然保護         局長      古賀 章介君         環境庁大気保全         局長      長谷川慧重君         環境庁水質保全         局長      渡辺  武君  委員外出席者         警察庁交通局交         通指導課長   田辺八州雄君         総務庁行政管理         局管理官    菊地 徳彌君         厚生省生活衛生         局水道環境部環         境整備課長   加藤 三郎君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部技術企画課長 松波 正壽君         建設省都市局公         園緑地課長   坂本新太郎君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     窪津 義弘君         環境委員会調査         室長      山本 喜陸君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十一日  辞任         補欠選任   江崎 真澄君     中島  衛君   小沢 一郎君     大石 正光君   河本 敏夫君     森  美秀君   杉浦 正健君     宮里 松正君   田澤 吉郎君     古賀  誠君 同日  辞任         補欠選任   大石 正光君     小沢 一郎君   古賀  誠君     田澤 吉郎君   中島  衛君     江崎 真澄君   宮里 松正君     杉浦 正健君   森  美秀君     河村 敏夫君     ――――――――――――― 五月十九日  公害健康被害補償法の一部を改正する法律案  (内閣提出第三六号) 同月二十日  水俣病の認定業務促進に関する臨時措置法の  一部を改正する法律案福島譲二君外四名提出  、衆法第一二号) 同月十八日  公害指定地域全面解除反対等に関する請願外  二件(遠藤和良紹介)(第二九九〇号)  同外一件(近江巳記夫君紹介)(第二九九一号  )  同外二件(春田重昭紹介)(第二九九二号) 同月十九日  公害指定地域全面解除反対等に関する請願  (上田哲紹介)(第三四一四号)  同(左近正男紹介)(第三四一五号)  同外一件(土井たか子紹介)(第三四一六号  )  同(堀昌雄紹介)(第三四一七号)  公害指定地域解除反対等に関する請願安藤  巖君紹介)(第三四一八号)  同(早川勝紹介)(第三四一九号) 同月二十日  公害指定地域全面解除反対等に関する請願  (浅井美幸紹介)(第三六四七号)  同(井上一成紹介)(第三六四八号)  同(伊藤茂紹介)(第三六四九号)  同外一件(岩垂寿喜男紹介)(第三六五〇号  )  同(上田卓三紹介)(第三六五一号)  同(貝沼次郎紹介)(第三六五二号)  同外一件(河上民雄紹介)(第三六五三号)  同(経塚幸夫紹介)(第三六五四号)  同外二件(斉藤節紹介)(第三六五五号)  同(柴田睦夫紹介)(第三六五六号)  同(鳥居一雄紹介)(第三六五七号)  同(中路雅弘紹介)(第三六五八号)  同(春田重昭紹介)(第三六五九号)  同(東中光雄紹介)(第三六六〇号)  同(細谷治嘉紹介)(第三六六一号)  同(正森成二君紹介)(第三六六二号)  同(村上弘紹介)(第三六六三号)  同(安藤巖紹介)(第三八七〇号)  同(石井郁子紹介)(第三八七一号)  同(市川雄一紹介)(第三八七二号)  同(岩垂寿喜男紹介)(第三八七三号)  同(大橋敏雄紹介)(第三八七四号)  同(近江巳記夫君紹介)(第三八七五号)  同(木内良明紹介)(第三八七六号)  同(坂口力紹介)(第三八七七号)  同外一件(高沢寅男紹介)(第三八七八号)  同(正木良明紹介)(第三八七九号)  同外二件(水田稔紹介)(第三八八〇号)  公害指定地域解除反対等に関する請願外一件  (岩垂寿喜男紹介)(第三六六四号) 同月二十一日  環境保全等に関する請願岩佐恵美紹介)(  第四一〇七号)  三宅島の自然と環境保護に関する請願鈴切  康雄君紹介)(第四一〇八号)  公害指定地域全面解除反対等に関する請願  (岩垂寿喜男紹介)(第四一〇九号)  同(権藤恒夫紹介)(第四一一〇号)  同(中路雅弘紹介)(第四一一一号)  同(中村正男紹介)(第四一一二号)  同(藤田スミ紹介)(第四一一三号)  同(冬柴鉄三紹介)(第四一一四号)  同(正森成二君紹介)(第四一一五号)  同(村上弘紹介)(第四一一六号)  同(矢追秀彦紹介)(第四一一七号)  同(矢野絢也君紹介)(第四一一八号)  同(渡部一郎紹介)(第四一一九号)  同(石田幸四郎紹介)(第四二八九号)  同(岩佐恵美紹介)(第四二九〇号)  同(岡崎万寿秀紹介)(第四二九一号)  同(斉藤節紹介)(第四二九二号)  同(薮仲義彦紹介)(第四二九三号)  公害指定地域解除反対等に関する請願(浦井  洋君紹介)(第四二九四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  公害防止事業団法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八三号)  絶滅のおそれのある野生動植物譲渡規制等  に関する法律案内閣提出第八四号)      ――――◇―――――
  2. 林大幹

    林委員長 これより会議を開きます。  内閣提出公害防止事業団法の一部を改正する法律案議題といたします。  政府より趣計説明を聴取いたします。稲村環境庁長官。     ―――――――――――――  公害防止事業団法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  3. 稲村利幸

    稲村国務大臣 ただいま議題となりました公害防止事業団法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  公害防止事業団は、昭和四十年に発足して以来、産業集中地域における産業公害防止するため、工場事業場共同利用建物等建設譲渡業務産業公害防止施設に対する融資業務等事業を実施し、公害防止対策推進に寄与してきたところであります。  しかしながら、近年、これらの産業公害のほか、都市生活型公害にも対応することが必要となっており、都市における大気汚染対策湖沼等の周辺における生活排水対策等が喫緊の課題となっております。また、国立国定公園において、利用者過度集中に伴う公害防止することも重要な課題であります。  この法律案は、こうした状況にかんがみ、昨年六月の臨時行政改革推進審議会最終答申をも踏まえつつ、これら環境行政主要課題対応して公害防止事業団業務等見直しを行おうとするものであります。  次に、法律案主要事項について、その概略を御説明申し上げます。  第一は、公害防止事業団目的改正であります。  現行法律では、公害防止事業団産業集中地域における事業活動に伴う公害防止目的としておりますが、今回新たに産業公害以外の公害防止するために必要な業務を行うこととしているため、目的所要改正を行うものであります。  第二は、公害防止事業団業務改正であります。  公害防止事業団現行業務整理、合理化するとともに、新たに、都市における大気汚染による公害防止するための緑地整備、及び国立国定公園利用者過度集中による公害防止するために行う公園利用のための複合施設等整備建設譲渡業務に加えることとしております。また、市街地土壌汚染防止等事業及び合併浄化槽設置に必要な資金の貸し付けを融資業務の対象に加えることとしております。  以上のほか、新規業務の追加に伴い、その一部の業務について通商産業大臣及び建設大臣主務大臣として追加する等の主務大臣の規定の整備その他所要改正を行うこととしております。  この法律案施行期日は、昭和六十二年十月一日としております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 林大幹

    林委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  5. 林大幹

    林委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本道路公団理事窪津義弘君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 林大幹

    林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  7. 林大幹

    林委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石破茂君。
  8. 石破茂

    石破委員 大臣初め政府委員の皆様、御苦労さまでございます。日ごろより環境行政に対します御尽力に対しまして心より敬意を表する次第でございます。先ほどお話のございました公害防止事業団法改正等に関しまして、若干の質問をさせていただきたい、かように考える次第でございます。  まず第一に、一昨日閣議決定をされました環境白書関連をいたしまして御質問をさせていただきたいと思います。  この白書は、近年とみに著しい東京圏に対する一極集中に対しまして言及したということで、まことに興味深いものだと考えておる次第でございます。マスコミ等の反響もかなり大きなものがあるようであります。実際私ども地方に住む者にいたしますと、一時期地方時代という言葉がはやったわけでありますけれども、近年東京のような大都市圏機能が一点集中するようになった。したがいまして、地方時代どころか地域間格差というものがますます広がる傾向にある。そのことに対しまして地方住民は大きな焦燥感を感じ、そしてまた地域開発をこいねがっておるわけであります。今回の環境白書におきまして、また環境保全という新たな観点からこの問題に一石を投じられたと考えておるわけであります。大都市におきます環境問題は非常に困難だと言われておりますけれども、その背景には世界に類例を見ない国土集中的な利用ということがあろうかというふうにも考えるわけであります。  そこで、第一点といたしまして、大都市における環境問題、それが国土利用のあり方とどのようにかかわるかという点について、そしてまた第二点といたしまして、環境保全の面から国土利用考えた場合にどのような課題があると環境庁はお考えか、以上二点をお教えいただきたいと考えております。
  9. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  人口産業集中、それから都市化やモータリゼーションの進展といった国土利用変化に伴いまして、公害発生源工場事業場に起因するもののほか、自動車などの移動発生源とか、さらに生活排水等家庭生活に起因するもののウエートが大きくなってまいっております。さらに近年は、水や緑との触れ合いを回復しようという動きも出てまいっております。  このような都市生活型の環境問題に対応してまいりますためには、発生源対策を初めとする公害防止のための各種施策推進に加えまして、第一に、人口都市活動過度集中による環境負荷がもたらされることのないように努めること、第二に、環境改善に資するように都市構造対策を積極的に講じていくこと、第三に、自然との多様な触れ合いの場を確保しつくり出していくことなどによりまして、環境保全に配慮した国土利用構造を形成していくことが重要な課題となってきておると私ども認識いたしておりまして、先生指摘の問題について対応を図ってまいりたいと思っております。
  10. 石破茂

    石破委員 それでは、第二点の質問をさせていただきたいと思います。  白書等々にも指摘されておりますように、産業人口大都市集中ということに起因をいたしますいわゆる産業公害というものは、関係各位の御努力もございまして、最近鎮静化をしておるというふうに認識をいたしておるわけでありますけれども、その反面、都市大気汚染でありますとか生活排水によります水質汚濁等々の、都市活動また家庭生活に付随をいたしますいわゆる都市生活型公害というもののウエートが、相対的と申しますか、高まってきたように思っておるわけであります。  これらに対処するためにはどのような手段があるかということでありますけれども、従来のように企業でありますとか工場事業所、そのようなものに対します規制だけにとらわれておったのではいまだ不十分な面が多々あろうかというふうに考えるわけであります。そういたしますと、融資によります誘導でありますとか土地の利用、さらには都市構造対策を含めた多角的な取り組みが今後必要になってくる、従来の方向から脱却をした新しい観点での取り組みが必要になるというふうに考えるわけであります。大気汚染というものについて考えてみますと、これは健康被害でありますとか生活環境破壊、そのようなことをもたらさないようにするということが基本であるというふうに考えるわけであります。  最近の状況変化を踏まえまして、健康被害防止事業を積極的に推進するための公害健康被害補償法、そのようなものに対しまして私どもも賛意を表し、推進をしたいというふうに考えるものでありますけれども、しかしながら、改善されたとはいいましても、沿道を初めといたしますNOx被害でありますとか、いまだ改善を要する問題が多々あろうかと考えるわけであります。大気汚染防止法を初めといたしまして、これらに対応いたします法的措置というものはかなり整備されておるように思うのでありますけれども、申し上げましたように、いまだ問題は山積をしておるというふうに考えるわけであります。そのような問題に対しまして環境庁としてはどのような対応をとられるつもりか、御所見を伺いたいと思います。
  11. 長谷川慧重

    長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。  大気汚染状況につきましては、全般的には改善傾向にありますが、大都市圏への人口あるいは産業の急速な集中に伴いまして、先生お話ございましたように、都市生活型の公害が大きな課題になっておりますことは、先生の御指摘のとおりでございます。このため、工場やビルからのばい煙や自動車排出ガス規制など、従来からの規制施策を引き続き推進いたしますとともに、地域の実情に即しました交通量の抑制や交通流分散円滑化などの総合的な交通公害対策推進することが極めて重要な課題となっておるところでございます。環境庁といたしましては、現在、各省庁関係自治体と一体となりまして、京浜、阪神地域におきまして具体的な計画づくりを進めておるところでございます。  また、こうした施策の一層の促進を図るために、今回提出させていただいております公害健康被害補償法の一部改正案におきまして、新たに環境改善事業を実施することといたしまして、自治体によります健康被害防止のための計画づくりや低公害車の普及、規制適合車への代替促進共同輸配送大気浄化植樹など各種事業につきまして助成措置を講ずることとしておりまして、これらによりまして大気汚染防止対策の一層の推進を図ってまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
  12. 石破茂

    石破委員 さて、公害防止事業団法改正についてお伺いをいたしたいと思います。  環境問題が非常に変化をしておるということ、そしてまた環境を守るということから、自然を積極的に利用するというような積極的な対応環境行政に対しまして望まれておるというふうに考えるわけでありますけれども、かかる状況変化を踏まえまして、先ほど申し上げましたような都市生活型公害、そのようなものに積極的に対処をしていく、そういうような考え方も盛り込まれておるというふうに感じるわけであります。  今回の法改正に当たりまして、環境庁がどのような基本的なお考え方をお持ちか、どのようなものを目指しておられるかということにつきまして御所見を賜りたいと思います。
  13. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  今回の事業団法改正は、先生ただいま御指摘ございましたとおり、近年の公害防止行政主要課題が移行してまいっておりますし、産業型公害に加えまして都市生活型公害という新たな課題が生じておるわけでございます。これへの対応を図るために、実は、昨年六月の行革審の答申などを踏まえまして業務見直しを行うというものでございます。  その概要を申し上げますと、新たな業務として、都市大気汚染対策としての緑地及び国立国定公園利用分散化を図る複合施設建設譲渡事業と、市街地土壌汚染防止等事業及び合併浄化槽設置への貸付業務、これらの業務を追加することといたしておるわけでございます。なお、これら都市生活型公害防止事業を追加するに伴いまして、いたずらな肥大化は避けるべきであるという行革の精神にのっとり、現行業務については整理合理化を行うことといたしておる次第でございます。
  14. 石破茂

    石破委員 さて、第四点でありますけれどもリゾート関連して御質問をさせていただきたいというふうに思うわけであります。  これから先の社会余暇利用型の社会になるということは、最近とみに言われておるところであります。私ども考えてみますに、現在失業率が三%台になんなんとしておるわけであります。この失業が、欧米に比べれば少ないとは思うわけでありますけれども、何にしても日本としてはゆゆしき問題であると言わざるを得ない。この失業が、さて、すぐに減るのであろうか、失業者が減るのであろうかというふうに考えますと、なかなかそういうことは難しいのではなかろうかと思うわけであります。  理由としてはいろいろあろうかと思いますけれども一つは、円高によります不況業種、そしてまた、海外に出た方が有利であるということに基づくいわゆる産業空洞化、親企業が出ましたことによって子会社、関連企業も外国に出ていくというようなこと、そしてまた、高齢化が進んでおるわけでありますから、そのために定年の延長によって若い人の勤め先がなくなる、また反面、長生きをするようになって、まだまだ元気であるけれども就職することができないという人たちがふえるというようなこと、そしてまた、男女雇用機会均等法というものができましたので女性の職場進出が非常に盛んになった、結果として、言い方は悪いのでありますけれども、男性はそれによって職場が失われるというようなこともあろうかと思うわけであります。そういたしますと、どうすればこれに対応できるかということ、抜本的な手を打たねばならない。産業構造転換ということももちろん積極的にやっていかねばならぬことでありますけれども、もう一つは、欧米等々で言われておりますワーキングシェアリングといいますか分かち合い、労働時間の短縮、今まで週に六日働いておった人は五日、十二時間働いておった人は十時間、十時間の人は八時間、そしてまた年次有給休暇の充実等々というようなことが大きな課題であろうと思っておるわけであります。また、そのように労働時間を短縮いたしましたとしても、その時間に小人閑居して不善をなすといいますか、家でごろごろしてテレビを見ておったり、そしてまた、ただただ無為に時間を過ごすというようなことになりますと、その時間がむだになるだけではなくて、さて、休んで会社に出てみた、しかしながら休みぼけで全然やる気が起きぬ、やる気が起きぬうちにまた休みになっちゃったというようなことが起ころうかと思っておるわけであります。  今ほかの委員会におきまして、いわゆるリゾート法案というものが審議をされておるわけでありますけれども、私は、そのような発生いたしました余暇というものをいかに有効に利用するかということが、これから先、私ども日本の国が発展し続けることができるかどうか、繁栄を維持することができるかどうかの重要なポイントになるというふうに考えておる一人であります。またそのようにいたしますことが、労働条件改善といいますか、雇用機会増大にもつながるわけでありますし、そしてまた地域振興ということにもつながるというふうに思っておるわけでございます。  さて、今回の公害防止事業団法改正におきまして、自然公園法に基づきます保護、そしてまた利用の調和を図りながら利用施設整備を行うというのは、国立国定公園利用適正化事業が盛り込まれておる、そういうような意味で非常に画期的なものであるというふうに考えておるわけでございます。また、昨年十二月に環境庁が取りまとめられました環境保全長期構想にも指摘されておりますとおり、公害防止自然環境保全、これをできるだけ一体的にとらえるということがまた必要だと思うわけであります。  冒頭に申し上げましたように、リゾート構想というものを積極的に進めることが地域振興にもなりますし、雇用の安定にもつながる。しかし、リゾートというものは、一番の基本は自然との触れ合い、そしてまたそれによります人間性の蘇生、回復というようなこと、それが一番重要である。そしてまた、閑静な環境の中で自分の専門分野についてさらに見識を深めるということ、そしてまた漁業でありますとか林業でありますとか、そしてまた農業でありますとか、ほかの業種との触れ合いということもまたあろうかと思うわけであります。  そういたしますと、ただ自然破壊が進むのではなかろうか、リゾート法案というのが成立をいたしまして、積極的に開発が進められた場合に、自然が破壊をされるのではないかというような懸念もあろうかと思います。また反面、開発をするにおきまして、言い方は悪いのでありますけれども厳しい規制にかかりまして、そういうような事業が円滑に進まない場合があるのではなかろうかというような懸念も聞くわけであります。これは六省庁関係をいたしまして進めておるわけでありますけれども、この問題につきまして環境庁はどのようにお考えかということ。そしてまた、調整機能という点におきまして、環境庁の果たす役割は重要であるというふうに考えるわけでありますけれども地方公共団体におきましては、まだまだ暗中模索の段階であろうと思うわけであります。その点について環境庁としてはいかなる御所見をお持ちであるかをお尋ねしたいというふうに考えます。
  15. 古賀章介

    古賀政府委員 お答えをいたします。  先生が今お述べになりました余暇需要増大でありますとか、自然との触れ合いのニーズの増大、それから公益的機能との調整というようなことは、自然公園法を実施していく場合におきましても極めて重要な課題でございます。  そこで、自然公園法は、御承知のようにすぐれた自然の風景を保護するとともにその利用の増進を図ることを目的としておるわけであります。具体的には公園計画というものに基づきまして公園事業を執行するわけでありますが、その公園計画というのは、保護のための計画と利用のための計画とからなっておるわけであります。すなわち保護利用とを一体のものとして計画的に推進するということでございます。言うなれば保護をしながら公園にふさわしい適正な利用を図るという考え方に立っておるわけでございます。  そこで、今度の国立国定公園利用適正化事業リゾート法案事業との関係でございますけれども、適正化事業と申しますのは、利用者過度集中による自然環境破壊という公害防止するために、公園計画に基づく公園事業としまして利用分散を図ることを目的に施設整備を行うものでございます。これに対しまして、いわゆるリゾート法案は、民活による内需拡大という観点から、相当規模の地域におきまして、国民が余暇利用しながら、滞在をしつつ行う多様な活動に役立てるために、総合的な機能整備を行うことによりまして、先生もお述べになりました地域振興等を図ろうとするものと理解しておるわけであります。したがって、今回の国立国定公園利用適正化事業とそれからリゾート法案事業、この両者はその目的、規模、施設の種類等において異なるものであるというふうに考えております。  しからば、リゾート法案に対する環境庁考え方はどうか、基本的な考え方はいかなるものかというお尋ねでございますけれども国立公園におきましては、先ほども申し上げましたようにすぐれた自然環境保護するために特別保護地区、特別地域、普通地域といったような区分を設けまして、その質に応じて段階的に、その規制の強弱に応じまして規制を行っているというものでございます。リゾート法案に基づく事業につきましても、その趣旨を損なわないように実施されるべきものであると考えております。このため、基本構想の承認等を行うに当たりまして行われる環境庁への協議に際しましては、このような考え方基本としまして、その地域における自然環境保全に支障のないように保護と適正な利用との調和を図りながら、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
  16. 石破茂

    石破委員 お尋ねを申し上げます。  公害防止事業団法改正についてでありますけれども公害防止事業団というものは公害防止公害対策にかかわる唯一の特殊法人であります。この存在意義というものは、状況がかなり変化した今日におきましてもいささかも損なわれるものではない、いや、むしろその重要性は増すものであるというふうに考えておるわけであります。環境保全観点からも、また今回の法改正の趣旨に見られますように、新たな環境行政を展開する意味からも、重要性はいや増しておるものだというふうに考えるわけであります。  さて、新たな業務の拡充というものが盛り込まれておるわけでありますけれども、それらにつきましては、今後多くの検討すべき課題があろうかというふうには考えております。事業団の名称でありますけれども公害防止事業団のいう名前から一般の人が受けるイメージは、やはり高度成長期にありましたいわゆるスタンダードな形での公害、それをいかに予防し、防止するかというようなイメージが非常に強かろうかというふうに思っているわけであります。もちろんそのようなスタンダードな公害が絶無になったとは考えておりませんし、そのような防止というものは、今後もさらに積極的に推進をしていかねばならぬわけでありますけれども状況が非常に変わってきた。いわゆる攻めの環境庁と言われるように、積極的な利用、そしてまた保護との一体化を図る意味におきまして、その公害防止事業団というような名前を、例えて言いますと環境事業団でありますとか環境保全事業団でありますとか、そのように改称して、さらに新しく業務を進める上においての援助といいますか、そういうような一つの助けとするようなことも一案であろうかというふうに考えるわけでありますけれども、そのことにつきましての御所見を賜りたいと思います。
  17. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  先生の御意見、十分私どもとしてもおっしゃる意味は理解させていただきますし、御高見であると承りますが、実は、今回の法改正と申しますのは行革審の答申をまずベースに置いております。それをベースに置きまして、新しい業務の必要性、緊急性、それから熟度等につきまして吟味した結果、公害防止行政の分野での改革にとどめることといたしたわけでございます。国立国定公園利用適正化事業も加えることにしておりますけれども、これも自然公園の過度集中利用による公害防止するために行うものでございまして、名称につきましては、御意見ございましたけれども、改称をしないこととしたわけでございます。  他方、先生まさに御指摘になりましたように、今後の環境行政につきましては、「環境保全長期構想」を指針といたしまして推進することといたしております。その際、いみじくも先生おっしゃいましたとおり、この事業団を活用して、公害防止のみならず広く環境保全のための事業取り組み推進していく必要が出てくることも考えられるところでございます。その場合、名称についてもあわせて検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
  18. 石破茂

    石破委員 名称の変更というのはいろいろな問題があろうかとは思いますけれども、何にいたしましても、やはり言葉のイメージというのは非常に大事だと思うわけでございます。公害問題、先ほど申し上げましたように、積極的に取り組んでいかなければならぬわけでありますけれども、やはりそのようなことが一つの象徴であろうかと思うわけでございまして、何とぞ積極的な御検討をお願いしたいというふうに思うわけでございます。  そろそろ時間もなくなってきたようでありますけれども、最後に大臣から、先ほどまで申し述べましたように、環境をめぐる状況というのは大きく変化をしておるわけでございます。今回の法改正、そしてまたリゾート法案環境白書等々いろいろ最近問題が出ておる、いろいろな環境問題というのが新たな脚光を浴びておる時期でありますけれども、今後の環境問題につきましてどのような対応をしていかれるか、そのような国土利用の問題にもできれば言及をしていただきまして、お答えを賜りたいと思います。
  19. 稲村利幸

    稲村国務大臣 先ほど来、石破議員の大変含蓄のある御質問を拝聴しておりまして、本当に敬意を表します。環境庁としては、今回事業団を活用して新たな公害防止事業に取り組むこととするとともに、公健法の改正により健康被害予防事業の展開を図りたいと考えておるのでございます。  今後の環境行政は、国民の健康と生活公害から守り、豊かな自然環境保全することはもちろんのこと、より質の高い環境の形成に向けて新たな展開を図っていくことが重要であり、関係省庁との連携を強めつつ環境行政の総合的促進を図ってまいりたい。環境白書提出とともに各マスコミで論調を掲げましたが、国土問題即環境問題である、こういう認識で頑張りたいと思います。
  20. 石破茂

    石破委員 ありがとうございました。  今、日本の国は確かに大きな転換期だと思っておるわけでございます。産業構造の問題にいたしましても失業の問題にいたしましても大きな問題を含んでおる。今まで日本の国が経験をしたことのないような新たな時代に入ろうというようなことかと私どもは認識をいたしております。私ども若い世代は、今後皆さん方がつくってこられましたこの繁栄を維持していかねばならぬ。しかし同時に、環境保全というものも、そして積極的な利用というものもしていかねばならぬ。どうか二十一世紀に向けまして、そのような豊かな日本、そしてまた自然に恵まれた日本の国を維持していくために、大臣初め環境庁の皆様方の積極的な取り組みを心より期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
  21. 林大幹

    林委員長 金子みつ君。
  22. 金子みつ

    ○金子(み)委員 私はきょうは、議題になっております公害防止事業団法改正を中心にいたしまして、これに関連する問題について政府側の御所見を伺いたいというふうに思っておるところでございます。  環境問題ということについて考えてみますと、たしかあれはもう十五年、二十年近く前になるのじゃないかと思いますが、国連が、かけがえのない地球を守ろうということで世界に呼びかけた、こういう時期があったのを覚えております。これは地球を守ろう、どう守ろうというのかというと、公害による地球の危険を守ろう、こういうことだったというふうに覚えております。  その当時日本は、たしか福岡県の例のカネミ油症患者の問題、それから続いて熊本県の水俣病の問題ですとか、あるいは富山県の神通川流域に起こった水銀によるイタイイタイ病の問題でありますとか、あるいはずっとその後になりますが、四日市ぜんそくの町題でありますとか、大都市問題としては、東京などの場合は青空がなくなったというような問題が引き続いて起こっておりました。  こういうようなことが引き続きずっと起こっておりましたけれども、特別な対策が打たれたということはないし、いずれもまだ未解決が多くて、カネミ油症患者の問題などは、裁判問題でやっと今回二十年ぶりに解決がついたというような状態ですが、水俣病はまだ未解決のままだというような状態になっていまして、大変に遺憾な現状だと思っております。しかし、政府側も国民も一緒になってこの問題に取り組んできた結果だと思いますが、今ようやく何か本気で取り組んできているのじゃないかなというふうに感じている次第でございます。その結果かと思いますけれども、先ほど長官の御説明の中にもありましたように、公害健康被害補償法がつくられたことでありますとか、あるいは続いて先般の環境白書の発表でありますとか、環境問題と人間社会関係というものが非常にはっきりと明らかにされながら、そしてこの問題がいかに重要な問題であるかということを意識をしながら、国民の人たちにもそのことを考えてもらうような姿勢で政府が臨み始めているということは、非常に結構なことだと評価したいというふうに思うわけでございます。  聞くところによりますと、最近の話ですが、国会の中でも超党派で、地球環境問題議員懇談会なるものがつくられるというようなことも伺っておりますので、こういうようなことで一つ一つ成果を上げていきますならば、二十年前に日本がこうむった汚名とでもいいますか、公害列島ですとかカナリア列島とかと言われたあの日本公害問題を解決していく一つの基礎になるのじゃないかなというふうに考えているわけでございます。  そこで、環境問題もだんだんと形が変わってきておりまして、最近の場合は、先ほどお話も出ておりますように、都市型ですとか生活型公害あるいは交通公害というようなことで、今まで考えられなかったような問題が次々と起こってまいりまして、ますます多様化し複雑化してきていることは事実でございます。したがって、これに対する対策というものも断片的じゃなくて、それらを取りまとめました総合的なもの、そして計画的に考えていかなければならないのじゃないかとだれもが考えるわけでございます。そういうようなことが基盤になって、今回の公害防止事業団業務見直しということも考えられたのではないかとも思えるわけでございます。そこで、当然このような公害環境問題の実態を踏まえてその見直しも行われてくるだろうと期待するわけでございます。  事業事業懇談会が昨年五月中間報告をされておりますが、この中でも広範な公害環境問題への対策というものを明らかに求めておられることがわかります。それから、ことしになりましてから、一月と三月に中央公害対策審議会の答申も出たようでございますが、この中でも「各種施策を総合的、計画的に講ずべきである。」ということを非常に強謝しております。そしてさらに「公害防止事業団については、公害行政の主要課題の移行に対応して業務見直しを行うこととされたところであり、公害防止計画に基づく事業の実施に当たって一層の活用が期待される。」と指摘されているところでございます。  そこで、それらのことの基盤に立って考えてみますと、今度の見直し改正法案とでも申しますかの内容につきましては、もっともっと思い切ってされてもよかったのではないかなと思われないでもないのです。十分だとは考えられないと思うわけですけれども、その辺についての長官の御所見を聞かせていただきたいと思うわけです。なぜかと申しますと、この法案とは関係ないのですけれども、別の法律の中に、実施後三年ないし五年たったら見直すとか、実施後しばらくたったらもう一度見直すとかというような前提条件をつけて法案が成立されているものがあるのですね。私はこれはすごく不見識だと思うのです。何年かたったら見直さなければいけないものをなぜ今つくらなければいけないのだろう、その時点で大変におかしいと思いました。しかし、そういう法律が幾つかあるわけでございます。だから、今度の事業団法案の問題についても、何年たったら見直すというようなことがないようにしっかりやっていただきたい。  後で出てきますけれども、実はこの法案は五年、間があるのですね。これから先五年までこの法案を持続するけれども五年たったらやめる、こういうようなところがございますね。そういうことは、今私が申し上げた何年か先に見直すという考え方と何か通ずるようなものがあるのじゃないかというふうにも思いますから、おかしいなと思いながらこの法案を拝見していたわけなのです。ですから、そういう点につきましてこの際長官からはっきりと御所見を聞かせていただきたいと思うわけでごさいます。
  23. 稲村利幸

    稲村国務大臣 お答え申し上げます。  今回の事業団法改正は、行革審答申を踏まえまして、公害防止事業団事業懇談会の報告をもいただき、本事業団が実施するにふさわしい新業務を選定したものであり、現時点における見直しとしては適切である、こういうふうに考えております。  また、公害防止行政主要課題の移行、先生が詳しくお触れになりましたが、いろいろ公害防止行政のテーマが移行しつつありますが、その主要課題の移行に適切に対処するために、今後とも事業団を積極的に活用し得るよう配慮してまいる所存でございます。また、総合的な公害防止事業の展開につきましては、関係省庁と連携をとりつつ進めてまいりたい、先生懸念の四年たったら、五年たったらということは今回は大丈夫である、こういうふうに考えております。
  24. 金子みつ

    ○金子(み)委員 その点はしっかりとお願いしたいと思います。  それでは、法案に関連して少しお尋ねしたいと思います。  今度の公害防止事業団法業務見直しと、まだ審議されておりませんけれども公害健康被害補償法という制度がございますね。これは、新たな公害防止事業に取り組むということを目標として法案が二つ用意されていると承知しているわけでございますけれども、この両者、二つの制度は密接な関係を有していると言うのですが、どこでどういうふうに密接な関係になっているのか、法律を読んだ上では明らかじゃないのですね。ですから、この点をわかりやすく説明していただきたい。どこでどうなっているか、それをぜひお願いしたいと思います。
  25. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  先生の御質問の趣旨にぴったり合っているかどうかちょっとあれでございますけれども、どういう関係にあるかと申しますと、まず大きな意味では、国民の健康を守りまた環境保全していくという意味合いでは、今回のこの事業団法改正、それから先生お触れになりました公害健康被害補償制度の方の改正というのは、方向を同一にしておる部分が多いわけでございます。では法律上どういうふうに関連しているのかという点でございますと、それは全部が関連しておるということではございませんので、その点ちょっと、どちらの意味でおっしゃったかなと思って今お答えを選んでおるわけでございますけれども、規定ぶりから法律関係があるところを御説明申し上げておきます。  今回の事業団法改正、これは先ほど来御説明申し上げておりますように、幾つかの事項を追加し、また幾つかの事項は整理といいますかスクラップの問題もあるということで申し上げましたが、その中で追加する、事業団が新たに行うこととなる事業一つ都市大気汚染対策緑地整備事業、番号順に法律で書いてございますので俗に新三号業務と申しておりますが、これにつきましては、公健法の第一種地域のあり方に関する中公審の答申をも踏まえまして、大都市における大気汚染対策として緑地整備事業推進しようという考え方でございますので、その意味では同じ方向で進めていくという部分で関連があるわけでございます。  その関係での改正の案文がございまして、具体的に言いますと、この事業団法改正案の附則におきまして公害健康被害補償法の一部改正を行いまして、新しい改正後の公害健康被害補償予防協会と申しますか、この補償予防協会の方から事業団に対して、大気汚染対策としての緑地整備することに対して助成金を入れることができるというような改正を行うこととしておるわけでございます。この部分のことを御指摘かと存じますので御説明申し上げた次第でございます。
  26. 金子みつ

    ○金子(み)委員 わかったようなわからないような気がするんです。聞き方が悪いのかもしれませんが、そこら辺がちょっとはっきりしないのですね。都市公害防止するということに対しての対策について、同じ基盤に立って物を考えているんだというふうにとれなくはないのですね。そういう同じ考え方でやっているんだということなのですが、具体的な直接のつながりというものが今の御説明でもちょっとはっきりいたしませんけれども法律上明文にしたから仕事ができるということでもありませんし、同じ基盤に立って同じ考え方で出発しているんだということを信頼いたしまして、今度の二つの仕事が足並みそろって動かされることによって実現するんだ、片っ方じゃだめなんだというふうに考えでいいですか。
  27. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 公害防止事業団事業といたしましては、関係地方公共団体の御要請も受けまして、それから関係官庁の御協力も得まして、大都会地における大気汚染防止のための緑地整備していくという事業はもちろん新規事業として入れておりますし、それはやっていけるわけでございますし、やらなければならぬことでございます。さらに最近、例えばそこに植えられる植物、木でございますね、樹木等の効果も大気汚染防止に大きな効果が期待できるというような研究も進んでまいっておりまして、そういう面からのプッシュをしていこうということでつながってきておるわけでございまして、なくてもいいという言い方は、私どももちろんできません。ぜひ両方あわせてやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。したがって、これは本日の審議ではございませんので申し上げるわけにはいかぬのかもしれませんが、ぜひ両方で大気汚染対策としての緑地整備を強力に推進させていただきたいと思っておるわけでございます。
  28. 金子みつ

    ○金子(み)委員 今お話のありました大気汚染防止緑地問題ですね、これが今度の新しい事業の目玉になっているわけですから、これは非常に重要な問題だと思います。今御説明がありましたようなことだろうと思うわけですけれども、このことは大変重要な事業なんでぜひ実現されたいということだと思いますが、これは公健法とすごくかかわっているのですね。公健法改正の見返りとしての基金の一部の財源がここへ入ってくる、そうでしょう。ですから、もしその財源が入ってこなかったらできないことになるんじゃないかなというふうに私は思ったのですよ。ですから、言葉をかえて言えば、公健法が政府がお考えのように一〇〇%成立すれば実現できるかもしれないけれども、そうでなかったときにはどうなるんだろうという不安を持ったのです。それでお尋ねしたのですけれども、それはどうなりますか、そうなった暁には。
  29. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 私どもといたしましては、今先生のおっしゃいました二つの部分、道といいますか二つのルートが合わさって推進するということにいたしたいと強く希望しておるわけでございます。ただ、先生がおっしゃいましたように片一方なかったらというようなことは、これはなかなか考えにくいと申しますか考えたくないと申しますか、ということでございます。ぜひとも両法案とも成立させていただいてということでございます。しかし、法律論として、制度的な仕組みといたしましては事業団法改正がまず肝要でございまして、ここで事業団にそういう都市における大気汚染対策緑地整備していくという新しい事業ができる、こういう能力があるということがまず根本であるということは、もう制度として当然そうでございます。それにもう一つ、お金も投入することができるようにしてより強力な対策になるように、こういうふうに制度的には御説明申し上げるべきかと存じます。
  30. 金子みつ

    ○金子(み)委員 二つの法案を関連づけて提案していらっしゃるからには、二つともに成立させてもらわないことには話にならぬというのが、言葉になりませんでしたけれども、そういうお考えなんじゃないかなと私は推察をしているわけなんですが、お金だけの問題だとすれば、これは別途お金を用意することはできますよね。何も公健法からのお金でなければならぬということはないと思うのですね。だから、そうなるとまたちょっと話は違ってくると私は思うのです。しかし、この問題ばかりいつまでも詰めていてもあれでしょうからやめることにいたしますけれども、両方の法案の関連というものをもう少し密接、細やかにと申しますか、そして厳格にきちっと決めておかれた方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、そのことを申し上げておきます。  ところで、この緑地事業ですが、これはどういう計画のもとにその後事業を進めようとしていらっしゃるのかということなんです。公健法との兼ね合いがあるということが初めから話の中に出てきていますので、多分これも公健法との兼ね合いになっているんじゃないかなと推測いたしますけれども、これはどういうふうにされるようになっておるのでしょうか。例えばその対象ですね。どんなところにどのように考えておられるのかということを、公健法との絡みも含めながら御答弁いただきたいと思います。
  31. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生質問ございました大気汚染防止対策緑地事業は、先生指摘になりましたとおり、都市大気汚染対策として行う公害防止事業でございます。したがいまして、健康被害防止事業としての性格も有するものでありますので、公害健康被害補償法の第一種地域及びこれに準ずる地域において実施することを予定いたしております。
  32. 金子みつ

    ○金子(み)委員 ちょっともう少し具体的におっしゃっていただけますか。
  33. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 もう少し具体的にというお尋ねでございますが、現在公害健康被害補償法で第一種指定地域として指定されているのはいわゆる大気汚染の著しい地域で指定されたものでございまして、具体的に申し上げますと、四十一地域が現在ございます。東京都では十九区ございますし、大阪並びに大阪の近辺の市も入っておりますし、川崎、千葉というところが指定されております。  それから、準ずると申し上げましたが、これは今後この制度を具体的に運用させていただけるようになりました段階でさらに市町村の意向をよく聞いていくわけでございますけれども考え方といたしましては、それに隣接する場合に、大気でございますので両方にまたがっているケースは当然ございますし、何よりもかによりもこの事業というのは当該自治体が、こういう都市公園でございますので、都市公園をつくってほしい、そのお金は負担してまいりますというのが基礎になければ何事も事業になりませんので、その辺の御相談と申しますか意見調整があって初めて成り立つものでございますから、どこでどうしていくということは今直ちには申し上げかねますが、対象になる地域、またやってほしい地域というのは以上のような場所でございます。
  34. 金子みつ

    ○金子(み)委員 わかりました。そうしますと、公健法とのかかわり合いはなくても、自治体の方で金も準備したからやってもらいたいんだというような要請があった場合に、それは全額自治体が用意するか補助金の形になるかわかりませんけれども、そこを対象にするということもあり得る。公健法に基づく第一種地域にするのがまず第一の目的で、まずそれをやるんだ、しかし、それで終わるのではなくて、その先に次々と事業は広げていくんだと思いますが、それについては自治体の要請に基づいて行われるというふうに理解してよろしいでしょうか。
  35. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 ちょっと私の答弁の仕方が不正確になってしまったかと思いますので、もう一度その点だけ加えさせていただきますけれども、原則的には先生おっしゃるとおりでございます、つまり自治体都市公園を整備するというところがベースでございますので。ただ、この対象になるものはあくまで第一種地域、つまり公害健康被害補償制度の対象地域でございます第一種地域がベースでございまして、そこでの大気汚染対策に効果があるという要素か入っております。ただ、その地域は第一種地域だけかどうかという点について、それに準ずると申し上げましたのは、それにつながるとか近辺のということもございますし、これはどれくらい離れたらということまではちょっと今申し上げかねるものですから、ふわっと申し上げたのがかえって誤解を招いたのではないかと思いますが、それがベースであることは間違いございません。
  36. 金子みつ

    ○金子(み)委員 第一種地域というのは、公健法の今度の改正案によりますと廃止されるのです、なくなるわけです。そうすると、第一種地域というものは、もしこの法案が成立いたしますと過去にはあったけれども今はない、そういうふうになるのじゃないですか。そうすると、かつては第一種地域であった地域、こういうふうに考えるのでしょうか。そしてそれに準ずるというのは難しいですね、何を基準にして準じられるのか知りませんけれども公害の問題ですから、これに準ずるというのはどういうふうに考えておられるのか。言葉では簡単に、これに準ずると言えば、ああそうかと思いがちでございますが、実際問題としては大変に難しいと思います。それでもそういうふうに考えておきなさいということになるのでしょうか。
  37. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 都市公園の問題でございますので、場所的にはある広がりは当然あるわけでございますし、またその効果の及ぶ問題を考えなければなりませんが、これは大気汚染防止でございますので、若干の広がりというのは、つまり効果の及ぶ範囲というのはあるわけでございますから、準ずるということで、常識的に言えば比較的距離が近い部分ということでございますので、そうえらく難しくはないかと存じます。  それからもう一点、最初に申されました指定地域がなくなってしまうという点は、そういう状況になりましたときには、おっしゃいましたとおり旧第一種指定地域というふうになるわけでございます。
  38. 金子みつ

    ○金子(み)委員 それでは、大変難しいですけれども、準ずるのは隣接地域ですとか、あるいは調査の結果数字が大変に近いとか、何かそういうようなことを考えられるのかなと私は善意に解釈しておきます。しかし、この問題はこれから先も実現されることになるわけでありますから、しっかりと基本を据えておいていただきたいと思います。  その次は、関連する問題かと思いますが、公健法の改正に関して中公審がその答申の中で、沿道対策としての緩衝緑地整備という言葉を使っておられますね。ところが今度の公害防止事業団改正法案の中では、大気汚染対策としての緑地整備、こういうふうに言っているわけですね。これは同じことでしようか、違うのでしょうか。  お尋ねするわけは、助成金を交付することになっていますね。そうすると、中公審の答申の中にあった言葉を使ってないんだけれども、それでも助成金を交付してもいいのかと思ったりもしますが、言葉の使い方が違うけれども、同じことを言っているんだと理解した方がいいのでしようか。
  39. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 一言で申し上げますと、おっしゃるとおりでございます。同じものを考えておるわけでございます。とらえる方角がちょっと違った部分なものですから、表現の違いだけというふうに御理解いただきたいと存じます。
  40. 金子みつ

    ○金子(み)委員 そうすると、どうしてわざわざこんなに言葉を変えるのですか。大気汚染対策としての緑地整備ということは非常にわかりいいと思うのですが、中公審の方の言葉の使い方は沿道対策としての緩衝緑地整備ということなんですね。そうすると、沿道対策というのは非常にはっきりしているのですけれども、それはどうなんですか。
  41. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 さらにお答え申し上げますが、沿道対策という言葉は中公審答申そのものにはないと存じます。趣旨としてはもちろんそういうものが頭にはおありになったかと思いますが、大気でございますので、それだけではないわけでございますので、たしかそういう言葉は入っていないと思います。  それから、そのことは別といたしましても、なぜ言葉の使い方が違ったか。私ども緩衝緑地、緩衝緑地と俗には言ってもおりますが、これは緑地であるというだけのことでございまして、大気汚染防止対策緑地という面も当然持っておるわけでございまして、緩衝という言葉にもそういう意味合いがあるわけでございますので、特段の意味合いを持って使い分けたわけではございません。
  42. 金子みつ

    ○金子(み)委員 わかりました。  緑地の問題でもう一つあります。それは、共同福利施設建設事業というのがありますね。これの問題でお尋ねしたいのですが、従来環境庁が監督官庁となって行ってこられたグリーンベルト事業というのがございますね。これが今度は改正になりますと、第三号大気汚染防止緑地と入れかわる感じになってそっちに入っていきますね。そして今度はその事業の所管が建設省になっているわけですね。新しい事業としてこれが建設省になっていく、私はその点でお尋ねしたいのです、ちょっとわかりにくいものですから。  専管という言葉を使うのだそうですが、専門に管理するとでも申しますか、監督官庁として建設省が単独でと申しますか、この事業について責任を持つということなんであろうかなというふうに思うわけですけれども、ちょっとわからないのは、大気汚染防止をするための緑地であって、かつ公健法ともリンクしている事業ですけれども、なぜ建設省の仕事にしなければならないのかという点が非常に腑に落ちないわけです。都市公園は建設省の仕事だというふうに伺っております。そうすると一都市公園を担当する建設省は、都市を美化するとかあるいは緑地帯にするとか、そういうことが目的で行われるんだと思いますが、環境庁の場合は、単なる美化の問題じゃなくて公害防止というのが中心に据えられてなければいけないわけですね。そうすると、目的が違うわけですね。目的が違うから、今度建設省にこの事業が移管されるということは、公害防止事業が弱体化されると申しますか、後退化されるというふうにでも解釈していいのでしょうか。専ら都市公園としての建設省の目的に合致したような形にこれが行われていくということになるのかなと思って、非常に不思議だと思うのですね。それは違えば違うとおっしゃって教えてください。私はそういうふうになるのじゃないかなと大変に心配するわけでございます。  ですから、都市の美化を優先させるのか、公害防止を優先させるのかというふうな疑問を私は持つわけなんですが、そういう疑問の持ち方をしてはいけないのかどうか、何で建設省がこれを専管しなければならないのかということに対して、納得のいく御答弁をいただきたい。
  43. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 なかなかこの辺、行政庁の仕事の枠組みのお話でございますので、ちょっと複雑な感触を持たれるのは申しわけないことだと存じますが、まず大前提として先生に申し上げておきたいのでございますが、従来からいわゆる緩衝緑地としてやっております、従来事業と俗に申しておりますけれども、これは従来のままの枠組みで依然として続けてまいります。それで、今回新たにつけ加える部分の問題だけが建設大臣との関係では出てくるというふうにまず基本は御理解いただきたいと存じます。  それから二番目に、現実にでき上がります都市公園というものは、いろんな効用といいますか目的をあわせ持つわけでございまして、どちらから見たら美化、どちらから見たら大気対策というような区分にはなかなかならない、またそういう必要もない実態のものであることはもう御理解いただけると思います。何か移ってしまって後退するのではないかということはございませんでして、従来のものは従来の姿できちんとやっていく。さらに加えて、都市における特に指定地域を基盤にした部分に絡むわけでございますが、そういう特別な地域において大気汚染対策としてさらに強力に推進する部分について建設大臣関係とかというものを、つまり建設大臣の強力な推進力を得て進めていこうというものでございます。したがって、両々相まっていくということになるかと思います。  なお、現在やっておる緑地は、別に大都市だけとは限らないわけでございますので、念のため申し添えておきます。もっと広いほかの部分もあるわけでございます。
  44. 金子みつ

    ○金子(み)委員 この問題について事務局の御説明をあらかじめ伺いましたときに、監督官庁としては、事業の監督は建設省がするけれども、財政的な監督は環境庁がやるんだ、こういうお話を伺いましたから、そうだとすると、これは明らかに共管なんですね。決して専管じゃないと私なんかは思います、役所の用語ではそういうふうになるのかどうか知りませんが。殊に財政を握っているとすれば、お金は出してあげるからどうぞそっちでしっかりやってくださいみたいな感じになるのは何か納得できないのですが、その辺の兼ね合いはどうなっているんですか。やはり共管ではなくて全く専管なんですか。
  45. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 今の御質問の点は、いわゆる役所流の言葉の使い方のお話でございますので非常に御理解がいきにくい面がございますのはまことに恐縮でございますけれども、いわゆる業務としての監督義務と責任、それをあわせて権限ということになるわけでございましようけれども、それを整理するのが、いわゆる設置法でいろいろ縦割りできちんと整理をしなければならぬわけでございます。その関係で、建設大臣の監督を受けるという意味では、新事業の方は建設大臣の専管になります。  ただ、それはそうでございますが、この事業を実施していくのは、建設大臣の方の補助金も得て事業団が行ってまいります。すると事業団が行っていく段階では、もちろんこれは事業団の財務及び管理の中でやっていくわけでございますので、財源は、先ほど来申し上げておりますようにいろいろなところからいただくもの、最後は地方自治体の方から償還していただくのも将来の財源になるわけでございますが、そういうものをあわせ行っていくわけでございますので、これらの関係の取り仕切りといいますかお世話といいますか、これを行う必要があるわけでございます。これは、事業団の総括監督者であり責任者である環境庁長官においで取り仕切っていくという関係になるわけでございます。したがいまして、専管といい、見方によって共管的ではないかというふうにおっしゃいますのも、普通常識的にはよくわかるわけでございますが、法律論としては、法律制度の仕切りとしては以上申し上げたようなことでございますので、御理解賜りたいと存じます。
  46. 金子みつ

    ○金子(み)委員 それから、これは余り直接つながるかどうかわからないのですが、総合保養地域整備法というのがありますね、いわゆるリゾート法というのですか、これとの関連がどういうふうになるのかとつい考えるわけなのです。  と申しますのは、自然公園利用複合施設基準の問題もございますね。この複合施設というのはどれぐらいのものがどんなふうにできるのか。拝見してみましたら「利用者過度集中に伴う公害防止するため」の複合施設というふうに書かれていますが、これは一体具体的にどんなものかなと考えましたことと、同じような問題で、自然公園の中を利用される問題に関連してリゾート法のかかわりが出てくるのではないかなと思ったのですが、それは関係はないのでございますか。
  47. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 御説明させていただきます。  まず、国立国定公園地域内での過度利用の問題でございます。  これは、すべての地域の自然公園が過度利用になっているというわけではございませんが、いわゆる有名観光地となっておる地域、具体的にそこがそうだと決めつけるとちょっと問題かもしれませんが、非常に有名な尾瀬でございますとか上高地、十和田とかいろいろございます。その中でも全部がそうだというわけではございません、特定の地域でございますが、非常に利用度が多くなってまいりますと、一番端的に申し上げると水でございます。これは都市において言えば都市生活型の生活雑排水、こうなるわけでございまして、ある意味ではリゾート地域の最たるものでございますが、そういう地域でも宿泊者あるいはキャンプを行う者がある時期に一点集中的に固まりますと、それ相応な設備を備えておりませんと相当問題が生じてくる。したがいまして、特定の地域においては特現下水道対策などをやっておるところも出てきておるぐらいなわけでございます。そこで、そういう公害の発生の防止を含めて適正な自然公園の利用促進する。  それで、実は自然公園法の方で予定しております、ぜひ開発――開発という言葉は適切ではございません、利用促進していきたいなという地域は全国で数千カ所で、計画されておるが実行されていないという非常にいい場所があるわけでございます。そういうところを積極的に利用促進することによって、一点にだけ集中するのではなしに拡散、分散していきたいという趣旨でございます。
  48. 金子みつ

    ○金子(み)委員 緑地の問題はそれぐらいにいたしまして、次に別の問題になるのですが、実はこれはどうしてもわからないので伺いたいのです。  工場移転用地造成の問題なのですけれども、今まで住居と工場と混在型で公害防止対策としてずっと進めてこられた。そして工場移転用地事業なんかも進めてこられた。そのことは非常によく進められてきているのですね、経過として。そして評価されてきているのです。したがってそれはずっと続けていかれるべきじゃないかなと考えておりますし、そういう要望もあると聞いておりますけれども、この法案を見ますと、この仕事は六十七年九月三十日でやめてしまうということになっているのですね。五年先なんですよ。五年まではやってもいいけれども、五年先になったらやめます、こういうことなんですが、そこら辺がわからないのですね。五年たったらもうそのことはだめになるであろうからやめてしまおう、こういうことなのか、五年たった時点でも今と同じようなことはあるかもしれないけれどもこの事業はやめてしまうのだ、こういうことなのか。そのやめられるということの理由がどうもはっきりわからない。なぜやめなければいけないのかということなんです。時間がございませんから過去の実績なんかを一つ一つ伺っている暇がないのですけれどもお話によれば非常に実績も上がってきている、みんながそれを希望しているというのになぜそういうことをするのかというのがどうしてもわかりませんので、簡単に御説明をいただきたいと思います。
  49. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 それでは事業の性格の説明はちょっと省略させていただきまして結論部分だけ申し上げさせていただきますが、これは用地造成のみの事業なんでございます。その用地造成のみの事業では、公害防止のための工場移転促進というのが政策目的でございますので、必ずしも土地造成だけでは万全とはいえないということで、今回これは廃止することとしたわけでございます。今まで相当な事業量がございましたことは確かでございますが、傾向として申し上げますと、かつてほどではないのではないかというふうにも考えるわけでございます。今後のことも含めてどうなるかという問題は、先生おっしゃいますようにいろいろな事態があり得るわけでございますけれども、用地造成のみの事業でやるのではなしにその上に上物も建てていく、土地と上物、上物とその下の土地と言った方がいいかもしれませんが、それでやっていく事業というのは別号の事業がございまして、これは続くわけでございます。その辺の兼ね合いでございますとか、それから今後の推移もございます。  最後に、これは私どもとしてはある意味で非常につらいことでございますけれども、しかしそうせねばならぬという問題、つまり全体的に行政改革の路線と申しますのはスクラップ・アンド・ビルドということでございますので、全体的にはあるところは整理し、あるところは大いに伸ばして将来さらに発展をいたしたい、こういうものでございますので、その辺を御理解賜りたいと存じます。
  50. 金子みつ

    ○金子(み)委員 今のお話ですと、スクラップ・アンド・ビルドのスクラップは非常にはっきりなさるようだけれども、ビルドの方がどれほどいっているのか、そのバランスの問題もまた伺いたいところですが、きょうは時間がありませんのでまたの機会にさせていただきます。  そういうことで、これに関連してもう一つわからないのは、ではなぜ五年先と切ったのかということなんです。それなら今すぐでもいいんじゃないか。五年間だけそのままにしておいて、許可しておいて、同じ仕事を続けることにして、五年先になったらそこで切るというのがどうも理解できないわけですね。今やっていることが非常によくいっているし需要もあるから五年は続けましょう、そこで切りましょう、私はこういうことなのかなと思いますが、そうだとしても五年と切った理由がどうしてもわからないのです。これは何か別に理由があるのじゃないですか。
  51. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  理由と言えば確かに理由があるわけでございまして、この関係事業というのは土地造成でございますので、これは相当な準備期間を持ち、それから実行に入り、完成までにも相当な期間が必要だというある程度の期間にわたるものであるという点で、それを急にばっさりとやめることは実務的にもとてもできることではないということ、それと、現にある程度の需要があることは先生も御指摘のとおりでございますし、私どもも承知しておりますが、事業団ともそこはよく意思疎通いたしておりますので、それは急にやめられるものではない。しかし、こういう表現をとっていいかどうかあれですが、しのびがたいのだけれども、新しい事業を伸ばしていくためには整理もせにゃならぬ。もちろんほかの手法も残されてはいるという中で進めてまいりますので、そこは一遍に切るというのはいかぬので順次、つまり円滑に移行できるように期間を置いたということでございまして、それなら今すぐやめてしまったらということは、私どもとてもそんなことは考えておりませんし、もっと言えば、もうちょっと続けながらスムーズにいかないかというところでございますが、これは政府としては行政改革の基本は踏まえなければならぬということでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
  52. 金子みつ

    ○金子(み)委員 大変苦しそうですけれども、今の最後の御答弁の中身では、結局行政改革だみたいに聞こえましたね。行政改革というのは何か至上命令みたいに受け取っていらっしゃるように思えるのですが、本来ならむだを省いていい仕事をしているものはどんどん伸ばしなさいというのが行政改革じゃないかなと私は素人考えで思います。せっかくよくやっているのに切るなどというのはちょっとおかしいと思いますが、それを今ここで議論していると話の筋が変わりますからやめることにいたしますが、大変残念だと思っております。  それからいま一つ、もう時間も余りなくなったのですけれどもぜひ伺っておきたいと思いますことは、今まで環境庁が全面的に所管して進めてきた、横断的にはいろいろと関連があったとは思いますけれども、この事業団に対して、今度は三つの役所が手を出すと申しますか監督官庁として横並びに並ぶ、こういう三分割というような格好になって監督をすることになるわけなんです。これはおかしいということはだれもが思うかと思うのです。不思議だと思っておりますが、行革審の最終答申の中にも、特殊法人の活性化方策としては、国の監督や規制をできるだけ緩和するように指摘しておられますね。そのことと何か逆行するんじゃないかなとすら思えるわけです。せっかくそう言われているのに、それに逆行して三つの役所が肩を並べて監督をするというのはどうも腑に落ちません。  これは監督官庁が三つにふえるということだけでとどまらないで、これと関連して問題が起こってくるということなんです。それは何かと申しましたら、今まで小さいながらも独立した法人として動いてきた、仕事をしてきたわけですね。円滑な運営を、支障を生じしめないで行ってきたんだけれども、もしこういうことになると人事の問題で、三つの役所からの出向人事というのが行われるだろうと思うのです。そうしますと、いわゆる事業団固有の職員、プロパーとでも申しますか、この人たちの登用方針がおろそかにされることがないではないと懸念を持ちます。これは非常に大きな雇用不安ですよ。従来だって公式ではないけれども、非公式に出向してきている人だっているわけですね。調べてみましたら、役員を除いて部長以下職員だけで四十三人か四十五人ぐらい、五十人足らずでとにかく小さい。その中でプロパーの人が十四人しかいない。あとはみんな出向人事なんです。そうすると、それは非公式なときですらこれだけになっているのに、今度は公式に三つの役所が肩を並べて監督をするんだということになりますと、堂々と出向人事というものがふえるのじゃないだろうかという懸念を持つわけでございます。この点を非常に心配するのですが、こういうことはないということを断言していただけますか。そのような雇用不安は起こさないとおっしゃれるでしょうか。
  53. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 相つながることですが、大きく分けて二つの面をおっしゃっていただいたと存じます。  前段の方でございますが、公式になったからとかいうのは、それは一つ法律制度上の仕組みのお話でございますので、そんなに先生御心配になるような意味合いのことにはならないはずでございますが、御指摘でございますので若干申し上げますと、この事業団は、環境庁ができる七、八年前からできておるいわば私どもより年上の法人であるわけでございます。そういう関係からというわけではございませんけれども、若い官庁ではそういう年配の人材もなかなかないわけでございますので、各省――そもそも環境庁は総合調整官庁でございますので、環境庁自身が各省庁から大いに有為な人材に御出向いただいて盛り上げていっておるわけでございますが、同じような姿があるのは先生おっしゃるとおりでございます。それが今回の改正によりましてえらく変わるということはないと存じますし、そういうことではいけないとおっしゃる先生の御趣旨は十分踏まえてまいりたいと存じます。  それから最後にもう一点の方でございますが、事業団職員の内部登用は、徐々にということを言わざるを得ないのですが、進めてまいっておるところでございます。これは事業団の運営の問題でございますので、私から余り直に御答弁申し上げるのは差しさわりがあるかもしれませんが、気持ちを申し上げさせていただきますと、まさに先生指摘ございました点につきましては、今後とも人事管理の適正化を期するようよく御相談申し上げ、御要望を申し上げて遺漏のないようにしたいと存じますし、いわんや職員の皆さんの不安ということでなしに、ますます事業団の事業をしっかり、かつ隆盛に進めていくように、元気づけられるような方策を十分勉強させていただきたいと思いますので、御答弁申し上げます。
  54. 金子みつ

    ○金子(み)委員 時間が参りましたので終わりますが、最後に長官の御決意を聞かせていただきたいと思います。  今のことも関連するのですが、公害防止事業団が今申し上げておりました職員の雇用不安が全くなく、そして運営の自主性が堅持され、円滑に業務が実施されるためにはどうしたらいいとお考えになっていらっしゃるか。私は、この三つの役所が所管することになった暁でも、環境庁が三つの役所の指導的立場に立って連携を密にし、実効を上げるのでなくては今度の改正の意味はないと思います。そしてそのことは、ひっきょう環境行政が後退してしまうことへつながってくるという心配をするわけです、ですから、その点についての長官の御決意を伺わせていただいて、質問を終わりたいと思います。
  55. 稲村利幸

    稲村国務大臣 金子みつ先生の本当に環境行政を御心配していただいてのありがたい御意見を拝聴させていただきまして、まさに三省並列であってはならない、環境庁がしっかり主務で頑張りなさいという御激励を環境庁としては本当にありがたく胸に刻んで、今回の法改正の趣旨が十分に実現されるよう事業推進に邁進していきたい、私もそういうふうにかたく、ありがたく思います。本当にありがとうございました。
  56. 金子みつ

    ○金子(み)委員 終わります。ありがとうございました。
  57. 林大幹

  58. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 この法案に関連をいたしまして、「近年の都市生活型公害の進展等公害に係る行政の主要課題の移行に適切に対応するため、公害防止事業団業務見直し、」ということをこの前の所信表明のときにも触れておられるわけですが、率直に申し上げて、でき上がってきた法律案を拝見いたしますと、大上段に振りかぶったにしては何となくしりつぼみという感じがしないわけではございません。余りいい言葉ではございませんが、羊頭を掲げて狗肉を売るという言葉のように思われるわけでございます。いろいろな御苦労があったことは大体私も想像ができますけれども大臣、この辺について、所信表明や提案理由説明との関連で、この法案についてそれで満足していらっしゃるのかどうか。あなたが今御指摘をされたこの法案改正関連をする前言葉といいましょうか、そのことにこたえられているかどうか、あなたの認識をお聞かせいただきたいと思います。
  59. 稲村利幸

    稲村国務大臣 岩垂先生の羊頭を掲げて狗肉を売るな、まずその御指摘、御忠告を大切にしたいと思いますし、今回の事業団法改正は、行革審の答申を踏まえつつの公害防止事業団事業懇談会の報告を得て、本事業団が実施するにふさわしい新業務を選定したものでございまして、現時点における見直しとしては適切である、こういうふうに理解をしております。
  60. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 私実は二、三年前に、名前は言いませんけれども環境庁の偉い人に、このままにしておくと事業団は行革の対象になりますよ、それは仕事をかなり削られる形で行革ということで進められる心配がある、だから事業の体制というものをもうちょっと整備して拡大をして、そして社会のニーズにこたえなきゃいかぬ、その体制をつくることが必要だということを申し上げたことがございます。それは個人的なやりとりで終わってしまったわけでありますが、去年の五月八日の新聞でございますけれども、拝見をいたしますと、懇談会の結論が発表になっています。大変立派な指摘をしているわけでございます。それは「これまでの産業公害防止に果たした事業団の役割を評価しながらも、最近の窒素酸化物による大気汚染や湖沼など閉鎖性水域での水質汚濁産業廃棄物対策、先端産業工場からの化学物質対策など新たな課題対応するには現在の事業団では限界がある、」ということを指摘して、一つとして先駆的なもの、二つとして公害の原因者が零細、不明確なもの、三つとして多額の資金が必要な事業、四つとして広域的に実施するものなどを提案をしているわけでございます。それに関連して、具体例として空港や新幹線、道路周辺の緩衝緑地帯などの整備生活雑排水処理施設の建設、採石場や廃棄物最終処分場の緑化など環境復元事業、快適環境づくりのための事業、身近な自然に接するための施設整備等を挙げているわけでございます。そして、特に公害防止事業団から環境事業団というものに変更する、そして名実ともに備わったものにしていく必要があるという提言を行っているわけです。  これと比べてみてということを私さっき申し上げたのですが、懇談会を環境庁の諮問機関として設置して、そして提言をいただいたものが生かされていない。その点については環境庁はどのようにお考えになっていらっしゃるか御答弁をいただきたいと思います。
  61. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  先生指摘のございましたように、公害防止事業団事業懇談会はいろいろな提言をしていただいておることは確かでございます。それらのことにつきましては私どもとしても、先生かねてから御指摘のように、将来に向かっていろいろなことを考えなければいかぬということで対応に努力はしてまいったわけでございます。いろいろな案も持ちながら関係各省とも協議をし、政府部内で実現すべく努力をしてきておるわけでございますが、これはそれらのうち、事業団が行う事業として熟してきている度合いの問題、それから他省庁所管業務との関連性の問題、これはいろいろ難しいケースがあることは先生御理解いただけると存じますが、等々ございまして、まあ何とかというのは非常に弱い言い方になりますけれども、一生懸命に努力した中でまずはこれを実現しようということで打ち出し、かつ関係省庁、特に総務庁それから財政当局とも理解を得られてここへまとめた。やっとまとめたという感じは否めませんけれども、そういうことでございますので、御理解は賜りたいと存ずるわけでございます。
  62. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 いろいろ折衝の過程で御苦労なすったことはおよそ見当がつくのですが、どこが削られたんですか、どこが生きたんですか、はっきりしてください。
  63. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 いろいろな事項があるかと存じますが、なるべくポイントだけにとどめますけれども、例えば熟度と先ほど申し上げましたが、今直ちに実施すべきであるほどの熟度に達していないものの例として、例えば身近な自然保全活用事業という表現をとっておられますが、それから快適環境整備事業といったようなものもございます。それ以外にも空港等の例もおっしゃいましたが、これは例の空港周辺整備の問題等ございまして、私ども、これらは現時点で対応はできなかったということでございます。
  64. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 今加藤さんおっしゃった身近な自然だとか快適な環境事業、これは環境庁かねてからアメニティーという考え方で、環境庁の売り物の政策なんですよ。それが削られたという意味は、環境庁としては大変残念だと率直に思っていると私は思うのですよ。空港の問題だってほっておいていいという代物じゃないのです。  私は川崎なんですけれども、羽田空港の問題、国会議員に当選してから十五年間そんなことばかりやってきたんですが、まさに熟度からいえば優先順位があるのです。何となく公健法の手直しのために受け皿をつくった、それが熟度の最もレベルの高いものだという感じさえする。まあそれは私の誤解であればそれでいいんですが、環境庁としては今熟度の順番、私は順番を言いません。しかし今言ったような仕事を今後とも事業団がやっていくために努力をする、関係各省との交渉を含めて努力をする、そういう姿勢がおありになるのかないのか、そこが私は事業団に対応する環境庁の姿勢の問題だと思うのです。それはバロメーターだと私は思います。これからもそういう事業をつけ加えていくために努力をするという明確な御答弁を、環境庁の方針に基づいて私は質問しているんですから、いただきたいと思います。
  65. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生おっしゃいますとおり環境庁の方向として申し上げますが、今後の環境行政につきましては、御案内のとおり環境保全長期構想を指針として推進することといたしております。確かにその際、先生指摘のとおり事業団を活用して、公害防止のみならず広く環境保全のための事業取り組み推進していく必要性がある問題がいろいろとあると存じますので、これは大いにその方向で検討を進め努力してまいりたいと思います。
  66. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 正直なところを言って、環境庁が出したものが削られた経過というようなものを私なりに想像をします。だけれども、アメニティー構想などというのは、いわば環境行政の目玉ですよね。私、最初は舌をかむような言葉だと言ったこともございますけれども、それはそれとして、言葉としてもある程度定着をしてきている。そういう目玉の行政を具体的に進める母体として事業団というのは一番適切な機能を持っていらっしゃるわけですから、その辺はやはり胸を張ってきちんと要求し、努力をしていくという態度をとっていただきたい。今局長の御答弁をいただきましたから、そのことに余り固執をするつもりはございませんが、環境行政のレーゾンデートルだというぐらいな気持ちで頑張っていただきたいというふうに思うのです。  先ほど金子先生のやりとりの中でちょっと伺っていた点で、あるいは重複するかもしれませんが、できるだけ重複をしないようにお尋ねをします。  大気汚染による公害防止するために設置することが必要な緑地という問題について、加藤さん、御丁寧に御答弁はいただいているけれども、どうもまだ十分に私にはわからぬ。内容としてどんなものをお考えになっているのか、それから費用の負担はどんなことになるのか、短い答弁で結構ですから……。
  67. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 まず考えておりますものは、大都市地域における大気汚染防止のための緑地なわけでございます。それから事業費につきましては、これは都市公園でございますので、基本的には地方自治体の要請を踏まえてつくっていくものでございます。その費用には国の、建設省所管分になりますが、都市公園に対する補助金と、それから公害健康被害補償制度の方の関係から出てくるものでございますが、基金からの助成金というものも入れて推進していきたいという構想のものでございます。
  68. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 都市公園の補助率というのはそれなりに見当がつくのですが、基金の補助率の割合というようなものはお考えになっていらっしゃるのですか。
  69. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生おっしゃいますとおり、割合というものも決めてまいらなければなりませんけれども、これはさらに今後関係省庁との調整によって具体的に決めてまいりたいと思っておる部分でございます。
  70. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 先ほど金子先生がおっしゃっておられたけれども、今の費用の問題がはっきりしない理由は、公健法とのかかわりもかなりあるのだろうというふうに私は思うのです。公健法が通らなかったら、これはどうなりますか。
  71. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 想定でございますので、そうでないことを強くお願い申し上げますが、これは制度といたしましては事業団の行為能力といいますか、事業としては法律上は行い得るものでございます。
  72. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 通らないというようなことを前提に答えろというのも酷な話だと思うのですが、時間的ずれが生まれたり、実際問題として法律の施行の時期がおくれたり、あるいは私どもが頑張って成立を見なかったときのことも考えてみると、そのことは念頭に置かなくていいというわけにはいかないけれども、それがないからといってこの仕事が全然手がつかないものではないというふうに理解していいのですか。
  73. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 純粋に法律論といいますか、制度論だけで今のような仮定のことについてお答えするとすればそのとおりでございます。絶対にできないものではないのではないかと言われればそういうことでございますが、これは財源の関係事業執行の非常に重要なポイントになるわけでございますので、それは両方で実行していくのがふさわしいものであり、そうしなければならないものだというふうにお答え申し上げます。
  74. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 そういうことになると、いろいろこの法案に対する扱いも考えなければならぬことになりますから、あなたの願望はあなたの願望として私は承っておきたいと思うのです。  「都市公園となるべきもの」となっているのですけれども、何で都市公園でなければいけないのですか。
  75. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 これは都市における緑地都市公園の定義はそういうことになっておるわけでございますので、都市における緑地はすべて都市公園という定義で把握されておるわけでございます。それでそういう表現になっておるわけでございますが、「なるべきもの」という点でございますと、これはでき上がって建設譲渡をいたしますと法律上の都市公園になるという意味合いでございます。通常そういう表現をとっておるはずでございます。
  76. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 都市公園というふうに言って、建設をかませてということだろうと思うのですが、例えばグリーンベルトや、あなたがさっきちょっと金子先生に御答弁になっていましたが、沿道の緩衝緑地みたいなものは公園に入らぬものもありますわな。そういうのはどういうことですか。
  77. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
  78. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 だから、それはその中に入るというふうに理解していいのですか、入らないというふうに理解していいのですか、この対象として。
  79. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 これは制度上の仕切りでございますけれども、道路の領域といいますか、道路のために横にベルトのような状況の狭い緑地帯のようなものもございますが、これは都市公園には入りません。
  80. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 そうすると、一定の規模の都市公園でなければ、大気汚染による公害防止するために設置することが必要な緑地の中には入らないということですね。どうもやはり線の引き方がおかしくなりますよね。目的を掲げて、それに実際に対応する施策というものと、片方では都市公園という枠組みの中でそれは除外されていくというふうなことになってしまっている、現実問題として。  そこはこれ以上追及してもどうにもならぬと思いますが、第一、大気汚染公害防止するための緑地、第二、それはすべてではないにしても、公健法の改正による金が入る事業ということ、どっちから見ても、これは環境庁長官が全く関与しないという代物ではないと思う。建設大臣やあるいは通産大臣が所管をするという形はどうもおかしいと私は思うのですけれども、その辺は環境庁長官の見識において御答弁をいただきたい。
  81. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答えを申し上げます。  建設大臣環境庁長官の仕事の分担、割り振りというのは設置法で決まってきておるわけでございます。そこでまず都市公園でございますが、都市公園の業務というのは、法律上明確に、建設省設置法に基づきまして建設大臣主務大臣ということとなっておるわけでございまして、いわばそういう業務建設大臣の監督のもとに行われるべきであるということから、建設大臣の所管とならざるを得ないわけでございます。  なお先生おっしゃいました大気汚染対策というようなこと、これは制度的な割り切りといたしましても、建設省のみならず例えば運輸大臣におかれましてもほかの所管大臣におかれましても、それぞれの担当業務について、そういう大気汚染防止あるいはほかの環境維持のための業務というのは、当然それを最終の目的にしながら業務を行うべきことは先生御案内のとおりでございますので、だからといってこれはすべて環境庁長官でなければならないということにはならないわけでございます。ただ基金の関係でまいりますと、その限りにおきましては、もちろん基金の所管大臣環境庁長官及び通商産業大臣と現になっておるわけでございまして、そちらの関係でお金をどうこうという点につきましてはもちろん環境庁長官がタッチしておるわけでございます。  なお、つけ加えさせていただきますが、事業団の財務及び管理主務大臣環境庁長官でございます。したがいまして、事業団で事業を行う上では環境庁長官がかんでくることは当然でございます。申し添えさせていただきます。
  82. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 加藤さん、御答弁が詰まるように、それは建設大臣あるいは通産大臣というものがすぼんと入ってくる。法文全体を見ても、今まで環境庁長官となっていたものが全部主務大臣というところに切りかえられているわけでしよう。これは申しわけないけれども環境庁長官が責任を持って進めてきた環境行政と言われるその責任の重さを、何か通産も建設も物が言えて、それらについてくちばしを――くちばしという言葉は余りいい言葉じゃございませんけれども、入れていく仕組みができてしまうというふうに危惧するのは、私は単なる心配ではないと思うのですが、この辺はそういうことはないというふうに御答弁いただけますか。
  83. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生のおっしゃいます意を体して頑張ってまいりたいと思います。
  84. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 私どもは、環境庁設置法を審議したときに附帯決議を出しているわけです。これは余り長い文章でないので読み上げますが、  政府は、環境庁機能が十全に発揮できるよう予算、定員、人材確保に万全の配慮を加え、また、その運営に当っては実態把握に基づいて、環境基準及び排出基準の設定等の適正その他公害行政の強力な推進を期するとともに、できうる限りすみやかに、環境保全行政のより完全な一元化が可能となるよう今後さらに環境庁の機構、権限に検討を加え、その実現に格段の努力を払うべきである。 この附帯決議は今日も生きているというように、当然のことでございますが、御答弁いただけますか。
  85. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 御質問のありました附帯決議、当然に現在も生きておりますし、その趣旨を体して進むべきものと考えております。
  86. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 この事業団法というのも環境行政の重要な一環でございます。したがって、この事業団法の運営などについても可能な限り環境庁がその一元化を図っていくということについて、設置法に基づいた明確な御答弁をいただきたい。
  87. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 設置法ということでございますので私から説明させていただきますが、確かに一元化という言葉、またその重みは十分受けとめてまいらなければならぬし、当然のことと心得ております。ただ、設置法の規定ということになりますといろいろな法律論がああわけでございますが、環境庁基本的には総合調整役、それから関係省庁、多岐にわたるわけでございますが、この御協力、場合によっては叱咤激励まで含めましてできるような仕掛けになっておることは先生先刻御承知のとおりでございます。しかし、一元化という重みももちろんございますが、先ほど来大臣からも御答弁申し上げておりますように、公害行政といいますか、環境庁の所管行政対象は非常に多岐にわたりかつ多様化しつつございますので、そういうことを前広に進めていく場合に一元化だけで進めていくのがいいかどうかでございますが、私どもその辺は、もう少し幅広く柔軟に関係者の協力も得ながら強力に推進していくべき手法も持つべきではないかというようなこともあわせ考えておりますので、その辺は御理解を賜りたいと存じます。
  88. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 それは加藤さん、重大な発言ですよ。環境庁設置法の審議の採決に当たっての附帯決議ですよ。私がなぜそんなことを言ったかというと、「環境保全行政のより完全な一元化が可能となるよう今後さらに環境庁の機構、権限に検討を加え、その実現に格段の努力を払うべきである。」という注文を国会が全体の意思でつけて。いるのですよ。それをいろいろ多岐多面にわたりますので、いろいろありますのでというようなことを言われたのでは決議の趣旨に反することになる。決議の筋道は、あなたは今日も生きているとおっしゃった。しかも環境保全行政の一環として事業団法がある。だとすれば、そのための努力をしていくということを素直にお答えになったらどうですか。あっちこっち脱線したらかえってそれは問題になりますよ。明確に答えてください。
  89. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、その趣旨を体して努力してまいります。
  90. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 その次に、自然公園の制限のための複合施設の問題について、私、幾つか想定をしながら質問をするのでお答えいただきたいと思いますが、大体どんな状況を想定していらっしゃるのですかということを聞きたいのです。  と申しますのは、利用の適正化というのは必要があることは確かにわかるけれども、その対策としていいますと、環境庁というのはマイカーの規制だとか他の地域への誘導などを進めてきたわけでしよう。例えば上高地そうでしょう。あるいは今私が指摘したいのは尾瀬ですよ。上越新幹線が通るようになってから大変お客さんが大勢入って、尾瀬の環境破壊の中で一番大きいのはやはりたくさん入り過ぎていることです。そういうものを分散するというのでしょう。それが環境行政のこれまでの方針でしょう。それを何か公害防止するため、利用のための複合化というのだけれども、何をお考えになっていらっしゃるのだろうかということを、ヒントでいいですからちょっとお教えいただけませんか。
  91. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生質問の中で分散させるということをおっしゃいました。まさにそれがねらいでございます。といいますのは、過度集中しておりますと、もちろんその利用規制というのもこれまた言うべくしてなかなか難しいことでございますので、やはり誘導を含めながら分散していくというねらいで行うものでございます。ただ、なぜ分散しなければならないか、それは過度集中によって公害現象が起こるから分散させなければならないのだという論理になっておるわけでございます。
  92. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 だから、分散をするということと、今あなたから答弁をいただいたことと複合施設をつくって云々ということをちょっと例示してくれませんか。例えば上高地の場合は、入域規制をすればマイカーの駐車場を一体どうするかという議論になってくるでしょう。尾瀬も同じですよ。これはマイカーとはちょっと違う面もあるけれども、建物を、あの中のコテージやホテルをすぐよそへのけといったって無理な話だろうと思うが、外へ出さないことにはあそこはよくなりません。そういう場合のことを複合施設というふうに想定していいのかどうか、その例示を二、三言ってくださいと私は申し上げているのです。
  93. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 御説明申し上げます。  この分散といいますのは、上高地、尾瀬に集中してそこで困った問題が起こっておるので、上高地、尾瀬を直ちにどうこうするのではなしに、そういう利用集中をほかの、具体的に申し上げますと、例えば山形の鳥海山なりなんなりの公園のところに非常に立派な適地がある、公園計画がつくられておって、かつ未利用といいますか未実行という場所がある、そこへ適正な施設を整備すればそちらの方へ相当数、一カ所だけではだめかもしれませんが、利用分散する、こういう考え方でございます。  その場合、そこへつくる施設は、単に宿舎なら宿舎を一つつくる、あるいはスキー場ならスキー場を一つつくるということでは困ります。それはどういう施設がはいろいろなケースがございますけれども、そういうものをつくる場合にも、幾つか施設があっていいわけですが、一番要件として考えておりますのは、新しくつくったところでまた公害といいますかたれ流しが起こってはいかぬということで、そういう浄化施設とか何かは最小限つけてくださいという意味合いでございます。
  94. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 どうもそれでは利用の適正化というニュアンスが、私の受けとめているのとあなたが考えているのとかなり違うのですよ。適正化というのは、自然の生態系を大事にしながら公園としての機能を十分に生かしていくということでなければならないと思うが、どうもここが来過ぎたからこっちへ連れていく、それでこっちへ施設をつくる、これだけでは十分ではないのです。こんなことはもう加藤さん一番わかっていると思うのだ、あなたは自然保護局長をやっていらしたから。だから、苦しい答弁だということはわかるけれども、しかし、それなりにそういう適正化というのを言葉どおりに受けとめれば、そういうことの方が今大事ですよということを私はあえて言いたいのです。  そこで申し上げたい。先ほど金子先生リゾート法案との関連、ほかの先生もおっしゃっていたが、これは率直に言うと民活の導入という部分が多いわけですよ、国定公園国立公園に。すると、それは言っては悪いけれども、今言った自然の生態系をどうするとか、孫子の代までというような発想よりも、生態系を優先して施設をつくっていくという面で言うと、やはりある程度公的な機関がその環境全体に対して責任を持って施設もつくっていくということにしなかったら、安かろう悪かろうと言うつもりはございませんが、そういう意味では競争できないのですよ。やはり環境行政の一環として公園のことをまず考えて、その上で施設を建てる。そうするとどんな建物が建つかということになれば、多少お金もかかるでしょう。そういうことではなくて、今のリゾート法案みたいな形で利用の適正化をあなたのような考え方で進めていけば――いや、あなたのようなとは言わないけれども、大勢来た方がいいよという発想でいけば、これは安かろうというふうに言っちゃ悪いけれども、粗製乱造という嫌いもなきにしもあらず。そうすると競争の条件が全然違っちゃうわけです。私はせめて、主題に掲げた「自然公園の利用のための」というふうに言うならば、生態系を大事にした前提で公的な責任もちゃんと担保できる事業団などがそういう仕事について取り組んでいくことがむしろ優先すべきだ。そうでないと、どうも私たちが先祖から譲り受けてきた自然や生態系というものが破壊されてしまう、そういう心配がありますので、この点についてぜひひとつ御配慮願いたいと思うし、その関係を今私が申し上げたような形で受けとめていらっしゃるのかどうか、御答弁いただきたい。
  95. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 どうも私の答弁の仕方が非常にまずくて、御趣旨の核心のところがこれから申し上げるようなことになって申しわけございませんが、まさに先生指摘の点はそのとおりのことになるかと存じますけれども、申し上げます。  事業事業でやる場合の方を先に申し上げておきますが、これは国立公園、国定公園の公園計画に基づいてやるものである。これはあらかじめ審議会の意見も聞いて決めるものでございます。それから、これは公園事業でございますので、自然公園決の規定に基づく規制と申しますか、ルールのもとに行われることは当然でございますし、環境庁所管の事業団でございますので、それはもうそういう前提で、そういう監督のもとにと申しますか、行われるものでございます。したがいまして、そこに行われる整備は、もちろんその自然環境にも合い、かつまたその利用にも適するというものであることは当然でございます。  なお、リゾート関係は、もちろんこれは国立国定公園区域の特別地域内の場合も外の場合もいろいろありますので一概には申し上げられませんけれども、やはり自然公園法のもとに適正に行われるという点は、これはもう当然なこととして前提とされておるわけでございます。
  96. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 リゾート法案が通ってそれが具体的に着手されますと、今、加藤さんがおっしゃった事業団の方はちゃんとこういう厳しい監督ができるけれども、みんな目が届くわけじゃないのですよ。そうしたら、それが結果的に自然破壊をもたらすおそれというのは、できてしまってからじゃなかなかチェックできないのです。だから、リゾート法案の方に環境庁がきちんと物を言うということが大事だが、そうはいっても、できていく過程やできてしまった結果について環境庁がどれだけ担保できるかといえば、残念ながら十分な対応はできるシステムにはなっていない。システムになっていても、人員が足らないとか態勢が十分でないとかということにならざるを得ないのです。だから、その意味では、そういう仕事こそ事業団がきちんと責任を持ってやっていくくらいのことがあっていい。その意味ではこの法律では不十分だ。あえて私は言っておきたいのです。この点は答弁は要りません。しかし、これは明確に問題がすぐ出てきます。これは指摘しておきたいと私は思うのです。  それから、十八条の「臨時の業務」というところに関連をして申しますと、例の工場移転用地の問題ですけれども加藤さん、これは実は時代に逆行しているのですよ。五年後になくすというんでしょう。今金子さんとのやりとりの中でございました。環境白書は、都市の一点集中を排除しなければならないと明確に指摘しているのです、それは、環境庁長官がいるのであえて申しますけれども、やはり地方への分散というのに取り組んできた行政上の、日本列島改造論を言っているんじゃないですよ、それを含めてかもしれませんが、やはり分散ということについて努力を積み重ねてきたわけです。にもかかわらずもっと深刻な事態が大都市圏で起こっているという指摘をおっしゃっていらっしゃるのです。それなのにそういうことはやめていきますというのでしよう。これに一貫性がありますか、御答弁いただきたい。
  97. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 五年でという問題のこの号は、用地造成のみの分でございます。その限りでは確かに先生指摘の問題はあるかと存じますが、実は現実的な面も含めてちょっと申し上げさせていただきたいのでございます。土地だけの造成については確かに先生おっしゃるようなうらみがございますけれども、用地造成と建物の建設とあわせて実施するのが新一号業務でございますし、それの区域が従来は公害の著しい地域の中同士での転換であったわけでございます。スタートのときはまさにそれも大事なことであったから当然なことであったかとは思いますが、それを今回は二つ要件を緩めると申しますか、能力を広げております。つまり、公害の激しい地域から公害のない地域へ、拡散するわけでは決してございませんが、そういう地域にまで持っていけるという新一号業務にしたわけでございます。それは土地と建物のセットでございますが、先生ただいま御指摘をいただいた問題には対応する部分ではないかと思いまして、あえてそれを申し添えさせていただいたわけでございます。     〔委員長退席、戸沢委員長代理着席〕
  98. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 私も公害防止事業団融資関係でかかわりを調べてきたのですが、確かに利用者が少し減っているということも聞きました。だから高度化資金でいいじゃないかという理屈もあるようです。ところが、御存じのように高度化資金というのは、利子は確かに安いですよ。だけれども融資率は四分の三でしょう。地方自治体、最近土地の面では手当てをしなくなっているのですよ、傾向として。でもニーズはあるのです。ニーズがあるのにやめる。しかも環境白書指摘したような趨勢に今日あるというところから見ると、金子先生さっき、ではいまやめたらいいじゃないかというのは比喩として申し上げたのだが、五年で十分だろうか、もっと長期的な展望でこれらの仕事について環境庁がお手伝いをしていくという姿勢がむしろ必要ではないだろうか。十年とか二十年とかいうつもりはございませんけれでも、こういう仕事こそ事業団の非常に大きな役割として進める価値があることだと思うのです。どうも余り必要のないものを、公健法だとか東京湾横断橋だとか余り急がなくてもいいものはやって、必要なものはやめていく、これが見直しだということになったとすると、ちょっと見直しの物差しが違うのじゃないだろうかと思いますが、その点とのようにお考えになっていらっしゃるか。
  99. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 確かに、先生おっしゃいますような問題意識というのはあるかと存じます。ただ、将来のことはなかなか断言はできないかもしれませんが、全体傾向として、この公害防止事業団ができました昭和四十年のころからずっとやってきておりますので、かつてのような工場移転用地の造成というのは少し状況は変わってきておるのではないかなということは率直に申し上げられることではないかと思います。ただ、現在でも事業は現にございますし、だからこそ一定期間継続するわけでございます。そういう措置をとっております。しかし、最後に先生おっしゃいますように、突き詰めて申しますれば、やはり行政改革のためにある程度のスクラップをせんならぬのかなという点につきましては、そこは私どももつらい面でございますけれども、そういう思い切らざるを得ない面があることは確かでございます。  ただ、白書で書いておりますのと逆行する部分があるという点ではそのとおりかもしれませんが、全く逆行しているということではないわけでございまして、先ほど申し上げましたように新一号業務の適用範囲をむしろ相当広げておるわけでございます。移れる場所を、むしろ従来の考え方が狭過ぎたということでございますので、その辺は御理解賜りたいと存じます。
  100. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 答弁になっている部分となっていない部分とありますが、行革審、行革審とおっしゃるものだから、最終答申を私も覚えていますけれども、例えば特殊法人等の一般的活性化方策として国の監督規制をできるだけ緩和するように求めていますね、これも行革審の答申でございます。にもかかわらずこの事業団法に関する限りは監督官庁が複雑化してまいりました。監督官庁があっちもこっちも入ることになりました。これは行革審の最終答申にも逆らっているのじゃないでしょうかとあえて私は言いたいのです。  労働組合の諸君に、私も具体的なケースでいろいろお話を伺いました。やはり雇用、将来に対するさまざまな不安がございます。この諸君はプロパーの諸君ですから、各省庁に戻るわけにはまいりません。出世するわけにもいきません。そういう意味では、そこの不安をどのように受けとめてそれに対応していくかが今や大きな問題点だと思うのです。先ほど私、懇談会のことを申しました。先駆的な環境行政をやっていくことが答申になっているが、その部分で生かされた部分と生かされてない部分がある。そういうことを考えれば考えるほど、環境庁はこれで一段落ということではなくて、事業団のあるべき姿、環境保全行政のあるべき姿について事業団の担っている役割、こういうものを引き続いて検討をしていくことをぜひ私はお願いしたいと思うのです。  これは大臣に最終的に御答弁をお願いしたいと思うのですが、私がこの短い時間に二、三指摘をしただけでもいろいろな問題が出てきました。それは、申しわけないけれども、行革という大きな枠の中に押し込められていく、そしてそれに対して抵抗する環境庁の姿勢をそれなりのいきさつの中で私は理解しています。にもかかわらず、今の環境行政が非常に重要なときを迎えた段階では、改めてこの問題を見直していく、あるいは再検討を加えていく必要があるのではないだろうかと私は思いますけれども、この点をお約束いただけますでしょうか。
  101. 稲村利幸

    稲村国務大臣 先ほど来、岩垂先生の御意見を拝聴させていただき、まさに教えられるところのみ多くて大臣としても大変考えさせられますが、環境庁の姿勢等がともすると消極的になりはしないかという警鐘を心にしながら、この法案を機に頑張っていきたいな、今こういう気持ちでいっぱいでございます。     〔戸沢委員長代理退席、委員長着席〕
  102. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 なかなか答弁ができないのかもしれませんが、では最低限、労使交渉に誠意を持って臨みながら、環境庁自身のねらっている気持ちと、事業団の経営の任に当たっている方々と労使関係をできるだけスムーズに、しかも相互理解の中で進めることができるように環境庁長官からも事業団当局に十分お伝え願って、そして円満な労使関係をこの不安にこたえる意味でも進めていただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  103. 稲村利幸

    稲村国務大臣 適切な運営、管理、これを心がけ、労使関係に不安のないよう努めてまいりたいと思います。
  104. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 事業団法については、まだ各党の委員先生方も御質問いただくことになっていますからこの辺でやめますが、道路公団の理事がお見えになっていますから包括的にちょっとお尋ねをしておきたいと思います。  「東京湾横断道路環境影響評価準備書に対する意見」という神奈川県知事からの書類を受け取っておられると思うのですが、私もう時間がございませんから細かくは申しませんが、この中に「工事に係るもの 設置、供用に係るもの」、それから「水質汚濁」などを含めて具体的に指摘をしてございます。「廃棄物」の問題もございます。それらについて誠意を持って県の指摘あるいは川崎市当局の、横浜も含まれていますが、指摘に対してこたえていくというお約束をできますか。
  105. 窪津義弘

    窪津参考人 知事の意見が五月十六日に公団に提出されたばかりでございます。この知事の意見の内容につきましては、今御指摘ございましたように「大気汚染、騒音、振動 水質汚濁、地盤沈下 海域生物 廃棄物 景観、レクリエーション資源 安全」等についての意見が述べられております。  知事の意見の個々の項目につきましては、今後これらの意見に対する事業者、公団側の見解を含めて環境影響評価書を作成し、公告、縦覧することといたしております。事業の実施に当たりましては、ただいま御指摘ございましたが、神奈川県知事の意見の趣旨を十分に踏まえて、関係機関の連携、協力を得て適切な環境対策を講じ、環境への影響を最小限にとどめるよう努力してまいりたいと考えております。
  106. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 神奈川県も川崎市もアセスメント条例があるのです。この事案というのは県、市のアセスメント条例に実は該当しないわけです。国の要綱なんです。要綱と条例とはかなりの違いがございます。しかし、県民の立場から見るとそれを受けとめるのは一つでございます。そういう意味で県が指摘をし、その中には川崎や横浜なんかのいわば環境影響評価に対する一つの方向というものが出ていますからこれを守っていただきたい、当然のことだと私は思いますが、御答弁いただけますか。
  107. 窪津義弘

    窪津参考人 評価書は要綱に基づいて作成することとされておりますのでそれに基づいて作成いたしますが、御趣旨、十分わきまえまして努力をしてまいりたいと思います。
  108. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 きょう、本当は細かく一つ一つ指摘をしたかったのですけれども、その次に、「東京湾横断道路船舶航行調査報告書」、日本道路公団が去年、法案が成立した後、六十一年六月という年月日が入っておりますが、これを見て少々びっくりしたことがあるのです。というのは、アセスの中にはいわゆる航行安全という点については触れていない面もあるものですから、私はこの間半日かかって東京湾全部見てきました。それで、この中にも指摘してあるのですが、錨地の問題は基本的な問題で、このおかげで下へ潜ったのだろうと思いますが、それは私も指摘してきたことがございますけれども、それはそれとして、「横断道路による影響」の中で、例えば「横断道路計画線周辺海域は台風来襲時等荒天にあっての船舶の安全確保に必要な避泊地の一部となっている。横断道路の建設は、この避泊地を失うこととなる。また、横断道路が建設されれば、それによって周辺海域での避泊操船も影響を受けることが予想される。」というふうな文章がある。これは私は数字も挙げてもいいのですが、時間がございませんので、この指摘にとどめます。  それから、海難に対する横断道路の影響の中に「①人工島や換気塔及び橋脚との衝突 航行中の船舶の衝突や強風等による漂流船舶の衝突等の発生のおそれがある。 ②周辺での船舶間の衝突船舶交通流変化や死角の発生により、特に川崎寄り水域では、」私の選挙区でございますが、「船舶間の衝突が増加するおそれがある。」あとたくさんございますけれども、もう読みません。安全航行に対する大変な危険が警告されています。これはまた違った角度で私はいろいろな資料も調べさせていただいたのですが、こういう指摘よりもっと深刻な状態があると思うのです。これらに対してどうおこたえいただくつもりか、その作業の過程を御答弁いただきたい。
  109. 窪津義弘

    窪津参考人 今先生指摘のことが書かれておりますが、道路公団といたしましては、五十三年度か係ら学識経験者及び関係団体の協力のもとに、東京湾横断道路海上交通安全調査委員会というものをつくりまして、現在も検討をいろいろとやっていただいております。この中で対策の基本的な考え方は出ておりますが、避泊につきましてはまだ若干の検討が残っておりますけれども、なお検討を重ねていただきまして、この委員会の詳細かつ具体的な調査結果を踏まえつつ安全対策を講じてまいりたいと考えております。
  110. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 そのような結論が出ない限りは着工には至らないというふうに考えてよろしゅうございますか、不安は依然としてあるわけでございますので。
  111. 窪津義弘

    窪津参考人 着工までには委員会の結論を得、対策を講じてから着工いたしたいと考えております。
  112. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 本当のことを申し上げて、いろいろ不安があるのです。きょうもいろいろ聞きたいことがあったのですが、時間がなくなりました。  最後に、厚生省お見えでございますので、せっかく来ていただいて質問をしなければ申しわけないと思いますので、一分か二分で結構でございますから委員各位の御理解をいただきたいと思います。  廃棄物の問題は白書もかなり深刻に取り上げておられます。今どんな認識に立っているのか、国、地方公共団体を含めて積極的な対応が必要だということも感ずるわけですが、この点。それから、これは加藤さんにあえて御答弁をいただきたいのですが、事業団と廃棄物対策との関連というようなこともちょっと御答弁をいただきたいと思います。それから、もしお願いができれば、私がかねてから取り上げてきたアスベストの問題も御答弁がいただけたらありがたいと思います。
  113. 加藤三郎

    加藤説明員 まず、廃棄物でございます。廃棄物は、先生御案内のとおり一般廃棄物、産業廃棄物と大きく二つに分かれてございます。  一般廃棄物で申しますと、市町村が主体になりまして処理をいたしておるわけでございますけれども、最近では立派なアメニティー施設といったものを目指し、また運営に当たりましても、公害やあるいは付近住民に生活環境保全上の問題を起こさないように一生懸命やっておるわけでございまして、個々の自治体では多少の問題はいろいろとあるわけでございますが、全体的に見て各界の御努力によりまして順調に進んでいるかというふうに見ております。  一方、産業廃棄物につきましては、白書でも御指摘いただいておりますけれども、まことに遺憾ながら不法投棄は後を絶たないという状況でございまして、厚生省といたしましては、産業廃棄物対策を一層推進するというのが非常に大きな課題というふうに心得ております。  それから、事業団との関係でございますが、事業団が産業廃棄物に大変融資をしてくださっておるわけでございます。六十一年度でいきますと、事業団が融資した額の中で約六割、たしか五七%ぐらいが産業廃棄物関係ということでございまして、私どもから見ますと公害防止事業団に非常にお世話になっている、また事業団から見れば産業廃棄物関係は大きないわばお得意になっている、こういう関係かと思っておりまして、今後大阪湾やフェニックスのプロジェクトが進んでまいりますとますます事業団の融資に負うところが出てまいりますので、お互いに非常に補完し合う関係というふうに考えております。  さらに事業団との関係でもう一点申し上げますと、私ども厚生省で浄化槽につきまして補助制度をつくっておりますが、事業団も新たに融資制度をやろうとしておられまして、これもまた補完関係になろうかというふうに考えております。  それから、最後に、アスベストについてお尋ねがあったかと思いますが、アスベストにつきましては私ども先生からもたびたび指摘を受けて、それから特に横須賀におきます米軍基地からのアスベスト問題等御指摘いただきまして、強い御懸念の表明がございました。御指摘を受けまして早速いろいろと調査をし、その調査結果につきましては先生にも御報告申し上げているつもりでございますけれども、幸いにいたしまして環境汚染という問題は回避できたかというふうに思っております。ただし、アスベストは非常に有害な物質であることには間違いございませんので、厚生省といたしましては、引き続きこの問題について十分に調査をし、必要ならば関係自治体にも十分に注意を促していきたい、そんなふうに思っております。
  114. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 最後に、環境庁長官は手持ちぶさたで座っているようですから御答弁をいただきたいと思うのですが、白書が出ました。特に今度の、ことしの白書一つに焦点を絞っています。そして、それは東京湾にもピントが合っています。東京湾に対する埋め立てなどを含めたさまざまなプランが各省庁で打ち上げられています。しかし、こんなものが実現をしていったら東京湾はなくなってしまいます。そういう意味では環境庁がこれらの問題について対策を示すべきときが来ている、このように思いますし、とりわけ四全総などに白書の趣旨がどのように生きかれていくのか、その辺について長官としてのお仕事あるいは御決意というものをこの際お尋ねしておきたいと思います。
  115. 稲村利幸

    稲村国務大臣 東京湾の開発問題につきましては、環境庁としてもこれは重大な関心を持っておりますし、環境保全が十分図られますよう、今の御指摘を尊重して、頑張りたいと思います。
  116. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 以上で終わります。
  117. 林大幹

    林委員長 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四十四分休憩      ――――◇―――――     午後二時一分開議
  118. 林大幹

    林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公害防止事業団法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を続行いたします。春田重昭君。
  119. 春田重昭

    春田委員 今回の公害防止事業団法改正に当たりまして、事業団とかかわりのあります企業、特に中小企業でございますが、また国民にとってどんなメリットがあるのか、まずこれをお答えいただきたいと思うのです。
  120. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。国民のメリットの問題でございます。  この事業団は、昭和四十年に設立されて以来産業公害対策としての助成措置を行って、その推進に寄与してきたところでございます。しかし、近年公害防止行政主要課題が移行しつつございまして、産業公害対策に加えまして都市公害型、都市生活公害とでも申しましょうか、新たな課題が生じてきており、これへの対応が急務となってきておるというベースがございます。  今回の改正は、昨年六月の行革審答申を踏まえて、申し上げましたような公害防止行政課題移行にも対応いたしまして、事業団の業務見直しを行うことを主眼とするものでございますが、これによりまして事業団の事業が、従来にも増して国民の健康の保護と、それから生活環境の維持改善に資するものと確信いたしております。
  121. 春田重昭

    春田委員 この公害防止事業団の今年度の事業費規模、さらに昨年度の事業費規模についてお答えいただきたいと思います。
  122. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 六十一年度は総体で六百二十億、それから六十二年度は六百億を予定いたしております。
  123. 春田重昭

    春田委員 先ほど国民に対するメリットのお話がございました。しかし、この改正案を見ますと、デメリットも想定されるのではないかと思うのです。業務内容を見ますと、今局長がおっしゃったように、確かにいわゆる事業対象範囲は広まった、しかし事業量はどうなのかといった場合心配な面がございます。例えば、新規需要が相当ふえている面がございますが、旧来の事業を廃止する方向も考えられております。すなわちスクラップ・アンド・ビルドでありまして、環境庁は特にビルドの方を強調されておりますけれども、その反面、どこまで新しい事業ができるかという不安な面も多々あるわけでございます。スクラップする事業量が多くてビルドの事業量が少なくなっていけば、事業団の存在価値はだんだん薄れていき、まさしく次の行革審の中ではこれの廃止の方向が出されることは間違いないと思うのです。  今局長から御答弁があったように、六十二年度の事業費規模は総体で六百億円、ところが昨年度におきましては六百二十億円でございまして、二十億円減額になっている。中身は、貸付事業が二十億円減っておるわけです。こういったことが六十三年以降も続くとすれば、おのずと公害防止事業団の存在価値が薄れていく、こういうことでございます。せっかくの業務見直し公害防止事業団としては結果的にマイナスになるのではないかという危惧もございます。この点、局長並びに長官の御答弁をいただきたいと思います。
  124. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生指摘のとおりの事業費の推移になっております。ただ、先生御自身おっしゃっていただきましたように、それは融資の方の額でございます。しかしこれは総体としての数字でございますが、今回新たにつけ加える事項もあわせまして、先生に御心配いただいたようなことのないように万全の努力をして進めてまいりたいと思います。
  125. 稲村利幸

    稲村国務大臣 今加藤局長の答弁のとおりであります。
  126. 春田重昭

    春田委員 私の質問の中で、これから新規業務ないし新規事業についていかに先行き不透明な面があるか、これを指摘していきたいと思いますが、その前に、スクラップの代表的なものが工場の集団移転用地の建設譲渡、これは先ほど同僚議員からの質問もありましたけれども、五年間で廃止する、こうなっております。その理由をひとつ明らかにしていただきたいとともに、最近の事業費実績を同じく示していただきたい、こう思っております。
  127. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  まず事業費実績の方を先にお答え申し上げます。  昭和五十九年度では九件で百億でございます。億単位で申し上げます。六十年度は百二十五億でございます。それから六十一年度は百六十四億でございます。六十二年度の事業、これは計画でございますけれども、百十億でございます。  理由でございますけれども、先ほど来申し上げておりますので要点のみにさせていただきますけれども、今二年のことを申し上げましたが、実は過去二十年になんなんとする期間があるわけでございます。その間、多少の変動はございますけれども、相当な量の事業実績を上げまして、公害防止対策に大きな貢献を果たしてきたものでございます。ただ、現在の状況で見ますと、もちろん今申し上げましたとおり需要はまだまだございますけれども、その間の蓄積によりまして相当な目的達成ということも行ってきたわけでございます。  今後の問題、これば想定でございまして、しかも将来の事業量につきましては、事業業務は受注方式でございますので確たる予測というのはなかなか難しい面もございますが、方向としては、これがそう次々と伸びていくという想定もまた難しいのではないか。他方、午前中にも御答弁申し上げておりますので要点にいたしますが、新一号業務業務範囲を拡大し、また対応しやすいようなものを取り込んできておることとの兼ね合いもございまして、対応はできるというふうに考えておるわけでございます。  最後に、一つ理由として申し上げておかなければなりませんが、行政改革という大きな方向ということもございましたことを申し添えさせていただきます。
  128. 春田重昭

    春田委員 五十九年から六十一年の三カ年平均を見ましても、ただいま局長からお話があったように、大体百三十億円の事業費実績があるわけです。こうした実績を見たとき、今後需要がなくなるとは思えない。局長の答弁でも需要はまだまだある、しかし先行きは不安面もある。そういった中で五年間といういわゆる期間がございますが、これで廃止するのは拙速過ぎるんじゃないか、こういった見方もあるわけですよ。昨年においてもまだまだそうういった需要が、四百億の中で百六十五億もあるのです。そういう建設譲渡の中で、この五年間で、この法律改正の中で廃止するというのはまことに拙速ではないか、私はこう思わざるを得ないわけです。これは長官、どう思いますか。
  129. 稲村利幸

    稲村国務大臣 都市生活型公害というように公害変化もありますので、これに対応しますのでこういうこともやむを得ないかな、こういうふうに思います。
  130. 春田重昭

    春田委員 要するに、ビルドの方があるがゆえにスクラップも設けなきゃならない。それでこの事業が対象になったとなれば、事業量がありながら、あえて新しい事業をやるためにこれをカットしていくというのは乱暴なやり方ではないか、こう思わざるを得ないのです。  当局は御存じかもしれませんけれども事業団の職員の大半は、この事業を遂行、実施することによって事務費としての収入が事業団の方に計上されまして、これが円滑な運営につながっているのでありまして、もし新しい事業が、当初環境庁が描いているような事業ができなかった場合、こういった職員の雇用に対しても大きな不安になってくるわけですね。そういった面で五年間という推移がありますので、こういった五年間の推移の中を見ながら実情に見合う事業量は確保すべきである。こういったことで、環境庁としてもこの五年間の推移の中で廃止するんじゃなくして、十分見直し、検討があり得る、このようなことを私は腹に入れていただきたい、こう思っておるわけでございますが、どうでしょう。
  131. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生のおっしゃいますのは、まず事業団全体として職員の気持ちを踏まえておっしゃっておるわけでございますが、事業団全体として的確な事業量を確保するということに最大の力点を置いてまいるようにいたします。  それから、その具体的な方法といたしましては、新一号業務と申しておりますが、現在需要が残っておると先生おっしゃったものはこの新一号業務の方に移行というとおかしゅうございますが、端的に申し上げまして、それの対象にもなり得ると申し上げた方がいいかもしれませんが、という部分もございまして、そういう方法等十分活用しながら、不安などのないように事業を確保するように、私ども事業団も一体となって努力してまいりたいと思います。
  132. 春田重昭

    春田委員 次に、新規事業といたしまして、都市大気汚染対策としての緑地の建設譲渡がございますね。先ほども同僚議員から質問がございましたけれども、その内容について簡潔に御説明をいただきたい。
  133. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 新規の緑地整備事業概要を御説明申し上げます。  この業務は、行革審答申において新たな課題として冒頭に例示として掲げられまして、大都市圏を中心とする窒素酸化物による大気汚染対策として行われたものでございます。かつ、公健法の第一種地域に係る中公審答申で示されている健康被害防止事業として行う緑地整備事業を実施するためにも行うものでございます。すなわち、大気汚染の態様の変化等を踏まえて、都市生活型公害たる都市大気汚染対策として緑地整備事業に取り組むことが緊急の要請であるということから新業務としてつけ加えたものでございます。
  134. 春田重昭

    春田委員 建設省おいでになっておりますのでお伺いしますけれども、この事業に当たりまして、建設省の立場はいかなる位置にあるのか御所見を伺いたいと思います。
  135. 坂本新太郎

    ○坂本説明員 お答えいたします。  建設省の立場との御質問でございますが、御承知のとおり公害防止事業団の監督につきましては、役員及び職員、財務等に関しまして環境庁長官が監督されるわけでありますが、今後の業務の執行につきまして、それぞれの業務に係る事業を所管する大臣が監督するという形になっております。新しいこの三号業務につきましては、都市公園となるべき緑地整備するということでございますので、建設大臣がその業務の執行を監督するというふうに考えておる次第でございます。  なお、改正後の公健法による基金の助成等にあわせ公園事業として事業の執行を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  136. 春田重昭

    春田委員 環境庁にお伺いしますけれども、この事業費の財源につきましてはどうお考えになっておりますか。
  137. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 この緑地関係の新規につけ加えます事業の財源につきましては、まず財投資金それから都市公園の補助、それと基金の助成金をもあわせて財源とすることを考えております。
  138. 春田重昭

    春田委員 ところで今年度の事業費は幾らなんですか。
  139. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 今年度、六十二年度は事業費を見込む段階にまでは立ち至っておりません。
  140. 春田重昭

    春田委員 その理由を明らかにしてください。
  141. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生御承知のところでございますが、この種の事業は計画をし、それから自治体の要望を受け、どういう形でというようなところを事前に準備と申しますか、これが相当期間をどうしても要するものでございます。現在御審議いただいております法案をもとにして、六十二年度で直ちに実施に移るというところまでは立ち至らないものでございます。
  142. 春田重昭

    春田委員 どうもその理由がはっきりしないわけです。私は、この問題につきましては、先ほどいわゆる財源にかかわってくるんじゃないか。一つは財投からの資金であるし、二番目は建設省の補助金である。三番目がいわゆる公健法の改正に絡む予防協会からの基金、この基金の運営費の中から要するに財源が出てくる。どうもこの三番目の公健法の改正に絡んでこの事業が執行できないのではないか、そう疑っているわけでございますけれども、どうでしょうか。
  143. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 そのような理由で今年度事業を計画してないというものではないことはもう御理解いただけると思いますが、なお将来に向かってもそのようなことはございません。
  144. 春田重昭

    春田委員 先ほど同僚議員の質問の中では、たとえ公健法が改正されなくとも財投や建設省の補助金の財源の中で法律上は執行ができる、実施ができると局長は御答弁いただきましたけれども、この問題について再度ひとつ御答弁いただきたいと思うのです。
  145. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 この事業は、法律的には必ずしも助成金がなくても新規事業の実施は可能であるということを申し上げましたが、本事業の性格上助成金がぜひ必要であると考えております。
  146. 春田重昭

    春田委員 六十二年度以降の事業量は大体どれくらいと想定されているのですか。
  147. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 六十三年度の事業計画につきましては、予算の編成過程で地方公共団体の意見を聞きながらつくり上げてまいりますので、その段階で十分検討していかなければならないものでございます。どれくらいというのは今ちょっと正確に申し上げるわけにはまいらぬ状況のものでございます。
  148. 春田重昭

    春田委員 この一つをとってみても環境庁の弱い姿勢なんですよ。だから、スクラップの事業量はとんと多くて、新しい事業がそんなあいまいな答弁で何ができるかというのですよ。スクラップ・アンド・ビルドが原則であるならば、新しい業務そのものも熱意を持ってやっていかなかったらできないじゃないですか。新しい事業量の確保を一生懸命やります、頑張りますと言いながら、そんな奥歯に物が挟まったような言い方で何でこの事業ができますか。うたい文句だけは緑地の建設譲渡をやりますと言いながら、中身は全然ないじゃないですか。何か建設省に遠慮しているのですか。
  149. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 この緑地関係業務についてだけのお話にまず限って、全体ではもちろんいろいろな確保は考えるわけでございますが、この部分だけに限りましても先生そういう御指摘をなさり、御心配をいただいておるわけでございますが、私ただいま御答弁申し上げておりますのは、熱意がなくてではないことは御理解いただきたいと思います。熱意は十分持っておりますし、また建設省とも十分事前、それから問題になった時点でいずれも緊密な連絡をとりながらやってまいる所存でございます。これの数字を具体的に今申し上げるような状況にないということを申し上げておるわけでございますので、その点は先生指摘の趣旨に沿って、確保については十分な熱意と努力と、またそれを担保するような頑張りをしてまいりたいと思っております。
  150. 春田重昭

    春田委員 法律上は執行できるけれども性格上は執行できない、長官、これはどういうことなんですか。
  151. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 ちょっと私の申し上げ方で誤解をいただいたのかもしれませんが、性格上執行できないということではございません。それをあわせて実施していきたいということを申し上げたわけでございますので、性格上できないということではもちろんございません。
  152. 春田重昭

    春田委員 建設省にお伺いしますけれども、建設省はこの点についてはどうお考えになっていますか。
  153. 坂本新太郎

    ○坂本説明員 お答えいたします。  新しい三号業務でありますが、先ほど来の答弁と同じ内容になろうかと思いますが、法律的には基金からの助成がなくても行える仕組みになっておる次第でございます。しかし本事業の性格上、建設省といたしましては、一定の基準に沿った基金の助成金の交付というものを前提として事業の実施を考えてまいりたいというふうに考えております。
  154. 春田重昭

    春田委員 そうしたら、建設省にお伺いしますけれども、公健法の改正がなされない限りこの緑地建設譲渡につきましては環境庁、いわゆる事業団が執行することはできない、こう見ていいのですね。――建設省に聞いたんだよ、建設省に。環境庁に聞いたんじゃない。
  155. 坂本新太郎

    ○坂本説明員 お答えいたします。  この業務のこのような仕組みの考え方と申しますか方針につきましては、環境庁のお考えに沿いまして仕組んでおるものでございまして、詳しいといいますか、具体的なことは環境庁の方からお答えさせていただきたいと思います。
  156. 春田重昭

    春田委員 建設省が言ったじゃないですか、建設省の立場は自分のところの大臣主務大臣であると言ったじゃないですか。したがって、建設省の公園緑地、今年度においても大体八百億くらいあるでしょう。その中の一部で環境庁がこの事業を執行するわけでしょう。事業団の執行そのものは環境庁が監督するけれども、公園緑地そのものにつきましては、認めるかどうかにつきましては建設省がオーケーを出すか合意するかどうかによって決まるわけであって、もし公健法の改正がなかった場合は建設省は認めない、そういう約束事があったらこれはできないじゃないですか、それを聞いているのです。
  157. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 私の方から御答弁申し上げますが、環境庁といたしましては、この新事業の実施がまず肝要であるということは申し上げるまでもないと考えておるわけでございます。実効性を確保するための方策はさらに検討してまいらなければならぬと思いますが、建設省とも十分連絡をとりながら前向きに実行できるように検討してまいります。
  158. 春田重昭

    春田委員 要するに環境庁局長の熱意といいますか、環境庁がこれをやりたい、それはわかりますよ。しかし建設省が、公健法が改正されない限り、基金の一部が財源にならない限り建設省の補助は出しませんよと言われたらこれはできないわけですよ。だからその辺の、環境庁のやりたいというあれがあるけれども主務大臣は建設省なんですから、建設省の公園緑地の財源の中から一部をこの事業団にやらせるのですから、あくまでも権限は建設省が持っているのですよ。この点を聞いているのです。大臣どうですか。
  159. 稲村利幸

    稲村国務大臣 この緑地建設事業につきましては、建設省と連携をとりまして総合的、積極的に推進し、基金の助成はぜひとも必要でございますので、何分とも公健法の早期成立をどうしてもお願いしたい、こう思います。
  160. 春田重昭

    春田委員 何かそんな取引がされているやに聞こえてくるんですよ。私はそれはやはり環境庁の本来の姿勢ではない、こう思うのです。これ以上追及しても非常に苦しい御答弁でございますので、主張だけしておきますけれども、公健法の改正に伴う基金の助成がなくとも、この緑地建設につきましては環境庁独自で執行できるようにひとつ御努力をいただきたい、こう思っておるわけでございます。  なお先日、国立公害研究所の報告の中では、窒素酸化物などの大気汚染物質が植物に吸収され浄化されることが明らかになっています。街路樹では、常緑樹よりも落葉樹の方が浄化能力が高いことが確認されているのですね。私はこのことを踏まえながら、今回の緑地建設に当たりましては、ポプラ、ケヤキ等の落葉樹を中心としながら、大気汚染に効果的なそういった植樹を提案するわけでございますけれども、これも同じく御答弁をいただきたいと思います。
  161. 長谷川慧重

    長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。  植物におきます大気浄化能力につきましては、国立公害研究所におきまして、五十七年から植物の大気環境浄化機能に関する研究を行ったところでございまして、その結果を本年四月に今先生からお話しございましたような形で発表したところでございます。環境庁といたしましては、こうした研究成果を踏まえまして、大気汚染の問題を有する地域において植樹を積極的に進めることが大事であるというぐあいに考えておるところでございまして、どのように緑化を進めるかということにつきまして、今年度の予算におきましてそのための研究調査を進めまして、緑化植樹の指針を作成することといたしておるところでございます。  それからまた、ただいま御議論いただいておるところでございますけれども公害防止事業団の一部改正案におきましても、大気汚染浄化能力を有する緑地としての都市公園の整備を新たな業務ということでぜひやっていただきたいというぐあいに思っておるところでございます。いずれにいたしましても、環境庁といたしましては、このように植樹を有効に活用する等のことを行いまして、大気汚染防止に努めてまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
  162. 春田重昭

    春田委員 次に、同じく新規業務として、生活雑排水に対する合併浄化槽の問題についてお伺いします。  これは融資、貸し付けの制度でございますが、今年度の予算はどれくらい見ているのか、それによる貸付件数はどれくらい当て込んでいるのか、お答えいただきたいと思います。
  163. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 この事業は、先生おっしゃいましたが、生活雑排水対策、新しいテーマでございます。これに対応するということで行うものでございまして、例えば琵琶湖とか霞ケ浦とかいわゆる指定湖沼というのがございますが、その周辺地域あるいは東京湾、伊勢湾、瀬戸内海といった水質の総量規制地域、それから公害防止計画地域におきまして、合併浄化槽設置する者に対する貸し付けを行う第三セクターに対して所要の資金の貸し付けを行うものでございます。  六十二年度予算におきましては、事業団の貸付枠の総枠二百億の中に五億円を積算計上いたしております。したがいまして、金額はその中でございますので、いろいろな変動の可能性があるわけでございます。それから件数は、ちょっと今の時点でどれだけその中で件数として上がるのかというのは明確にはお答えできない性格のものでございます。
  164. 春田重昭

    春田委員 貸し付けの利率はどれくらいを考えているのですか。
  165. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 貸付条件の重要なポイントの一つでございます利率の問題でございます。実はこれはこの類似の貸し付けの制度がほかにもございますが、それらとの対比も考えながら今後調整をしていくということでございまして、今何%と決めつけておるわけではございません。
  166. 春田重昭

    春田委員 民間の金融機関は、長期プライムレートが五%台から四%台になるというような話も出ているわけでございますが、事業団の貸し付けにつきましては当然これ以下になる、そう考えてもいいですね。
  167. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生のおっしゃる趣旨のとおりでございまして、公害防止施設でございますので、財投金利よりは低くということで考えてまいりたいと思います。
  168. 春田重昭

    春田委員 厚生省の方にお伺いします。  従来この合併浄化槽につきましては、浄化槽法に基づきまして厚生省が中心となって現在まで進めているわけでございますけれども、厚生省としてこの助成にはいかなるやり方といいますか、厚生省としての助成につきましてお答えいただきたいと思います。
  169. 加藤三郎

    加藤説明員 厚生省といたしましては、生活排水につきまして、古くはし尿処理施設とか地域し尿処理施設とか、そういったものに補助金を出してまいったわけでございますけれども、五十九年度からは生活雑排水だけを対象といたしました生活排水処理施設、そして今度の六十二年度予算で、つい先ほどお認めいただきました予算で、合併浄化槽に対しまして補助する制度をつくったわけでございます。  この制度は、生活雑排水による水質汚濁防止に効果が高い合併処理浄化槽に対しまして、その設置の補助を行っております市町村に対する補助ということでございます。補助率は、他のし尿関係と同様三分の一ということにいたしております。  どういう地域に補助するかにつきましては、補助の細目を決めます要綱を今策定中でございますので確たることはちょっと申し上げられませんが、考え方だけを申し上げますと、一応下水道整備との調整を図るという観点から、下水道の事業計画の認可を受けている地域は除きますけれども、その一方で生活排水対策を進めるという観点から、例えば湖沼水質保全特別措置法の規定いたします指定地域でありますとか、あるいは水道水源の流域でありますとか、あるいは水質汚濁の著しい閉鎖性水域の流域でありますとか、あるいは都市内中小河川の流域、さらには自然公園等すぐれた自然環境を有する地域、そういった地域を対象に補助をしたいというふうに思っております。ただ、先ほど申しましたように、詳細は今検討しているところでございます。
  170. 春田重昭

    春田委員 厚生省は補助であり、環境庁融資、貸し付けです。これを見ても環境庁の方がハンディがあるように思わざるを得ないのです。  そこで、設置する対象区域でございますが、加藤局長からは、一つは指定湖沼の周辺、二番目は東京湾や瀬戸内等の総量規制地域、それから公害防止地域、三点が御説明がございました。厚生省も今御説明がございましたね、まだはっきり決まっておりませんけれどもと。環境庁が三地域を大体重点的にやっていくわけでございますが、厚生省としては、環境庁と違った地域というのはどういう点をほかに考えているのですか。
  171. 加藤三郎

    加藤説明員 厚生省の方は、先ほど申し上げましたように、まず市町村が合併浄化槽に対して助成している、そういう事実がなければ私どもの補助制度は生きてまいりません。ではそういうところが今あるかと申しますと、現在時点で申し上げますと十地域ほどございます。ちょっと御参考までに申し上げますと、山形県の山形市、茨城県の地域、栃木県の足利、千葉県の千葉市、東京都の多摩川流域、あるいは神奈川県の川崎、秦野、静岡県の富士川、滋賀県下、神奈川県の寒川町、それから長崎県の大村湾流域等、ただいま現在でございますが、そういうところで現実にそういった助成をしようとしております。こういうところで厚生省の補助を得たいという申請があれば、先ほど申し上げましたような条件に合致しておれば補助いたしたいと思っております。  実は厚生省の今回のこの補助制度、全くの新規でございますが、他の地域でも非常に関心を持って、これ以外の地域でも同様の助成制度を考えているところもいろいろとございますので、地域が拡大していくかと思います。先ほど申し上げましたように、補助の要綱は現在検討中でございまして、それも見ながら、それから自治体のこういった動きをよく見ながら補助していきたいと思っております。
  172. 春田重昭

    春田委員 今の答弁、先ほどの答弁からしまして、合併浄化槽設置できる区域というのは指定湖沼も入っておりますし、さらに総量規制地域も入っておるわけですね。これは環境庁もやりますけれども環境庁は先ほど言ったように融資でございますし、返済しなければならないわけですね。厚生省の場合には補助でございますから返す必要がない。そういった面で、こういったダブる地域ですね、環境庁と厚生省が融資の対象にできる地域につきましては、当然これは両方ともできると思いますけれども、補助金でございますから厚生省の方に申請者としては申し込む。環境庁融資の方につきましては、厚生省に申請したからもう申し込まないという形になっていくのではないか。となれば、環境庁考えているほどの件数があるのか、需要があるのか、こういう問題になってくるわけであります。さてどんなお答えになりますか。
  173. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 確かに補助金と融資という場合に、金額にもよるわけでございますけれども、何となく補助金の方が有利ではないかなという印象を持たれるケースもございます。先生おっしゃるほど必ずそうなるというようなことではないと存じますが、ある程度競合する場合にはその問題も生ずるかとは存じます。しかし、これはある団体をまとめて融資をする形をとっておりますので、その辺の、集団といいますかまとまりでいく場合には個々のケースの補助金とまた違いまして、いい面、つまりまとめて一緒に世話をしてくれるといういい面もありますし、必ずしもそうではないと思いますが、なかなか難しい、努力を要する問題であることは考えなければならないと思っておりますので、頑張ってまいりたいと思っております。
  174. 春田重昭

    春田委員 これも絵にかいたもちにならないようにひとつ積極的に対応していただきたいと思っております。  さらに産業公害防止融資につきましては、合併浄化槽とともに市街地の土壌汚染防止等の融資がございます。さらに先ほど同僚議員も質問がございましたけれども、懇談会の提言の中では、有害物質の処理事業として産業廃棄物の対策も必要である、こういうような提言があったと思っておるわけでございます。ところが今回の改正案にそれが抜けているわけです。産業廃棄物につきましては厚生省が中心になって今までいろいろ対応を図っておるわけでございますが、現場の対応というのは、ほとんど民間の業者や地方自治体に任せているのが実態ではないかと思うのです。産業の発展とともに年々排出量がふえているわけでございます。その割には処分地が少ない、不法投棄が起こる、こういった悪循環になっておるわけでございますから、厚生省としてもこの問題につきましては、地方自治体や民間団体に任せるだけではなくて、今こそ国が乗り出すべきではないか、私はこう思っておりますが、どうでしょうか。
  175. 加藤三郎

    加藤説明員 先生指摘のとおり産業廃棄物、いろいろと問題を抱えてございます、私どもといたしましても、産業廃棄物が適正に処理できるよういろいろな観点で努力をいたしておるつもりでございますけれども公害防止事業団との関係で申し上げますと、例えば私ども厚生省で廃棄物担当課長会議とか、そういった席がございます。こういうところに公害防止事業団の御担当の方に来ていただきまして、公害防止事業団がやっておる融資制度とかそういったものにつきまして十分に説明する機会を設けておりまして、それによりまして公害防止事業団の中におきます産業廃棄物の融資の割合がかなり増大をいたしておるわけでございます。  ちょっと数字を申し上げますと、昭和五十年の時点では、融資全体の中に占めます産業廃棄物処理施設関係は一二%ほどでございましたけれども昭和五十五年度では二九%ほどに増大しまして、昭和六十一年度では五八%、約六割近くが産廃で占める、こういうことでございます。そういう意味で、公害防止事業団産業廃棄物処理対策にいろいろな意味で貢献をしてくださっておるというふうに思っております。  ただ、廃棄物処理のうち特に産業廃棄物につきましては、いわゆるPPPという観点から事業者処理ということが原則になってございます。廃棄物処理法三条で排出者の責任ということになってございますので、一般廃棄物のように直接補助金を出すということはなかなかできかねるわけでございますが、こういう融資制度とかそういったものを活用していただく。それから、場合によっては地方公共団体が、いわゆる公共関与と称しまして産廃も処理ができるような、公社とかそういった一種の第三セクターでございますが、そういったものをつくらせて、産廃処理も地方公共団体が一部関与してやっていく、こういう制度も活用させていきたいと思っております。
  176. 春田重昭

    春田委員 環境庁の方にお伺いしますけれども、従来、産業廃棄物につきましては融資制度を行っていたわけでございますが、さらに一歩踏み込んで、いわゆる建設譲渡も含めて、公害防止事業団が新しく業務を拡大するわけですから、そういった懇談会の提言も踏まえて事業団として積極的に活用すべきでなかろうか、今後の検討課題として扱っていただきたい、こう私は要望しておきますが、どうでしょうか。
  177. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 産業廃棄物処理施設につきましては、先生お話ございましたとおり、貸し付けで対応をされてきたところでございます。ただいま将来の問題ということで考えたらどうかというお話がございました。この産業廃棄物処理施設の整備の問題は、特に用地取得とか跡地利用等も含めまして今後の公害防止行政の重要な課題になると考えております。費用負担とか他機関との関係ども含めて、また厚生省と協議しつつ今後とも検討してまいりたいと思います。
  178. 春田重昭

    春田委員 さらに新規業務として、国立国定公園利用適正化事業に係る建設譲渡、これがございます。今年度の事業費はどれくらいなのか。さらに、建設譲渡だけではなくて、いわゆる融資制度についてはどうお考えになっておるのか。さらに、民間へ建設譲渡する場合のいわゆる金利についてはどのようにお考えになっておるのか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
  179. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 事業量予定としては、新年度十億を予定いたしております。  それから建設譲渡事業に限らないで融資というお話もございましたが、この事業の本旨が国立国定公園内の特別な地域利用の適正化を図る、公害防止のために利用の適正化を図るという趣旨から始まっておりますものでございますので、建設事業、つくる事業を適正に行うということが眼目でございますので、それを中心に仕組んでおるものでございます。
  180. 春田重昭

    春田委員 一部この問題につきましては報道されているのですけれども、検討の段階では、環境庁は当初この事業については相当期待を込めていたみたいでございます。建設譲渡について大体百二十億円くらい、融資につきまして八十億円、合計二百億円くらいのそういった大規模な事業考えていたやにも報道されているわけでございますが、今局長の答弁ではわずか十億円でございまして、十億円でどんなロッジが、どんなホテルが、どんなスキー場が、どんな公害防止施設ができるかという疑問があるのです。本当に先ほどの問題とともに新規業務で、うたい文句は非常にいいのですけれども、中身については極めて内容に乏しい事業と言わざるを得ない。いろいろな各省等との折衝段階で環境庁なりに御努力されたと思いますけれども、建設省や他の省の言い分に屈せざるを得なかったという面もあるかもしれません。どうも新規事業にしては、当初環境庁が描いていたそういった線からいったら大きく後退していると言わざるを得ないわけでありまして、先ほども質問がありました、どんな地域にどんな形で考えているのだということまで話がございまして、非常に難しいやの答弁もあったのですが、果たして本当に環境庁が描いているそういった事業になっているのかどうか、この辺も危惧があるのですが、どうでしょうか。
  181. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 この事業は何分にも新しく始めるという問題でございます。先生お話にもございましたが、私どもとしても希望といいますか、ぜひそういうふうにしていきたいという気持ちの点では相当大きな気持ちを持っておるわけでございます。現在でもそうしたいなという気持ちは持っておりますが、何分にも計画に上げ、予定に上げるということは、これはそうそう希望だけではまいりませんので、非常に慎重にかつ着実にと思っておるわけでございます。何分にもこれは準備をし、やっていくものでございますから、お認めいただいて始めさせていただくにしても、そう急にざっと事業量が一遍にふえていくというわけではございませんが、着実に積み上げていけば、何年か続けるものでございますので、頑張ってまいりたいと思っております。  それから実は可能な地域としては相当な数が、先生も御承知でございますが、国立公園、国定公園の公園事業の計画というのは相当大きなものがございます。ただ、それがすべて適地というわけにはまいらぬのはまた御承知でございますが、可能性というものはございますので、関係者と十分協力をしながら、ぜひ事業量が確保できるように努力してまいりたいと思います。
  182. 春田重昭

    春田委員 確かに公園計画はたくさん上がっておりますけれども事業費十億円で何ができるか、どれだけの地域ができるかという疑問があるのですよ。  時間がございませんので要望だけしておきますけれども、金利の問題でございます。建設省が今国会出しておりますリゾート法につきましては税法上の恩典、特典があるわけです。ところが、今回の環境庁のこの事業につきましてはそういった税法上の特典がないので、そういった面でも借りやすいような条件に今後とも努力していただきたい。  さらに、従来自然公園内の建設につきましては、環境庁は厳しく規制する立場にあった。それが今後こういった事業分野に拡大していくわけでございますから、当然環境破壊自然破壊という問題は、環境庁がやるのですからないと思いますけれども、そういった批判がないように、また、これに着手することによって環境行政が後退しないように強く要望しておきたいと思っているわけでございます。  最後になりますけれども、長官に御所見をお伺いしたいと思うのです。  今回の改正案を見ると、限られた時間内の質問でございますが、国民の要求に十分にこたえるような案にはなっていない。一歩前進か半歩前進、そういった面はありますけれども、十分になっていない。例えばスクラップ・アンド・ビルドの原則からいっても、スクラップの量が非常に大きい。ビルドの量というものはやってみなかったら、実施してみなかったらわからないという非常に先行き不透明な面がある。各省等々の合意といいますか、そういった問題もございますから、環境庁が描いているそういった事業ができるかどうかという点に非常に私は疑義を抱くわけです。  二番目といたしましては、当初予定されておりました、今言った産業廃棄物対策、また、先端産業によります化学物質等の対策等が新規事業として盛られていない、こういった問題等もございます。さらに、こういった事業量の縮小そのものが事業団に働く職員の雇用不安、労働条件の悪化につながるという点も懸念される一因となってくるわけでございます。そういったことで、今後こうした問題につきまして環境庁としては本当に熱意を持って努力していかなかったならば、質問の前に申し上げましたように、結果的にマイナスになっていくのではないかということを私は心配するわけでございまので、その点長官の御所見をお伺いしたい、こう思っているわけです。
  183. 稲村利幸

    稲村国務大臣 春田先生の本当に熱意あふれる御意見を拝聴させていただきまして、環境庁といたしましても、今後とも環境行政の一翼を担うこの事業団が、今回の業務見直しによって新規事業推進することにより、国民の健康の保護生活環境改善に一層資することとなるよう努力してまいる所存でございます。
  184. 春田重昭

    春田委員 あと一分ございますので、長官、これは通告しておりませんでしたけれども、知床の伐採の問題、これは長官も現地へ行かれまして、自然保護団体の皆さん方の御意見等も相当聞かれたわけでございます。結果的に地方選のさなかに強行伐採したということで大きな問題になったわけでございますけれども、地元の首長選が行われまして、反対派の町長さん、午来さんでございますか、あの方が当選したわけでございますが、あの町長さんとお会いなさったのか、また、お会いになっていなかったならば、今後ともこの問題につきましてお会いなさる気持ちがあるのかどうか、お伺いしたいと思うのです。
  185. 稲村利幸

    稲村国務大臣 私も昨年秋、知床へ足を運びまして、知床のかけがえのない原生林のとうとさを教えられました。今度の新町長とはそのときにお目にかかったままでございますが、間接的には新聞等を通じていろいろ意見も聞かせていただきました。今後とも機会があればまたお目にかかり、意見等を拝聴いたしたいと思っております。
  186. 春田重昭

    春田委員 終わります。
  187. 林大幹

    林委員長 滝沢幸助君。
  188. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 委員長、御苦労さま、長官以下政府委員の皆さん、御苦労さまです。  ところで長官、国会というのはおかしなところでございまして、一つの議案が出てまいりますね。ところが出てくる前から各政党が賛成、反対ほとんど決まっている。そして審議を繰り返しているうちに、最初賛成だった者がどうもこれはおかしいと反対に回る、あるいは最初反対のニュアンスであった者が、いろいろと審議を尽くしているうちに提案者の気持ちがわかって賛成に回るというようなことがあるならば大変実のある審議と言えると思うのですが、そういう意味で、私は、国会というのは非常に時間と金をかけるのがむだというほどのかたくなな機構と思うのです。  それはそれといたしまして、きょうはこの法案につきまして大変誠意のある御説明をいただきまして、私が賛成を申し上げることができるような御説明をちょうだいしたい、こう思うのです。  というのは、私はこの事業団がなぜ必要なんだろうということが積極的にわからぬのです。そこで、行政改革の審議会からおいで願っているわけでありますが、行革の答申を拝見してみますと、今までよりも別にまた一つの仕事を見つけなさい、そうすれば残してやるけれどもというような意味だろうと思うのですよ。そこで、今回のこの提案を行革の審議会が見られて満足していただけているのかどうか。そして、ついでに一緒にお伺いしますが、政府全体の行政改革のあり方について行革審は満足しているのかどうか。  私の見るところ、例えばあの売上税の提案ですよ。売上税を提案なさる前に、なぜ総理大臣のひざ元の総理大臣官邸から行革をきちんとして節減を大いにやりませんか。それを各省庁とも徹底的にやった後になおかつ税金が足りぬというならば、ちゃんと増税でございますということをはっきり正直におっしゃって、これは売上税でも買い上げ税でもいい、名前にこだわるわけじゃない、そういう御提案をされれば、国民も各政党も欣然としてこれに賛成できたんじゃないかな、こういうように私は思うものですから、この件につきまして以上申し上げましたこと、やや多岐にわたりますが、長官と行革審から見えていただいております菊地管理官ですか、御答弁をちょうだいしたいと思います。
  189. 菊地徳彌

    ○菊地説明員 行革審答申指摘内容についてどう思うかということだと思いますが、行革審では大きく言って二点指摘していると思います。  一つは、事業団の仕事の内容につきまして、時代変化に即応して見直しを行い、既存の業務について撤退すべきものは撤退し、それから新たな業務についてやるべきものについては追加する、こういう趣旨であると理解しております。
  190. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 それはわかっています。答弁になっておらぬ。内容を聞いているんじゃない。皆さんが出された答申内容は十分わかっているわけだ。この提案はそのあなたの趣旨を十分に踏まえているか、そして政府全体の行革の姿勢はどうか、こう言っているのですよ。何を答申したかと聞いているんじゃない。
  191. 菊地徳彌

    ○菊地説明員 重ねて御質問にお答えします。  行革審答申を受けまして、政府としては、昨年の予算編成過程でその答申に即しているかどうかを十分吟味しまして、環境庁、総務庁それから大蔵省も含めまして議論を尽くした上で行革審の答申に即したものであるという形をとって予算を編成し、今回の法提案に至っている、こういうふうに理解しております。
  192. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 長官の御意見を承る前に申し上げますけれども、あなた、同じ政府だからだめなのね。そうならば、いずれ機会を見て行革審の会長さんにお出まし願って聞くほかありませんよ。つまり、あなたの立場は政府側だからそうなんだね。政府として、全体としてどうだと何度言ってもそれもあなた言わぬでしょう。きょうは行革のお答えはまことに残念、後で会長さんにお出まし願って承りたいと思います。  あと、長官、いかがでしょうか。
  193. 稲村利幸

    稲村国務大臣 今回の業務見直しによりまして、環境行政の一翼を担うこの事業団が新規事業推進するに当たりまして、国民の健康の保護生活環境改善に一層資することになりますよう努めてまいりたい、こういう決意でございます。
  194. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 ところで、この事業団の組織、機構等についてこの前資料の提出を求めましたところ、ちょうだいいたしました。拝見しますると、一番頂点の理事長さんが環境庁の元次官さん、そして理事さんは厚生省の局長さん、そして国税庁の不服審判所の所長さん、あるいはまたというようなことになっておりまして、消防大学の教頭さんもいらっしゃいます。これは監事さんですか、こういうことでありますが、この事業団がされているようなお仕事をむしろどうして建設省がきちんとやらないのか。建設省にやらせれば自然破壊や、あるいはまたそういうおそれもあるというならば、それをきちんと環境庁が監督ないしは助言をしたらいいのではありませんか。なぜこういう団体をつくってやらなくちゃならないのか。私は、むしろ官庁みずからがやる、あるいはまた民間にさせる、これが本当だと思うのですよ。私に言わせれば一種の行革逃れ、模様がえすることによって行革逃れ。むしろ行革もなれ合いになって、事業団等を一切なくしろとは言えない、そこでちょっと模様を変えようや、国民の方の批判がひどいぞというようなことで、ああわかりました、ではこの程度変えますよというようなことに国民の側から見ると見えますよ。  そしてなぜ天下るんですか。こういうお偉い方々がなさらなくたっていい。もっと民間の頭脳と技術と知識と資本を導入したらいいじゃないですか。どうしてこの事業団が必要なのか、私は先ほど申し上げたとおり積極的に理解するわけにはいかないと思いますよ。一言何か、どなたでもいい。
  195. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生の御意見ではございますけれども、この事業団の必要性といいますのは、これは昭和四十年以来でございますが、非常に重要な役割があると存じます。確かに先生おっしゃいますように建設省という例は、これはいずれも役所でございまして、また現業部門を特殊法人なりそういう別な場所でやり、本省庁は本省庁の仕事という区分の問題はございますけれども、この点はちょっと理解しにくかったわけでございますが、もちろん民間もやっていただく、例えば公害防止の例で申し上げますと、工場事業場にはそれぞれ脱煙装置とかあるいは水の浄化装置とか、これは当然やっていただかなければならぬことでございますし、それも当然あるわけでございます。  それから、それらの事業をまた専門の民間の会社が請け負ってやっていくということもこれまた当然かと存じますが、公害防止事業は非常に多岐にわたっておりまして、その中でもこういうことを率先してやるというのは、論理は言えますけれども、実現を期待することがなかなか難しいような事業もあるわけでございまして、これをやるためにこそ公害防止事業団というものの必要性があり、たび重なる行政改革の論議の審議会が何度も持たれておりますが、その場合におきましても、もちろんぜい肉は外せと言っておられますけれども、やるべきことはぜひやるべしという意見をいただいておもところでございますので、ちょっと何か先生の御意見に逆らうような部分が多かったかと思いますけれども、御勘弁いただきまして御理解いただきたいと存じます。
  196. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 その議論を繰り返しても仕方がありませんが、例えば先ほど民間の融資融資は銀行がやればいい、そして利子が高いというならば利子を補給すればいい、何も給料の高い人様をお使いなさる必要はない、そして緑地をつくるとかなんとか、これは建設省がやればいい、皆さんの注文どおりいかないときはどんどん注文をおっしゃればいい、こう私は思うのですよ。  ところで、この事業団は赤字、黒字はどの程度とうなっておりますか。今まであったんでしょう。今度新しくつくるんじゃないでしょう。
  197. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 ちょっと準備不足で申しわけございませんでしたが、赤字黒字一概に――実は企業会計流の整理という観点から見ますとなかなか難しいお答えになるわけでございますが、この事業団は国が必要と認めて国費をもって支えておる部分もございますし、事業費支弁と申しますか、事業費の中でいわゆる赤字、黒字の観念が入る部分もございます。事業費で全体を賄うという点については、もうけるのはちょっとこういう法人でございますから無理でございまして、ただえらい赤字でというのも事業体としてはいかぬことだと思います。ただ、いわゆる公益そのものをやるような分につきましては、経費としてはもちろん計算上は赤字といいますか持ち出しになるわけでございますが、これは国からお金を出し、また利差のあるものについては利子補給をするという方法で対処しておるわけでございまして、先生への直裁的なお答えにはちょっとなっておらぬので申しわけございませんが、御理解賜りたいと存じます。
  198. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 そのとおりなんですよ。だから私が申し上げているのは、銀行が金を貸せば利子が高いんでしょう。こちらは安いんですよというけれども、その差額以上に給料食っているんだ。すべての公のやる仕事はそういうもので、私はこの事業団が、給料やその他は全部国のものだという頭がおかしいと言っているのですよ。国家的見地、国民的立場からいうと大いなる赤字なんですよ。そして少しばかり安い融資を受けて、これが大変お国のためになる、国民のためになると思ったら間違いなんですよ。  そこで、その議論をしたら時間がなくなりますが、国立公園あるいはまた湖沼、これは空気または水の汚染のことがあります。その空気の方の汚染の最たるものは車じゃないですか。警察庁からも見えていただいているわけであります。通産省は、私の方は関係ございませんなんておっしゃるものだから、関係ないならひとつ休んでちょうだい、こう申し上げたんだけれども、運輸省さんがこの車の規制を一切なさるというものだから素朴な御質問を申し上げます。  何か日本は車の排気ガスの規制が大変厳しい部類に属するんだそうだけれども、もっともっと厳しくなさったらどうなのか。そして、そうしたガスを出さない車を生産したらどうなのか。そうしたら通産省は、一切規制どおりのものをつくっておりますから規制する方におっしゃってちょうだいなんて言っていました。そうしましたら後で、何か先生から言われたメモを私はなくしましたなんて言っておりましたが、これは通算すれば随分と高いものになりますね。  そこで、警察庁さんの方にも一緒くたにお伺いしますが、警察さんのあのチェックをもっと厳しくしたらいい、これもそのとおりです。ただ私見ておりまして、警察さんの車のチェックというのは非常に下手だと思いますよ。スピード出すなど言うんですね。ところがこっちはどうしても行かなければならぬところがある。これはゆっくりゆっくりの方がいいものもあるし、命がけで何時までにどこへ着くということが迫られているものもありますよ。三時までにどうしてもあの銀行に返さなければ我が会社は倒産、お母さんどうぞ私が帰るまで生きていてちょうだいという者もいますよ。そのときに捕まるんだ。捕まるのは仕方がない。そのとき私がつくづく思うのに、四十分も五十分もかかって調べなさるんだ。調べてくれるならいいけれども、たくさんためておいてなかなか自分の番が回ってこない。三十分またここで食った、そうなれば、またさらに飛ばしていかなければならないのです。そのときに私はよく、とにかく飛ばしたことは確かなんだから罪は認める、罰金はあなたに供託しておいてもいい、免許番号となにをメモしておいて、後で三時間でも五時間でも調べてちょうだい、今は一秒を争うんだということですよ。そのときにうまいことができなければだめですよ。  時間がないですからさらに申し上げますが、事件がありまして、それがわからないものだから、どうして車がこう停滞しているんだろうな、こう思うんだ。事故がな、それともこんなに込んでいるからきょうは何曜日だっけなんて言っている。ところがそれは事件があったものだから、検問なんだよ。ところがその検問に時間を食うんです。もっと幾組も、五台も六台もの車をどんどん検問できて、どんどん行けるようにしたらいいじゃないですか。あれはだめですよ。善良な者は、どうしたんだろうな、故障かな、いやどうかなと言っている。悪いことをしたやつは、これはもう検問だと言ってUターンして間道に入っていってしまうんじゃないですか。あのやり方はまことに下手ですね。そこら辺の工夫をもう少ししてちょうだいしたい。  先ほどの規制をもっと厳しくしていただきたい。さらに、これら規制等をめぐって、例えば私は、スピードを出しますと放送して走る車にしたらいいじゃないかと言ったら、いやそうもできない。今、電気がつくでしょう。それはいい。運転をしているとチンチンとチャイムが鳴る。しかし運転手に、あなた飛ばしていますよと言ったって、飛ばす人は――私は、鳴らないとき、何か鳴らないぞ、きょうは、なんて言うのだけれども、あれは外に鳴るようにした方がいい。そうすると違反、違反と言っているようなものだ。そういうものですよ。両省一緒くたに、どうぞおっしゃってください。
  199. 田辺八州雄

    ○田辺説明員 警察庁でございますが、公害問題につきましては、原因となります発生源対策と、それから現実に道路上で起こっておりますそういう障害に対する現場での措置というのがございまして、私どもは専ら現場で起こったことに対して交通規制権を使っていろいろな対策をやっているところでございます。現場を通じていろいろ感じておることにつきましては、発生源対策をやっておられる省庁に御連絡を申し上げているところでございます。  また、ただいま取り締まり現場における取り締まりのやり方につきまして幾つかの御指摘をいただいたわけでございますが、スピード違反の取り締まりについてはほとんどがいわゆる切符処理ということをやっておりまして、俗に言う赤切符あるいは青切符というもので処理をしておるわけでございます。したがいまして、一件というか一人の違反者を処理する時間はそう長くはかかっていないというふうに思っておるわけでございますが、違反者が多数いらっしゃいますと、スピード違反を現認されてその処理をするまでのいわば待ち時間の方が大分長くなるということで、御指摘のような場面が出てくるのかなと考えるわけでございます。もちろん、これは取り締まりにおける所要の体制をもって行うことによって対処してまいりたいと思います。  また検問につきましては、事柄の性質、何のだめに検問をやるかによっていろいろなやり方がございます。すべての車をとめる場合もございます。そういう一斉検問をやってとめているということになりますと、後ろの方から来た車が状況を見て逃げるわけでございますが、これについては当然のことながら、事前で反転する車あるいは横道に入る車についての備えをしておきまして、白バイあるいはパトカーによって追跡するという方法で捕捉をしておるところでございます。  それから、検問そのものが非常に交通渋滞を来すじゃないかということでございますが、これは今申し上げましたように、その検問の性質によりましては乗用車だけをとめるとか、あるいはトラックだけをとめるということをやってごさいます。  それから、そういう検問あるいは取り締まりの場面でいろいろな事情をお持ちの方がいらっしゃる、これは我々も十分承知しているところでございまして、運転手の方からそういう事情の説明がございますれば、例えば急病人を搬送中であるということがわかれば後刻出頭していただく、あるいは本当に差し迫っている場合には、むしろその現場にいたパトカーで先導して病院まで連れていくというようなサービス的な行為をやっているところでございます。
  200. 松波正壽

    ○松波説明員 お答えをさせていただきます。  今先生排出ガス発生源対策日本は非常に厳しい規制をしておるというお話がございました。運輸省といたしましてはそういう発生源対策基本にして推進いたしておりますが、その規制対応するためには何が一番大事かと申し上げますと、やはり排出ガスの低減技術が一番重要かと思います。そういう技術開発促進を図りつつ規制対応させておるのが現状でございまして、これまでもいろいろな技術開発促進に当たってまいりましたけれども、今後もそういう技術開発促進を図りつつ規制の強化あるいは大気汚染改善の方向に進めるために、関係省庁とも連絡をとりながら万全を期してまいりたいと考えております。
  201. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 運輸省さん、御苦労さま。済みませんでした。  そこで、警察さんもお帰りいただいて結構なんですが、ただ一言、あなた捕まったことないのですね。警察は自分の味方は捕まえないのかもしれませんが、あれは最高裁のお偉い方だったか警察庁のお偉い方だったかが何か随筆を書かれて、北海道へ行ってきたけれども、スピードを守るのは無理だということが今度はよくわかったと書いていた方があったね、どなたか知りませんが。そういうものですよ。とてもとても守れない規制をあなたの方ではするのね。あれは、書いてある六十とか四十なんというのを国民のみんなが本当にまともに守ったら大変な渋滞になってしまうのじゃないですか。みんなが適当にやっているから何とかなっている。それをお偉い人が、名前を忘れたのはまことに無責任だけれども、随筆を書いて実感を持っておっしゃっているわけだから、あのスピードの規制の数字というのは徹底的に再検討しませんか、しますか、それが一つ。  もう一つ、これは警察がしているのといろいろあるのだそうでなかなか難しいことですが、案内板、あれは警察もつくっていると思うのです。こちらは青森に、こちらはどこどこという、あれは非常に下手です。案内板というのは至るところまことに下手ですね。ところが、昔の分かれ道に、右何々を経て何々に至る、左何々を経てどこどこに至るという石碑、あれは名文ですね。案内板というのはわかる人が書くからだめなんですよ。わからない人が書けばよくできる。青森と書いてあるでしょう。ははあ、これは福島を通らずに青森へ直通がなと思うとやはり福島を通るのだ。ならばどうして郡山も福島も小さく小さく書くのか。わからない人は丁寧に見ますからね。そしてこんな大きなパネルがあります。それならば略図だって書けるのです。看板料なんか大したものじゃありませんから、あれは丁寧に書いてくれた方がいい。そしてせっかく書きながら何キロと書かないのもある。あれはどこがどういうふうにやっているのか知りませんけれども、本当に下手ですね。不親切と言った方がいいかもしれません。つまりわかる人が書いているからだと私は思うけれども、これを全国的に再点検して、通行者に対して親切な案内板に直してくれませんか、この二つです。
  202. 田辺八州雄

    ○田辺説明員 お答えいたします。  案内板につきましては、警察が行っておりますのは規制板でございまして、案内板はすべて道路管理者、国道であれば建設省、都道府県道であればそれぞれの管理者、こういうことになっております。例えば信号機の下にある、ここはどこどこであるというような地番表示などは警察の方でやっておりますけれども、あくまで案内板は建設省でございます。  それからスピード規制につきましては、警察庁といたしましても、ここ二年ほど全国に対して見直しをさせております。この見直しで、大体十キロないし二十キロぐらいの速度のアップをやっておりますが、ただ若干難しいのは道路の状況、交通の状況が、例えば昼、夜で極端に違うというような問題がございます。こういう問題に対処するためには、現在のような規制標識のやり方ではなくして、将来的には例えば可変標識というようなものを使って、昼間ですと六十キロ、夜になると今度は七十キロといったような、現場における標識の表示そのものを変えられるような規制のやり方も今後研究してまいりたい、こういうふうに思っております。
  203. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 どうもありがとう。そこで、よそがつくる看板につきましてこういう意見を聞いてきましたということをあなたの方からもひとつおっしゃってちょうだい。  そして、せっかく見えていただいていますから建設省に聞きますが、この公団がなさる仕事は、従来建設省がしてこられたようなことも多いと思う。建設省が環境庁の指示を得て仕事をしていくというようなことができませんか。道路事業を見てもその他工事を見ても、まるで環境庁とけんかしているのじゃないかと思うほどに水も大気も汚す、あるいはまた騒音も出す、そういう仕事のしぶりの現場がたくさんありますよ。いかがでしょうか。
  204. 坂本新太郎

    ○坂本説明員 お答えいたします。  ただいま御質問で、道路あるいは水質の問題等がございましたわけでありますが、私たまたま公園緑地課をお預りしている立場でございます。そちらの事情はお答えを控えさしていただきたいと思う次第でございます。  なお、公園緑地事業について申し上げますと、例えばただいま法案に盛られております大気汚染対策緑地のようなものでありますが、建設省といたしましては、かわてから都市公園等整備五カ年計画というものに基づきまして計画的に進めてまいっております。その中に緩衝緑地事業等も入っておるわけでありますが、これらにつきましては、従前から環境庁とも御相談しながら進めておる部分もあるわけでございます。
  205. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 建設省さん、御苦労さま。  まあしかし、お役人ていいもんだ。これは私の係でないということが通るからね。議員というのは全然それは通りませんよ。就職から学校から交通事故からすべて、議員というのはそれはおれの専門じゃないということでは通らぬ、お役人さん、そういうことですからせめて専門の方だけはひとつきちんとやっていただきたいと思います。  ところで、厚生省さんに御苦労をおかけしておりますが、先ほど岩垂先生が、時間がなくて産業廃棄物のことを余り深く質問せずに廃棄なさったものですから、その廃棄なさった質問を私がお引き受けをいたす、こういうことになりました。  そこで、抽象論を言ってもこれはわかりませんから、ずばり具体的に申し上げさせていただきますが白河市、例の奥の細道か何か知りませんが、東北の表玄関なんて言っておりますよ。そこの在に西郷村というのがありまして、ここに、今相当面倒になって降参しているようでありますけれども、高島興産という会社が、六人ですかの土地を賃借なさって産業廃棄物の施設をつくられまして届け出をされました。ところが、その三百メートル下流に簡易水道の水源地があるのですね。そして住民の生活用水の水源もそこにあるわけです。そういうことで大変に住民から反対が出まして、このことは今裁判で争われております。県ではこの間の事情を見て、業者に対して、しばらく問題がきちんとするまで休んだらどうだと、工事の中止を行政指導されたということであります。  しかし、当白河市と西郷村は、行政当局は非常に困っているわけです。ということは、産業廃棄物は宿命的に大変哀れなものでありまして、工場がどんどんできて、いや公害だ、公害だと言って攻撃をしているところは、就職はできるわ、経済的な潤いがあるわけですね。ところが、工場さん、どうぞ来てちょうだいとお願いしなくてはならない過疎地におきましては、つまり前者は東京周辺であり阪神地方であり、後者は東北、裏日本ですよね。この方は、幾ら音を立ててもいい、煙を出してもいい、とにかく工場来てちょうだいと言ってもなかなか工場は来ない。そうなると、行政の立場は工場誘致を一方で言わなくてはならないのに、そうした産業廃棄物の施設について住民が反対するという非常に辛い立場に立っているわけです。  これらにつきまして私がつくづく思いますのは、届け出制でしょう、そうじゃありませんか。届け出のときに関係住民の同意書をつけなくてはならぬということはないですよね。なぜこれを許可制にできないのか、これが一つです。そして、本当の話は、これは国みずからがやるべきだ。事業団などというのをやるなら事業団がやったらどうですか。事業団が産業廃棄物の処理を自分でやりなさいよ、そういうふうに私は申し上げたい。いかがですか、長官から一言所感と、関係者から説明をちょうだいしたいと思います。
  206. 加藤三郎

    加藤説明員 ただいま先生からお尋ねのありました件、私も県を通じて存じ上げております。確かに、先生おっしゃるように地域でいろいろな問題があるのは非常によくわかります、  先生もう既におっしゃられましたのであるいは繰り返しになるかもしれませんが、本件につきましては、確かに昭和五十八年、長野県の業者より設置届けが出されております。その設置届けによりますれば、西郷村の一角に燃え殻、汚泥、鉱滓、ごみくず、廃プラスチック類、ガラス類等々のいわゆる産業廃棄物を処理する最終処分場をつくるということでございまして、もとよりこの処分場としては管理型というのを一応予定いたしておったわけでございます。そして設置届け出が提出されまして一部工事が着工されたわけでございますけれども、今先生おっしゃったように住民がいろいろと心配をする、それから届け出違反の疑いもありましたことから、県が中に入りまして、昭和六十年の九月に当局が勧告をいたしまして、建設工事が中止をいたしておったわけでございます。現在は、廃棄物処分場そのものは工事が中止されているわけでございますけれども、期間が経過したこともありまして、堰堤が崩れないように堰堤の防災工事といったことだけをやっておるわけでございます。  もとより厚生省といたしましては、県を通じまして、こういった施設が住民の生活環境を損なうことがないように十分に指導していきたいと思っておるわけでございますけれども先生のお尋ねの許可の点につきまして申し上げますと、廃棄物処理法によりまして、産業廃棄物の処理をする者につきましては許可を必要とするということになってございまして、現時点では、県はあれにつきましてまだ許可は出していないわけでございます。届け出につきましては一部受理をいたしておりますけれども、許可は出していないということでございます。  それから、国がこういった問題をやるべきではないかというお尋ねでございます。先ほども春田先生の御質問でしたか、お答え申し上げましたように、産業廃棄物につきましては排出者が処理をするという原則になってございます。一般都市ごみ、私どもの日常生活から出るごみは市町村が中心になって処理をいたすわけでございますけれども産業廃棄物は、排出者がみずから責任を持ってやるというのが法の精神になってございます。ただし、それに任せておいたらいろいろと心配だということでございまして、融資の制度とか、あるいは場合によっては一部地方公共団体にかませて処理をする、そういうことをやっておるわけでございまして、今後ともこういった面での指導を強化してまいりたいと思っております。     〔委員長退席、小杉委員長代理着席〕
  207. 稲村利幸

    稲村国務大臣 有害化学物質など廃棄物処理の問題は、今後の環境行政の重要な課題である、先生の御指摘のとおりでございますので、特に厚生省との協議をした上で頑張っていきたい、十分検討していきたい、こう考えております。
  208. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 今ほどの御説明、それぞれそのとおりでありまして、そのとおりなればこそお互いに苦労しているのですが、生活廃棄物、家庭で出すごみは市町村がやる、これはいいですよ。仮に業者がやっても自分の生活のために出したものだもの、理解が得られますよ。しかし産業廃棄物は、どなたかがもうけなさってその廃棄物を出しなさったんだ。しかも赤の他人のよそ者が金もうけのために田舎に持ってきて焼くんでしょう。同意が得られるはずがないじゃないですか。あなた、大臣もですが、原因者がこれをするんだ、そのとおりですよ。それはしかし、生活の廃棄物に対してだって原則的、道徳的にはそのとおりでしょう。なかなかできない。だから市町村がやるんでしょう。産業廃棄物だって、それぞれやれと言ったってできないから専門業者がやるんだとおっしゃる。だけど国は仕方ないじゃないですか、産業廃棄物を出した会社からみっちり税金を取っているのだもの、その税金でやりなさいよ。  産業廃棄物を出した会社はそれは大きな会社かもしれぬ、しかし、廃棄物を処理して金をもうけようなんというのはちっちゃい会社なんだ。これが迷惑をかけたときにどこがやるんですか。こういうのを届け出制で、届け出制というのは大したことがなかった時代の発想でしょう。今は本当に有害なものがたくさん出てくるわけです。大規模なんです。これは民間にやらせるならば許認可制、そしてこれに対する監視体制というのはきちんとする。そして、住民の監視もなし得るような、住民の参加を求めた規制委員会というものを地元が持てるようなものにしたらいいじゃないですか。  あるいはまた、これは繰り返しますけれども緑地をつくるということだって、みんな公害を出すから緑地をつくって、そしてこれを子とするんでしよう。産業廃棄物だって、どうして公団がきちんとみずから仕事をやらないのですか。私がさっきこういうことは民間にさせなさいと言うと、いや、公団がやらなくてはならないのです、産業廃棄物に対して、これは公団がやりなさいと言うと、いや、それは民間がやるのがよろしいのです、それは何でも今の制度を肯定する思想。だが、現役の執行部としてはそう答えざるを得ないでしょう。だけど私は、緑地をつくってそれを市町村に譲渡するとかいうんだから、それならば産業廃棄物の処理は国がやりなさい、あるいはまた、それこそ第三セクターでやりなさい、こういうふうに申し上げているわけですよ。これをせめて許認可制にして、これに対する役所の監視と住民からの監視、参加の体制をつくることにひとつ熱意を持って検討いただけますか。
  209. 加藤三郎

    加藤説明員 先生がおっしゃいましたように、例えば当該案件にしますと、西郷村の住民にとっては、自分のところにそう関係ない産業廃棄物がその近くで処理をされるというのは余り気持ちのいいものではないかもしれません。私もよくわかるわけでございますけれども、それだけにそういうものが許可された場合――実は先生、この施設につきましては、施設の届け出は受理されていますけれども、業の許可はまだ出てないのでございます。廃棄物処理法上、まず施設について届け出をさせまして、実際にその施設を運営するかどうかについては県知事の許可という行為が必要でございますけれども、これについては許可はまだ出てないわけでございます。一般論として申し上げますと、地域住民との間に例えば公害防止協定を結ぶ、それからもちろん、廃棄物処理法の有害廃棄物処理上環境に問題が生じないようにきちっと監督をしていく、こういうことで、一方で規制をかけ、また一方で住民との間に例えば公害防止協定を結ぶということによりまして、産業廃棄物でありましてもあるいは一般の廃棄物にしましても、処分場なり、あるいは中間処理施設から環境汚染が生じないように努力をしているわけでございます。私どもといたしましては、今後ともそういう指導強化をしていきたいと思います。特に当該案件につきましては、福島県も昭和五十八年ぐらいからこの問題について大変努力をしてくださっておりますので、県を通じまして引き続きよく見てまいりたいというふうに思っております。     〔小杉委員長代理退席、委員長着席〕
  210. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 まあ時間が来ましたからあれですが、よく課長の答弁でいかがでしようか、局長にしますかなんて言うが、我々が議会で選んだのは内閣総理大臣だけだから、あとは行政の都合で各大臣、各省庁、各課長、係長さんまでつくったんだから、だれが答えても中曽根総理大臣の代理だという気持ちで答えるならばよろしいと言うんだけれども、今のようなお答えになるものだから、局長でなくちゃだめだ、大臣でなくちゃだめだ、こういうことになってくるのじゃないですか。私が申し上げているのは、今の制度の御説明をいただいているわけじゃないんです。今の制度はよくわかっていて、届け出制ではだめでしょう、だから許可制にしませんかと言っているんです。それはイエスかノーでいいんですよ。  私が申し上げたいことは、パチンコだって、たばこ屋さんだって、百貨店だって、ホテルだって、みんな許可制じゃないですか。届け出制でホテルがすぐ経営できたり酒を売ったりできないでしょう。それなのに、生命にも健康にも重大な関係のある産業廃棄物を大量に毎日処理する機関が届け出でいいなんてことは、これはそもそも間違っているんです。これを許認可制に改めることが検討されるかどうか、こう言っているわけですよ。いかがですか。
  211. 加藤三郎

    加藤説明員 言葉足らずで大変申しわけございません。先ほどもちょっと申し上げたつもりでございましたけれども、施設は届け出制でございます。ただし、自動的に届けるだけじゃなくて、施設の内容によりましては指導ができるようになってございます。それから、業自体は県知事の許可制でございます。
  212. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 今の制度はわかっているんですよ。だけれどもあなた、民間が届け出るでしょう。それは莫大なる金を使ってするんですから、その後で絶対許可ならぬというようなことはできないでしょう。最初からそのことを考えたときに、きちんとした設計も持ち、そして関係者、住民の同意書もつくり、そうして許認可の手続をしたら、これに対して許可するかしないか。そのときには関係市町村あるいはまた県等の意見を徴して許認可を出す、その許可をもらって初めて施設等の作業に取りかかるということにしたらいかがですか。家一つ建てるったって届け出ではだめですよ。ちゃんと許可証を持たなければ家は建てられないんでしょう。そういう消極的なことを言っているんじゃないんです。今の制度の説明を聞いているんじゃないんです。これ以上の御返事があなたできないならば、いずれ大臣を招いて承る以外にはない、こういうことです。
  213. 加藤三郎

    加藤説明員 どうも十分でなくて大変申しわけございません。届け出を受けた者につきまして、特に環境保全上支障があると認める場合には中身を変えさせるということができるわけでございます。それと、あと福島県について見ますと、要綱によりまして事前届け出制ということをやっておりまして、事前にある程度審査をする、そういうことでございます。現に、これは届け出されて受理されているわけでございますが、福島県の勧告によりまして工事が中断されておるわけでございます。
  214. 滝沢幸助

    ○滝沢委員 仕方ありません、時間がありませんから。福島県のことはあなたよりも私がよくわかっておる。そういうことを聞いているんじゃない。議会の議員の質問をもっとまじめに聞いて、まじめにそのものずばりと答えていただかなければ、何のために議会をやってい谷のかわからぬと思いますよ。時間が過ぎましたから、これで終わります。後でまたたださしていただきます。  委員長御苦労さま、長官以下皆さん御苦労さまでした。ありがとうございました。
  215. 林大幹

  216. 岩佐恵美

    岩佐委員 大気汚染防止のための緑地造成についてまずお伺いいたします。  この事業は、既にこれまで質疑で明らかにされたように、公健法の地域指定解除の見返りとしての基金の一部を財源とするものであります。このこと自体大変大きな問題があります。公健法の改悪には、患者団体を初め関係自治体の九割が反対をしています。これは絶対に許されないことだというふうに私たちは思っております。公健法の改正案は、これは本会議でも主張しましたけれども、廃案とされるべきものであります。これを前提としているこういう緑地造成、これについては私たちは納得できない、こういうことを述べた上で幾つか質問を申し上げたいと思います。  まず、この事業現行の共同福利施設、つまりいわゆるグリーンベルト、これとどう違うのか、お伺いしたいと思います。
  217. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 現在やっております現行業務、俗にグリーンベルトと言っておりますが、これは工場とその他の住宅地域との区画といいますか、その間の緩衝作用というところを眼目にしてつくってきておるものでございまして、したがいまして、その場所は工場周辺ということなるわけでございます。都会地の場合はもちろんあり得るわけでございますけれども、必ずしもそうでない場合もある。それから、今回の先生質問緑地は、特に大都市地域における公園緑地でございまして、大気汚染防止対策として設けていこう、そういう目的を持って設けていこうというものでございます。
  218. 岩佐恵美

    岩佐委員 目的について、大気汚染防止のためという点が違うと言えば違う。しかし、緑地は多かれ少なかれどんなものでも大気をきれいにするために役に立つという点で今までのグリーンベルトも大気汚染防止のためということに該当しないというわけではないと思いますし、また、地域の問題についても、新事業は準ずる地域ということで、かなり広く解釈できるというふうになっているわけですから、これも重なってくるんじゃないかというふうに思います。  また、今までグリーンベルトも都市公園ということで使われているということもあるわけですから、結局その大きな違いは一体どこにあるんだろうかと考えていくと、財源の問題なのではないかというふうに思うわけですけれども、この財源の問題について、グリーンベルトそれから今度の新事業、それぞれ御説明を簡略にいただきたいと思います。
  219. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 財源の関係からのお尋ねでございますが、現在野にやってきております業務は、先ほどもちょっと申し上げましたとおり工場周辺設施でございますところから御理解いただけるかと思いますが、特徴の方を先に申し上げますと、そこで事業活動を行う特定の者、いわゆる工場の費用の負担というのが入るわけでございます。  今回の新三号業務緑地では、これも特徴の点だけを申し上げますと、確かに先ほど来申し上げておりますように、補助金の問題等は建設関係の助成の場合もございますのでそれは同じように考えますと、特徴的な違いというのは、基金からの助成によってそこへ植える植樹等についてその特徴をきちんと出していくというところが違ってきておるわけでございます。
  220. 岩佐恵美

    岩佐委員 要するに今までのグリーンベルトは、公害防止事業事業者負担法第七条によって、四分の一から二分の一を該当地域企業が負担をするということになっているわけですね。残りを国と自治体で半分ずつ持つということで、六十一年度グリーンベルトの実績は約百二十億円であります。このうち企業の負担は一体どのくらいになっているのでしようか。
  221. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  約三分の一でございます。
  222. 岩佐恵美

    岩佐委員 としますと、四十億円くらいということになりますかね。  それで、新事業の方は企業負担はないわけで、そのかわり公健法の基金の方からお金が入ってくる。このお金ですけれども、さっきからいろいろ議論になっているのですが、話によれば五億円ぐらい、そういう話もあるわけですけれども、そういうことなんでしょうか。
  223. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 その具体的な金額につきましては今後決まっていく問題でございまして、幾らと今ここで決めて申し上げられる段階ではないわけでございます。
  224. 岩佐恵美

    岩佐委員 その点についてはいろいろ議論があるところで、推測しかないわけですけれども、いずれにしろ今までグリーンベルト、これでやっている事業の場合には事業者が負担をしなければいけない、そういうことになっているわけですけれども、今度の新事業ではこの事業者の負担というのは全く消えてしまって、その分公害患者切り捨ての公健法の方からお金が入るのと、それから事業のやり方からかなり地方自治体の負担がふえてくる、そういう点で私たちは大変問題がある事業だというふうに思っているわけです。  特に、今度の緑地事業というのは結局事業団、環境庁の仕事の従来の筋が曲げられていってしまう。本来の企業負担による公害防止、そういう考えが薄れる上に、先ほどから議論があるように環境庁の仕事の幅も狭められるといいますか、これはそっくり建設省の方に行くわけですから、そういう点では大分話が違う、そういうものなんじゃないかと思うわけですけれども、この辺いかがでしょうか。
  225. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 今までのいわゆるグリーンベルトと申し上げておきますが、これはそれとして今後ともあるわけでございまして、それから今回のものはそれと別なといいますか、新たな施策として推進していくものでございます。  ちょっと先生の御質問の趣旨を十分理解していないのかもしれませんが、別に新たにつけ加えて実行していくものでございますので、御理解賜りたいと思います。
  226. 岩佐恵美

    岩佐委員 私は一つ段階を飛ばしたかもしれません。つまり、従来グリーンベルトの事業でいくと、六十一年度四十億円ぐらい企業が負担をしているわけでございます。今度その新事業が出てきますと、企業は、従来のグリーンベルトのようなお金を出す仕事、こういうのはいやだよということになると、グリーンベルトの仕事の量がぐっと減ってきて、そして新事業の方に移行する、ところが新事業の方はまだ財源もはっきりしていない。しどうも金額もはっきりしていないということになると、そういう事業が縮小していくのではないかということで申し上げたわけです。
  227. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 理解が遅くて申しわけございませんでした。  その点でございますとこういうことでございます。従来のものは、それでこちらへ移り変わってしまうという性格のものではございません。その事業そのものが年によってどれくらいあるかという問題は別でございますけれども、従来の形のものは工場事業場の周りにつくるものでございますので、それは当然工場事業場からの負担金、若干の幅はございますが約三分の一の負担金がつき、またその枠組みというのですか、その道筋、この改正案をお認めいただいた後もそっくりそのまま残るわけでございます。それは厳然としてそのままでございまして、そこからやめてこっちへ乗りかわるというようなわけにいくものではございませんので、その点の御心配はないと存じます。
  228. 岩佐恵美

    岩佐委員 心配がないといっても、財源的にはそういう違いがれっきとしているわけでありますので、その点そういうことがないように、グリーンベルトの事業が縮小するというようなことがないように、そしてその事業はもっともっと拡大をされていくべきだというふうに私たちは思っておりますので、その点を申し上げておきたいというふうに思います。  次に、自然公園利用適正化事業についてお伺いしたいと思います。  この事業は、自然公園法施行令第四条の公園事業となる施設に掲げられた施設を対象にするということになっておりますけれども、これを見ると、道路や運送施設あるいは宿舎、スキー場、動物園などかなり幅広く書かれているわけです。主にどんな施設を想定されておられるのか、御説明いただきたいと思います。
  229. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生おっしゃいますとおりでございまして、公園事業は数多くございます。まさに例示に挙げられました道路とかいうものもございますが、ここで私ども考えておりますのは、取りつけ道路と通称しておりますがその程度のもの、あるいは遊歩道と言っておりますが、特別に景勝のいいところあるいは池の周りなどを歩く、これもそこで言う道路になるわけですが、歩道というようなもの、その程度のものはやりますが、いわゆる道路は直接には、ごく取りつけの部分は別といたしまして、対象として余り考えておりません。例えて申し上げますと、その例示の中に入っておると存じますが、宿舎事業とか、雪の降るところであればスキー場という事業とか、それからほかに運動施設等もございます。それと一点どうしても重要な点は、浄化槽その他必要な施設を必ずあわせてつくるということでございます。数多くの中の幾つかをやるということでございまして、そこに並べてあるのを全部ということではもちろんございませんので、御理解をいただきたいと存じます。
  230. 岩佐恵美

    岩佐委員 自然公園の一部に集中しないように先ほどからの御説明がされています。他の地域利用者を誘導するということですが、そんなにうまくいくのでしょうか。これまでのところは相変わらず込んだままで、込み合う場所が広がるだけではないのかという危惧もされるわけでございます。何か今自然公園について過度集中している地域はここであって、こっちに分散しましょうというような具体的なプランをお持ちでこういう問題に取り組んでおられるのでしようか。
  231. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 過度集中、それによる公害発生の点は先ほど来お答え申し上げておりますので詳しくは申しませんが、分散関係とそれがうまくいくのかなという御危惧、これはちょっと御説明をさせていただきます。  まず分散という考え方の対象としてあり得る地域というのは、先ほどお答え申し上げましたが、全国で数千カ所の公園計画というものの中のそういうポイントがございます。これが全部それの適地ということは一概には申し上げかねますが、相当なポイントがございます。かつ、いささか有名になったところへどうしても固まる傾向が先ほど申し上げたような問題を生んでおるわけでございますので、これを分散させる。さてそれがうまくいくかなということは、随分前から問題意識を持っておったことではございますが、なかなかそれが実現しなかったのは、一つは交通体系、これは列車による交通体系と自動車による交通体系の問題はございますが、日本全国にわたって相当整備されてきております。その結果、先ほど数千カ所と申し上げましたが、もともと計画があるわけでございます。その中で利用に適し、それから先生のお言葉をどうもそのままお借りして簡単にお答えしますと、うまくいく場合というのは相当期待ができる。しかし、これは現実に当該自治体の方々、あるいはその関係の方々と意見調整をしながら実現に持っていかなければなりませんので、幾らでもというような甘いことは申し上げませんけれども、努力によって必ずできるというふうに強く期待をし、考えておるものでございます。
  232. 岩佐恵美

    岩佐委員 これまで環境庁国立国定公園等については主に開発規制する、そういう側に立ってきていると思うのです。ところが、今回こういう事業を明示することによって開発推進する、そういう側に立つのではないか。昨年環境庁が、リフレッシュ・イン・ナショナルパーク・プランという名前で、年間二百億円規模の開発を行う計画を発表しました。そのとき自然保護団体などから大変強い批判が出されているわけでありますけれども、今回の提案はそういう提案に匹敵をするものなのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  233. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 まず二つお答え申し上げなければならぬかと思いますが、昨年これは一つのプランとして、リフレッシュ・イン・ナショナルパークというちょっと横文字のしゃれた名前になっておるわけでございますけれども、これもその計画そのものがぐあい悪いと言って御批判があったのではなくて、やり方を注意しないとそういう批判に値するものになるのではないかということであったかと思います。と言いますのは、考え方としては国立国定公園の公園事業計画が既に決められておる、あるいはこれから決める可能性のあるものもあると思いますが、そういうところで本当に国民の皆様に、特にこれから余暇時間の問題との関係があるわけでございますけれども、ゆっくりかつ自然に親しんでいただけるものにつながっていく場所をなるべく広げていくということはどうしても必要があるし、それをしないとますます混雑ということになりかわないわけでございます。そう考えておるものでございまして、自然保護団体が御心配された向きは、それが野方図に行われてはならないということであったかと記憶いたしております。  それで先生指摘の第二点、これはもちろん環境庁、自然保護局も一緒でやるわけでございますので、この公防事業団が幸いにしてこれから手がけていけることになった場所につきましては、もちろんそういう公園計画に基づき公園事業として適正なものをつくり、また利用に供していく、それが自然破壊というようなものにつながるようなおそれはないようにつくっていくということでございまして、国立公園、国定公園保護利用を両面考えながら実現を図っていくべきものと考えております。
  234. 岩佐恵美

    岩佐委員 先ほど宿舎、スキー場というようなお話があったわけでありますけれども、宿舎ができますと、結局利用者は車でそこまで行きたい。私はよく八ヶ岳に登りますけれども、八ヶ岳でもひなびた小屋が、だんだん利用客が多くなれば道路がいつの間にか広げられていく、そういう事態があちこちで起こってきているわけです。先ほどちょっと道路についても、遊歩道程度とか取りつけ道路とかといろいろ言われましたけれども、現実にはそうはならない状況が生まれるのではないか。それからスキー場についても、私もゲレンデスキーが好きでありますが、夏にスキー場の跡を見ると、リフトがつくられた跡あるいはスキー場そのものが、ゲレンデがひどい状況になっている。そういう点を見ると、これらの計画が本当に自然を守る立場でやるんだというふうに言われるが、私にはそうなるんだろうかということで疑問ばかりがわき上がって到底納得しがたいわけでありますけれども大臣に、ひとっこの辺についてぜひ決意を述べていただきたいというふうに思うわけであります。
  235. 稲村利幸

    稲村国務大臣 局長の答弁のとおり、適正なやり方でやっていく、こういうふうに思っております。
  236. 岩佐恵美

    岩佐委員 次に、業務全体についてですけれども、率直に言って新しい環境問題への対応、昨年五月の事業懇談会の中間報告、これから見ると、余りにも今回の事業は貧弱な内容だ。先ほど先輩の皆さんが指摘をされたところでもございます。ことし一月の中公審の意見具申「社会経済条件及び公害の態様の変化対応した公害防止計画のあり方について」、これでは今後の公害防止計画が重点的に取り組む施策として五点挙げています。繰り返しません。先ほど出されています。そして公害防止事業団については、これらの「公害防止計画に基づく事業の実施に当たって一層の活用が期待される。」こういうふうに述べられているわけでありますけれども環境庁はこの意見具申をこの法案に具体的にどういう形で生かされたのか、お伺いしたいと思います。
  237. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 先生指摘の問題点は五点あるわけでございますが、そのことにつきまして、若干具体的な御説明も添えながら申し上げます。  まず項目でございますが、第一番目に都市地域大気汚染対策ということを述べておられます。これはもうるる先ほど来御答弁の中へ入れております大気汚染浄化機能を有する緑地建設譲渡事業として取り上げておるところで対応をしていっておるところでございます。  それから二番目に交通公害対策ということで、これは幾つかの事業を並べておられるわけでございまして、自動車公害対策、それから航空機騒音対策、新幹線鉄道の騒音・振動対策から始まりまして各種あるわけでございますが、これにっきましては、直接には今回新たに対応するというのは特に申し上げるべきほどのことはないかとは思いますけれども工場とか移動発生源に起因する大気汚染防止するための先ほどの緑地整備事業のほか、緩衝緑地の問題、これは工場事業場の周りのものでございますので、これの整備ということで取り組んでいくということでございます。  三番目に、閉鎖性水域等の水質汚濁対策というのがございます。これにつきましては、従来からやっておるものもあるわけでございますが、新しい事業で申し上げますと、例の合併浄化槽に対する融資の問題で、これは少しでございますが、対応することになっております。  それから廃棄物対策関係では、従来貸し付けで対応してきたものでございます。なお、今後の問題といたしましては、先ほど来大臣からも御答弁いただきましたし、委員先生方からも御指摘をいただきました有害化学物質等を初めとした廃棄物処理の関係につきましては、今後検討してまいる問題ということで申し上げておるわけでございます。  最後に、五番目に土地利用対策の関係でございますが、これは、従来から住工混在による各種公害防止するため、工場移転をさせるために建設譲渡事業をやってまいりました。建物と土地をやってまいりましたけれども、今回の改正案におきましては、需要実態にかんがみまして個別棟の設置も可能となるように、いわゆる集団設置建物の建設譲渡というふうに対象を広げるとともにまた移転先も広げる、つまり公害の激しかった地域の中同士でなしにその外へ持ち出せる、移し出せるというような方途も講ずるように改めてまいりまして対応しておる。  るる細かいことを申し上げましたが、そんな対応でございます。
  238. 岩佐恵美

    岩佐委員 この間産業廃棄物の問題では、八王子の例を出して当委員会質問をいたしましたけれども、この中間報告の中でも廃棄物処理施設の整備、最終処分場跡地の緑化などを挙げているわけですね。こうした問題こそ事業団が大いに取り組んでいく問題だと思うのですが、いかがでしょうか。時間が迫っておりますから、答弁を簡潔にお願いいたします。
  239. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 今後取り組むべき問題として検討を加えていかなければならぬと思っております。
  240. 岩佐恵美

    岩佐委員 今産業廃棄物の問題について貸し付けをやっているわけですね。これを事業団が直接乗り出して、もっと具体的に進めたらどうかという点についてはいかがですか。
  241. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 融資対応していることはもう申し上げましたが、これは今後考えるべき問題、特にこれから社会の実態がさらに変化をしていく推移も見きわめながら関係省庁、特に厚生省かと存じますが、知恵を絞ってまいりたいと思っております。
  242. 岩佐恵美

    岩佐委員 先ほどの五つの論点の中で、一番具体的に胸を張って答えられたのが閉鎖性水域の水質汚濁対策という感じがするのですが、これについて法案では合併浄化槽への融資を新たに加えているわけであります。町田市などではこの浄化槽に対する要求が強いのです。浄化槽がないために住民間でいろいろなトラブルが起こって、私も何件か立ち会ったことがあるわけですけれども、一軒七十万円ぐらいかかるということで、やりたいんだけれどもできないんだ、全額補助がだめなら半額補助くらいでもいいからしてほしいという声も出ておるわけです。先ほどやりとりがあって、公害防止施設であるから金利を低くしたい、そういう御答弁があったわけでありますけれども合併浄化槽というのは営利企業ではないわけです。一般の家庭が設置をする公害防止施設であります。しかも、法的規制により各家庭が自発的に行うものでありますから、全額補助は無理でもかなり有利な条件、例えば無利子にするとかというようなことで用意をすべきではないかと思いますが、その点の御意見をお伺いしたいと思います。
  243. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 利率の点につきましてはさらに関係者で詰めていくことになるわけでございますが、御趣旨はよくわかりますので努力してまいりたいと思います。ただ、無利子というのはほかとのバランスがございますので、その辺を見きわめながら適切なところへ持ってまいりたいと思います。
  244. 岩佐恵美

    岩佐委員 下水道予定地域は外すとか、住宅金融公庫の貸し付けとの調整でかなり対象を狭くするということでありますが、これでは対象が限られてしまうのではないかと思いますが、その点いかがでしようか。
  245. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 対象地域は、公害防止地域を初め、湖沼の指定地域とかその流域でございますので相当広いものがございます。ただ、先生も御指摘のとおり他の制度との競合なりもございますので、限られる部分あるいは競合関係になる部分も確かにございます。したがいまして、そう一遍に達成できるあるいはぐっと伸びるというわけにもいかないかとは存じますが、関係者のPR、特に関係自治体の御協力、御推挙も得ましてなるべく実効が上げられるように、また額が予定額より上回って――これはもちろん資金枠でございますので弾力性はあるわけでございますから、そういう努力をしてまいりたいと思います。
  246. 岩佐恵美

    岩佐委員 中公審の意見具申で今後の重点施策とされている土地利用対策の中では、今後も住工分離対策等について積極的に推進していく必要があると述べています。住工混在型の公害防止対策として住工分離を進める上で、事業団の工場移転用地事業は大きな役割を果たしてきています。この数年間をとっても、五十九年度が百億、六十年度が百二十五億ですか、六十一年度が百六十四億、六十一年は建設譲渡業務四百億円の四〇%以上をこの事業が占めているわけです。これを今後五年間でなぜ廃止してしまうのでしょうか。そういう点、疑問に思うのです。
  247. 加藤陸美

    加藤(陸)政府委員 お答え申し上げます。  これは年によって多少の変動はございますけれども先生おっしゃいましたようにある程度の実績を上げてまいりましたし、特に過去におきましては相当な効果を上げてまいったわけでございます。今後、こういう公害問題の重点が非常に広くなってきた状況のもとでどうなるかはなかなか難しい問題ではございますけれども、そういうものは相当やってまいりましたので若干減っていくのではないかなというふうには想定されるわけでございます。しかし、現に要請があることは確かでございますので、五年間の期間で漸次移行するようにというふうに措置したものでございます。
  248. 岩佐恵美

    岩佐委員 環境庁はいたずらな肥大化を避けるということで、工場移転用地業務を廃止しようとしているわけですけれども、結局スクラップされるものの大きさの割には新たな業務は大した規模にならないのではないか。先ほどからいろいろお伺いしていてもその疑問はぬぐいされないし、結局全体としてこの事業団の規模は縮小していくのではないかというふうに思われるのですね。この点は意見にとどめますけれども、これはもしそうであるならばとんでもないことだというふうに思います。  それから、公害防止事業団のような小さな特殊法人をなぜあえて通産、建設を含めて三省庁の共管にするのか。四十六年、六十五国会の環境庁設置法制定の際の附帯決議、これは先ほど先輩議員が指摘をされたところでありますけれども環境保全行政の一元化ということからすれば、今回の改正は後退だということで、これは本当に重大な問題であると私たちは思っているわけです。これまでの事業団の業務も、通産省や建設省所管の特殊法人の業務とかなり重なる部分があったわけです。しかし、環境行政は各分野に横断的にまたがって行われるべきだということで環境庁の専管になってきたわけで、その点が今回共管になって薄れるということになるわけでありますので、この点について環境庁長官の意見をお伺いし、また今後の姿勢についてもお伺いしておきたいと思います。
  249. 稲村利幸

    稲村国務大臣 環境庁といたしましては、今回、事業団を活用して新たな公害防止事業に取り組むこととするとともに、公健法の改正により健康被害予防事業の展開を図りたいと考えておるところでございます。  今後の環境行政は、国民の健康と生活公害から守り、豊かな自然環境保全することはもちろんのことでありますが、より質の高い環境の形成に向けて新たな展開を図っていくことが重要であり、関係省庁との連携を強めつつ環境行政の総合的進展を図ってまいる、こういう決意でございます。
  250. 岩佐恵美

    岩佐委員 もう一つ。今回の改正によって、集団設置建物のうち中小企業庁の所管となる中小企業構造高度化事業はどのくらいを占めるのか。環境庁所管の事業はほとんどなくなってしまうのではないかと思います。今までのグリーンベルト造成も、内容的には余り変わらず、企業の負担が少ない新しい緑地造成の方に多く流れていってしまうんじゃないか。これは先ほど議論をしたところでありますけれども、そういうことになると、この面でも事業団の、環境庁所管の業務が少なくなる。建設譲渡業務にどんどんといってしまうということで、結局環境庁は自然公園利用適正化事業だけになっちゃうんじゃないかというようなことになって、本当に今特殊法人としてのこの事業団の存在そのものが大変問われてきているのではないかというふうに思います。  その点と関連して、事業団は創設後二十二年たっていて、先ほど皆さんからも指摘があったところでありますけれども、いわゆるプロパーの方が育っているにもかかわらず管理職には天下り組、それも特に大蔵省六人とか通産省六人とか厚生省十人とか建設省七人、環境庁はわずか四人というようなことになっているわけであります。そういう点でも、全体として天下りは好ましくないわけで、環境庁がいっぱい占めればいいということではありませんけれども、しかしいずれにしても、共管化の状況という中でこういう事態も指摘をされ、私たちはこれも重大だというふうに思っているところであります。その点は指摘をして、最後に大臣、あわせてお答えをいただきたいと思います。  時間もなくなりましたので、以上幾つか聞いてまいりましたけれども、まず一点として、緑地造成では公害企業の負担を減らす方向になって公健法改悪とリンクをしている、こういう点で大変大きな問題であり、私たちは納得しがたいものであります。それから自然公園については、規制から開発の方向へ切りかわるということが大変危惧をされます。それから新しい公害に対する対応、これは極めて不十分だ。スクラップ・アンド・ビルドといっても、スクラップの方が大きくてビルドが具体的でない。それから環境庁所管の部分が極めて少なくなろうとしている。こういう点を見たときに、私は今回の改正というのは重大だというふうに指摘をしまして私の質問を終わりたいと思いますが、最後に大臣の御所見をお伺いをしておきたいと思います。
  251. 稲村利幸

    稲村国務大臣 今回の事業団法改正は行革審答申を踏まえ、公害防止事業団事業懇談会の報告をも得て、本事業団が実施するにふさわしい新業務を選定したものであり、現時点における見直しとしては適切なものと考えております。
  252. 岩佐恵美

    岩佐委員 そこは意見は違いますが、終わります。
  253. 林大幹

    林委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  254. 林大幹

    林委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  公害防止事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  255. 林大幹

    林委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  256. 林大幹

    林委員長 次に、ただいま議決いたしました本案に対し、武村正義君、岩垂寿喜男君、春田重昭君、滝沢幸助君及び岩佐恵美君より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。春田重昭君。
  257. 春田重昭

    春田委員 私は、ただいま議決されました公害防止事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  案文を朗読いたします。     公害防止事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一 環境問題がますます複雑・多様化している現状にかんがみ、環境保全施策の総合的推進に努めるとともに、特に産業廃棄物その他の廃棄物処理の重要性に対応するため、公害防止事業団の活用を含め、処理体制の整備を積極的に推進すること。  一 環境保全対策の重要性にかんがみ、国の唯一の専門的助成機関としての公害防止事業団が実効ある対応をし得るよう、その助成条件についてできる限りの配慮をするとともに、業務の充実、弾力化に努めること。  一 公害防止事業団の臨時業務とされる工場移転用地造成事業について、実需に対処し得るよう事業枠の確保を図ること。  一 公害防止事業団に対する監督手続きの工夫改善に努めるとともに、その経営の自主性を尊重し、組織の活性化を図ること。  一 本法の改正に伴い、公害防止事業団職員の雇用不安や労働条件の悪化をもたらさないよう配慮すること。 以上でありますが、その趣旨につきましては案文中に尽くされておりますので、説明を省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。  以上であります。(拍手)
  258. 林大幹

    林委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  259. 林大幹

    林委員長 起立総員。よって武村正義君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、稲村環境庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。稲村環境庁長官
  260. 稲村利幸

    稲村国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。     ―――――――――――――
  261. 林大幹

    林委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  262. 林大幹

    林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――
  263. 林大幹

    林委員長 次に、内閣提出、絶滅のおそれのある野生動植物譲渡規制等に関する法律案議題といたします。  政府より趣旨の説明を聴取いたします。稲村環境庁長官。     ―――――――――――――  絶滅のおそれのある野生動植物譲渡規制等   に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  264. 稲村利幸

    稲村国務大臣 ただいま議題となりました絶滅のおそれのある野生動植物譲渡規制等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  野生動植物は、国際的規模で商業取引の対象となっており、このような取引が過度にわたる場合には、生息環境の悪化と相まって、一部の野生動植物を絶滅のおそれにさらすこととなります。かかる事態に対処するため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、いわゆる「ワシントン条約」が締結され、野生動植物自然環境のかけがえのない構成要素として現在及び将来の世代のために保護されるべきものであるとの認識に立ち、その国際取引の規制が実施されてきております。  我が国も、昭和五十五年にこの条約に加入し、絶滅のおそれのある野生動植物の輸出入の規制を行ってまいりましたが、これらの動植物の国内での取引が問題となる事例も見られ、国際社会の一員として、こうした事態を是正することが今日強く求められているところであります。  この法律案は、こうした状況にかんがみ、過度の国際取引による絶滅のおそれのある野生動植物保護の徹底を図るため、国内における譲渡規制等を行うとともに、保護のために必要な措置を講じようとするものであります。  次にこの法律案主要事項について、その概略を御説明申し上げます。  第一は、希少野生動植物譲渡等の規制であります。  本邦または本邦以外の地域において過度の国際取引による絶滅のおそれのある野生動植物を希少野生動植物として定め、これらの動植物は環境庁長官が学術研究、繁殖等のため特に必要であり、かつ、適切であると認めて許可した場合及び環境庁長官の登録を受けた場合等を除き、譲渡等をしてはならないことといたしております。また、希少野生動植物を販売目的で陳列することも、原則として禁止することとしております。  さらに、許可の条件に違反している者や違法に陳列をしている者に対し、必要な措置を講ずることを命ずることができることといたしております。  第二は、希少野生動植物の登録であります。  商業的目的で繁殖されたものであること等の要件に該当する希少野生動植物については、環境庁長官の登録を受けることができるものとし、登録を受けた希少野生動植物譲渡等は、登録票とともにしなければならないこととしております。また、その譲渡等を受けた者は環境庁長官に届け出なければからないものとし、適正な流通が図られるようにいたしております。  第三は、希少野生動植物保護等であります。  希少野生動植物保護を図るため、環境庁長官は、広報活動等を通じて国民の理解を深めるための措置を講じなければならないこととしております。あわせて、希少野生動植物を所持する者に対して適正な管理を求めるとともに、環境庁長官が必要があると認めるときは、必要な助言や適当な施設のあっせんができることといたしております。また、関係行政機関の長は、国庫に帰属した希少野生動植物について、必要な措置を講じなければならないこととしております。  この法律案施行期日は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内の政令で定める日としております。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  265. 林大幹

    林委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、明二十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十三分散会      ――――◇―――――