○岡田(利)
委員 厚生大臣は、チェルノブイリの原発の災害について
日本側からも大変
援助を受けた、こういう意味も含まれておるでしょうし、三ッ林科学技術庁長官の場合には、昨年九月に久しぶりで科学技術
委員会が開かれて、マルチュク副首相が相手側の議長でありますけれども、招待をした。それから塩川文部大臣の場合には、
文化交流協定が批准されるという状況の中でヤーコジン高等・中等専門教育相が招待をした。極めて率直な流れじゃないか、こう私は思っております。言うなれば、会う機会を通じて積極的にソ連側との間に接触をしていくということが必要ではないのか。何か最近のココムの問題で先端技術やバイオマスやあるいはそういうものがこれらの訪ソによって糸口がつけられるとかなんとかかんとかというややこしいこともささやかれているようでありますけれども、少なくとも責任者、大臣が訪ソをするということはそういう次元とは問題が別ではなかろうかと私は思うのであります。これは私の意見だけをここで申し上げておきたい、かように思います。
そこで時間がありませんから率直にお聞きしますけれども、
我が国の対ソ政策についての基本を先ほど述べられました。そこで、これに関連をして、第一点として対ソ連の脅威性の問題について、
アメリカのソ連脅威と
日本のソ連脅威ということは、国防白書においてもソ連脅威論というのを唱えておるのでありますけれども、一体同質のものなのか、それとも違いがあるのか。違いがあればどこが違うのか。第一点、この点を御
説明願いたいということであります。
第二点は、北方領土の返還、これも時間があればいずれ詳しくもう一度おさらいでやりたいとも思っているのでありますけれども、きょうは時間がありません。北方領土の返還等、我々はそれがまず糸口である、日ソ
関係の平和的な安定的な
関係を築く前提条件である、こう
日本側は言っているのでありますから、そうすると、北方領土が返還されることになれば
日米安保条約は当然根本的に見直しをされる、こういうことになるのか。そういう点について
説明を願いたいというのが第二点。
第三点は、末次さん、民間の団長で今ソ連側を訪れているのですか、いろいろと交流をされておりますけれども、その場合、北方領土の軍事基地の撤去について提案をしよう、こういう打ち合わせでおられるようであります。
これらもしばしば
国会で問題になりましたが、北方領土の軍事基地の撤去、非軍事化するということを
我が国が要求するという意味は、北方領土の返還に当たっては、返還される北方領土について当然
我が国も非武装地帯にする、こういうようなものがあって言っているのか、この点もひとつはっきり
説明願いたいと思うわけであります。
そして第四点目には、我々もソ連側を訪れていろいろ話をするのでありますけれども、西欧諸国の場合と
日本の場合を比べてみると、今日の国際
情勢の中で、どちらかというと
日本の方が少し軽く見られているのではないかという
感じがするわけであります。
一体なぜ軽く見られているのであろうか、こう思うと、
日本と話をしても、
日本はいわば米ソ
関係の脈絡の中にきちっとはまっていて一歩も出ていない、だから米ソ
関係が改善されていくと日ソ
関係というものもおのずから改善をされていく、こういうような物事の考え方がそういう印象を私に与えるのではないのか、こんな
感じがしてならないわけであります。
そういう意味で、日ソ外交というものは、例えば米ソ首脳会談というものが――今INF交渉で、ダブル・ゼロ・オプションの問題でいろいろ欧州では問題ありますけれども、
アメリカは
アメリカの態度を決めているわけですから、イギリスはこれを支持するという態度を決めて、フランスはこれに対して平行線の
状態にある、いろいろそういう状況もあるのでありますけれども、この状況は前進していくでしょう、米ソの
関係で一応の
合意点に達しているのでありますから。そして
アメリカ側の動きから見ても年内に米ソ首脳会談が行われる可能性はなしとはしない、むしろあり得るのではないか、こう積極的に
情勢をとらえるべきだ、私はそう思うのであります。そういう状況の中でゴルバチョフ書記長の来日の問題、定期外相協議の問題、いろいろあるわけでありますけれども、そういう意味でいま一歩ダイナミックな対ソ外交というものを展開すべきではないのか、こう思うのでありますけれども、この点についての御
説明を願いたいと思います。