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安恒良一君 わかりました。
そうすると、まず審議会の中で十分審議して、
政府は適正に売る。そして橋本
運輸大臣も言われたように、一般競争入札を原則としながらも、自治
大臣は自治
大臣でおっしゃいましたように、都市計画のために必要な場合には随契もあり得ると。それからまた、土地が値下がりするだろうという
運輸大臣の見方は建設
大臣も否定されましたし、私も値下がりすることはないと思う、今の大都市における実勢価格の高騰というのは少々
国鉄がこれぐらいの土地をしてもね。
ですから、これはこの前既に
国土庁長官と予算
委員会のときに議論をし合いましたように、転がしに対しては重税を課すという制度を早く急いでやってもらわないと、もたもたされていますと、大体もう悪いやつがみんなもうけてしまったころに税制ができることになりかねませんから、早いところ
総理、指導性を発掘していただいて——最近、短期の転がしが非常に目につくんですよ、短期の転がしが。だから、短期の転がしについては、私は五年なら五年の時間を設定して、その間に転がしたやつは、売買差益はほぼ一〇〇%税金で取るというぐらいの決断を持ったことをやらないと、今の東京、大阪を初めとする、特にこれはもう東京、大阪で土地がなくなりましたから最近は政令十大都市まで及んでいます、むちゃくちゃな値上がりが。例えば、私は福岡ですが、福岡でも最近駅周辺の土地が異常な値上がりをしています。こういうことになりますから、ひとつこの点は慎重にやってもらいたいと思います。
そこで、もう時間がありませんから、あなたたちができるだけ適正に高く売るという意味の問題点として、お手元に配付した資料で少し
指摘をしておきたいと思います。
まず、お手元に配付しました資料の第一番目は、これは私が前段の
質問で使いましたように、積算単価を昭和六十一
年度の地価公示、地価公示価格が不適な件数については昭和六十一
年度基準地を使用いたしまして都道府県別にこれを集約しました。そして、百万円未満をこれは切り捨ててありまして、それによる三千三百三十ヘクタール、六千八百八十四カ所、六十一
年度公示価格で計算をいたしますと、私が今さっき申し上げたやつを、各部道府県ごとの内訳を御参考に資料の第一として出してあります。これは都道府県別になるとこういうことになるということであります。
そこで問題は、今度は通常の売買価格との
関係をこの際お互いが明らかにしておかなきゃならぬ。すなわち、実勢価格と言われているものは、一、二年前までは国土庁の公示価格の二ないし三倍あるいは数倍の取引が行われてきておりました。ここのところ、
国鉄の大量の土地が売り出されるという以降、少し公示価格に近づきつつあることは実情だろうというふうに思います。数年前のように数倍という、それでも私
どもで調べてみますと公示価格の大体五割増しないし二倍では売れるというのが実情であります。
そこで、皆さんのお手元に地図、私はここにパネルを用意しました。(パネル掲示)これが錦糸町。お手元にパネルの小さいのが行っています。これはパネルです。それから、こちら側が渋谷であります。渋谷の中で、この青いところが
国鉄がこれから売ろうという土地でございます。皆さんのお手元にパネルのかわりに地図を差し上げておりますから、地図を見ながらひとつ私のあれを聞いていただきたいと思います。
時間がありませんから一、二の例だけ
指摘をして、十分御配慮願いたいと思うのでありますが、まず錦糸町であります。
地図にある土地で真ん中の青い地のある
部分が
国鉄の売却の予定地であります。その上にグリーンを塗ってあります小さな
部分、町名は錦糸町三の三の九。この周辺の基準地価格では一平方メートル当たり百九十七万円であります。また、右側の一番下にピンクの色を塗っておきました
部分は江東橋三の八の十ですが、公示価格をとっている地点で百九十一万円となっています。そして、赤枠で数カ所囲んだ場所があります。これがここ一年間で取引された事例の土地であります。数カ所ありますね。その中で、売却予定地となっております駅の裏側がありますから、裏側の事例の方が適切だと思いますから、それで比べてみますと、駅の裏側、上部に赤く塗ってあるところがありますが、錦糸町二の十一の物件です。約六十坪でありますが、本年の三月十一日に売却されたのですが、この物件は一平方メートル当たり二百六十万円で売られています。ですから、駅裏側の基準地価格と比較いたしますと一・三倍高く売れていることになります。
次に、今度は渋谷の土地を見ていただきます。
真ん中に青で囲ってあるのが、同じくこれがいわゆる
国鉄の売却予定地であります。そして、
国鉄用地の斜め右にグリーンで塗ってある
部分の町名は同じく渋谷三丁目九の十でありますが、この周辺
地域の基準地価格となっておりますものは、一平方メートル当たり千二百万円であります。公示価格については、地価がはるか上の方で入り切れないということで、基準地価格との比較の方が望ましいというので、これを省きました。赤枠の囲みは同じ取引事例でございまして、これは大通りに面して赤く塗りつぶしてあります。本年四月十八日の取引の事例であります。この物件はいわゆる渋谷三の十にある四十八坪でありまして、一平方メートル当たりで千六百六十万円で取引されました、一平方メートル当たり。基準地価格にいたしますとこれは一・四倍であります。
こうした事例を述べましたように、実際の取引価格というのは
総理、公示価格よりも高く売れている。これは具体的例です。この点について御認識をしていただきたいと思うわけであります。でありますから、例えば、今私が二カ所の事例を示しましたが、これは一・五倍ですね、大体一・五倍。そうしますと、私
どもが計算いたしました十四兆七千億の一・五倍ということになると、実は二十二兆円、土地を売っただけでも出てくるわけであります。もちろんこれにはどれだけの換地が必要か、いわゆる道路をどうするとかという、広い土地の場合要りますから。全部が全部単純な計算をするわけにいきません、どれだけの用地が必要なのかということは。でありますから、これはわかりやすい例であります。
その他資料をここに用意しました。こういう点についても少し御
検討をぜひお願いしたいと思うんですが、実を言いますと、こういうことを言いますと、いやそんなことを言ったって四十七都道府県にあるんだ、四十七都道府県にあるんだからこれを全部売ると田舎の方はとてもそんな価格で売れないんじゃないか、
安恒君、君の言っているのは東京だけじゃないかと、こういう御
指摘があると思いますので、その点についても私の
考えをこの際申し上げておきたいと思うんです。
実は八兆五千億というのは余り固執されていないようでありますけれ
ども、例えば東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、この七都府県だけを今度は見てみます。そうしますと、実は八百七十九ヘクタールでありまして、全体の面積の四分の一ですね、
国鉄が今売ろうとしている面積の四分の一はもうここにあるわけであります。そして、今言ったような方法で私
どもが計算いたしますと十一兆五千億にここはなります。ここだけで十一兆五千億にこれはなるわけであります。ですからこの七部府県だけ見ても、
政府がお
考えになっている、この前提示をされたいわゆる八兆五千億、これを実は上回る
数字になるわけであります。でありますから、ぜひとも今言ったようなことを
考えて、ひとつもう一遍、あくまでも一定の仮定の上においての仮定の
数字だと、こう言われているわけですから、ここのところを積算し直してみる、こういうお
考えはございませんか。そこのところを聞かしてください。