○
委員以外の議員(
村沢牧君) お答えします。
長野県には新幹線もないし、また高速
道路はもちろん幹線
道路の
整備も大変におくれておりまして、私鉄の電車は三社しかありません。したがって交通機関は
国鉄に頼らざるを得ないという現状であります。したがって、
国鉄は
国民生活はもとより
地域経済にとって大きな
存在でありますので、三
分割にされる不安は非常に強いのでありますが、時間の
関係上、具体的問題を次の二つに絞って申し上げます。
第一は、ダイヤ編成、運賃の問題であります。
県内の各線を接続をよくして運賃格差を生じないようにするための御要請、今、
穐山議員から
指摘がありましたように、複線や電化、安全施設の
整備促進の要請など、県当局や
関係者はその都度三つの会社の本社に出向かなければならず、要請をしてもダイヤ編成がうまくいくという保証はありません。
全国一社制で支社に大幅な権限を持たせる
社会党案ならこのような心配はなくなります。長野県当局は、どうしても
政府が三
分割をするというのであるならば、ダイヤ編成などの調整機能を持った東日本会社の支社を長野市に設置をしてもらいたい、こういう切実な要求をいたしておるところでありますが、運輸省、
国鉄当局はいまだ誠意ある回答を示しておりません。
総理や
運輸大臣は、県内三
分割という異例な
措置を強行するならば、これくらいな要望にこたえて県民の理解を得るのが
政府のとるべき姿勢ではありませんか。本
委員会の
審議を通じて誠意を示してもらいたいというふうに思います。
不安の第二は、地方線の存続についてであります。
幹線の信越線や中央線を除き県内には
営業係数八八九の飯山線、五九八の飯田線、五八二の小海線、三二一の大糸線、この四つの地方線があり、いずれも不採算路線であります。これがそれぞれ三つの会社に所属することになりますが、どの会社にとっても県内の路線は最も外れたところに位置をしますから、営利を
目的とし採算性を第一とする私企業にあっては、こうした
営業成績の悪い路線はやがて
廃止の憂き目を見るのではないか。そこまでいかなくても間引き運転がされるのではないかという不安がつきまとっています。
今まで
運輸大臣の答弁を聞いていましても、特定地方線を除いてその他の地方線については新会社の
経営努力によって維持されるものと期待をする、あるいは
廃止することのないように
政府も努力するという期待感を述べているだけでありまして、地方線を存続させるという
政府の確固たる方針が示されておりません。また、
政府案ではそのような保証もありません。
地方線の維持の課題はひとり長野県の問題だけではありません。
提案をされている
政府案では、赤字を
理由に地方線が
廃止されることの不安が強いのでありますから、
社会党案のように、
政府が株式の一部を保有し公共性を確保し、会社が適切な
経営努力をなされてもなおかつ収支の均衡の確保が困難な場合に限って国が補助する、こうした
法律によってこそ地方線が維持ができるのであります。
以上、私は時間の
関係上簡潔に、御
質問に答えて、長野県の例を申し上げて答弁いたした次第であります。これは、
政府案の
分割・
民営化が真に
国民のための
国鉄の再建にならないという一例でありますが、私たちはこのほかにも
全国的にも多くの問題点を把握しておりますし、
基本的問題についても
政府案と異なる
見解を持つものであります。したがいまして、議員各位から逐次御
質問いただきまして御答弁を申し上げますので、どうか我が党案についても御
審議をいただき、我が党案に賛成をしていただきますようにお願いを申し上げまして答弁といたしたいというふうに思います。