○峯山
昭範君 まあそれはこのぐらいにしておきます。
そこで、したがいまして、国の
防衛という問題を考える場合に国民の支持、協力というのが非常に大事である、その点については
防衛庁当局もそれなりに配慮をしていらっしゃる、しかも
防衛白書の中にこれだけの項目を抜き出して載せておられるわけですから、私は非常に大事な問題だと思うんです。ところが、そういうふうなことを含めてこれを僕は
予算委員会でやったんですよ。そうしたら、もう本当にけんもほろろ、もう中曽根総理
大臣、一言のもとにぽんとこうはねられちゃった、そういうことがあるんですけれ
ども、何ではねられたかというのは、これから私が言うことによってはねられるわけですけれ
どもね。
これは今の要するに世論調査、同じ世論調査ですが、これから言う分についてはこの
防衛白書の中にも載っております。その次の項目でございまして、「
防衛努力のあり方」というところですね。これは設問は同じですね。「
日本の
防衛費の五十九年度
予算は、約二兆九千億円で、わが国の
予算に占める割合、おもな自由主義諸国との比較はこのとおりですが、
日本の平和と安全を守るためには、
防衛費をもっと増額した方がよいと思いますか、今の程度でよいと思いますか。それとも今より少なくてよいと思いますか。」という設問に対しまして、「増額した方がよい」という人が一四・二%、「今の程度でよい」というのが五四・一%、「今より少なくてよい」という人が一七・七%、「わからない」が一四%。これは現在の国民の
皆さん方の約半分、そして七割方の人は今の程度でいい、こういうお考えでいるんじゃないかなと私は思うわけです。
そしてこれは、
大臣、この問題につきましては実は総理府の調査、わざわざ
防衛白書に載っていましたから、同じ時点の調査を取り出すことにいたしました。これはNHKの同じ時点の調査で設問が多少違います。これによりますと、これは二つありまして、NHKは、「このまま
防衛費がふえ続けると、国民総生産の一%以内に抑えるという
政府の方針がくずれることも予想されています。あなたはこれについてどう思いますか。リストの中からおっしゃってください。」と。「あくまで一%以内に抑えるべきだ」四三・二%、「一%以内の方針がくずれてもやむをえない」一六%、「一%以上にふやすべきだ」二・七%、「
防衛予算は大幅に削減すべきだ」二二・八%と、こういう結果でありまして、NHKの調査によると、やっぱり一%以内に抑えるべきだと。大幅に削減というのは別にしましても、削減も抑えるべきの中に入れればこれは六六%以上になる。ふやせという方は二・七%、「くずれてもやむをえない」というのが一六%、こういう実情ですね。
それから、これはマスコミの
皆さん方の三大紙の中の
一つの世論調査、同じ時点であります。それによりますと、「
政府は来年度
予算の編成で、
防衛費を特別扱いしてふやす方針です。あなたは、このことをどう思いますか。」と。ふやすことに「当然だ」という人が七%、「やむを得ない」というのが三九%、「好ましくない」というのが五〇%。それからもう
一つ、「わが国の
防衛費は、現在、GNPの一%以内の枠内におさめられています。今後の
防衛費のあり方として、あなたは次の中でどれに賛成ですか。」と。「今後も一%の枠内を守る」七一%、「枠を一%より大きくする」一一%、「枠は撤廃する」一〇%、「その他・無回答」八%、こういう
状況であります。
これをじっといろいろ見てみますと、国民の
皆さんというのは非常によく見ておりまして、国の
防衛費というものが今のベースで大体いいんじゃないか、これ以上急激にふえない方がいいんじゃないか、こういうふうに考えているというのがこの世論調査の中からよくわかるわけです。そういう
意味では、やはり僕は
防衛庁または自衛隊というものが国民の中に認識されてきたのと同時に、また、
防衛費のふえぐあいについても、これは先ほどの「
日本の
防衛」いわゆる
防衛白書の中の
防衛予算の項目に載っている分だけで申し上げますと、
防衛予算は今の程度でよいというのがことし初めて五四%になったわけですが、それより前、
昭和五十六年には四七%、その前は四二%というように少なかったわけです。ところが、「今の程度でよい」というのが年を追うごとに少しずつふえてきて、そしてことしが初めて五〇%を突破したわけですね。こういうような
状況を見ておりますと、案外国民の
皆さん方というのは、この
防衛予算についてもよく見ている、こう思うんですよ。
そういうふうな
意味では、私たちが今この
防衛費の問題についていろんな角度で
議論をいたしておりますけれ
ども、私は
防衛予算というのはそれなりに必要だと思います。必要だとは思いますが、今やっぱり非常に難しい時期ですね。世の中の景気も悪いし、また、
日本の
経済情勢、
財政状態を見ましても非常に厳しい状態の中にある。そういう状態の中にあっては、やはり
防衛費も、対外的な問題を全然無視せいなんて言うているわけじゃないんです、やっぱりそういうふうな国内のいろんな情勢を見てそれなりの対応をしていかなければいけない時期に入っているんじゃないかな、こういうふうに私は思うんですけれ
ども、この点を踏まえて
大臣のお考えをお伺いしておきたい。