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国務大臣(
後藤田正晴君) お答えをする前に、今回の大島噴火で災難に遭われた皆さん方に対して心からなるお見舞いの意を表したいと思います。
ところで、お尋ねの件ですが、御案内のように、第二次の爆発が二十一日の夕方にあったわけでございますが、その
状況が従来と違って大変危険であるといったようなことで、とりあえず住民の皆さん方にやはり避難をしていただく以外に方法なしというようなことで、何はさておき、その
輸送手段の確保といったようなことで
関係各省、それから東京都庁、こういったところがお互いに連絡をしながら、それぞれの役所にはもう早速当日災害対策本部をつくり、そして
政府もその夜持ち回り閣議で
政府全体の災害対策本部をつくるということで、一応体制を整備をして全力を挙げてやってきたつもりでございますが、さてこれが、避難が長引くということになると、これから先の事柄について当然のことながら住民の皆さん方のやはり不安感が色濃くいろんな御意見等の中にうかがわれるようになってくる、また、いら立ちも当然
のことながら出てこざるを得ない。これらについてはやはり行政として適切な手を打っていく必要がある、こういうことでございます。
ただ、その
前提になるのは、やはり何といいましても、本当に危険な噴火の
状況でございますので、生命に対する安全がどうかということをまず第一に判断をしなきゃならぬわけでございます。さて、それの判断の上に立って、住民の皆さん方の不安感なりいら立ちに対する解消策をどうするかと。しかもこれは、噴火の危険状態がいつごろおさまるかという時間的な
関係とも極めて密接な関連があるわけでございます。そういうようなことで、実は昨日も下鶴噴火予知連の会長さん、それから気象庁の
長官の方に私のところへ来ていただきましていろいろ
状況を伺いましたが、まだ非常な危険性があると。北西の海岸ぷち、あれは元町の方になりますかね、それから南東の方は波浮の港、この線を連ねた線ですけれ
ども、なかなか危険性があって、そして同時にまた、それが先行き、今まで中央のあの噴火口、ここらへの噴火の
状況が果たして将来どうなるかといったようなことで、予知連の会長さん御自身も、非常に危険性を認めておるんだけれ
ども、さていつこれが落ちつくかということについては必ずしも、まあ当然の話だと思いますが、的確な断を下すところまでいっておりません。
そこで
政府としては、やはり最後は行政がこれに対応しなきゃならないと。それで、その根底はいわゆる予知連の皆さん方の判断、ところが、その予知連の皆さん方が判断するのについて、今御
質問の第一点にありましたいろんな観測用の資機材ですね、これが壊れたものもありますし、あるいは東大の地震
研究所が、あれはたしか一年半か二年前ぐらいにおつくりになったんじゃないかと思いますが、必ずしも十分整備してなかった、こういうお訴えがございましたので、これは
政府は予備費を出してでも何ででも早急に必要なものは、手に入るならばいつでも対応いたしますからということで、
関係省庁に早急にそこらのどういう機材が要るのか言ってくれということにしてございます。それが出てくれば
政府としては対応いたします、これは。
さて、そうしながら同時に不安感を除去するためには、第二番目の一家庭の中から強健な方が少なくとも一人でもお帰りになって自分の家がどうなっておるだろうかと、あるいは緊急の避難でございましたからあの品物だけはこっちへ持ってきたかったとか、ともかくこの一週間余り留守の間にどうなっておるだろうとか、当然の不安を持っている、帰りたいということ、これはひとつ予知連の判断の出次第、やはり一日二日とかいうんじゃなしに、場合によれば数時間でも島に帰らせてあげる、そしてそれが終われば直ちにまた引き返す。それをピストンでやる。それの船の準備をする。もう少し一日でもおれるというような噴火予知連の判断であれば、これは私は、場合によれば家の中で住んでいただくのは大変危険ですから、とりあえずは船を宿泊所に使う、こういったようないろんな措置があると思います。これらについてもぜひひとつ検討を早急にしてもらいたいと、こういうことを指示をしてございます。
それからもう
一つは、広いところに住んでおるので風邪も引かれるおそれもありましょうし、やはりだんだん疲労が募ってくる、いら立つといったようなことになると果たして今のままの避難所でいいのかという問題が出てきますが、これらはやっぱりどれくらいの期間で、割合短時間で大島の方へ帰れるのかどうかと、これまさに予知連の判断にかかっておる。しかし、これが少し長引くようであれば、当然のことながら今の御
質問の中にあったような住宅の対策ということも考える必要があると、こう考えております。
それから、家畜の問題は当日もございました、既に。物によっては、私は素人なんですけれ
ども、何か一日か二日か水やらなかったり、物やらなかったら死ぬのがあるそうですよ。これは困る、何とかひとつこの家畜の命を助けてやってもらいたいと、こういう御要望がございました。これはまあできれば犬、猫といったようなものに至るまでうまくいくことが望ましいけれ
ども、それはさてうまくいくことが望ましいけれ
ども、それはさておいて、少なくとも家畜ということになるとそれは生計の種なんですからね、これはやっぱり
人間の命の次に考えなければならぬということで、これは手当てをしまして、たしか東京都は獣医さんを長にして現地へ行っていただいて処置をしたと思いますが、さて、これも期間が長くなったら私はなかなか難しくなるなと思います。これも一にかかって期間との
関係でどうなるかということ、できれば何とかしなければならぬという、こういう気持ちを
政府は持って既に手は打っておるつもりでございます。
いずれにいたしましても、これは大変な一万人からの人口の方がこちらへ来ておるわけでございますから、これの善後処理ということについては、
政府は真剣にこれは取り組まなければならないということで、きょうも三時から国土庁
長官を
中心にした第三回伊豆大島噴火対策本部
会議を開いて今言ったような事柄について検討いたしております。実は昨晩遅く総理から私のところに電話がありまして、今言ったような事柄について、ひとつ官房
長官ぜひ検討してもらいたいというお話がございまして、また、けさ国土庁の
長官と打ち合わせて今お答えをしているような物の考え方で対応策を、
政府としてはともかく精いっぱいやっておるということをひとつ皆さん方にお答えをしておきたいと思いますが、何しろこれは本当に難しい仕事でございます。精いっぱい事柄が事柄ですから努力をさしていただく決意でございます。