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及川一夫君 なお詰めなければならないなという気持ちがいっぱいでございますが、今の
事業団のお答えなんですけれ
ども、逆からいいますと、
NHKにはああいう事故が起こってもそれの引き渡しを拒めるだけの法的根拠はない、こんなことも実はうわさをされ、また新聞記事に出ておったことをよく御存じだというふうに私は思うんですが、何かそれを裏づけるようなものかどうかということになりますけれ
ども、私は八月三十一日の毎日新聞、ここではサンデースペシャルという項目がございまして、
宇宙開発事業団の大澤
理事長がインタビューに応じています。これは同じ記事でも話をした結果の記事ですからやっぱり信憑性があると思うんですな。そういう
前提でちょっと皆さん聞いてもらいたいんです。
大澤さんはこのことに特に触れたわけじゃないんですが、この衛星
放送というか、宇宙衛星という問題全体をとらえられながら、これからの大変な花形の
事業だと、こういう意味なんでしょう。ただその中で、衛星というものはそれぞれミッション、つまり使命があるんだと、例えば通信、気象、地球観測、
放送と、いろいろ使命があるんだけれ
ども、このうちどのミッションにも共通する
装置、例えば太陽電池とか姿勢制御
装置とかいうものは
事業団が要するにやるんだと、しかし各衛星に個有の
装置はもうューザーに任せている、こういう言い方をしておられるんですね。そして、この任せているという例えに通信衛星の中継器はNTTと、こう言われ、
放送衛星の場合には
NHKだと、こう言われている。つまり、中継器は
NHKが責任を持っているんだよと、こう言っておられる。したがって、
ゆり一号の場合の中継器の問題なんかについては、こんなものは
事業団の責任というよりも
NHK自体じゃないかと、こう聞こえるような
内容でおしゃべりに実はなっているわけなんですよ。それなら制御
装置は、これはもう
事業団そのものが真っ先に責任あるわけですから、
NHKにそれだけ責任あるというんなら、自分がやった制御
装置はどうなるんだと。それで、私は金持ってません、金払えませんと、そういうのが
事業団じゃありませんと、そういう答えだけで
一体済むんだろうかどうだろうか。これは大変な問題だと思うんですね。
ですから、私は正直言って、もう時間も来てるんです。私はぜひ
委員長にお願いをしたいんでありますけれ
ども、五十九
年度の
決算について承認するかしないかの問題は、別にそれ
自体は私は問わないという気持ちでいっぱいです。しかし、こ
のこと
自体についてもっとはっきりしてもらわないと責任が持てない。これから
ゆり三号を打ち上げるに当たっても
一体どうなんだと、科学技術庁だって黙っておれるのかというふうに私は感ずるんです。それだけに、できればひとつ、この問題については私もまだまだ言いたいことがあるんですが、時間守らにゃいけませんからやめざるを得ないんですけれ
ども、別途
逓信委員会なり何なり開催していただいて、事の本質というもの、真相というものを明確にして、そして
ゆり三号では絶対にこういった
事態に立ち至らないようにするのが、私は
国民に対する我々の責任ではなかろうかというふうに思うんです。先ほど御
指摘をしたとおり、
報告も十分されてないわけですよ。もっと逓信
委員の皆さんがそれこそわかりやすい、理解できるようなそういう
内容でもって改めて私は
報告もしてもらいたいし、また
報告書もいただきたい、そんな気持ちでございますので、この点は後ほど
委員長の取り扱いをお願いいたしますが、私は最後にもう一点だけ実は質問したいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それは、過ぎ去ったことではありますが、選挙の
放送と聾唖者の人権の問題ということでございまして、これまでの質問とはかなり趣が異なるわけでありますけれ
ども、まず同時選挙において聾唖者の方が立候補されてテレビに立ったが、手話を解読する方がおられないということ、それから
法律上の問題があって結局は無声の放映が行われたということで選挙制度特別
委員会でも問題になったし、
NHKもどうしようもなかったということだろうというふうに私も思います。
そこで、時間が来てますから要点だけ申し上げて自治省の皆さんの御見解をお聞きしておきたいというふうに思うんでありますが、まず一つは、選挙制度特別
委員会でこの種問題についての特別
委員会を設置してというふうにお答えになっているやに聞いているんですが、まずそのことについてそうなのかどうか。もしそうだとするならば、いつその
委員会を設置されるのか。そしてまた、予算といったって大した予算じゃないと思うが、来
年度の予算に、あるいはまた予備費支出などでそういったものを埋めようとするお考えがあるのかどうかということが一つであります。
それからもう一つは、これは中央選管の問題ですから特別
委員会で論議をしなければならぬ問題でありますが、
NHKと自治省
自体があの時点で代読者を決めて
放送することができなかったのかどうかという問題ですね。そういうことはできないものだったのかどうかということについて二つ目にお伺いしたいということ。
それから三つ目には、この問題は聾唖者だけの問題ではないという気がします。もうすぐにでも起こるんじゃないかというのは、例えば一つには中国残留孤児の皆さんが帰国をされて、当然
国民としての国籍は持ちますね。したがって立候補する自由がある。立候補する。しかし、日常会話はできるが、政治の問題ということになるとどうしてもそういう用語が必要だ。それまでになるとどうもおしゃべりができない。したがって中国語を使わしてくれと、それを通訳してくれというようなことが起こらないという保障は実はないと思うんですね。それと同時に、
日本は単一民族であるということでかなり肩を怒ったような御意見もあるようでありますが、国際的にはそんなことは誇りでも何でもない。むしろ多民族国家でなければ
世界平和は保てないぐらいの気持ちが私はあちこちに出ていると思う。ということになりますと、英語を使う、ドイツ語を使う、あるいはフランス語を使う人が
日本の国籍を持って、そうして立候補されないというこれまた保障は実はないわけですね。したがって、起きてから問題にするんじゃなしに、起きる前にそういうものについては十分考えるべきじゃないか、検討しておくべきじゃないか、そんなふうに私は感ずるんですけれ
ども、この三点について自治省の皆さんの御意見をひとつお伺いしたい、こういうふうに思います。