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1986-10-07 第107回国会 参議院 地方行政委員会風俗営業等に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年十月七日(火曜日)    午前十時二分開会     ───────────── 昭和六十一年九月十八日地方行政委員長において 本小委員を左のとおり指名した。                 出口 廣光君                 増岡 康治君                 佐藤 三吾君                 馬場  富君                 神谷信之助君                 抜山 映子君                 秋山  肇君 同日地方行政委員長は左の者を小委員長に指名し た。                 増岡 康治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     小委員長        増岡 康治君     小委員                 出口 廣光君                 佐藤 三吾君                 馬場  富君                 神谷信之助君                 秋山  肇君     地方行政委員長     松浦  功君    政府委員        警察庁長官官房        長        新田  勇君        警察庁刑事局保        安部長      漆間 英治君        警察庁交通局長  八島 幸彦君    事務局側        常任委員会専門        員        高池 忠和君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○風俗営業等に関する制度及び運用の件  (シートベルト着用状況等について)     ─────────────
  2. 増岡康治

    ○小委員長増岡康治君) ただいまから地方行政委員会風俗営業等に関する小委員会を開会いたします。  風俗営業等に関する制度及び運用の件につき調査を行います。  道路交通法の一部を改正する法律施行に伴う政令改正に当たり、シートベルト着用率推進状況及び反則金等改正案について警察庁から説明を聴取いたします。警察庁八島交通局長
  3. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 近く改正を予定いたしております道路交通法施行令改正案骨子について御報告申し上げます。  お手元に、「政令改正案骨子」と題した資料をお届けいたしておりますが、以下、この資料に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。  今回の政令改正案につきましては柱が三つございまして、一つさき通常国会改正されました道交法改正に伴う政令改正でございます。第二点は、昨年の道交法改正に伴いまして高速道路及び一般道路につきまして、前部の座席についてのみシートベルト着用義務化がなされました。ただ、ペナルティーにつきましては、昨年の九月一日から、高速道路運転者についてのみ着用義務違反に一点点数を付するという改正を行っております。今回、一般道路につきまして、そのペナルティーを課することについて改正をいたしたいというのが、第二の柱でございます。第三の柱は、現在血液運搬用自動車緊急自動車になっておりますが、最近、腎臓移植のための臓器運搬用の車あるいは角膜移植用角膜運搬車等について、緊急自動車としてもらいたいという陳情等がございました。実態にかんがみまして、今回、緊急自動車として指定をいたしたいというのが第三の柱でございます。  以下、資料に基づきまして御説明申し上げます。  まず、一番目の、「パーキングメーターの作動の方法並びにパーキング・チケットの発給及び掲示の方法を定める。」ということ、二番目の、「指定車両移動保管機関の行う車両の売却、廃棄等手続を定める。」ということにつきましては、極めて事務的な内容でございまして、特に問題もございませんので説明を省略さしていただきます。  三番目の、「行政処分基礎点数関係」でございますが、(1)の、「一般道路における運転者座席ベルト装着義務違反並びに高速自動車国道等及び一般道路における助手席同乗者の非装着についても一点を付する。」ことといたしたいということでございます。  二枚恐縮ですが資料をめくっていただきまして、三枚目にこれまでのシートベルト着用率推移の表がございます。この表は、〔注〕に書いてございますように、各年八月に調査をしたときの着用率状況でございまして、高速運転者等につきましても五十九年ごろまでは非常に低い状況でございました。六十年ごろから強力なキャンペーンとかあるいは指導等を行いましてかなり向上はいたしてまいりましたが、先ほど申しましたように、六十年の九月に高速道路運転者についてのみ点数を、義務違反に一点をつけるという改正を行いました結果、高速道路運転者につきましては、昨年の九月以降、終始九五%台を維持いたしております。高速道路同乗者につきましては、現在特にペナルティーはないわけでありますが、それでも一〇ポイントほど下回るものの八五%台を維持いたしております。  問題は、一般道路でございますが、本年の八月の調査では五一・七%でございます。昨年の八月で三一・〇%でございまして、かなり昨年からことしにかけて着用率が向上いたしました。ことしの九月に、安全運動期間中でございますが、さらに特別調査をやりました結果、五三・〇%、同乗者については四二・九%という状況でございます。  なお、これは先ほど申しましたように毎年八月の調査でございますが、八月以外にも、春の安全運動期間中等にも調査をいたしておりますので、下の方に一般道路における運転者着用率推移状況を載せてございます。ここにございますように、六十年の八月までは三一%ということでございましたが、九月になりますと五八・八%ということで一挙に約三〇ポイントほど上がっておりますが、これは、高速道路着用義務違反点数をつけるということが、一部の運転者には、一般道路にも点数がつけられるというように誤解した向きもあったようでございまして、非常に着用率が上がりました。しかしその後、一般道路ペナルティーがないということでまた下がり出しまして、本年の二月の調査では、ついに五〇%を切ってしまいまして四六・二%でございます。これではいけないということで、警察だけではございませんけれども、全行政機関あるいは関係団体等にもお願いいたしまして、キャンペーン等をやりました結果、また持ち直しまして、五三・六%あるいは五〇・五%ということで若干の凹凸はございますけれども、五〇%台を維持して九月の調査では五三%、こういう状況でございます。  もう一つ、これは、全国の平均の着用率でございますが、着用率が五〇%を超えた都道府県の数がどれだけあるかという状況を下の欄に書いてございます。ここにございますように、おおむね過半数の県で五〇%を超えておりますが、ただ六十一年の二月の場合だけ二十道県ということで、これにつきましても五〇%を割っている、こういう状況でございました。しかし、その後また過半数の県で五〇%を超えまして、九月の調査では三十四道県で五〇%を超えているという状況でございます。  一枚めくっていただきまして、次の表が一番新しい九月の調査全国着用率状況でございます。着用率が一番いいのが宮崎県でございまして七二・三%、次いで山形県の七〇・八%、福島県の六四・九%といったところが非常に高いところでございます。  これに反しまして着用率が非常に低いのが大阪の三一・一%、京都府の三三・七%、愛知県の四一・七%といったところでございまして、慨して大府県では着用率が低く、中小県では着用率が高いという状況でございます。  この理由でございますが、はっきりはわかりませんが、恐らく大府県では一回のトリップと申しますか、通行の距離が割合短い場合が多くて、短いがゆえにちょっとそこまでだからというようなことで、あるいは着用しないという人が多いのではないかというふうに一応推測をいたしておりますが、先ほど申し上げましたような傾向が見られるところでございます。  次に、一枚さらにめくっていただきまして、シートベルト着用の効果でございますが、一つ考え方としまして交通事故で死亡した人、シートベルト着用しないで死亡した人のうち、車外にほうり出された人とか、あるいはハンドル、計器盤ダッシュボード等で胸とか内臓を打って死亡するというような人は、一応シートベルトをしていれば一〇〇%助かったかどうかは別といたしまして、かなりの人が助かったのではないかというふうに思われますので、そういう人たちを調べてみますと、ここにございますように、昨年一年間シートベルト着用しないで死亡した人が三千四人でございましたが、このうち六三・九%に当たります千九百十九人の人は、恐らくシートベルトをしていたらかなりの人が助かったんじゃないかというふうに推定されるわけでございます。ことしの上半期につきましても同様の調査をいたしますと、運転者につきましては六八・三%になります六百八十七人、同乗者につきましては五一・一%に当たる二百九人があるいは助かっていたのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。  それから、下の方にシートベルト着用していた場合と着用していなかった場合の死亡率重傷率を書いてございますが、一番下の行にございますように、非着用者は、着用者に比べて死者率で三倍強、重傷率で二倍弱高いということがわかっております。  次に、一枚さらにめくっていただきまして、これまで警察だけではなくて、各行政機関が一緒になりまして、シートベルト着用推進活動をやってまいりましたその状況を取りまとめてございます。特に、ことしの秋の交通安全運動におきましては、初めての試みといたしまして、シートベルトをしていたために助かったという人の集いを、右側にございますように九月二十六日に大阪で、九月二十九日に東京で開催いたしまして、それぞれ二十人ほどお集まりいただきまして大変好評でございました。これにつきましては、新聞やテレビ等で放映されております。  さらに一枚めくっていただきまして、諸外国の着用法制化状況でございますが、現在世界各国の中で三十四カ国、州の数では三十五州になりますが、三十五州が着用が義務づけられて何らかの罰則がつけられております。で、下の方の欄にございますように、オーストラリアの一部の州におきましては、罰金とさらに違反点数をつけているところがございます。罰金がなくて違反点数だけというのは、今回、我々の改正案でございますが、これは日本だけでございます。それから、世界のいわゆる先進国といわれております米、英、仏、ソ、ドイツ、イタリー等につきましては、すべて罰金つき義務化が図られております。なお、今後施行予定のところが下にございますようにアメリカで三州ほどございます。  以上が、シートベルト着用率状況等についての御説明でございますが、また一ページにお戻りいただきまして、(2)の、「駐停車違反に付する点数を一点から二点に引き上げる。」ということについて御報告申し上げます。  現在駐車違反につきましては、道交法も二つの条文がございまして、駐車をしてはいけないという場所と、駐車もいけないし停車することもよくないといういわゆる駐停車禁止場所というのがございます。現在の罰金額あるいは行政処分点数は、いずれも同じになっておりますが、駐車もよくない停車もよくないという場所につきましては、例えば交差点の中とか交差点から五メーター以内、バスの停留所あるいはその前後十メーター以内あるいは坂道頂上付近、これは向こう側が見えないものですから、正面衝突危険性があるということで、駐停車禁止場所になっておりますが、坂道頂上付近等が現在駐車停車もよくない。それから、規制駐車停車もよくないと指定している場所もございます。これは、御承知のように標識は、普通駐車違反の場合は斜めに一本筋が引っ張ってありますが、停車もよくないという標識バツ印になっている標識でございます。こういう特に危険性迷惑性が高い場所における違反につきましては、これは同じにしていくのは適当ではないということで今回、後ほど申しますが、反則金についても一般違反よりも重くする。また行政処分点数につきましても一点から二点に引き上げたいというのが(2)の内容でございます。  次に、(3)の、「二十五キロメートル毎時以上三十キロメートル毎時未満速度超過に付する点数を三点とする。」ということでございます。  これにつきましては、さき国会におきまして改正されました中に、従来は、速度超過は二十五キロメートル以上を非反則行為といたしておりまして罰金になっておりましたが、今回の改正でそれを五キロ引き上げまして三十キロ以上を罰金にするということにいたしたわけでございます。従来は、二十五キロ以上の罰金に相当する速度超過の場合は点数が六点でございました。それから、五十キロ以上の超過の場合は十二点でございましたが、今回二十五キロ以上三十キロ未満の範囲のものは反則行為に落ちてまいりましたので、従来と同じ点数にしておくわけにはいかないということで、何点にするかということを検討いたしたわけでありますが、現在、反則行為は一点または二点でございます。しかし、従来は六点であったものを一挙に一点または二点に下げるのは少し下げ過ぎであるというようなことも考慮いたしまして、三点という違反をつくりまして、この二十五キロ以上三十キロ未満を三点に落としたいと、こういうことでございます。  なお、御承知のように六点以上非反則行為は、一回の違反行為ですべて行政処分を受ける点数になっております。  次に、反則金関係でございますが、別表をちょっとお開きいただきたいと思います。  さき国会反則金最高限度額を約二倍に引き上げさせていただきましたが、具体的な反則金額政令で定めることになっております。その考え方は、次の表の右側にございますように、原則として五割アップといたしたい。しかし、駐車違反等につきましては、今回の法改正趣旨にかんがみまして、その抑止を図るため二倍といたしたい。さらに、先ほど申しました点数を一点から二点に引き上げる。特に、悪質危険な駐停車違反につきましては、駐車違反に比べてさらに高い二・五倍にいたしたいということでございます。  それから、速度超過二十五キロメートル以上三十キロ未満の額につきましては、従来は罰金でございましたから、裁判官が決めていたわけでございますが、今回、反則行為になりましたので反則金を定める必要が出てまいりまして、ここにございますように、二十五キロ未満の額を参考にして大型につきましては二万五千円、普通については一万八千円、自動二輪車につきましては一万五千円、原付につきましては一万二千円というふうにいたしたいということでございます。  以上が、反則金関係別表の御説明でございますが、最後に5といたしまして、「移植用腎臓又は眼球等応急運搬のために使用する自動車緊急自動車とする。」ということでございます。  現在、腎臓移植年間約百五十件行っておりまして、また腎臓臓器を運搬する車両が二十台ほどございます。この車を今回緊急自動車指定をいたしたいということでございます。  なお、角膜につきましては、年間約二千件ほど移植をやっておりますが、これにつきましては、かなり保存がきくという性質のものでございまして、今パトカーで先導を必要とするようなケースは、まだ生じておりませんけれども、同じように緊急自動車指定いたしたいと、こういうことでございます。  最後に、施行期日でございますが、シートベルト義務違反に付する点数に関すること及び緊急自動車指定に関することにつきましては、来る十一月一日から施行いたしたい。その他につきましては、法律が来年の四月一日から施行でございますから、同日施行にいたしたい、かように考えている次第でございます。  よろしくお願いいたします。
  4. 増岡康治

    ○小委員長増岡康治君) ただいまの警察庁説明に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 交通問題に入る前に一つ確認しておきたい点があるんですが、よろしゅうございますか。
  6. 増岡康治

    ○小委員長増岡康治君) どうぞ。
  7. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 最近、パチンコ屋営業者が一年ごとの営業許可更新申請を忘れて、改めて許可申請をしようとしたところ、許可更新以前に当該地域都市計画法に基づき市街化調整区域から住居地域に変更されており、県施行条例により営業が不許可となった事例がございましたが、このような許可後に営業場所制限に変更があった場合には、更新忘れというわずかなミスが、実質的には廃業という重大な結果につながっていく。風俗営業等の健全な育成を主たる目的とした風俗営業等規制及び業務の適正化等に関する法律審議の際に私ども議論をしたのは、パチンコは俗に言う風俗営業というか、モーテルとかそういう類のものでなくて、いわゆる大衆の中にもう既に健全娯楽として定着しておる。したがってこれは、やはり保護育成という立場を基本にやるべきである、こういった議論をした経緯があるんです。それに対して警察庁の方も全くそのとおりだ、これによって取り締まってモーテルなどの類と同じような扱いは考えておりません、健全娯楽として保護育成していきたい、こういうような経緯等もございました。  こういうことが起こりますと、うっかりミスということで届け出一年の更新手続を忘れたがゆえに廃業になる。こういうことになりますと、これは法の趣旨にも合致しませんし、これらの事案について何らかの救済措置が必要であると思うんですが、いかがですか。
  8. 漆間英治

    政府委員漆間英治君) 御案内のとおり各都道府県におきましては、風営適正化法施行令第六条に定める基準に従いまして、各都道府県施行条例の中で営業制限地域指定をいたしております。新たに営業場所制限がなされた場所では、特別の規定のない限り新規許可はできないこととされております。  お尋ねの事案につきましても、子細に検討いたしましたけれども新規許可をいたすことは不可能でございます。  したがいまして、できる限り早急に制限のかからない地域代替地を確保し改めて営業許可を受ける方法、あるいは現在一部府県において実施しておりますような条例等住居地域の一部を制限外とする規定を置くことにより救済する方法などを検討いたしておりますが、引き続き営業者側意向等をよく聞きまして、より適切な措置を講じ、再び営業が開始されるように最善を尽くしたい所存でございます。
  9. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 私ども法案審議のときには、こういう事例というのは想像してなかったことですね。今までも、またそういう事例もなかったわけです。しかし、この辺に法の不備があるのか。例えば運転免許の場合、二カ月や三カ月のいわゆる救済期間がございますね。そういうこと等考えてみますと、何らかの対策を講じるべきではないかというように思うんですが、この点はいかがですか。
  10. 漆間英治

    政府委員漆間英治君) 申し上げるまでもなく、許可申請を忘れることのないように措置することが第一と考えますが、不幸にしてこの種の事案が発生した場合には、これを救済するために法令を改正すべきか、あるいは改正するまでもなく何らかの方法をもって救済し得るか、前向きに検討さしていただきたいと考えております。  なお、業界では既に組合等を通じましてこの種事案防止策を講ずるよう措置しているというように聞いております。
  11. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 わかりましたが、当該業者皆さんから見ますと、うっかりミス廃業につながるということは生活権にかかわる重大なことですし、またそういうことを法が規制しているわけじゃない。言いかえれば法の趣旨というのは、先ほど申し上げたように保護育成ということを基本に置いているわけですから、ここら辺の取り扱いについてはひとつ慎重に、しかも適切に、再びこういうことが起こらぬように、ぜひひとつ対処してほしいということを要望しておきたいと思いますが、よろしいですか。  そこで、本論に戻りますが、官房長来ておるようですから、私一つお伺いしておきたいと思うんですが、この法案審議の際に、いわゆるシートベルト着用ということについては、確かに人命とのかかわりで必要であるということについては、我々も認めておるわけですが、しかし、これは強制すべきものじゃない。これが私の、当時の委員会議事録をごらんになっていただけばわかりますように持論だったと思うんですね。たばこをのむと肺がんになると盛んに言われますけれども、私もたばこをのみますが、それを法律たばこを禁止するというのはこれはいかがかと言った例を引きながら、私は質問をした経緯を記憶しているんです。そういうこともありまして、あの法案処理の際には高速道だけは義務づける、同時に点数減ですか、一般道については本小委員会で事の推移等を見てその上でひとつ判断をする、こういうことで附帯決議もついていますね。ところが、九月の中旬ごろですか、下旬ごろか、テレビを見ておったところが、山田長官がどこか北陸の方の県で記者会見をやって、十一月一日から一般道路も実施するんだ、こういう記者会見が飛び出してきて僕は驚いたわけですけれども、これは一体どういうことなんですか。小委員会無視という、そういう長官発言のように承ったんですが、いかがですか。
  12. 新田勇

    政府委員新田勇君) 長官地方へ出張した際に記者会見を行い、その際質問に応じまして、十一月からシートベルトについても所要手続を講じたいということを申したというのは事実でございます。その後、警察庁記者会見でも同じような質問があり、それにつきましては私も立ち会って聞いておったわけでございますが、あくまでも所要手続を経てそういうことをしたいのだという趣旨での発言でございまして、国会無視あるいは小委員会軽視ということは毛頭ございません。所要手続を経た上で、お諮りをした上でこういうものを実行してまいりたい、これが長官のお考えでございますので、御了解いただきたいと存じます。
  13. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そういうことなら、ここは一番最後施行日の6について、十一月一日じゃなくて十一月二日とか十二月一日とか、こうあってしかるべきだと思いますが、そういうことはもう言いませんよ、そういうちゃちなことは。しかし、やっぱり審議経緯がございますから、そこら辺はひとつ慎重に対処してもらわないと。今回は、私はそこまでやりませんけれども、ひとつ長官にも篤とそこら辺は、あなたから申し上げておいてほしいということだけは申し上げておきたいと思います。  そこで、その際に一番問題になったのは、例えば宅配の皆さんとか妊産婦の皆さんとか、こういった方々をどうするのかとか、それから選挙のときに候補者というのは皆助手席に座っておるわけですね。これは一体どうなるのかとか、いろいろあのときに事例が出てやられたんですが、その類の除外というのですか、どういう言葉になるのかは知りませんが、そういう類の分類というのですか、それは整理した結果どういうふうになったんですか。
  14. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 昨年の法律施行の後、早急にこの除外例につきましての道路交通法施行令及び国家公安委員会規則を定めておりまして、それにはまず施行令におきましては、着用義務除外する者として、「負傷、疾病若しくは障害のため又は妊娠中であることにより座席ベルト装着することが療養上又は健康保持上適当でない者」。  次に、「著しく座高が高いか又は低いこと、著しく肥満していることその他の身体の状態により適切に座席ベルト装着することができない者」。  第三に、「自動車を後退させるため当該自動車を運転するとき。」、これはすべての人、バックするときはシートベルトを外してよろしいということでございます。  それから第四に、緊急自動車あるいは消防自動車。  それから第五に、「人の生命若しくは身体に危害を及ぼす行為の発生をその身辺において警戒し、」被疑者を逮捕し……
  15. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 警察ということですか。
  16. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 警察官でございます。  それから、六番目が郵便物の集配業務。七番目が警衛等の車列に乗務している警察官、これも警察官でございます。
  17. 増岡康治

    ○小委員長増岡康治君) 今のをもう一回。
  18. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 警衛等のために自動車列に入っていて車を運転している、警衛とか警護……
  19. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 護衛ですか。
  20. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) はい。  それから八番目が、公職選挙法の選挙運動のために使用される自動車を運転するとき、こういう人たち政令上義務が除外されております。  それから、国家公安委員会規則で義務が免除されておりますのは、廃棄物の処理等、清掃車でございます。それから、二番目が宅配便等のしょっちゅう乗ったりおりたりする業務。第三番目が、これも米穀とか酒類とか牛乳配達、新聞配達等も入りますが、そういう系統の業務。それから、清涼飲料、パンその他の食品関係、こういう業務に従事する人たち国家公安委員会規則によって義務が除外されております。  以上でございます。
  21. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 わかりました。  もう一つお聞きしますが、シートベルトの今の説明を聞きますと、着用しなかった者の事故はこれこれというのは聞いたんですが、着用した者の事故というのはどうなっておるのか、この説明一つ。  それからもう一つは、着用都道府県別の一般道のあれがありますね。例えば三番目の説明資料です。これを見ると、六十一年二月、四月、五月、八月、九月とこうなっている。ところがなぜか三月がないんです、なぜか六月と七月がないんです。これはどうしてないのか、出すとぐあいが悪いんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
  22. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) まず先の方の御質問でございますが、資料の五ページをお開きいただきますと下の方に、六十年の九月から、これは高速道路点数がついた月でございますが、九月からことしの六月までについて見ますと、着用して死亡した者が三十七人おります。同じ期間に下にございますように、非着用で死んだ人が七十四人という状況でございます。これは年間で見ました資料もございますが、今ちょっと手元にございませんので、また後ほど御報告さしていただきたいと思います。  着用率調査でございますが、これは大変に手間がかかるものでございますので、毎月やっているわけではございません。ちなみにこの調査方法でございますが、主要な都市間幹線道路、または県間幹線道路上の地点十カ所以上、一つの県で十カ所以上を選びまして、大都道府県、これは十五ございますが、大都道府県では三千台、その他の県では二千台を対象として調査をする。これも通勤時間帯及び通勤時間外の時間、あるいは午前と午後というように、努めて正しい実態が反映されるように調査をすることにいたしまして、全国統一した基準で調査をいたしておりますので、毎月毎月調査をしなかったということでございまして、特に意識的に調査した結果を隠したということではございませんので、御了解いただきたいと思います。
  23. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 先ほどの資料を届けるときに、例えば三十七人がシートベルト着用した結果どういうことが原因で亡くなったのか、百九十一人重傷を受けたのか、この事例を類型としてでも結構ですから、そこまでを含めてひとつお願いしておきたいと思います。  それから、私はなぜそういうことを言うかというと、どうもシートベルトというのが急に着用義務化というようなことになってきた。そうすると、アクセサリーじゃないけれども、そこまでいわゆるシートベルトを重要なものとして製造会社自体が考えてなかった、研究も不足しておったというようなことで、人によっては非常に胸苦しいとか、言いかえればまあ快適じゃないんですよ。そういう研究不足のものがかなり車によってはあるのじゃないかと私は思うんです。本来、これが初めから義務づけでスタートしておったれば、そこら辺に対する実験研究というのは随分やったと思うんですが、そういう点が不足しておるような感じがしてならぬ。その結果、ケースを見ないとわかりませんけれども、例えば事故の際に首をつったり、腹を断ち割ったり、かえってシートベルトをしたために死んだ、こういう事例があるんじゃないかという気がするんです。そこら辺は、マイカーの皆さんのいろんな意見を聞いてみると特に言われる点ですから、私もそれは否定できないものがあるんじゃないかと思う。一遍自動車の製造会社じゃなくて販売会社の社長に聞いてみたんですけれども、率直に言って、確かにそう言われればそういう面がある。まさか急速に義務化という、ここまで考えてなかったから、そういう会社もあるかもしれぬ。またそういう製造のそこまで検査が行き届かぬ点があるのじゃないかということを自動車会社自身が言っていましたから、だから、私はそこら辺が、一般道まで全面的に適用になるといろいろの意味の問題を起こしてくるような気がしてならぬのです。そういう面で、何もさっき長官が十一月一日と言ったから云々というんじゃなくて、私はそこら辺も吟味してみると、やっぱり十一月一日からするのはいかがかな、そこら辺を考えていかなきゃいけないんじゃないかというような感じがしておりますので、警察庁としては、どういうふうなそこら辺のシートベルトそのものについての認識を持たれておるのか、いかがですか。
  24. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 御指摘のようにシートベルトをもっとつけやすいような構造のものにするとかいう研究は、今後ともやっていく必要があるだろうと思っておりますし、所管の運輸省にも折に触れそういうことを警察庁としても要望してまいりたい、かように考えております。  それから、正しいシートベルトのつけ方ということも、御指摘のとおり非常に重要なことでございますので、一線の現場におきまして、やはりシートベルトはしていてもつけ方が適当ではないような場合には正しいつけ方を指導してまいりたい、かように考えております。  それから、十一月一日から一応政令施行させていただきたいと思っておりますが、御承知のように高速道路運転者着用義務違反点数をつけました場合は、昨年の九月一日施行でございましたが、二十日間指導期間というのを設けまして、その間は点数切符を切らない、指導にとどめたということがございますので、今回もそれに準じて十日か二十日かの指導期間を設けてよく徹底するように図ってまいりたい、かように考えております。
  25. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 ぜひ、そこら辺は大事にして受けとめていただきたいと思うんです。例えば日航機が落ちましたね、あそこで。落合さんですか助かりましたよ。あれは飛行機の場合には、かなりそこら辺が検討されておった一つの成果じゃないかと私は見ておるんです。例えば心臓が悪い人とか、個人タクシーでも六十以上の人が多いですけれども、そのおじいさんに聞いてみると、これをやると胸を締めつけられると言うんですよ、胸に悪いと言うのです、心臓に。こういう人もおるんですね。さっきの政令で負傷、疾病というけれども、これは恐らくあなた方の解釈でいうと、平素何ということなくて心臓が悪いという人は入っていないのじゃないかと思う。逆に言えば、もう伏せてどうにもならぬこういう人だけをこの中に入れるのじゃないかと思うけれども、それは現実にありますよ。心臓病、最近心筋梗塞が一番多いんですからね、そういう意味ではやっぱりどこかに問題がある。あれは余りにも締めつける、また緩んではどうにもならぬという性格のものですから。そこら辺は、警察自体科学研究所もあることですからもう少し研究していただいて、自動車会社を指導していく類のものもあっていいんじゃないかと思うんで、そこへ一つつけ加えておきたいと思うんです。  最後に、いわゆる反則金が大幅に上がりましたね。きのうちょっと警察庁に聞いてみましたところが、今まで大体六百億ぐらい、これが一千億ぐらいになる。しかし、この上げ方を見ると一千億じゃなくて私は千五百億ぐらいになるのじゃないかと思うんですけれども、こういうふうに上がりますと、現場の警察官としてはだんだん点数主義に陥っていくのじゃないかと思う。いわゆる取り締まりのための取り締まりというものが前面に出てくるのじゃないかというような感じがしてならぬ。そこら辺が、さっきのパチンコの問題じゃございませんけれども、非常に心配される点だと私は思うんですが、そこら辺に対してどういうような実際の現場指導をやっていくのか、そこが一つ。こういう類のものは取り締まるのが目的じゃなくて、いわゆる教育、宣伝というのですか、啓蒙というのですか、これが先行していくべき類のものだと私は思うんですね。それにもかかわらず、どうしようもないというときにやる類のものだと思う。  例えば私も長崎で経験があるんですけれども、後ろからぶうというものだから、それまで何も言ってなかったのが、ひょっと見たところ、赤いランプが出てパトカーが前に来てとまれとこう言うのです、おまえの車は違反しておると、私の運転手にそう言っておるわけです。だから、免許証見せろ、こうなって反則だ、こう言う。だから、私はその警察官にあなたはどういう名前ですか、どこの所属ですかと聞いたんですけれども、前の車が違反であるというならなぜ一遍警告しないのか、前の車スピード違反だと。その上で、なおかつやるならそれはやったってやむを得ぬですよ。そこら辺が抜けておるんです。私が、この委員会でその問題が起こったときに取り上げて、もう六、七年ぐらいになりますか、七、八年ですか、ようやくそれから、きょうはどこどこの道路では交通取り締まりをやっていますということをラジオで言い始めた。それまで言っていなかった。いわゆるネズミ取りというので捕まえていたんですね。それから、こういうふうになったんですが、それに加えて、今言ったように後ろからつけてきて、じわっと、赤いランプもなくてそしていきなり前に出るというのは、これは私は行き過ぎだと思うんです。やっぱりその前に一発前の車はスピード違反だと、マイクを持っているんだから言えばいい。それでもとまらぬ場合に取り締まる。そこら辺の現場への指導というのが、私はあってしかるべきじゃないかと思うので、この点もひとつ御見解を承っておきたいというふうに思います。  まあいろいろ申し上げたいんですが、以上の点についてどういう御見解かいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  26. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) まず、疾病の問題でございますが、私ども政令規定をいたします場合に想定をいたしておりましたのは、例えば皮膚病なんかの方がシートベルトするとすれたりしてかえって悪化するとか、そういう外見上明らかな疾病ということを予想しておりましたけれども、ただ、御指摘のように心臓病とかそういう方もいらっしゃるかもしれませんので、これは、この問題に限らず、やはり要は、最後には取り締まりのための取り締まりにならないようにするということであろうと思います。したがいまして、今回の改正に伴いまして当然通達等で解釈、運用等の基準を示すわけでございますが、その中にも取り締まりについては、くれぐれも取り締まりのための取り締まりにならないように注意を喚起いたしたいと思っております。  それから、具体的な違反につきましても、例えば駐車違反なんかにつきましては、先ほど言いましたような悪質あるいは迷惑あるいは危険性が非常に大きいという違反、あるいは金を惜しんでパーキングメーター等がありながら、そこに入れないですぐわきに違法駐車をしているとか、そういう悪質なものに重点を志向して取り締まりをやってまいりたい、かように考えております。
  27. 馬場富

    馬場富君 今回の法律改正趣旨につきまして、これに伴いまして二、三質問いたします。  最初にシートベルト着用の問題に関連しまして、あわせて行政処分の問題も含めて……。特に交通事故の死亡ですね、それからけがもあわせまして、案外私たちは日常生活を毎日送っておることだから、自動車といえば一人か二人の事故です。そのために、飛行機の事故等は僕は安易に考えるわけじゃありませんが、これも大変悲惨な事故ですが、新聞等に大きく報道されて、これは、国民の多くの方々が胸を痛めつけられるほどPRをされるわけですけれども自動車事故の一人一人というのはそのように考えられていない。やはり同じ人命じゃないか、人命の重さというのは一緒じゃないか、そういう点からいけば私は、あらゆるものに優先して人命という問題については、法律も取り組まなきゃならぬし、この施行についても取り組んでいかなきゃいかぬ、こう思うんです。  だから、僕は本当に、交通事故の問題は案外悲惨な状況が日々起こっておるけれども、これが見逃されておる率が多いんじゃないか。そこをこの法の実施と合わせてお互いが再自覚しなきゃいかぬじゃないかと思う。例えば資料をもらいますと、五十九年でも交通事故で死んでおる人は約一万超えるわけですよ。それに比しまして鉄道事故等は四百人程度です。それから、航空事故死等は一けた台です、平均しましてね。そういうものからいくと一万の人が、それじゃ同時にぶつかって死亡したとしたら、私は地球上にパニックが起こると思うんです。これが一年の間に一人一人亡くなっていくから私たちは案外忘れておるんじゃないか、私はここが一番問題だと思うんですね。  そういう点で今度の法改正におきましても、人命を尊重するという立場を何が何でも優先していかなきゃならぬ。そして、今モーターの時代ですから、どうしても自動車交通をとめるわけにいきません。そうした場合にこれを、どうしても私たちが安全に運転させるためには、特に死亡事故から守れることがあるとしたらどんな点でも考えなきゃならぬのが、私たち政治に携わる者の考え方でなければならない、こう思うんですね。  今回のシートベルト着用の点につきましても、先ほどからずっと効果を見ておりますと、かなり効果も出ております。そういう点で私は、やはり早期実施ということは必要であるという考え方から、何点か質問したいと思っております。  ちょうど私、愛知県に住んでおりますので、六十一年の九月現在の交通事故の死亡事故というのは、余りいい話じゃありませんが、愛知県が日本で一番なんですね、一位なんですよ。現在までに三百八十九人の死亡者を出しておるわけです。そのうちの四輪車の死亡事故というのは百四十八人。私の調査の結果、この四輪車の中で百四十八人の人が死亡しておりますが、シートベルト着用しておった人で亡くなっておる人が十名で、六・八%です。これをつけてなかった人が百三十八名の九三・二%。この中で考えられるのは、やはりその五十五人が何とか着用していれば事故死から免れたんではないかという数字も出ておりまして、これは、いろんな問題点は先ほど佐藤委員質問の中にもありましたようにあると私も思うんですが、人命尊重の立場から、交通事故死というのが非常に考えてみて小さいように思われておるけれども、莫大な数、あらゆる事故の中の最大数が交通事故死だと言って過言ではないと思うんですね。そういう点でこれの実施について早期に私は考えていく必要があるというふうに思います。  その中で、先ほども質問が出ておりましたように、特にシートベルトの構造という問題については、これは私は研究する余地があると思いますよ。飛行機事故等でもベルトを締めておったために腸をやられるという欠陥があります。私も、かつてパイロットをやっておりましたから飛行機で墜落した経験もありますが、やはりベルトを締めておった場合には、もうほとんど航空事故というのは助かることは不可能ですけれども、助かった例でいきますとどうしても腹にベルトをする場合は、腸をやられやすい。だが、ベルトを締めてない人は必ず頭で死亡するとかそういう災難が起こってきます。どちらにしても一長一短は起こってきますが、現在科学が進歩し、医学はここまで進歩していますから、ベルトの構造ということはもっともっと研究する必要があるんじゃないですか。ベルトによって救われることは確かなんです。確かだが、やはりこのベルトの構造ですね、不自由さを感じないような、あるいは事故に遭ったときでもベルトを締めておったために事故が強くなるような、こういうことは避けるような、そういう私は構造上の工夫というのをもっともっと研究しなきゃならぬ、こう思うんですが、この点ひとつまず最初にお尋ねしたいと思います。
  28. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 私どもも全く御指摘と同様に考えておりまして、せっかくシートベルトをしていながら、かえってシートベルトをしていたために被害が大きくなるというのは何としても避けなけりゃいけない。ただ、構造だけじゃなくて、場合によってはその締め方が適当な位置ではなかったというようなことのために被害が出るということもあり得るものですから、先ほど御答弁申し上げましたように、適切なシートベルトのっけ方というものを指導してまいりたいと考えております。  それから、構造の面でございますが、これは運輸省の保安基準なりあるいは通産の所管になろうかと思いますが、私どももやはり何といっても締めやすい構造の物にすることが大切であるというふうに考えております。御承知のように現在のシートベルトも、かつての物に比べるとかなり締めやすくなっておりまして、普通は緩んでいるような締め方でも、三点式の場合ですが、いざ事故に遭うと一定以上の重力が働きますと、それが締まるというような構造の物になっているのが非常に多くなってきております。緊急ロック方式と言っておりますが、それなりに関係各省においても努力をしてまいっているようでございますので、今度とも折に触れ私の方といたしましても、そういう要望を続けてまいりたい、かように考えております。
  29. 馬場富

    馬場富君 あとは、死亡の中の四輪車の死亡以外に最近多くなってきておるのは自動二輪の事故。特に、暴走等による事故が多くなってくるというように私は現場では見ておるんですが、この点はどうでしょうか。
  30. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 最近、交通事故の死者が九千人以上四年間続けてあったわけでございますが、ふえている主なものは御指摘のように自動二輪車であり、ことしは原付が上半期非常にふえておりましたが、幸いにことしに入りまして自動二輪車は減り始めております。  それから、原付につきましても、御承知のように七月五日からヘルメットの着用義務違反点数をつけることになりまして、それ以降目に見えて原付も減ってきております。現在までの累計では原付も昨年に比べると減少と、こういうことで昨年までの増加の主役でありました二輪車が減ってきたということは一応喜ばしい結果であろうかと、かように考えておるところでございます。
  31. 馬場富

    馬場富君 下降の傾向にあれば結構ですが、この点については当局のいろいろな取り締まりとか指導強化もあると思いますので、特に、二輪車の暴走というのは、私たちも生活しておりまして目に余るものがあります。そういう点では、やはり公害の一種ともなるくらいの現状でございますので、これは今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。  それからもう一点は、これは、建設委員会等でもよく主張いたしましたが、愛知のあたりの例を見ますと、死亡事故の多いという原因には、そういう法律の強化や規則の強化ということも一つありますけれども、何といっても自動車量に対しての道路の対応問題が一番私は基本だと思うんです。もうこの解決なくして、私はいつも建設委員会でも取り上げましたが、愛知県の事故死のトップというのは、道路問題の解決なくして減少というのは難しいんじゃないかとまで、私は一つ一つを眺めておりましてそういうものを感じておるわけでございますが、官房長にこの点ぜひ、建設省ともまた各都道府県とも連絡をとって、こういう点についてもひとつ指導強化をお願いしたいと思うがこの点どうでしょうか、官房長。
  32. 新田勇

    政府委員新田勇君) 交通事故の防止につきましては、ひとり警察のみならず関係省庁が協力してやらなければならないということは、御指摘のとおりでございますので、そちらに向けまして私どももいろいろ関係する省庁と連絡をとってやってまいりたい、かように考えておるところでございます。
  33. 馬場富

    馬場富君 最後に、この5の点でございますが、緊急自動車という問題ですが、これはもちろん警察許可を与える。そして緊急自動車の、緊急医療等の問題については、各地方自治体が管理して行われておるというような点が多いと思いますが、この現状はどうでしょうか。
  34. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 緊急自動車につきましては、まず車両の種類につきまして政令規定をいたしまして、その中で個々具体的に一台一台各県の公安委員会緊急自動車指定をする、こういう手続になっております。今回、改正を企図しておりますのは、政令でその種類に加えたいということでございまして、今後公安委員会指定という手続が必要なわけでございます。  そこで、現在緊急自動車指定いたしておりますのは、パトカーは当然でございますが、あと救急車とか、消防自動車とか、あるいは道路工事用の、これもできるだけ道路が陥没したとか壊れたとかいうのは、早く直さないと危ないものですから、道路工事用の作業車だとかそういうようなもの。あるいは先ほどちょっと申しましたが、血液運搬の車両とか、そういうような種類のもの。それからガス工事、これもガスの故障とか、そういうような関係の修理のものですが、そういう種類のものが、現在政令緊急自動車として指定できる分野に入っているわけでございます。緊急自動車は、御承知のように道交法上のいろんな義務規定が免除されておりまして、速度も普通の規制速度を超えて走ることもできますし、あるいは赤信号でも交差点を通過できるとか、いろいろな義務免除がありますが、しかし、逆にそれだけに非常に危険。例えば赤信号で交差点を渡るわけでありますから、よほど注意をして運転をしていただかなきゃいけないというようなことで、私ども他の緊急自動車につきましては、平素の訓練とか、安全教育等を徹底して行っていただくようお願いをしております。  それから、腎臓移植用の車でございますが、これまでも緊急に輸送しなければならないことがもちろんございました。これは、従来はパトカーが先導して、パトカーが先導する場合は後続の車もパトカーと同じ扱いになりますので、そういうことでこれまで運搬をしていたわけでありますが、今回からはパトカーの先導が必要なくなる、こういうことになるわけでございます。
  35. 馬場富

    馬場富君 そこで、特に急病等の入院に対する緊急自動車の使用につきまして、急病の方は案外朝早くとか、そういう時期に非常に多いわけですね。そういうときに、赤いランプの点滅等は差し支えありませんけれども、サイレンを病人のうちの近くまで、道路上はもちろんそれは必要ですが、ああいう家庭に入る場合でも、常にああしてやっておる問題について、僕はどういう効果があるんだと思うんですね。かえってマイナスの効果があるのではないか。そういう点で、やはり大きい道路に入ってからの使用等はもちろんであるけれども、路地に入って病人を運ぶ場合に、私は、サイレンが非常に付近にも大きい迷惑をかけるし、病人自体にもプラスの要因は余りないんではないかと思う。ここらあたりをどのように考えておられるか、お聞かせを願いたいと思います。
  36. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 御指摘のようにサイレンを鳴らすということは静穏を害することでもありますので、不必要に鳴らすことのないよう従来から指導してまいっておりますが、なお、そういう事例があるとすれば、今後さらに徹底を図ってまいりたいと考えております。
  37. 馬場富

    馬場富君 ぜひこの点は、大きい道路等については交通法上サイレンを鳴らし、ランプを点滅しなければなりませんけれども、路地に入って病人を家の前で運ぶときも常にサイレンを鳴らし続けておるというのは、僕はマイナス効果だと思いますので、よろしく指導をお願いしたいと思います。  以上です。
  38. 神谷信之助

    神谷信之助君 シートベルトの着装義務の問題については、我々の考え方は、いわゆるスピード違反とかいうように事故を起こして他に迷惑をかけるとか、加害行為になるわけではなくて、みずからの命にかかわる問題ですから、おのずからちょっと違うだろう。したがって、そういう意味では先ほど同僚委員も言いましたように、指導、教育あるいは啓蒙、これを重点にすべきであるというのが原則的見地です。したがって、そういう角度から二、三質問したいと思うんです。  この法案審議で、過半数を過ぎればむしろしていない方がおかしいという状況になるだろう。したがって、そういう点を見きわめていくために、国民的なPRを前提にして啓蒙活動をやっていって、そういう状況をつくりたいというのが法案審議での皆さんの態度ですよ。そして、今度調査をすれば五〇%を超えるという状況になったから、いよいよ十一月一日から反則点を付与するということにしたい、ペナルティーを課す、こういうことになってくるんですけれども一つは、過半数を超えたといったって、あのときにもあったんですが、地域的格差が出てくるであろう。特に大都市はなかなかそうはいかない。その場合には地域的格差に応じて、どの県は付与するけれどもどの県はしないということになるのかと言ったら、それは無理やということでした。  そうするとこれは、実際問題として結果も出ていますが、東京、大阪、京都、愛知など大都市を抱えているところはよくないわけですね。私も京都府警の方に聞いてみましたけれども、大体よくないんだね。三三・二%、それから、九月が三三・七ぐらいですか。だから、月二回、二十九カ所の署でそれぞれ半月に一回ぐらいやっているのだけれども、それはそうなんで、京都の三三・二%あるいは三三・七%ぐらいといっても、京都市内のところと農村地域ではごろっと違うわけでしょう。それが一般的に平均をされて三三・ですからね。ですから、私のところの京都の事務所で夕方の五時、十七時から十七時十分、十分間、十月六日、この間電話入れてやってみいと言って調べてみたら、十分間見ていて百台通っているんですよ。丸太町通り、府庁前ですから車が割と通る。そのうち十五台が着装しているんですね。うち十一台はタクシーなんですよね。だから、一般車は物すごく少ない。  この間も、私は四谷から国会までのわずかな区間タクシーで来たんです。そうすると、タクシーは確かに着装率はいいですね。ところが、一般車はほとんどしてない。たまたまパトカーに四台ぱらぱらっとすれ違いました。これは緊急活動をやってない普通のパトカーです。これまた運が悪いのかいいのか知らぬけれども、一台もしておらぬのですよ。だから、これは大もとの警察もまだ徹底しておらぬ状況で、官公庁なんかにも特に協力は依頼をしているだろうけれども、さあ警察庁がそうやからどうかなという僕は危惧を持ちます。確かに一般的にタクシーは着装率はいいです。だから、この辺のところは、やっぱりPRをしていく、あるいは教育、啓蒙をしていく上で、私はもっと工夫をしなきゃならぬ問題があるんじゃないかということを痛感するんですね。この辺のお考えはいかがでしょうか。
  39. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) お手元の資料を先ほど詳しく御説明申し上げませんでしたけれども、六ページに、私どもこれまで努力をさしていただきました内容を掲げてございます。大変にいろんな形で広報をやってきているわけでございますけれども、これも先ほどちょっと触れましたように、一時は五八%台ぐらいまで上がったことがあったわけでございますけれども、ところがその後、ペナルティー高速道路だけだということがわかってくるにつれてかどうか、また下がり出しまして、ついに五〇%を切ってしまった、こういうようなこともございます。  それともう一つ、これは似たような例でございますが、大阪とか京都の場合は、原付のヘルメットの着用率も非常に悪うございました。ところが、七月五日から点数をつけるようになりましたら、ほかの県よりもむしろ非常によくなって、九八%ぐらいの着用率になりました。どうしてもやはり指導ではもう五〇%台がほぼ限界ではないか、六〇%とか七〇%には、もう指導だけではなかなか難しいんじゃないかというふうに私どもは考えております。  そういうことで、一応五〇%台を維持しておりますので、今回、点数をつけさせていただくことによりまして、着用率の向上を図ってまいりたいという願いも実はあるわけでございます。  それから、高速道路の場合でわかりますように、違反をする人が非常に少なくなります。九五%まで一気に上がりましたから、一般道路におきましても九五%までいくかどうかはわかりませんけれども、しかし私どもは、少なくとも九〇%台ぐらいにはすぐにでも上がっていくんじゃないかというふうに考えております。したがいまして、あちこちに違反者がいて片っ端から警察官が検挙するというようなことにはむしろならなくて、違反者が非常に少ない、こういうことになるだろうと思っておりますし、またそれを期待しているところでございます。
  40. 神谷信之助

    神谷信之助君 そこで、六十一年の九月から高速の方のなにを付与することにして九五・二%に上がってきていますね。それでもつけない人もいますね。その場合の反則点の付与の問題、この状況というのはどういうように指導されていますか。
  41. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) これは、反則金の切符は、御承知のように赤切符と青切符と色が二種類ございます。それで点数だけの切符は、現在二輪車のヘルメット着用義務違反もそうでございますが、これは白い切符を交付いたしまして、いついつ、何時何分ごろ、どこそこの道路で着用していなかったという事実を書いて、それでその切符を交付する、こういう方法によって、あとその切符の控えがございますから、それによって電算に登録をする、こういう方法をとっているわけでございます。
  42. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで、九五・二%ですから四・八%の人が着用していないという状況がある。その四・八%の人に対して反則の切符を出すということを厳密にやっていくのか、どういう形でその点では指導されるんですか。もう、一回見つけたらすぐ切符を切るということになるのか。その辺は、先ほどスピード違反の問題は同僚委員から出ていましたが、警告して、そしてつけさせていくという、あるいはスピードを守らせるということが大事なんで、びしびし取り締まるということが重点ではいかぬという問題があったんですが、私は特にそう思うし、ましてこれは自分の命にかかわる問題なんですから、そういう点では教育的指導といいますか、これをもっと重視をしなきゃいかぬと思うんで、高速道路の場合にはどういうような現場に対する指導をなさっているかという点ですが。
  43. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 現在の高速道路点数切符の交付の実態でございますが、一応法律上は高速道路の取りつけ部分も高速道路に入りますし、それから、本線に出るまでの誘導路といいますかも高速道路に入るわけでございますが、この区間はシートベルトをしてない場合は指導にとどめる。本線車道をシートベルトをしないで走っていることが確認できた場合のみ検挙する、こういう指導をいたしております。
  44. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると今度は、一般道路になりますと、そういうけじめはちょっとつけにくくなるわけでしょう。それからもう一つは、乗降の頻度の高い者は除外されますから、だから、宅配なら宅配をやっているときには除外されるけれども、同じ車であってもそうでない場合は除外されなくなってきますね、普通に走っている場合は。いわゆる宅配業務をやっていない、あるいは牛乳配達してないという場合の車は該当しない、除外されないわけでしょう。だから、そういった区別やらなにがややこしくなってくるんです。それで、本人の自覚自身もややこしくなってくる。そういった問題が含まれてくるし、それから実際問題として、近距離ちょっと行くのに一々こんなことはという者が出てくるわけですよ。そういった問題も起こるでしょう。  先ほどおっしゃったように大体大都市で着装率が低いという点では走行距離が短い、それからスピードもそう出せない、そういうことからそうなっているんじゃないかという推測をされるぐらいですからね。今度実際一般道路にやってくるとき、そういういろんななにが起こってくるんじゃないかというように思うんです。高速道路というのはここから入ったらぱっとわかりますけれども。その辺のところは、実際問題指導の点では相当準備を必要とするし、それから悪質者との区別といいますか、悪質者というのもどういうことになるかちょっとわからぬのですけれども、その辺のところはひとつどうかというように思うんですが、先ほどそういう点で、仮に実施をすれば十日なり二十日なりの期間は猶予期間というか指導期間を設けたいということですけれども、私は十日間なり二十日間の猶予期間というか指導期間というのを十分とって、現場の警察官自身もその指導と、それから反則切符を付与するという場合との区別が合理性を持つような、そういう状況を訓練されてこないと、トラブルが起こったり不公正が起こったり、取り締まりのための取り締まりになりかねぬというように思うんですが、この辺のお考えはいかがですか。
  45. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 法律制度の一番難しいところであろうかと思いますが、個々具体的なあらゆる場合を想定いたしまして、この場合は切符を切れとか、この場合は切ってはいけないというようなことは事実上不可能でございますので、ある程度やはり概括的に扱うことも出てこようかと思います。例えば幹線道路中心に指導、取り締まりをやるとかあるいは長距離だとか、そういうような一定の基準に従って取り締まりの場所なり日時なり、そういうものを選んでくるということで対応してまいりたい、かように考えております。  要は、やはり常にどういう違反でもそうでございますけれども、個々具体的な場合に相手の主張をよく聞いて、本当に取り締まりのための取り締まりにならないように個々の警察官が心して取り締まりをやっていく、こういうことであろうかと思いますし、また私どももそのような指導をしてまいりたい、かように考えております。
  46. 神谷信之助

    神谷信之助君 その場合は、今のスピード違反の取り締まりでやっておられるように公開というか、公然と教育的見地でやっていく、取り締まりのための取り締まりということじゃないという方法をおとりになりますか。
  47. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) これは県下一斉だとか、あるいは全国一斉のシートベルトの取り締まり等をやる場合もございますので、そういう場合には事前にマスコミ等を通じて広報するということはあろうかと思いますが、常に予告をして行うということではなくて、やはりそれぞれ交通事故多発路線とか、そういうようなところを重点にそのときそのときに取り締まりを行っていくということは、これはあるだろうというふうに思います。
  48. 神谷信之助

    神谷信之助君 例えば、交通担当の警官であろうとそうでない外勤の警官であろうと、着装してない状況を見た場合に着装しなさいよと警告をしたり指導をするということはあり得るだろう。その場合は、もうすぐ現行犯として検挙して反則を付与するということまでやるのか。一斉にやるという場合は、ある意味で言うと教育的見地も含めてだっとやりますわね。だから、そういう点では、きょうはひとつみんな気をつけなさいよと、交通違反ゼロの日とかいろんな形でいろいろなことをなさっているわけで、これはまたそれも必要なんだけれども、その辺のところは一体どうなのか。点数稼ぎというのは、ある意味ではそういう意味もあるわけですわね。だから、その辺のところを私は十分注意をしてやってもらいたい。  いずれにしても着装率の状況を見ると、去年の法案審議でおっしゃっていた、少なくとも過半数以上の者が着装しているという、そういう状態にはほど遠い状況ではないのかな。大都市のああいう点を考えると、五〇%を超えているといったって加重平均やればうんと下がりますからね。だから、単純平均だけで過半数を超えましたというわけにもいかぬだろう。だから、その点では、特に大都市に対する啓蒙啓発活動というのをどうするのか。この間も、着装しておったことによって命拾いしたという経験交流をやられて、テレビでもやっていました。あれもいい企画の一つですが、ああいったようないろいろなことをいろいろな形で考え、そして自分の命を自分の責任で守っていかないかぬ問題でしょう。そういった問題についての啓発活動というのが、今まで努力をしてこられたとおっしゃっても、もっといろいろ工夫をしてみなきゃいかぬというように思いますね。  東京も、私の秘書に永田町の交差点や桜田門、日比谷とかいろいろ調べさせても大体一〇%台ですね、着装しているのは。一〇%いかぬですね、九・五%、六・九%、一二・三%です、タクシー以外はですよ。まだまだおっしゃっているような数字にはなっていない。だから、そういう意味では時期尚早だと。法案審議のときには過半数とおっしゃっていたんだが、実際問題として過半数いってないという感じがします。仮にやるとしても、そういう点では十分な猶予期間というもの、指導期間というもの、これをやって、現場の警官が取り締まり的態度にならないで教育啓発を中心に指導していくという、この点での徹底した指導というものをやって、それが実際に行われる状態をつくっていってもらうということを特に要望しておきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。
  49. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 御指摘のように東京都内でも都心は非常に着装率が低うございますけれども、多摩地域に行きますとかなり高くなってまいりまして、それを全部を加重平均しますと四〇%ぐらいになっている、こういうことでございます。それから、先ほど単純平均でとおっしゃいましたが、全国着用率は加重平均で出した数字でございます。  それから御指摘のように、私どもは実は、もう点数をつけることによってほとんど違反者がなくなるという状態を期待しているわけでございます。そういうことでございますので、まだ十一月一日までに期間がございますし、先ほど言いましたように若干の指導期間も設けたいと思っておりますので、特にマスコミ等にも御協力をいただいて十分にPRをしてまいりたい、かように考えております。
  50. 神谷信之助

    神谷信之助君 同じ交通警察にかかわる問題で、ちょっとこれは警備、公安にも関係はするんですけれども、放置できない報道がありますのでね。警察庁承知だと思いますが、「アサヒグラフ」の九月二十六日号です。これ、コピーしたものを参考までに出しますから。  これは、九月十三日の午前九時に東京・新宿中央公園に右翼団体約三百五十人が集まって——日教組大会があの中止になった日の朝です。我々も登院するときに交通渋滞で一時間ぐらいかかったりしたあの日でありますが、そのときに記者がその右翼団体の街宣車に同乗をした記事が報道されているんですよ。初めのページの下の段の真ん中辺から先にあります。   運転は乱暴である。赤信号なんか平気で無視をする。サイレンを鳴らして、   「ハイ、街宣車が通ります。一般車、歩行者は注意してください。脇によけなさい」   とアナウンス、猛スピードで突破してしまう。まるで救急車だ。たいていの警官は見て見ぬふりをし、制止しようとした警官が危うくひかれそうになった。   たまに勇敢というか無謀というか、軍団に割り込もうとする車がいる。罵倒されてすめばまだいい。ある宅配便配達車は逃げようとしたが、不運にも信号につかまってしまった。車からバラバラと右翼が降りてきて、一人が車体にケリをいれた。二人が運転席のドアをこじあけ、つかみかからんばかりに、別の道へ行けと命令した。この車、スゴスゴ左折したのである。   パレードは四時間ほどで終わったが、途中に小ぜりあいもあった。 ということで、まさに何といいますか、無法地帯が現出されているわけです。  この国会周辺における右翼の街宣車の問題もしばしば当院の議運の理事会でも問題になって、私も議運をやっておったときには何遍も問題にしたんですけれども、交通違反という、騒音とかそういうのでなかなか難しいんだとおっしゃるんだけれども、これを見ると明らかに赤でも信号を無視して走っているわけでしょう。それから他の一般車に対してそういうことを行っているし。そうすると、確かにあの現場の交通警官だけで処理はできませんよ。しかし、毎年こういうふうに日教組大会があると、これは周知で来ているんですからね、年中行事でやっているんですから。だから、予定をされるわけ、予想をされるわけです。それに対して無法地帯の現出を放任しているというところは、我々よく言っている右翼団体を泳がしているんじゃないかという問題にも関連をするし、逆に国会請願のデモになると今度はのぼりをおろせとかゼッケンを取れとか言うでしょう。請願行動をするのにどこの団体が請願に来ているのか、請願の組織もわからぬ。それは示威行進に当たるから、示威に当たるからいかぬというようなことでなかなかデモが通らない。片一方にはそうやってその請願の趣旨さえ生かされないような規制までやりながら、片方の右翼団体には、暴力的にまさに国民を脅迫するようなことに対して警察が何の手も打たないというのは、これは許せないと思うんですが、この辺について警察側の対応を官房長なり何なりからお伺いしたいと思います。
  51. 新田勇

    政府委員新田勇君) お示しいただいた記事につきましては、初めてでございますのでにわかにはコメントできませんが、一般的に申せば、違法行為は看過しないというのが私ども基本的な態度でございます。この記事にも警官が危うくひかれそうになったとか、機動隊ともみ合ったということが出ておりますが、もしこれが本当だとすれば、警察もこのような右翼に対しては対峙をいたしておる、こういうふうにお考えいただきたいわけでございます。  それから日教組大会の問題につきましては、大幅な交通規制を行って画期的とも言えるような規制をことしはやったと、かような報告を受けているところでございまして、引き続き違法行為が行われないように、あるいは国会を中心とした静ひつというようなものについては、最大限の配慮をした規制を引き続き行ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
  52. 神谷信之助

    神谷信之助君 いずれ、例の追い越した大学生を殴り殺した大行社の事件とか、それから今度は、町長室へけん銃を持って入っていって殺した事件とか、最近そういう人殺しも辞さないような右翼団体の跳梁もありますし、改めて追及をしたいと思います。  これは、九月二十六日号で公然と出ているんですよ。これを見た国民は一体どう思うだろうか。官房長は初めてごらんになったそうだけれども、交通の関係者なりは報告も聞いておられるだろうと思いますが、いずれこの問題は追及しますが、この点についてひとつこういう事態が事実あったのかどうか、それに対して警察側の対処、これからの方針等について私の方にちょっと御連絡をいただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。きょう初めてということですから。
  53. 新田勇

    政府委員新田勇君) まずよく読ましていただき、係の方へ調査をさせたいと思います。
  54. 秋山肇

    秋山肇君 3の(1)についてですが、法案審議のときに議論をされたということをお聞きしておりますけれども、この、「助手席同乗者の非装着についても一点を付する。」という問題ですけれども同乗者が免許証を持っている人と持ってない人の場合があるわけですね。免許証を持っていても罰則の一点は運転者に付するということですけれども、先ほど来論議されている中で、やはり自分自身で自分を守るということ、特に免許証を持っていれば、その点についての義務というものは同じように見ていく必要があろうと思うんですが、この辺についてお考えをもう一度お聞きしたいと思います。
  55. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) ちょっと御説明を落としましたが、現在の道交法規定は、助手席同乗者に直接着用義務が課せられているわけではございませんで、助手席同乗者シートベルトを着装させて運転をしなければならない、こういうことで義務は、あくまでも運転者に義務が課せられております。  またおっしゃるように助手席同乗者がたまたま免許を持っていれば点数がつく、持っていなければ点数がつかないという不公平な問題も出てまいりますので、これは運転者の義務にしているわけでございます。したがいまして、助手席同乗者がしてない場合も、仮に運転者シートベルトをしていても運転者点数がつけられる、こういうことになっております。  この点につきましては、国会審議等でも御承知のようにいろいろ議論がございまして、特に、タクシーの運転手が助手席に客が乗ってシートベルトをしてくれと言ってもしないような場合等が問題になったわけでございます。これは、一声シートベルトをしてくださいというふうに声をかければ、それでしないというような場合は検挙はいたしません、こういうような御答弁も申し上げているわけでございます。そういうような運用をしてまいりたい、かように考えております。
  56. 秋山肇

    秋山肇君 この運用について先ほど来PRの問題等も出ていますけれども、現場における警察官の人の対応というのはかなり厳しくというか、そういう点も含めて御指導いただきたいというふうに思うんです。  特に、今運転をしている者にその責任があるということは、このPRについて重要なポイントだろうというふうに思います。法案審議ではわかっていても、一般的にはなかなか国民というのはわからないわけですから、その辺もぜひお願いをしたいというふうに思います。  それから二番目の駐停車違反点数の問題、これが一点が二点に上がるわけですけれども、よく聞くことは、駐車違反をしていても取り締まりが少ないというのか、全然タッチをされてないところがあるというふうに聞くわけですね。それはどういうところかなというふうに思いますと、各警察の、何というかお互いの接点というようなところが、何か取り締まりがなおざりになっている嫌いがあるように思うんですけれども、この点についてそういう声が警察庁の方に上がってきているかどうか。特に、こういうふうに一点が二点になるということになると、不公平であってはならないというふうに思うので、この点についてひとつお考えをお聞きしたいと思います。
  57. 八島幸彦

    政府委員八島幸彦君) 先生御指摘のように駐車違反につきましては、なかなか取り締まり率が高くならないといいますか、取り締まり体制等の問題がございまして非常に低うございます。現在、東京の場合は一%にも満たない検挙件数でございます。  そういうことから今回の道交法改正では、現在の非常に不公平になっているものを何とかしないといかぬということを中心に考えまして、一方においてどうしても必要やむを得ない駐車のためにパーキングメーターとかパーキングチケットの機械を増設する、そのかわり取り締まりの方ももっと強化するということで、御承知のように移動措置命令のステッカー等を張って、これは勝手にはがすと罰金二万円以下になるとか、そういう規定も設けましたし、それから、指定移動保管機関という制度を設けまして、レッカー移動等の業務を民間の法人に行わせるというようなことによりまして、警察が直接やります場合は、どうしても予算の制約とかいうようなことで思うに任せない面もあるものですから、そういうことで取り締まりの面も少なくとも、今のような一%にも満たないというような状態はぜひ打開してまいりたい、かように考えておるわけであります。
  58. 増岡康治

    ○小委員長増岡康治君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、散会いたします。    午前十一時五十分散会