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高桑栄松君 具体的にどういう指示をされたか、何が必要かということを本当は伺いたいのですけれ
ども、時間の都合もありますし、あと研究体制のことを伺いたいと思っています。
通知をされたということは承りました。しかし、末端では知らなかったということも今申し上げたと思うんです。知らないからそう言っているんです。
それから、私は北海道大学の歯学部の教授とディスカッションをいたしました。プロフェッサーも青くなっていました。私とのディスカッションをしてどういう対策が要るかということを、これは私と歯科の教授との間のディスカッションでこんなことが要るんだということを
考えた項目を申し上げます。御参考にしていただきたい。
歯科
関係は、急いでこれやっぱり講習会を開いてやった方がいいと思います。そして、これに必要な助成金は出してもらわないと困ります。というのは、
一つはB型肝炎と同じ扱いですよね。そういうふうに通知しているはずです。B型肝炎と同じように予防
措置をとれということです。ただ、B型肝炎は百二十度以上で熱しないと死なないけれ
ども、これは百度ぐらいで死にますから、殺菌されるから消毒の内容が違いますが、消毒を怠ったら完全に危ないということです。それで、ディープキスでもうつると言っているのに、口の中をがあっとやって血が飛び出ているんですから、これでうつらないわけがないんです。ですから、B型肝炎の感染率が歯医者さんは高い。それでしぶきが、こうやるんですから、ドリルというのですかね、こうやるわけですから、だあっと飛んでいますものね。ですから、あれが歯医者さんに入ったらやっぱり一〇〇%うつらないということはありません。
これはどうするかということで、ウイルスですからマスクはだめです。ですから、そこで我々
考えた。作業盤のプラスチックの透いて見えるやつを置いておいて、少なくとも直接のやつはみんなここにぶつかって、そういう操作ができる、これが要るんじゃないか。これが
一つ。
それから、ドリルの消毒はしなきゃだめですね。そうすると、百二十度以上というのは西独製しかない。僕は見せられた。百三十と百五十と書いてあるのは、ここまでの度数がいいということを示している。乾熱滅菌です。そうすると、B型肝炎は死にますけれ
ども、しかし、百度ならば普通のものでもいいという場合に、百度でも一回ごとに消毒しなきゃだめなんですから、五回やってからやめるなんというとだめなんですからね、誤解なさらないようにしてもらいたいんです。毎回やるんです、毎回。そうすると、百度の沸騰、例えば五分なら五分、安全率で見ますからね、エイズの場合は二十分入れたいと思うんだな。そうすると、やっぱり材質がだめになるそうですよ。だから、それならそのような材質を改良していかなきゃだめだ。すべての人に一回ずつ消毒することを確実にやらせなきゃ危ないということです。
そして、
患者から医者にうつるだけじゃないんです。お医者さんがこれで、注射針も同じなんですけれ
どもね。今、医者側の針は全部使い捨てですから、針でうつるということはあり得ないんです。ただ、間違って刺したときに医者がうつっている、
看護婦がうつっている、そういう事故というのはかなりあるんですね。数字見て驚いたです。かなりある。B型肝炎です。しかし、今度はエイズですから、針刺したらやられますよ。エイズ感染者から注射針を抜いて、自分がうっかり間違って刺したらうつりますね。これはうつる。ですから、歯医者さんの場合はそうでなくて最初からこうやっているんで血が出ているわけで、血だけじゃなくて唾液にもウイルスがありますから。
それから、もう
一つは、全体の換気が要ると思います。だって、そこにいるお医者さん、
看護婦さん、歯科衛生士、待っている
患者にもみんな濃厚なウイルスの飛沫が飛んでいるわけだ。乾燥したらうつらないんじゃないかと思います、文献によると。しかし、生々しいしぶきが飛んだらどうかな。ディープキスと変わりないんじゃないですか。そんなことでもし万一ということがあって、一〇〇%うつらないと言わない限りは消毒もばっちり一本ずつ、一回ずつやるということです。それから、換気は上から空気を入れて下から抜けば、呼吸線のあたりはいい空気が入ってきて悪い空気が下へ行く分には感染の可能性が減りますから、それは全体ですね。
もう
一つは、歯医者さんと
患者さんのところの局所換気が要るんですよ。労働省でやっていますね。もうそこで粉じんが飛ぶところは、そこにカバーをかぶせて局所換気をやっていますから、そこから飛ばないようにしているわけだ。だから、
患者さんをすっぽりかぶせて局所換気をやる。いや、それは私今冗談に言ったんですが、何か方法があると思います。そうやって
患者さんから出てくる濃厚な飛沫は局所換気で取る。そこからはみ出たものがあるから、それは上から空気を入れて下から抜くという方式をとる。その空気を外へ出すわけだ。本当は心配ですけれ
ども、多分外へ出て乾燥したらうつらないんだと思います。いわゆる空気感染はしないと言っているのはそういう
意味です。でも、濃厚なしぶきは私はうつると見るのが本当だと思います。
そのあとはどういうことだったかな——例えば北海道ですと、上から入れて下から捨てていったら、もう毎回マイナス五度ぐらいの空気が入ってくるわけだから、暖房大変だと言うんです。暖房料を少し追加してもらわなければ困ると言っていましたよ、歯医者さん側は。うん、そうだなと思った。しかし、医者と
患者の感染、それから
患者から医者、医者から
患者への感染を
考えますと、これは職業病感染としては私は歯医者さんというのは緊急だと思います。非常に緊急を要するんではないかなと思うんですね。
ですから、これは私、今私の得た結論を申し上げましたから、それを参考にしていただいて、日本歯科
医師会あるいは歯科の大学の
先生方と相談をされて、緊急にできるだけの対策を立てていただきたい。
もう
一つありました。ゴム手袋をアメリカでは何か歯医者さんにはもう指令を出して、ゴム手袋をはめさしているそうです。それは傷がついていたら歯医者さんにうつるんですから、歯医者さんが自分の感染防護のために手袋をはめる。それから、一遍ごとに捨てなければだめです、それを使ったら別な
患者さんに今度うつすわけですから。ゴム手袋を一回ずつ捨てるわけだ。そうしますと、このゴム手袋というのはやっぱりコストになるわけですから、だから歯科の点数
考えてもらわなければ
先生方困ると思うんです、それはしかと申し入れますから。だから、それはやっぱりそうしてもらわなければ困る。
それから、ゴム手袋ではできませんと言っていた。私たちは非常に微妙な感覚なんですと言う。うまいこと
考えたらいいと思うんですよ。非常に薄いやつね。非常に薄くてぴったりして、しかも破れないやつ、破れたらだめなんだから。コンドームだって同じですよ、破れたやつ使ったらだめなんですから。ですから、ああいう技術があるのだから、あれに匹敵する、〇・〇何ミリだか忘れましたけれ
ども、そういうちゃんとしたゴム手袋を開発して、歯医者さんには特別にコンドームよりもっと薄くて、ちゃんと丈夫で、そして診療には間違いなく使えるというものを開発させて、そしてそれを使わした方がいいと思いますよ。大事なことなんです。それで、その手でまたほかの人をやったらうつりますから、全部捨てるということです。これはアメリカでは指示しているそうです。日本ではもうちょっといい手袋を開発した方がいいと思います。
この前、エイズ研究を急げ、
治療を急げと申し上げたのは、感染をした人が、キャリアがいつ発症するかという不安を目の前に置いている、そして今は
治療も予防もないと言われたんでは救いようがない。だから、せっかく権威の人の論文を読みますと、ワクチンはなかなか開発は難しいようだが
治療には望みがなきにしもあらずだと。我が国は
治療にやっぱり全力を挙げて研究に取り組んでもらいたい、こういうことを申し上げたら総理
大臣は、金は幾らでも出す、ただ体制を整えろと言われました。これについて、これを受けてどう
考えておられるのか。厚生省当局の
お話と、
厚生大臣、ひとつ締めていただきたいと思います。