○沓脱タケ子君
労働省は、施行後間がないということで十分な御
調査ができていないという状況もありますが、私
ども見ているのは全部そうですね。その平コースと管理職コースという二コースになっているか、さっき申し上げたように間に
一つあるかという。その
条件というのはどれも、これは時間の
関係ありますから全部申し上げませんが、これもやっぱり一般職という管理職コースは国内外の全地域を担当、それから平コースは原則として同一地区に勤務する従業員ということでコースを分けているわけですね。
商社の実態も調べてみたんです。これは商社では女性というのはかつては
職場の花と言われた時代があったんですけれ
ども、今は学歴が高度化し、また勤続年数も延びてきておりますから、非営業部門では実質的な課長の
役割を果たすというふうな
人たちも出てきておりますし、営業部門でも従来男性がやっていたような領域へもどんどん進出をしてきているわけですね。
例えば、商社の女子職員というのはどういう仕事をしているか、幾つかの商社の話を聞きましたけれ
ども、ある商社では、大学で中国語を勉強してきたのでその商社に入ってからは月の大半は中国へ出張している。出張中は夜昼の区別なく仕事をして、出張手当は男女平等ですけれ
ども、しかしコース別の選定では事務職、いわゆる平コースなんですね。だから給料では
格差が出てきていると、こういう問題。あるいは別の商社ですが、これまで管理職がしていた税務
関係の仕事をやっている。上司は、君は経理部長だなどと言ってくれますけれ
ども、給料は同期の男性の五三%です、そして平コースだと。みんな最近コースを決めていますからね。
それからもう
一つの例は、海外から輸入をする商品に保険を掛ける仕事をしている。商社の中では非営業部門ということにはなっているけれ
ども、損保会社の立場から見たら営業部門、つまり営業マンと日々商売の交渉をしているということになる。これも平コースになっている。それからもう
一つは、アメリカ向けの繊維の営業部門で働いている方ですが、毎日テレックスを見てバイヤーと契約を決めたりメーカーに商品を注文したりしている。一方、事務処理においては君がいなければ課が成り立っていかないなあなどと言われているけれ
ども、やはり平コースに置かれている、こういう状態なんですね。
ですから、今申し上げたような
方々、ほんの一例でございますけれ
ども、こういう
方々は事務的、補助的
業務を行ういわゆる平コース、事務織なんですね。
ところが、商社というのは大体どういう
職場かというのは、申し上げなくても
皆さん御承知だと思いますけれ
ども、職種の差というようなものはないところなんですね。OA化が進んで取引形態も非常に多様化して、男女とも区別できないような仕事をそれぞれが担当して、非常に厳しい営業をやっている。いわば
一つの
職場の中で二人と同じ仕事の形態を持っている人はいないと言えるような状態になっているんですね。だからコースに分けようがないんですよね、どっちが平コースなのか、どっちが管理職に向いている仕事をしているのか。同じ
職場の中で一人として同じ仕事をしていないという非常に多面的な仕事をこなしているわけですからね。これでやっぱりコースを分けられているんですが、その場合に、国内外の転勤ができるかどうかという転勤の可否が昇進昇格あるいは
労働条件を大きく左右すると、こういうことになっているわけですね。現実にやられているんです。
こういうことはちょっと不合理だとお思いになりませんか。おかしいでしょう。同じように仕事をしていて、コースだけ分けたら
賃金も違う、昇進の可能性もある人とない人とに分かれていくということになったら、ちょっと不合理じゃありませんか。