○
対馬孝且君 大臣、一番大事なことは、
地域社会のプロジェクトをつくる場合、もちろん道庁なり
地元に我々も働きかけますけれ
ども、国が積極的に前に出てもらわないと、どうもある
段階に来ると国の方が引っ込んじゃって、幾たびかありますよ。田中
通産大臣、私も一番憶えがあるのは三菱美唄、これは時間がありませんから端的に申し上げますけれ
ども、当時は造幣工場を持ってくるとか、専売公社を持ってくるから
対馬君心配するなと、君、あんな危ないところに働くことないよなんてうまいことばかり言ったけれ
ども、何
一つ出ないで、三菱美唄
炭鉱へ行ったら、私もこの間六月に行ってきたんだけれ
ども、今もう犬一匹、猫一匹住んでないからね。田中
通産大臣の構想でいけば今ごろはここに造幣工場や専売公社が来ているはずなんだけれ
ども、それどころではなくてもう廃墟と化してしまっているわけですよ。
私は、構想はいいんだけれ
ども、
一定の構想を着手したけれ
ども全然外へ出てこない。これではかえって大衆を、国民を裏切ったことになるので、そういうことでなくて、着実に国ができることはひとつ前面に出てもらって、
地元も大いにひとつ歓迎するようにびしびしとやってもらいたいと
思います。
時間がありませんから、次に
高島炭鉱の問題で、後ほど宮島
先生からもありますけれ
ども、
答弁に労働省を呼んでおりますので、これは
高島炭鉱だけじゃなくて、
現実に
炭鉱離職者
対策本部というものをつくったんですが、どういう中身なのかということが一点。
それから、不況業種指定を閣議でやっていただきまして、それもわかっています。私は、さっき言ったように、あえてこれは好むわけじゃないけれ
ども、結果的に
閉山が出た場合に考えてもらいたいことが二つある、当面の問題として。
これは、求職手帳というのは十三
万三千円です、私も長いこと携わっているので。これは十年以上変わっていないでしょう、平均でいくと十三
万三千円というのは。十三
万三千円といったら、東京都の生活
保護費はもう年収約百九十方から二百万いっているんでしょう。生活
保護費以下なんだ、今この黒い手帳というのは。これであなた山をつぶしておいて、あとは
雇用対策で何とかします、国は言うこと決まっているんだよ。後ある時が来たら、そんなものは今鋭意やっていますで終わってしまうのです。だから、最低の生活条件を満たすためには、生活
保護費以下の黒い手帳で飯を食えなんてとんでもない話だ、
基本的人権無視も甚だしい、私に言わせれば。これはもう一回黒い手帳の見直しをすべきであるということが一点。
第二の問題は、何といっても、これは好むものではないけれ
ども、やっぱりどうしても生活しなければならぬわけですから、緊急就労、開発就労、これは北海道の場合にも夕張なら夕張のズリ山を崩して、五百人なら五百人の
労働者が三年間なら三年間飯食うことができるのだから、こういう緊就あるいは開発就労をぜひとってもらいたい。そうしなければ緊急避難で生活できないんだから。
第三番目は、いち早く不況業種指定に指定したということは結構なことだし、いいことですけれ
ども、この運用について
思い切った拡大運用をしてもらいたい。こういうことは言いたくないんだけれ
ども、拡大運用というのはどういう
意味かといったら、山をつぶすんじゃなくて、私の言うのは、山を残すための目的が一時帰休に伴う不況業種指定なんだから、そうでしょう。その目的があるとすれば、山を残しながら、どうしたら一方でもって、不況業種指定で
一定の三分の二、あるいは
雇用労働者を二百日、こういう法律がありますけれ
ども、この範囲はどこまで拡大運用できるのかという
あたりがこれから北海道の山が生き延びていくための最大の要件です。高島だって同じですよ、私に言わせれば。そういう問題を含めて当面、高島は明治以来この方——私も何度も
高島炭鉱に行っておりますけれ
ども、去年も行きました、災害で。ああいう立派な
炭鉱がつぶれていかざるを得ないというのは返す返すも残念だ。しかしそれだけに、今日の事態を迎えたわけですから、
高島炭鉱の組合員、家族の
地域社会のために万遺憾なきをぜひひとつ期してもらいたい。
以上三点の問題について
答弁を求めます。