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政府委員(相良兼助君) 簡易保険、郵便年金の
資金につきましては、現在三十兆に達しておりまして、この
資金運用を行っておるわけでございます。現在、財政投融資に協力をするという観点から、地方公共団体等にも貸し付けを行っておりまして、総額約七兆円の貸し付けが現在行われております。
この地方公共団体に対する貸し付けにつきましては毎年監査を行いまして適正化を図っておるわけでございますけれ
ども、先ほど来、
先生御
指摘のように五十九年度の一部の貸し付けにおきまして過大に
資金を貸し付けをしたといったような事例が発生をいたしました。私
ども、その後直ちにその是正方、さらには当該公共団体に対しまして繰り上げ償還の措置を求めまして、現在その措置を完了いたしているわけでございますけれ
ども、まずもって、このような事態を生じましたことをおわびを申し上げる次第でございます。
今御
指摘の桶川市の件についてお答えをさせていただきますけれ
ども、桶川市の貸し付けにつきましては、五十八年五月に桶川市が朝日小学校の用地を取得するということで、その取得事業に要する経費として
郵政省の簡保
資金の方から九億二千七百万円を貸し付けたわけでございます。
先生の方からも一部
お話がございましたけれ
ども、このような
ケースの場合は一般に総費用から国庫の補助金、さらにはそのために寄附受けをしたといったようなことがありますと、その寄附受け
部分等も差っ引きまして、その残余に対して一定の率を掛けまして簡易保険の
資金が貸与をされるという仕組みになっているわけでございます。この桶川市の場合は、
先生お話のございました住宅・都市整備公団からの寄附金五億七千六十七万円を特定財源としてこれに使うべきでありますのに、一般財源の方に入れまして、私
どもの方にその通報がなかったということがございまして、その分だけ余計に簡保
資金が流れたという結果を生じたわけでございます。
実は、地方自治体から貸付申し込み書等をいただきまして、
関係のところで審査をいたしてそれぞれ手続を確認した上で貸し付けをいたしておるわけでございますけれ
ども、それまで一般に寄附受けという現象は非常に数が少ないというようなこともございまして、自治体から提出をしていただく書類にこの特定財源の項目をきちっと明示をしておりませんで、その他という欄にいたしまして、そこに摘記をしていただくという
考え方でいたわけでありますが、その摘記もなかったということがありまして、このような事態に相なったわけでございます。
その後、他の御
指摘等もあわせまして、私
どもの方としましては、この貸付規則の改正方を図りまして、様式等につきましても特定財源の項目を明確に設けまして御記入をいただくという措置をとりまして、今後の再演防止ということを図ったわけでございます。その後、この貸付規則を二月に改正をいたしますと同時に、地方の
関係の
担当者でありますところの地方
郵政局運用課長
会議を招集いたしまして趣旨を徹底すると同時に、その後、地方
郵政局における
担当者の講習会等を実施いたしました。なお、全国の都道府県市町村で簡保年金
資金を取り扱う
担当者の方に全国的にそれぞれの
地域にお集まりいただきまして、すべての地方公共団体に簡保
資金の貸し付けについての
説明会を実施をいたしまして、これも徹底を図りまして、あわせて貸し付けの規定を改正をしたということも文書等で各自治体に通知をいたしたところでございます。
私
ども、もちろん大事な国民の皆様からお預かりをいたしました貴重な
資金でございますので、できるだけ有効運用を図ってまいるということで今後対処をしてまいりたいと思っております。
なお、桶川市に対します貸し付けの過大な分につきましては、当該年度中に二回に分けましてすべて繰り上げ償還を済ませました。なお、その間の経過の利子につきましてもこれを徴しておりますので、簡保年金
資金には実損はなかったという結果に相なっております。
以上、御
説明いたします。