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1986-11-28 第107回国会 参議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年十一月二十八日(金曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員異動  十一月二十七日     辞任         補欠選任      上田耕一郎君     佐藤 昭夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         菅野 久光君     理 事                 石井 道子君                 大島 友治君                 鈴木 省吾君                 松尾 官平君                 梶原 敬義君                 田代富士男君     委 員                 井上  孝君                 沓掛 哲男君                 斎藤栄三郎君                 杉山 令肇君                 寺内 弘子君                 中曽根弘文君                 永野 茂門君                 福田 幸弘君                 宮崎 秀樹君                 守住 有信君                 久保田真苗君                 山本 正和君                 及川 順郎君                 片上 公人君                 刈田 貞子君                 佐藤 昭夫君                 関  嘉彦君                 抜山 映子君    国務大臣        郵 政 大 臣  唐沢俊二郎君    政府委員        郵政大臣官房長  成川 富彦君        郵政大臣官房経        理部長      山口 武雄君        郵政省郵務局長  富田 徹郎君        郵政省貯金局長  中村 泰三君        郵政省簡易保険        局長       相良 兼助君        郵政省通信政策        局長       塩谷  稔君        郵政省電気通信        局長       奥山 雄材君        郵政省放送行政        局長       森島 展一君    事務局側        常任委員会専門        員        小島 和夫君    説明員        外務大臣官房国        際報道課長    小田野展丈君        大蔵省主計局主        計官       佐藤  謙君        大蔵大臣官房企        画官       田谷 廣明君        厚生省生活衛生        局水道環境部環        境整備課長    加藤 三郎君        郵政大臣官房建        築部長      田口 好孝君        会計検査院事務        総局第五局長   小川 一哉君    参考人        日本電信電話株        式会社代表取締        役社長      真藤  恒君        日本電信電話株        式会社常務取締        役技術企画本部        長        岩崎 昇三君        日本電信電話株        式会社常務取締        役経営企画本部        長        草加 英資君        日本電信電話株        式会社常務取締        役電話企画本部        長        高橋 節治君        日本電信電話株        式会社取締役考        査室長      本間 雅雄君        日本電信電話株        式会社理事通信        機器事業部長   池田  勉君        日本電信電話株        式会社電話企画        本部営業推進部        長        西脇 達也君     ─────────────   本日の会議に付した案件昭和五十九年度一般会計歳入歳出決算昭和五十九年度特別会計歳入歳出決算昭和五十九年度国税収納金整理資金受払計算書昭和五十九年度政府関係機関決算書(第百四回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十九年度国有財産増減及び現在額総計算書(第百四回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十九年度国有財産無償貸付状況計算書(第百四回国会内閣提出)(継続案件)     ─────────────
  2. 菅野久光

    委員長菅野久光君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二十七日、上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 菅野久光

    委員長菅野久光君) 昭和五十九年度決算外二件を議題といたします。  本日は、郵政省及び日本電信電話公社決算について審査を行います。     ─────────────
  4. 菅野久光

    委員長菅野久光君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 菅野久光

    委員長菅野久光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  6. 菅野久光

    委員長菅野久光君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 梶原敬義

    梶原敬義君 郵政大臣最初お尋ねしますが、昭和五十九年度の決算検査報告書における不当指摘事項がございますが、これは検査報告を見てみますと毎年毎年出ていることでございまして、この点について大臣の、一体どういうお考えを持っておられるのか、そしてこれからの対応、対処方についてお尋ねをいたします。
  8. 唐沢俊二郎

    国務大臣唐沢俊二郎君) 朝からおわびでまことに申しわけありませんが、梶原先生申されるように、不正行為が後を絶たず前年同様の指摘を受けておりますことは、大変に遺憾でございます。職員不正行為は、郵政事業は高能率、高サービスでやらなきゃいけないわけでございますが、さらに信用を著しく失墜させましてお客様に大変大きな御迷惑をおかけをいたしております。やっぱりこれは教育の面とか組織の面で改善をしてまいらなければなりませんので、防犯意識の高揚や綱紀の粛正、また内部牽制措置強化等の施策を講 じておるところでございます。特に最近の郵政事業が置かれております厳しい環境を踏まえまして、今後一層の防犯管理体制強化を図りまして不正行為の絶滅に努めてまいりたいと思っております。
  9. 梶原敬義

    梶原敬義君 会計検査院お尋ねしますが、不当指摘事項掲記をしておりますが、この経過についてお尋ねをいたします。また、検査率については一体郵政に対する検査率はどうなっているのか。この二点について最初お尋ねします。
  10. 小川一哉

    説明員小川一哉君) 郵政省における不正行為といたしまして昭和五十九年度決算検査報告掲記されましたものは、二十五郵便局におきます二十六件、二億八千万円余であります。このうち損害額のすべてが補てんされているものが、十九郵便局に係る分の二十件の一億六千七百六十万円余でございます。それから、京橋郵便局外郵便局に係る分の六件、一億一千三百万円余につきましては、六十一年九月末現在で三百七十一万円余が補てんされておりますが、残りはまだ補てんされていない状況となっております。それから、これらの検査報告不正行為として掲記されましたものは、すべて会計検査院法第二十七条及び会計法第四十二条に基づきまして郵政大臣から会計検査院長あてに提出されました報告によって掲記をしたものでございます。  それで、本院におきまして、郵便局につきましては六十年中全国約一万九千局のうち八十二局につきまして検査を実施いたしました。ただ、これらの局におきましては不正行為は発見されませんでした。また、五十九年度決算報告不正行為が行われたものとして掲記されました二十五郵便局はこの八十二局の中には含まれてございません。  以上でございます。
  11. 梶原敬義

    梶原敬義君 わかりました。次に移ります。  それから、これは同じく五十九年度の決算検査報告書によりますと、「小包集中局等搬送機械設備保守業務における保守費積算業務実態に適合するよう改善させたもの」、その金額が約三千三百万円、これまでのままでいけば過大に出すところを三千三百万円が節約をできたと、こういう報告でありますが、この点について少し検査院の方から内容について説明お願いをいたします。
  12. 小川一哉

    説明員小川一哉君) 郵政省では、郵便小包等を効率的に処理されるために種々の搬送機械専門郵便局に設置しております。それで、この搬送機械保守はその郵便局職員保守請負会社保守員とが共同して実施しております。この請負部分保守費積算に当たりまして、保守業務のうちの点検、調整等の直接業務以外の管理事務に要する時間を、積算基準におきまして直接業務に要する時間の一〇%と定めておりますので、これらの郵便局ではこの一〇%を一律に適用して積算しておりました。しかし、検査いたしましたところ、管理事務に要する時間は各集中局状況によって少しずつ違っておりまして、一律に一〇%というのも実情に沿っていないのではないかと考えられましたので、実態調査をしましたところ、管理事務に要する時間はおおむね七%程度でございました。したがいまして、この実態に基づきまして保守費積算し直しますと、約三千三百万円を節減できたと認めましたので、その旨郵政省に対しまして指摘しましたところ、郵政省はこの事実を認められて、積算基準を改正し、管理事務に要する時間を一〇%以下に低減して是正改善の処置を講じられたものでございます。  以上でございます。
  13. 梶原敬義

    梶原敬義君 会計検査院、わずかな検査をする中でこの辺の微妙なところを見つけられて指摘され改善されたということにつきましては、やっぱりさすがにという感がするわけでございます。  郵政省は、日常こういう業務をしておりまして、こういう指摘を受けるということについては甘さがあったのか、あるいは会計検査院指摘がやっぱり厳しいというのか、その辺のことについて郵政省のお考えを承りたいと思います。
  14. 田口好孝

    説明員田口好孝君) ただいま検査院の方から御説明がございましたとおりでございまして、私ども搬送機械保守費につきまして、当初の基準に算出しております管理事務に要する時間が実情に即していなかったという事実がございましたので、私ども再度検討いたしましたところ、やはり一律に一〇%というのが適当でなかったと考えまして、個々の契約ごとに時間数を決めるように基準を改定いたしまして、六十年の十月から実勢に即した新たな基準で実施しておるところでございます。  今後は、このようになるべく実情に即してむだのないような契約にしていきたいと考えておるところでございます。
  15. 梶原敬義

    梶原敬義君 そのようにされるということでありますから、私は別にもう申すことはありません。  次に、ラジオ難聴地域の解消問題についてお尋ねします。  特に私どもは、地元に帰りますと車に乗りましてあっちこっち動くわけですが、夕方近くなりますと、NHKラジオやあるいは民放の地元ラジオというのは、山あたりに入っていくと、韓国語かなんかはどんどんはっきり聞こえるんですが、何とか聞こうと思って何回もスイッチを入れたりやるんですが、なかなか聞こえないんです、もうずっと続いておるんですが。この点について郵政省から、一体どうなっているのか、先にお聞きをしたいと思います。
  16. 森島展一

    政府委員森島展一君) 中波ラジオ放送でございますけれども夜間、電離層で遠くへ飛びますものですから、特に九州のように大陸に地理的に近いということで、非常に外国混信が多いという、これは実情でございます。  これを改善するためにいろんな策を考えて今までも改善に努めてきたわけでございますけれども、大きく申しまして三つ改善策がございまして、我が方の放送局の電力を大きくする。あるいは放送局周波数混信のない周波数に変える。それから、特に聞こえにくい地域中継局と申しますか、その地域だけのための小さな放送局をつくる。こういった改善策を可能な限り我々も実施するように努めて、NHK等放送事業者も指導してきたわけでございますが、ただ、中波電波の割り当てにつきましては国際的な協定がございまして、今申し上げましたような改善策をとるにいたしましても、一々国際調整を必要といたしますので、国内的にいろいろ考えたことをさらに国際的に調整をとりながら、今後も改善を進めていきたいと思っております。
  17. 梶原敬義

    梶原敬義君 九州大陸に近いというお話ですが、今三重県出身の山本委員がおられますが、三重の方も聞きにくいのだという話をきのうちょっと聞きましたけれども、宇宙に衛星を打ち上げて、ゆり2aか2bか、そういう時代でありますが、ラジオが本当に聞きにくいんですよ。そういう状況ですが、ちょっと今の御答弁聞いておりますと、よくなるのかよくならぬのかさっぱりわからぬのですが、どうなんですか。
  18. 森島展一

    政府委員森島展一君) この中波の物理的な性質からしまして非常に混信がどうしても多くなるわけでございまして、これを国際的にも何とかしなければならないということで、十一年前の一九七五年に国際的な会議を持ちましてプランをつくったわけでございますけれども、その中波プランにおきましても、混信を今よりは悪くならない程度にとどめるという、そのくらいが精いっぱいでございましたけれども、その後十年間ぐらいにまたいろいろ外国でも放送局がふえてくるとかいうことで非常に混信改善というのは難しい状況でございます。  これは一つ中波の宿命と申しますか、物理的な特性からくるものと、それとどうしても大陸における各国もそういう中波放送の増強というようなことをやっておりますので、その中で私どももいろいろなとれる改善策は少しでもいい方法をとろう、こういうふうに努力しておるところでございます。
  19. 梶原敬義

    梶原敬義君 いや、わかりません。大臣、わかりますか、今の答弁。私は、聞こえぬから聞こえるようにならないかと、こう言っているのです。今のお話を聞いて、できないならできない、できるならできると、もうちょっと確信を得て次に移りたいと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
  20. 森島展一

    政府委員森島展一君) 中波だけで混信をこれ以上に、少しは改善できますけれども、抜本的によくするということは、これは不可能だと思います。  そこで、ラジオにつきましては、FM放送というのは、これは超短波を使った放送でございますが、こういうものとの組み合わせで改善するとか、そういう策も考えておるわけでございまして、中波だけというのはなかなか難しい、ただいま申し上げましたように国際的な問題もございまして難しい、こういうことでございます。
  21. 梶原敬義

    梶原敬義君 そうすると、要するに努力はされるのでしょうが、もうちょっと聞こえるようになるのはいつごろからなるのですか、時期的に見て、いろいろ努力されて。私も地元に帰って、おいそれは聞こえるようになるぞ、こう言いたいんですが、それはどうなんですか。
  22. 森島展一

    政府委員森島展一君) その場所場所によって先ほど申し上げましたようないろいろの策を講ずるわけでございますので、どの場所がいつということはケース・バイ・ケースで調べませんといけませんし、それと国際的な調整というのは案外手間取りますので、何とかそういう点も努力はしておりますけれども、できる限り早く、少しでも改善したい、こういうことで努力しております。
  23. 梶原敬義

    梶原敬義君 きのう私のところに質問をとりにおいでた郵政省課長補佐日向郵便局長をされた人ですが、その人もこの前まで日向におって、日向の奥の方も聞きにくいというんです。それはどこもここも同じだ。だからやっぱり実態を知っておれば、今のようなぬるいというのか熱いというのかよくわからぬような答弁にはならぬのだけれども、だからもうできるならできる、できぬならできぬと、だからできぬならまた私どもまた次々にこれから勉強する用意があるわけです。きょうもうそれ以上のことは言いませんから、大臣そこのところはもうちょっとはっきりしてください。
  24. 唐沢俊二郎

    国務大臣唐沢俊二郎君) 確かに先生おっしゃるように日本各地から選出せられてきた先生は、いろいろ説明をされるよりも、できるかできないかということを選挙区の方は期待をしておられるわけで、私もいつも同じことを役所に言っておるんでございますが、この九州地区ですね、これは本当に北、特に北かもしれませんが、大体国内にもいろいろ問題がありましてね、そのほかもう一つもっと難しい国際的な問題があるわけでございます。そういうことで今担当局長答弁申しましたように中波でやるということはなかなか難しい。いろいろな電波有効利用とか、これ日進月歩でございますから、ひとつもう少し長い目で見ていただきたいとお願いをする次第でございます。
  25. 梶原敬義

    梶原敬義君 いや、大臣、長野県は聞こえますか、奥の方は。多分聞こえない。もう少しこれは、もうこれ以上言いませんがね、要するに聞きにくいんですよ。要するに聞きにくい、ラジオね。今みたいにマイカーがたくさん走っているときというのは、やっぱりみんないらいらしながら押して、そして押したらもう入ったかと思ったら韓国語かなんかでじゃんじゃんやっている状況なんかですよ。それで山本先生も紀州の山も全然聞こえぬというんですね。だからもっと一回調査を全国的にしていただいて、そして少し今言われたよりもうちょっと前向きに対応をしていただきたいんですが、全体の調査をしていただけますか。
  26. 森島展一

    政府委員森島展一君) この混信状況調査はもう今までもずっとしておりまして、その結果夜間中波ラジオの九〇%ぐらいは何らかの外国混信があると、こういう状況でございまして、これ繰り返しになりますが、中波というのはそういうものでございますが、その中で地区ことに相当改善できるというところもございますので努力をいたしておるわけでございます。
  27. 梶原敬義

    梶原敬義君 それならお願いをいたします。  次にNTTテレホンカードのことについてお尋ねをいたします。私もいっぱい持っているんです。それでなぜ私がこの質問をしようかと思ったのは、どうも私はいっぱい持っているんだけれども、幾つかしかやっぱり電話を使ってないんです。これは恐らくもう国内全部しますと、やっぱりたくさん買っていて実際に使用している、使っている量というのは少ないだろうと。これはやっぱり何か問題が生じはしないかと、こういう感じを今持っておるんです。  そこで最初テレホンカード販売実績ですね、それから販売額、そしてその中で未利用、要するに前受け、その点について最初実態を御報告お願いをいたします。
  28. 西脇達也

    参考人西脇達也君) 事実関係でございますので担当の私からお答え申し上げます。  テレホンカードはおかげさまで大変御好評いただいておりますが、六十年度の販売枚数は約六千万枚でございます。金額にいたしまして四百二億五千五百万円でございます。また六十一年度でございますが、九月末上半期までの販売枚数が六千二百万枚、金額は四百億五千三百万となっております。  今先生お尋ねの未使用分をどう経理しておるかということでございますが、私どもこのテレホンカード売り上げのうち、使用実績に基づきまして使用された分を収益に計上すると、未使用分は前受けということでやっておりまして、六十年度について申し上げますと、使用されております割合が約三三%強でございますので、これに相当いたします百三十三億円余を売り上げ収益に計上いたしまして、残りの二百六十九億円ほど前受金に計上いたしております。
  29. 梶原敬義

    梶原敬義君 六十一年度の四月―九月の売上実績が約六千百八十六万、そういうことですね。
  30. 西脇達也

    参考人西脇達也君) 私大まかな数字申し上げましたので、先生のおっしゃいました六千百八十六万枚、そのとおりでございます。
  31. 梶原敬義

    梶原敬義君 そして販売額が約四百億円ということですが、これは六十一年度の見通しは、半年でこれだけですから、要するに一億二千万は軽くいくんじゃないかと思うんですが、もっといくんじゃないかと思うんですが、その点の見通しはどう思っておられますか。
  32. 西脇達也

    参考人西脇達也君) 現在のところまだ十分予測し切っておりませんが、先生のおっしゃるとおり一億枚は超えるだろうと思っております。
  33. 梶原敬義

    梶原敬義君 私のところの土井たか子さんいっぱい出ておりまして、どんどん売れているようですが、そうすると伸びが四月―九月の伸びよりも、ちょっと一億ぐらいの見通しということは、少し後半に落ちる可能性があるわけですね。
  34. 西脇達也

    参考人西脇達也君) 後半にどのように動くかまでまだ十分予測がついておりませんのでそう申し上げましたので、一億枚を超えることは間違いないと思っておりますが、その上どこまでいくかはちょっと私予測ができておりません。
  35. 梶原敬義

    梶原敬義君 そうすると、この経理処理やり方ですが、結局売り上げに対して使った分だけを要するにその期の損益勘定計算をして、使ってない部分前受金かなんかで未処理でやっていくと、こういう経理処理をずっとやるわけですね。そうでしょう。
  36. 西脇達也

    参考人西脇達也君) 今先生のおっしゃいましたとおり、当年度使用いたしましたものを収益に上げまして、使用されてないものは前受金に計上をするという経理をいたしております。
  37. 梶原敬義

    梶原敬義君 そうしますと、これからどんどん未処理分が累増するんではないかという気がしますが、なかなかNTT現金商売うまいわけですが、この未処理分というのは恐らく何百億かになりますね。これは大体。それはどっかに置いて金利かなんか稼ぐんですか、それとも資金運用に回すんですか。
  38. 西脇達也

    参考人西脇達也君) テレホンカードだけを特に区分をして経理をしているわけでもございませんので、お金の流れといたしましては、ほかの収入金と一緒に私ども経営資金としても使いますし、余裕が出ました場合には運用等もさせていただいております。
  39. 梶原敬義

    梶原敬義君 このテレホンカード公衆電話収入に占める割合をちょっとお尋ねしたいんですが、まず最初昭和六十年度の公衆電話収入、それから六十一年度上半期公衆電話収入、これはどうなっておりますか。郵政省の方は数字をつかんでおりますから、郵政省
  40. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) NTTの方でもおわかりだろうと思いますけれどもお尋ねでございますので、私の方から御答弁申し上げます。  六十年度のうち公衆電話利用分として計上されておりますものが一千六百四十八億円でございます。また、六十一年度、これは九月末まででございますが、公衆電話利用分は八百六十三億円となっております。
  41. 梶原敬義

    梶原敬義君 NTT社長お尋ねしますが、これは田舎に行きましてもいっぱいカード皆持っているんですよ。ところが、かけようたって機械がないで、カードだけ先行っているんです、カードだけが。どうもこんな商売やり方があるかなと思うんですが、詐欺みたいなものでどんどん先に売っておって、恐らく今の機械のあれでかけられるのは、普及率は一体パーセントどのくらいか後でお答えしていただきたいんですが、要するに最初社長に答えていただきたいのは、カードだけは恐らくことしじゅうに一億超すでしょう、ことしの販売。そうすると、前の分とどんどんふえていきます。そうすると、かけようたって機械がない。その間、おたくは売り上げた分はどんどん資金運用ができ、あるいは金利もつくかもしれない。それは結構な御商売だ。しかし、買った人にとりましては、かけようたってただ持っているだけ、金利何もつかぬ、これ持っているんですよ、何ぼか上がるなら別ですが。この点については社長、なかなか社長のやっぱり強引なやり方のあらわれだと思うんですが、身勝手な。この点についてはいかがですか、社長
  42. 真藤恒

    参考人(真藤恒君) 実は私どももこんなに売れるとは思いませんで。ところが、売り出してみましたところが、もう実用上にお買いになるということよりも贈答用とか広告用、宣伝用にお買いになるということになってまいりましたので、まるでそこまで私ども考えておりませんで、しかし、お買いになるということは、それに対応するだけの電話機の方を急がなきゃいけませんので、それからあわてまして電話機の整備を急ぎまして、大体六十年度で六万一千個カード公衆電話機がございましたのが、六十一年の九月現在で十一万までふやしております。それで、これはまだもう少し速いスピードで今ふやしていく体制が整いましたので、来年度の終わりぐらいになりますと、カードを使える電話機の配置ということについて御不自由をかけないようになるだろうと思いますが、ここのところちょっと当て外れに売れておりますので、ここのところちょっとお断りいたしておきます。
  43. 梶原敬義

    梶原敬義君 そうしますと、この電話機の設置のピッチというものはこれから私は当然上げていいと思うんです。当て外れかどうかわかりませんが、どんどん売れまして、約三〇%しかそのうち電話をかけていない。残りの約六四%強は結局何にも使っていない金がどんどん入っているんですから、それは電話機の設置をやっぱりああいう田舎の地域にもつけるだけの資金が入っているわけですから、相当ピッチを上げられるのではないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
  44. 高橋節治

    参考人(高橋節治君) 先生確かに御指摘のように、私の方としましてもせっかくカードをお求めになってカード公衆電話がないというところで御不便をかけているところが実態でございますので、そういうことをできるだけ早く解消したいということで、大体年に十万程度の増設を今後続けて、早急に御不便を解消するように努力をいたしていく所存でございます。
  45. 梶原敬義

    梶原敬義君 ぜひお願いします。  それからちょっと疑問に思ったんですが、私は全然科学やこういうものには知識がないんですが、どうもこんなもので電話が聞こえるというのがおかしくてしようがないんですけれども。ということになりますと、材質そのものが一体何でできているのか、それをちょっとお聞きしたいし、また、この中に何か毒になるような薬品でも入っておりゃせぬかと思うし、また、公害の関係等も非常に心配になるわけです。この調子でどんどん普及していくと、これはもう使ったやつはどんどん捨てていくようなことになると思うんですが、この点ちょっと心配なんですが、いかがでしょうか。
  46. 池田勉

    参考人(池田勉君) 材質についてお答えいたしますが、基板とそれから磁性体が主な材料でございますが、基板についてはポリエステル樹脂でございまして、これは一般のフィルムですとか、 それから冷凍食品のパックですとかそういったものに広く使われている材質でございます。  それから、磁性体については鉄が主成分でございまして、これも磁気テープの材料とかそういったものに一般に使われている材料でございまして、公害については問題がございませんので安心して使っていただいて結構だというふうに存じます。
  47. 梶原敬義

    梶原敬義君 厚生省お見えですか。今言われましたように、ただそのくらいか、私も燃やしてみようと思ってまだ燃やしていないのですが、多分これ燃えたら変な煙が出て、においも出るだろうと思うんですが、今NTTから言われましたように自信持っておられますが、厚生省、これは今そのとおりだと言えますか。
  48. 加藤三郎

    説明員(加藤三郎君) 使用済みのテレホンカードは、通常廃棄されまして結局ごみとなって出てくるわけでございます。ごみとなったものの処分といいますのは焼却なり埋め立て処分ということになるわけでございます。私ども現在知り得る限りでは、市町村でその処理について現時点で特段問題があるというふうには聞いていないわけでございます。  しかし、テレホンカードの主体というのが、先ほど御説明ございましたようにポリエステル系の樹脂である。それからまた、磁性体が使われているわけでございますけれども、その磁性体については私ども余り知らない部分も多いわけでございまして、そのテレホンカード販売量とか、その結果としての廃棄量が今後ますます増加すると思われますので、私どもといたしましては郵政省NTTと連絡をとりながら廃棄物の適正処理環境保全という観点から状況の把握に努めてまいりたいというふうに思っております。
  49. 梶原敬義

    梶原敬義君 今出始めたばかりでこれだけ、ことしで一億超すということですから、これは量にしますともう毎年、毎年こういう状況でいくと大変な量に恐らくなるでしょうから。ただ、物を焼いて煙が出るとかあるいは公害の問題があるとかだけじゃなくて、これはもうあっちこっちに、道路にほうり投げたり、それは風紀上も非常にこれからはやっぱり問題が出るでしょう。  恐らく缶ジュースの空き缶公害が今起こっておりますが、ああいう状態というのは、なかなかやっぱり当初真藤さんじゃないが想定をしておらなかったと思うんですね。今度いっときしたら、これが野山に、観光地の高原やどこか道わきにどんどん捨てるような、そういう状況というのが来るということは容易に想定されるわけですね。NTTがこれどんどん売られるのは結構ですが、やっぱりその辺のこともよく配慮をされた方が後々のためにいいんではないかと思うんですが、最後に、その点いかがでしょうか。
  50. 高橋節治

    参考人(高橋節治君) 確かに先生指摘のとおり、このように爆発的に売れていきますと、後の処理ということについて私たち当初予定はしておりませんでしたけれども、こういう実態を見ますと後の処理の問題について十分内部的にも検討いたしまして、世の中に御迷惑をかけることのないように十分配慮していきたいと思っております。
  51. 梶原敬義

    梶原敬義君 これは大きな問題でありますが、郵便貯金の非課税貯蓄制度、これはきょうの新聞にも出ておりますが、相当与党の方でも論戦が闘わされており、その中で相当煮詰まってきているように見受けられるんですが、この点について最初に、新聞等でいろいろ出ておりますから、郵政大臣の方から状況が一体どうなっているのか、この点について御報告お願いをいたします。
  52. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 郵便貯金の非課税制度のあり方につきましては十月十六日に郵政審議会の方から、郵貯の根幹的な性格に照らして非課税制度を堅持していくべきであるという御趣旨の答申をいただいたところでございます。しかし、その後十月二十八日に政府税調の方では存続すべきであるという少数意見もございましたけれども、多数の意見としまして見直しをするのが適当であるという意見が多数であったというようなことで、具体的な結論は出ておりませんが、そういった答申が出されまして、現在は党税調の方で慎重な議論がなされているところでございます。郵貯の利子非課税制度というものは少額貯蓄非課税制度が創設されました以降一貫して維持されているものでございまして、今日国民大衆の中にもすっかり定着をしております。郵貯が財投の重要な資金源になっている現状にかんがみましても今後ともぜひ堅持をしていくべきであるということで一生懸命努力をいたしているところでございます。
  53. 梶原敬義

    梶原敬義君 党税調のことは今お話しになりましたような時点よりももっと具体化しているように新聞で報道をされておりますが、その点について少し差し支えのない程度に、これは大臣がやっぱり一番よく御存じだろうと思うんですが、その点について少し突っ込んで聞かしていただきたいと思います。
  54. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 郵貯の利子非課税制度に関連しますもろもろの新聞の観測記事が出ておりますけれども、私どものところに利子非課税制度の問題を何とか解決をしたいという申し入れは来ておりますけれども、先ほども申し上げましたように、郵貯の根幹にかかわる問題でもありますので我々は非課税制度の廃止には反対をしているところでございます。そういった中で郵政省が、今後の金融自由化であるとか、あるいは長寿社会の到来等に備えまして郵貯事業のあり方として制度的な改善をいたさなくちゃ的確な対応ができないということで予算要求もいたしておりますが、そういった問題と絡みましていかにも取引がなされているというような観測記事があるわけでありますけれども、そういう話し合いは一切ございません。
  55. 梶原敬義

    梶原敬義君 具体的に入る前に、もうちょっとざっくばらんに答弁していただきたいんですが、今郵便貯金というのは総額で幾らあるんですか。それが国民一人当たりに直しますとどのくらいなんですか。
  56. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 百七兆円でございます。一人当たりに直しますと十六万程度になろうかと思います。
  57. 菅野久光

    委員長菅野久光君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕
  58. 菅野久光

    委員長菅野久光君) 速記を起こして。
  59. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 大変失礼いたしました。  人口一人当たりに直しますと九十万円くらいになろうと思います。
  60. 梶原敬義

    梶原敬義君 九百万ではないですね。九十万ですね。間違いないですか。わかりました。  私は、やっぱり現行制度を基本的に守る、そしてさらに悪用する者を完全にシャットアウトするような方法をきちっとやれば何にも問題はないと思うんですが、郵政省の方ではこれはやっぱり言われるところ、その問題もこれまでなきにしもあらずだったと思うんですが、名寄せのやり方やなんかも大分研究をされて、結局制度を悪用する人はもう完全に締め出される、そういう問題は郵政省としては起きないだろう、こういう点については今相当な確度で自信を持っておられると思うんですが、その点について最初お尋ねをします。
  61. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 限度額管理の徹底を期すためには預金者が正当本人であるかどうかということがまず第一に必要でありまして、架空名義で預入されることを防止するということと、それからその預金者が制限額を守っているかどうか、三百万を超えていないかどうかということの二つの要件を調べなくちゃならないわけでございます。  その本人確認の点につきましては、従来もいろいろと注意をしてまいったわけでありますけれども、徹底が期されないということで、本年の一月一日以降新たに預入する場合には公的な書類を提示していただくということで、架空名義の防止の徹底が図られているところでございまして、これは民間の金融機関も郵便貯金の場合も同様でございます。  そこで、その預金者が制限額でありますところの三百万円を超えているかどうかということにつきましては、現在郵便貯金につきましてはオンラインシステムが全国一本で完成をしておりますので、本人の氏名と住所を名寄せキーにしまして、それで全国一本のコンピューターシステムによる限度額管理を行っているところでございます。そういう中でも、例えば六十年度でありましても、約九万件、一千二百億程度の限度額を超えたものの減額を行っているような状況でございます。
  62. 梶原敬義

    梶原敬義君 そういうことになれば、もう郵政省としてはやっぱり既定方針どおりに頑張れるわけですからね。さっき言われましたように、私は問題ないと思うんです。  しかし、このきょうの新聞を見ますと、こうなっているんですよ。「政府・自民党は二十七日、郵便貯金の非課税制度を廃止し、利子に一律二〇%の課税をする見返りに①郵便貯金の預け入れ限度を現行の一人三百万円から五百万円に拡大する②郵便局窓口での国債販売を認めるとともに、郵貯資金で直接、国債を保有するのを何らかの形で認め、郵貯自主運用に道を開く――方針を固めた。」。こういう記事が一方であって、暗に郵政省としては、もう大勢としては少額貯蓄非課税制度そのものについてはやむを得ないだろう、後は見返りだというような皆さん方の動きというものが新聞報道をされておりますね。だから、ちょっと今まで言われました原則論と実際のこの中の動きとは違っていると思うんです。これは間違いないと思うんです。この点についてちょっと大臣、やっぱりもうここですからざっくばらんにひとつ。
  63. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 新聞各紙によりましていろいろの観測記事が出ているわけでありますけれども郵政省としましてそういったお話は何ら聞いているわけでございませんし、先ほどから申し上げておりますように、郵貯の非課税制度の重要性にかんがみまして、私どもとしてはぜひ堅持をいたしたいということで今後も努力をしてまいりたいと思っております。
  64. 梶原敬義

    梶原敬義君 それは、郵政省の事務当局はそうかもわかりませんが、やっぱり大臣は自民党員でありますし、党議でこれはやっていることですから、その辺については大臣の方から若干動きについては、これは幾ら今あなたがそう言われましてももう何日かしますと結論が出ることですから、見通しは違うと思うんですよ。大臣、いかがでしょう。
  65. 唐沢俊二郎

    国務大臣唐沢俊二郎君) いろいろ先生から郵貯の問題につきまして御心配をいただきまして、今伺っておりましてありがたいことだと思っております。  まず、先生のおっしゃるように、限度管理というものはこれは徹底しなければならないということが一つです。  それから、いろいろ今記事が出ております。大蔵省と郵政省、同じ日本政府の役所同士でございますから、親のかたきじゃありませんから、それはいろいろ話し合うことは大いにある。その経過につきましては、中村局長の申し上げたとおりであります。党税調で今この問題を御審議をいただいておりますから、審議の内容はいろいろ報道されておりますが、たくさんの議員が関係しておられますから、いろいろな御意見の出るのも、これも当然だと思っております。  ところで、今ちょうど先生が言われましたような論拠で私もずっと主張してきた、国会でも御答弁を申し上げてきた次第でありますが、またここに至って非常にシフト論というのが出てまいりまして、税制改革の結果――経構研の報告というのは一元一次方程式で、貯蓄が減ったら消費がふえるであろう、これは一つ考え方だと思うんですが、貯蓄の中でシフトが起きたらどうなるのか。その場合、郵便貯金というものは国家にとっても国民にとっても一番安全確実な貯蓄でございますが、これが減るかどうかということが一番大きな問題だと思っております。そして、シフトが起こらなければとか、あらゆる金融商品が平等に取り扱われるならば非課税廃止はやむを得ないと言われた方がおりまして、これは作文としてはよくできていると思うんですが、その仮定のところに問題があるので、この国政の重大な問題を扱っているときに、あしたお天気ならゴルフに行こう、こんなことを言われても非常に困るわけで、本当にシフトが起きるのか起きないのか、それから起きた場合に一体どうなるのかということを、外国の事例やいろいろ調べておりますが、なかなか郵便事業というものは配達をいたしますから、やっぱりこれは人件費がかかります。ですから、郵便事業だけでやっている国はないんじゃないかと思うんです。アメリカは一般会計から補てんをいたしておりますし、またその他の国は電気通信事業が国営でございますから、納付金でしょうかな、で取って、それを郵便事業に充てておるというのが実態であります。日本は郵政三事業一体で経営をいたしておりまして、その費用の分担は大体事務量に応じて分けております。そうしますると、やっぱり郵便貯金の果たした役割は大きいわけでありまして、集配局、一生懸命郵便配達している局というものは九割近くは赤字であります。それで、無集配局といって集配をしない局は五割以上黒字であるということになっております。そういうことでありますので、シフトが起こらなければよろしいわけですが、もし起こるということになると郵政三事業にいよいよ支障を来す。これは回り回って国民にまたツケが回る話でございますので、やはりこの問題は税制の問題であることは第一でありまして、税制については私は何も申しませんが、党税調で御審議いただいているんですが、同時に財政、経済、社会的、こういういろいろな影響がございます。  そういうことで、私は郵政事業を守ると言っているんですが、これは郵政省郵政省職員のために守るのではない、国家、国民のために最後の最後まで郵政事業を守ってまいりたい、かように考えております。
  66. 梶原敬義

    梶原敬義君 何か演説は聞きましたが、中身がどうもわかりませんし、ついに時間がなくなりまして、非常に遺憾です。問題は、私は悪用を防ぐ制度を郵政省の方でちゃんとやれるという本当に自信があるなら、やっぱりこういう制度についてもっと基本的に守るという立場に立って頑張っていただきたいんです。  それから、もう時間がなくなりましたから要望しておきますが、財投資金金利が高いんですよ。預託金利が結局高いために、政府系の金融機関の金利は下がってない。私なんかよく聞くのは、私は商工委員会におりまして、特にこの円高不況で、政府系金融機関はもっと安い金利で、そして今本当に困っている人を助けるべきじゃないか。そうして中小企業の経営者の皆さんと話をしますと、いいや、逆に金利は物すごく高いんだと。逆に市中金融機関に今借りかえしよるんだと、こういう状況ですね。もとは預託金利が高いものですから、これはやっぱり早く下げてね、今のような時期ですから。そして、預金金利も下がっているわけですから、預託金利を下げて、そして政府系のやっぱり機関の金利を早く下げるように、そういう対応大臣、すぐしていただきたい。  それからもう一つ、簡易保険の郵便年金、民間生命保険の運用の中で、簡易保険、郵便貯金ができることと、民間生命保険会社ができることと分けた資料をいただいておりますが、個人向けの住宅貸し付けの事業ができないんですね。これはやっぱり、当然保険というのはいつかたつと目減りしますからぬ。やっぱりそういう意味もあって、住宅貸し付けというのはやれるような制度にぜひ持っていっていただきたい、そういう努力をしていただきたい、この二点を要望して、時間が来ましたので、終わります。
  67. 山本正和

    山本正和君 今梶原委員からお話がございました郵便貯金の問題をもう少し詰めてお伺いしたいと思うんですが、まず郵便貯金というものをどうも銀行等の預金と同じような議論が随分先行しているように思うんです。今大臣お話でも、シフトの問題だと、これが大きく移っていったら困るというふうなお話があったんですけれども、私はこの郵便貯金問題というのはもっと違うと思うんですね。もっと非常に極めて政治的な問題であるし、日本の国政の根本にかかわる問題だというふうな気がしてならないんですけれども、そういう観点からひとつ郵便貯金の歴史的な経過、あるいはひとつ郵便貯金の使命についてどうお考えなのか承りたいと、こう思います。
  68. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 郵便貯金は明治八年に創設をされたわけでありますけれども、全国あまねく配置されております郵便局というネットワークを利用しまして、国民の皆さんに簡易で確実な貯蓄手段をあまねく公平に提供するということによりまして、大変勤倹貯蓄の美風を醸成いたしますとともに、家計の健全な形成に役立ってきたというふうに考えております。また、その資金は全国から多くの国民の皆さんの集積でございますから、この資金の活用先も資金運用部に預託をいたしまして、財投の主要な原資になっているところでございます。住宅であるとか、道路であるとか、あるいは下水道、公園といったような社会資本の充実に大きな貢献をしてまいったわけでありまして、そういった意味から民間の金融機関の資金と、いわば社会資本の充実といいますか、公共的な事業あるいは福祉の増進に使用されているという意味で、資金の活用面における差異が非常にあるところでございます。もちろん現状におきましても、欧米諸国に比べまして必ずしも日本の社会資本は充実しているとは申せませんで、まだまだこういった面での資金需要は大きいわけでありますから、今後ともそういった面で郵貯の資金が立派にこの使命を果たすべく取り組んでいかなくちゃならないというふうに考えております。
  69. 山本正和

    山本正和君 どうも政府税調の中での議論でも、あるいはこれは与党の中の議論を私どもははっきりわからないんですけれども、新聞論調でいろいろ出てくる中に、何か銀行の預金と郵便貯金の預金と同じような発想でよく取り上げられている。これがどうも気になって仕方ないわけです。銀行が一体何をやったかというと、膨大な今黒字を出して、史上まれに見る好決算となってきている、銀行の方は。しかも、その銀行のお金はどこが使っているかといったら、東京都心の地価がどんどん上がっていく、何とも言えない、庶民にとっては不安で仕方がないようなところに金がどんどん流れていくと。さらには外国にお金がどんどん流れていくというふうな問題があって、その銀行の問題とそれから郵便貯金の問題を全く同列に扱われたのでは、一般庶民からいったら、何のために郵便貯金に我々は預けているんだと。正直言ってこれは、サービスは銀行の方がいいんですよね、やれ手ぬぐい持ってくる、いろんな品物を持ってくるということで言えば。しかし、それでもなおかつ郵便貯金にずっと預けてきているという庶民の気持ちですね。そういうものからいったら、この銀行の問題と郵便貯金の問題を同列で論議しているということに対して一体郵政省としては、もうちょっといろんな言い方があろうかと思うんですが、その辺についてのひとつ御見解を伺いたいんですけれども
  70. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 少額貯蓄非課税制度を廃止すべきであるという論拠の主な点は、いわば十三兆五千億にもなろうという、一つはそういった課税ベースから外れていると、財源として十三兆五千億というのが。一般の課税所得、例えば事業所得であるとか法人所得等に比べまして十三兆五千億も課税ベースから外れているというのは不公平じゃないかという議論であるとか、あるいは少額貯蓄非課税制度の利用者は高所得者ほどその恩恵を受けているとか、あるいは、今日の時代になってみると、一律に貯蓄の優遇政策をとる必要はないんじゃないかと、相当資本の蓄積もできてきたし、貯蓄の重要性がかつてほどなくなったんじゃないかと。せんじ詰めてみればそういった三点ぐらいに集約できようかと思うわけであります。  しかし、先生指摘のとおり、まだまだ貯蓄の重要性ということは、どんな国におきましても、どんな時代におきましても、やはり家計の安心とともに、町づくり、国づくりのいわば経済の活力の源泉でございますし、貯蓄の重要性が何されているわけじゃない。ましてや、高齢化の進展とともに家計貯蓄率もどんどん下がってきているというような状況でありますから、私どもとしては、そういった傾向に一層拍車をかけるような課税はすべきじゃないという点で、この非課税制度の堅持のためにいろいろと努力をしているところでございます。
  71. 山本正和

    山本正和君 どうもお話を聞いておりまして、守らなきゃいけないというお気持ちは強いというのはよくわかるんですけれども、守らなきゃいけないというその背景ですね、これはまさに今の政治の根本にかかわるという観点の議論をもっとしていただきたいというふうに私は思うんです。というのは、今大変な円高の問題から不況と、中小企業どうしたらいいかというふうなことを言っていると。実際は、まさに政府が財投なら財投というものをもっと大事にして考えていくとするならば、銀行とは同列に扱えないはずなんですね。これは明らかに、政策としていろいろ運用できる部分を持っているわけです。しかも先ほどのお話の中にもあったように、社会資本が大変日本の国はまだまだ貧しいという中で、ですからこの郵便貯金が減っていったら大変なことになってくる。だからまさにもう今の日本の国の迫られているさまざまな政治課題がここに集中しているんだと、この郵便貯金問題だと。銀行は違うんですよね、銀行というのは。これは明らかに利潤を目的とするわけですから。その銀行となぜ同列に扱うんだと、けしからぬと。これはやっぱりもっと郵政省当局に怒りの気持ちぐらい持ってもらわないと守れないんじゃないかと。  それから、私の母親が八十九歳ですが、やっぱり母親は郵便貯金をしているわけです、ずっと若いときから、戦後。そういう今のお年寄りが日本の国を信頼してずっとやってきているというものとなぜ同じ扱いで議論するんだと、けしからぬといってこれはもう大臣筆頭に郵政省挙げてこれは怒りを表明してもらわなければいけない時期に来ているというふうに思うんですが、いかがなものでございましょうか、その辺の考えは。
  72. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 先生指摘のとおり郵便貯金が一般の民間の預金と違うところはまさに非課税である、それがゆえに制限額もあるわけでありまして、民間の金融機関は原則課税でございまして、そういう意味では預入限度額もないということでございますから、万々一郵貯に課税されるということになりますと、郵便貯金の特質というのはなくなってしまう、何も郵便局に預けなくても民間の金融機関に預けても同じ扱いということで、民間の場合は制限額はないわけでありますから、青天井ということでありますから、いよいよ郵便貯金に預ける魅力というのは失われてしまう。そうなれば先ほど大臣も申されましたように大きな資金シフトが起きるんじゃないかと、資金シフトが起きれば財投の原資としても非常に心配される事態が起きてくるというようなことで、私どもはこの郵貯の非課税制度というのはまた違った意味があるんだということを大いに主張もし、そういうことで今論戦になっております税調の中でも先生方に御理解をいただくようにお願いをしている次第でございます。
  73. 山本正和

    山本正和君 それからもう既に新聞等でいろいろ報道されてきますと、大変庶民には不安な気持ちが起きてまいってきております。ですからそれにつけ込んでさまざまなもう既に金融機関同士の激しい競争が起こっている。これはもう随分前からこの問題出ていますから、そうすると今実際に、郵便貯金の非課税制度がなくなるぞというふうなことの話が出てから時間がたってきたんですけれども、そういう動きに伴って影響は具体的に出ているのか出ていないのか、ちょっとその辺お伺いしたいと思うんですが。現在の郵便貯金が額としてどういうふうに変わっているかいないかということで結構ですから。
  74. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 最近の郵貯の伸びを見ますと非常に減っておりまして、具体的には九月は千九百億ほど預入と払いの差、我々純増加額と言っておりますが、純増加額が千九百億ほど赤になっております。十月も千五百億ほど赤になっているというような状況で、課税論議が非常に世間にやかましく言われるというようなことも大きな影響があるんじゃないかというふうに考えております。  ただ十一月の状況を見ますと、十一月二十五日から本年に入りまして四回目の利下げが実施されましたものですから、利下げがありますとその前にどうしても駆け込みがございますので、十一月は前年に比べましても非常な、今約二千億ぐらいの純増という状況になっております。
  75. 山本正和

    山本正和君 正直言いまして、この前の本会議大臣が決意を持ってこれは断固頑張りますと、こういうお話がございまして、あれは与野党挙げて満場の拍手で大臣を激励したと思っておりますが、とにかく今はやっぱり庶民にとって自分たちの大事なお金ですから、これが銀行と同じになったんなら、正直言いますけれども、銀行の方がサービスいいんです、これは。同じになると、向こうは商売ですから。極端なことを言いますと、本当はやっていけない、お金を家まで、出し入れまでサービスするような状況ですからぬ。これは比較にならないんですよ。だからもしそうなった場合に、一体我が国の明治以来の郵政事業、これは国鉄の問題もそうなんですけれども、日本人の郷愁なんですね、鉄道と郵便というのは。そういう郵便局に対する信頼感というふうなものを含めた我が国の長い中での大変な問題である。こういうことから、ひとつこれはどんなことがあっても守るということで、この席で大臣の御決意を最後に承りたいと、こう思うんですが、ひとつどうぞよろしくお願いいたします。
  76. 唐沢俊二郎

    国務大臣唐沢俊二郎君) いろいろ先生が預貯金とかいろいろなものを並べまして分析されて、だんだん郵便貯金というものの特質が浮き彫りにされてまいりましてありがたいことだと思っていますが、確かに一般の庶民からお預かりした貯金でございます。額は少ないけれども貴重なこれは私は貯金だと思うんです。そして、これは運用は財政投融資計画の一環として運用されておりますから、当然のことながら土地投機とかマネーゲームに使われるはずはないわけで、私はいろいろな貯蓄の中で最も安全で堅実な貯蓄は郵便貯金であると思っております。  それがどうなるかということを先生が心配されるわけでありますが、郵便貯金というものは黙っていてもふえるものだという神話は私は絶対ではないと思っております。今まで郵便貯金が伸びてきたのは、車の両輪に例えますと、片一方は郵政職員努力したり国の御協力をいただいたいわゆる認識をお持ちだった、これもあるでしょう。もう一つの輪は私は非課税制度だったと思うんですね。この両輪に支えられてきた郵便貯金が一輪になったらどうなるのかということでありまして、いろいろ詳細は局長が申し上げましたように、もしものことがあればまず財政投融資計画に支障を来す。それだけではなくて、よその国と比較するとさっき申し上げました日本は非常にうまくいっている郵政三事業に非常に大きな影響を与える。まあ仮定の話ですと、やれなくなれば、じゃ郵便 料金を上げるのか、また一般歳出をつぎ込むのか、いろんなやり方があるでこざいましょうが、そういうことはないように、私は郵政事業を守るというのは国家、国民の皆様のためだという観点から、もう何遍も決意を表明しても仕方がないわけですが、一番心配しているのは私であり、皆さんの御心配と同じように心配をいたしておりまして、本当に浅学非才、不明不敏でございますが、最後の最後まで郵政事業を守るために努力させていただきたいと思っております。
  77. 山本正和

    山本正和君 静かなお言葉ですけれども、決意を胸に秘めているのを感じまして、よく私どもなりに大臣のお気持ちわかります。ひとつ最後まで頑張っていただきますようによろしくお願いいたします。  それから次にお伺いしたいんですが、郵便事業がいろいろかつてどうなんだというふうな議論があったわけでありますが、ちなみに五年ほど前は何か千三百億を超える赤字であったというようなことも聞いておりますが、近年大変これが経営がよくなってきたということを聞いておりますけれども、ひとつ郵便事業についての経営状況をちょっとお知らせいただきたいと思います。
  78. 富田徹郎

    政府委員(富田徹郎君) 郵便事業につきましては、確かに昭和五十五年度末約二千五百億円の累積赤字を計上したところでありますが、五十六年に値上げをいたしまして、値上げをした五十六年度は郵便部数におきまして五%の減、郵便小包におきましては一五%も減ったという状況でございましたが、収支の方はその後順調に五年間、昨昭和六十年度は予算では三百五十五億の赤字を計上しておりましたが、決算では十二億円の黒字というふうに五年間黒字を続けました。その結果、累積赤字は現在のところ七十五億円まで減ってきておるのが現状であります。六十一年度におきましても、九月までの半年におきましても三・四%の伸びを示しておりまして、今後一層の努力を重ねまして、六十一年度予算で四百三十三億円の赤字を計上してはおりますけれども、その間営業努力を重ねまして大幅な赤字も相当程度解消が進むものというふうに期待しておるところであります。
  79. 山本正和

    山本正和君 ちょっと私ここでお伺いしたいんですけれども、かつていわゆる労使関係非常に厳しい時代もありましていろんな問題があったわけでありますが、今日郵便事業に働いている人たちが大変な決意を持って仕事にお取り組み願っている。本当に勤務時間を超えて、場合によっては超勤とかなんとかという議論をなしにでも、それぞれの局で頑張っているというふうな状況も聞くわけでございます。いわゆるそれぞれ職務の割り当てがありますけれども、その職務の割り当てを越えてお互いに手助けしたり、あるいはそれぞれの勤務時間の合間を見て営業に協力するとかいうふうなこともいろいろあるやに聞いているんですけれども、そういう状況についてひとつどういうふうに把握になっているのかお伺いしておきたいんですが。
  80. 富田徹郎

    政府委員(富田徹郎君) 郵便関係の営業努力というのはいろんなところがありますが、例えば郵便小包につきましては、民間の宅配便に比べますと郵便小包がやや劣勢といいますか伸びが少ないわけでありますが、その一つの原因には、集荷といいますか郵便小包の取り集めに伺うというようなサービスが民間に比べるとどうしても手薄である。そういう場合に郵便局職員が例えば集配、配達が終わりました後、帰路小包の注文を受けて帰るというような、そういう努力を郵便関係職員十四万人打って一丸となって今努力しているところであります。そういうような観点で、その職員の処遇につきましても各種の手当等を利用しまして、なるべくその職員の営業努力に報いるような方向で考えておるところであります。
  81. 山本正和

    山本正和君 きょうの新聞に「全逓が深夜勤受け入れ」、中央委員会で深夜勤務受け入れ、午後十時から翌朝六時まで、こういうのが記事に載っておるわけですね。私思うのに、結局本当はもっと労働者の健康とかなんとかということを言ったら、こんなことを労働組合が引き受けるというのは大変なことだろうと思うんですね。しかし、それでもなおかつ郵政事業全体の中で頑張っていこうということでこんな決意まで持っている。ところがどうもいろいろ聞いてみますと、例えば自分が今ちょっと手がすいたというので切手を売りに行くというようなことをする。いろんなそれぞれが助け合ってやっている。そうすると今度は、そのやっていく中でお客さんに対するサービスがつい欠けてしまう。局に来た人にですね。そんなことで何とか一生懸命やっていかなければいけないと思うので、それぞれ働く立場からいろんな提案を当局に対してもしていっているというようなことも聞くわけです。ところがどうも営業面の人員が圧倒的に不足しておって、それを上げてやらなければいけないというようなことで大変苦しんでいるというようなことで、営業に対するもっと手だてというふうなものもきちんとしていただきたいというふうなことだとか、さらには郵便の翌日配達を何としてもやろうというふうなことでやりますと、先ほどのような深夜勤まであえて受けてでも職員がやっている。ところが制度の上で、いわゆる区分中継局ですか、それが配置されている状況が非常にぐあい悪いというようなこと等があって、いろいろ提案をしていくんだというふうなことでいっておるんですけれども、そういう問題について、要するに現場のいろんなさまざまな声ですね、事業に伴う、そういうものとひとつ今後十分に組み合わせながらぜひこれはやっていただきたい。  それから、これは大変言いにくいんですけれども、業績手当的なものが、今は手当等を検討しておられると言いますけれども、他の分野に比べてどうもなかなかそういうものが制度としてなじまないというようなことで難しい要素もあるようですけれども、やっぱりそこに一生懸命に頑張っておることに対する報いというものも検討してほしい、こう思うんですが、以上のような問題ひとつ今後に何とかしてやっていただきたい、こう思うんですがいかがなものでしょうか。
  82. 富田徹郎

    政府委員(富田徹郎君) 郵便局郵便局の間で郵便物をどういうふうに輸送するかにつきましては、これは多年鉄道郵便といいまして鉄道に主に頼っていたわけでありますが、昭和五十九年の二月から大幅に約半分ほどの鉄道郵便を廃止いたしました。そして、ことしの十月一日鉄道郵便というものを全廃いたしまして、飛行機とそして自動車便というものに切りかえてやったわけであります。そして翌日配達体制、現在のところ郵便物の約八割程度は翌日配達されるという状況になっておりますが、そのためのそういう要するにスピードアップを図るためには、どうしてもその当日取り集めました郵便物を夜の間にその地域区分局、全国に八十三局の区分局がございますが、区分局まで運び込んで、そして夜の間に仕分けといいますか区分をいたしまして、翌日の配達までに間に合わせるようにする。そういうことになりますと、結果的には深夜労働というものがどうしても労働の量がふえるわけであります。今までのところ十六勤といいますか、十六時間を勤務するという勤務帯だけを持っておったわけでありますが、深夜勤務帯、七時間程度の深夜だけをやるという勤務時間帯をつくらないとそういう要請には間に合わない。速い郵便のためにはどうしても深夜労働がふえるという実態に合わせまして、その深夜勤の導入を組合とも協議いたしまして大綱を妥結いたしまして導入できるような状況になってきたわけであります。  確かにそういう深夜帯だけの労働にはそれ相当の負担が職員にかかることはかかるわけでありますが、その深夜勤に伴う手当等につきましてもいろいろ工夫しまして、現地での勤務体制の確保を組合とも十分話し合いまして、そういう速い郵便のための地域区分局の職場のあり方等については遺憾のないように万全を期していきたいと考えておるところであります。
  83. 山本正和

    山本正和君 それではひとつ今後とも十分な労使の協議の中で、十分要望等も入れてお取り組みいただくようお願いをしておきます。  次に移りますが、実は私の旧制中学の友人が中国からこちらへ来ておりまして、中国の社会科学院で働いているんですが、彼がきのう帰りがけにまた言っておりましたし、私も三回ほど中国へ参りまして、いろんな意見を聞いてきたんですが、今や中国で日本語を学ぼうという青少年が五百万人というふうな状況になってきております。また、海外で生活しているといいましょうか、働いている日本人、家族も含めて五十万ということを言われているわけですが、日本語の国際放送が大変聞き取りにくいし、また聞こうにも大変放送時間が少ないというふうなことが言われておるんですけれども、ひとつこういう問題、まずきょう外務省にも来てもらっていると思うんですけれども、中国と日本の友好関係をいろいろ深めていこうというような中で、中国側から一体この放送等の問題について、あるいは文化交流の基盤、根本であろうかと思うんですけれども、そういうことについての話し合いとか対応等はないんでしょうかね。  それからまた、あわせて外務省にお聞きしたいのは、どうも聞き取りにくいというので調べてみると、中継基地が何か日本は二つほどしかなくて、ですから地球の裏側の、まあ向こうから言えば日本が裏側ですけれども、ブラジルあたりではどうにも聞こうにもなかなか聞きにくい、というよりも聞けないというふうな状況もあると、こう聞いているんですけれども、そんなものは本当はODAの予算等で中継基地をもっとふやしてやっていけるんじゃないかと思うんですが、そんなことも含めてひとつ、まず国際放送、要するに日本の国が国際国家でこれからいろいろ地球の中で生きていかなきゃいけないという観点から、一体こういう国際放送問題について外務省の方はどういうふうにお考えになっているのか、一遍まずお伺いしておきたいんです。
  84. 小田野展丈

    説明員小田野展丈君) お答え申し上げます。  中国におきまして、日本語の学習等につきまして大変熱意が上がっておるということはもちろん承知しております。ただし、外務省といたしまして、中国側より御指摘のような要望につきまして正式に接したことはございません。ただし、今申し上げましたように、中国の聴取者が日本の国際放送に関心を有しているということは承知しております。また、外務省として実際に調査を行ったことはございませんけれどもNHKに寄せられている投書などを通じまして、そういうところに示されております聴取者の感想等についても、一応は我々承知しております。御指摘のとおり、中国には多数の聴取者が日本語の学習等のために我が国の国際放送利用しておりまして、こういうことは中国の国民の対日関心のあらわれであるというふうに受けとめまして好ましいものと考えております。  次に、国際放送の拡充強化でございますけれども、これにつきましては、もちろんその必要性があるということは十分存じておりまして、外務省といたしましても、現在よく聞こえないといわれております難聴地域の受信状況改善等につきまして郵政省、大蔵省等関係の当局とも協議しつつ種々の努力を払ってまいりましたけれども、これからもかかる努力を続けてまいる所存でございます。  特に、外務省としましては、従来より国際放送といいますものは、海外広報ですとか在留邦人の対策のために有効な手段であるというふうに考えておりまして、この放送の充実強化のため、調査団の派遣などを通じましていろいろ努力してまいりまして、今後とも連絡をとりつつ努力してまいる所存でございます。  一点申し上げたいと思いますのは、外務省の調査団の派遣等を通じましてカナダの中継施設を利用して北米向けの中継放送が本年の十月一日より開始された経緯がございます。  ODAの件でございますが、海外の中継局の確保のためのODA予算計上につきましては、まずODAが開発途上国の経済開発、それから民生の向上を目的としているということを踏まえまして、これから検討してまいる所存でございます。
  85. 山本正和

    山本正和君 ひとつぜひODA問題は省内で何とかひとつ前向きの形で議論していただくように要望しておきます。  それから、大蔵省にお伺いしたいんですけれども、国際放送の問題で郵政省からもいろいろ予算要求されておるようでありますけれども、ひとつこれについては、これは総理が国際国家ということを大変強調されておるということを超えて、日本人がこの地球の中で生きていくんだという時代の中での問題ですから、どうも従来のように予算を何とかかんとかという一律の発想じゃなしに、この際はひとつこの問題だけはもうきちんとやりますよということでぜひともお取り組み願いたいと思うんですけれども郵政省からのこういう国際放送の増額予算等の問題でどのような議論を省内でされておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思うんですけれども
  86. 佐藤謙

    説明員佐藤謙君) お答えいたします。  国際放送の充実強化の問題につきましては、私どもといたしましてもその必要性、それは認識をしているところでございます。ただ、一方におきまして、現在の厳しい財政事情ということもございますので、それとの調整をどういうふうに図っていくのかと、こういう問題も片方にございます。ただ、このような中で、これまでもこの国際放送の重要性ということにかんがみまして、例えば六十一年度予算におきましてもいろんな予算経費が対前年マイナスになっておるような中におきまして、この国際放送の経費につきましては何とか前年同額を確保していると、こういうふうな状況にございます。  そこで、さらにこの六十二年度の概算要求でございますけれども先生お話しのございましたように、国際放送強化充実ということから、NHK交付金等の増額等を内容といたします概算要求が郵政省から提出されております。これにつきましては、現在のこういった財政状況でございますから、それを踏まえて検討をさせていただくことになろうかと思いますけれども、いずれにしましても、よくこれから郵政御当局とも御相談をして対応をしてまいりたいと、かように現在のところ考えております。  以上でございます。
  87. 山本正和

    山本正和君 主計官としてはそういうお返事しかできないと思いますけれども、主計官自身もこの問題についての重要性は御理解いただいていると思いますから、ひとつ何とか海外で日本と交流したい、日本を学びたい、あるいは理解を深めたいというそういう要請にこたえるような予算の配慮をぜひともお願いしておきたいと思います。  もう時間があと三分になりましたので、これは要望にとどめますが、伝えられるところによりますと、国際第一種電気通信事業が、いわゆるKDD以外にさらにまた二社出てくるというようなことを聞いております。しかし、この国際第一種電気通信事業というのはまさに日本の通信主権にかかわる問題だろうと、こう思うんです。ですから、外資系の企業がただ単にコストのみの形でもってこれに加わってきて云々となりますと、これはもうひょっとしたら、日本の国の通信そのもの全体を揺るがすようなことに発展しかねないというような気もいたしますし、どうしてもそれは競争が必要でしょうからといっても、仮にふやすとしても一社程度で、それも外資企業等は、まだまだ日本のこの種の問題はおくれているわけですから、十分ひとつ対応していただいて慎重な配慮をぜひお願いしておきたいと、こう思います。  それからもう一点、大臣から郵政省からぜひNHKの方に要請していただきたいんですけれども、高等学校で定時制や通信教育に学ぶ子供がまだかなりの数おるわけですね。その通信制や定時制で学ぶ子供たちがNHKの教育放送を大変関心を持ってやっているわけですね。ですから、スクーリング――スクーリングといいますのは、通信教育で自宅で勉強している子供たちが日曜日に学校へ行きまして講義を受けるわけです。スクーリングその他のときにどうしてもやっぱりテレビを使うわけなんです。テレビを使うのはいいんですけれども、そうしたら、何と郵政省からの指示で高等学校に置いてあるテレビからも受信料を取れというふうなことになっておる。これは普通科高校で進学とかなんとかで特別にやって、ある程度のゆとりのあるところならまだ払えますけれども、本当は私は若干問題ある気がするんですが、まだ払えると思うんですけれども、通信高校や定時制高校というのは予算も非常に少ない中で、何でこんなけちなことするんだということが、私も状況を聞きまして不思議でならないんです。ですから、NHK放送というものの公益性、特に学校教育ということに対する配慮はもうぜひこれはしていただきたい、こういうことを思いますので、ひとつ郵政省の方からNHKへ御指示をぜひお願いしておきたい、こう思いますが。
  88. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) 国際電気通信事業分野における新規参入者、俗にいわゆる第二KDDでございますが、ただいま山本委員指摘になりましたように、現在二つのグループが参加の意向を表明しております。その中で一つのグループに、ただいま御指摘ございましたように、英国の国際電気通信事業者が経営の中核に参加をする意向を表明しておりまして、現在、その一つのグループでは調査企画会社を進めて、鋭意さまざまな調査活動を行っているというふうに承知をしております。しかしながら、国際電気通信市場の規模を勘案いたした場合には一社が相当だと考えておりますので、二つのグループの許可ということは私どもは事業法に照らして不適切というふうに考えております。  その際、一社を許可いたします際に、ただいまの御質問にございました外国の国際電気通信事業者が経営に参加をするということは、世界の国際電気通信事業の中に例がございません。また、仮に事業法上は三分の一未満の外資の参入が、法的には認められているにせよ、外国の国際電気通信事業者が我が国の国際電気通信事業に参入するということは、その参加の形態いかんによっては我が国の国際電気通信事業が相手国の事業者、あるいは相手国そのものの意向の影響を受けるおそれがあるというようなことも私ども十分に念頭に置いておりますので、そうした点を十分勘案した上で法規に照らして、法令に照らして適切な結論を出したいというふうに考えております。
  89. 森島展一

    政府委員森島展一君) NHKの受信料の免除につきましては、社会福祉、それから教育に対する放送利用の普及、こういう面から幾つかの免除を実施してきてはおりますが、これは本来福祉行政、それから教育行政といった観点から対応すべきものだというふうに考えまして、それぞれの関係省庁において本来は措置していただくべきものではないかと。また、一方におきまして、NHKの財政が非常に厳しくなっております。こういった点で、国会でもいろいろ御質疑があり、附帯決議等もいただいておりますので、それに基づきまして、高等学校の場合は文部省の御理解も得て五十八年の四月に受信料の免除を廃止したと、こういうことでございまして、その点を御理解お願いしたいと思います。
  90. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 質問させていただきます。  私も先ほど来ずっとお話が出ております少額貯蓄非課税制度についてお伺いをいたしますが、先ほど来ずっと論議を聞いておりますと、郵政省の側はこれは必ず堅持していくのだという大臣の御決意でございますし、局長答弁もそういうお立場であられるわけですね。ところが、これもずっと御答弁側の方からも出ておりますように、新聞等では既に話が相当具体化し、そういうものが乱れ飛んでおるということで、私も大変不可解に思うわけですが、大蔵省が見えていると思いますが、大蔵省の側にまずこのことをお尋ねいたしますが、一体この少額貯蓄非課税制度、マル優廃止という問題は、大蔵省の側は一体どうしようとしておられるのか。それから、先ほど来論議が出ておりますように、いわゆる取引材料として郵貯資金の一部の自主運用、あるいはまたその他の利点をというようなことで、詳しく申しませんけれども、新聞にたくさん書いてあります。一体そういうことを大蔵省はどう思っておるのか、受けとめておるのか、運んでおるのかお伺いします。
  91. 田谷廣明

    説明員(田谷廣明君) お答えいたします。  ただいまの御質問ございました郵便貯金の非課税制度の問題でございますが、先般十月の二十八日に出されました政府の税制調査会の答申におきましては、マル優あるいは郵便貯金等の非課税貯蓄制度につきまして、  個人貯蓄の大半がその適用を受けており、その結果、多額の利子が課税ベースから外れており、所得種類間の税負担の不公平をもたらしているほか、高額所得者ほどより多く受益しているという現状にある。これに加え貯蓄奨励といった目的で一律的に政策的配慮を行う必要性も薄れてきていること等に顧みれば、この際、今回の抜本的改革の基本的視点に照らし、これらの利子に対しても課税を行う方向で見直しをすることが適当である とされているところでございます。  しかしながら、所得の稼得能力が減退した人に対します配慮としまして老人あるいは母子家庭等に対しましては、マル優や郵便貯金の非課税制度を維持することとされております。  なお、この答申におきましては、「望ましい課税方式については、これまでの検討を踏まえ、」「更に具体的に検討を加える必要がある。」とされているところでございまして、現在私どもといたしましては、今回の答申に沿いまして適切に対処してまいるべく検討を重ねているところでございます。
  92. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 そういたしますと、先ほど来話が出ておりますように、十三兆五千億というこの多額のものが課税ベースから外れておるということに関して、やはり大蔵としては不公平だと、したがいまして、まあ財源探しのいいターゲットにもなっておるというふうにお考えになっているというふうに了解してよろしいでしょうか。
  93. 田谷廣明

    説明員(田谷廣明君) 御指摘ございました点も今回の見直しの大きな一つの理由であるかと存じます。
  94. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 先ほど山本委員の方からも話が出ておりましたけれども、郵便貯金の性格と、それから銀行に貯金をするというような事柄との国民生活ベースにおけるものは違うということを先ほど来話が出ていたと思うんですけれども、そういうことを私はもっとしっかり大蔵省も踏まえて欲しいなあと。郵政省頑張る、頑張ると言っています。でもやっぱりおたくの方かなり権限持ってますからぬ。これは新聞はうそを書いているというふうには私は思っていないのでございまして、火のないところに煙は立ちませんから、暫時こんな方向で動くのではないかというふうに私ども大変切迫した気持ちで危惧しております。そして、公明党はマル優存続を主張する立場ですので、このことを一言触れさしていただきました。  次に、郵政省の方に質問をさしていただきます。  会計検査報告によりますと、地方自治体に長期に貸し付けられております簡易保険の積立金は、五十四年度債から五十九年度債分までで、関東郵政局、近畿郵政局、北海道郵政局管内で、山梨、北海道及び十四市町村で八十三件、五十八億九千万円のいわゆる簡保の資金運用が行われているということなんです。この簡保の資金運用について少し伺ってまいりたいというふうに思いますけれども、この簡易保険の資金運用の貸し付け状況の中で、五十八億九千万と今言いましたね。五十八億九千万の中の一四・一%、八億三千九十九万円という金額的にかつてない多額のものが、いわゆる不正規貸し付け、過大に貸し付けされているということになっておるんです。  この経過について私もずっと調べさしていただきましたが、いわゆる民間の保険会社ではとても考えられないような貸し付けの仕方がなされているというふうに思うわけでございます。昨年、この会計検査報告が出ましたときに十社に近い新聞がこのことを書きましたのを私もストックして持っておりましたが、その八億円の過大貸し付けという問題なんかもございまして、大変国民に簡保の資金運用について不信が出てきておるという事態であろうというふうに思うのでございます。  この簡易保険というのは、皆さんよく御存じのとおり、これは一軒一軒、玄関をたたいて郵便局の簡易保険の方々が勧誘に見えるわけですね。そして、みんなその勧誘に乗って、小さな小さなお金を預けておく保険なんです。さっき郵便貯金の話も出ましたけれども、この保険はもっと私身近な、つまり一時間も座り込んで簡易保険の必要性を説かれて、なるほどなるほどお国に預けておくと安心なんだ、こういうことになる簡易保険なんですよ。これがかかる形で運用されていることについて、私は大変に遺憾に思いこの問題を取り上げたわけでございます。  まず、会計検査院から五十九年度決算検査報告で簡易生命保険の積立金の長期貸し付けについて適正を期するよう処置要求を出しております。このことについての御説明お願いします。
  95. 小川一哉

    説明員小川一哉君) 先生指摘の簡易生命保険の積立金の長期貸し付けにつきましての処置要求の内容について、まず説明をさせていただきます。  郵政省では、簡易生命保険の積立金を地方公共団体に対して長期に貸し付けておりますけれども、関東郵政局ほか二郵政局管内の北海道ほか一県十四市町村におきまして、指定寄附金を貸付対象事業費から控除していないような事態、それから貸し付けの対象外の費用を貸付対象事業費に含めていた。そういうふうな結果、貸付額が過大になっている、そういうものが先生先ほど御指摘のとおり八億三千万円余ございまして、その貸し付けが適切でないと認められました。  こういうふうなことが生じました原因は、郵政省におかれまして貸付時の審査から貸付後の監査に当たりまして貸付規則等の諸規定が適切につくられていなかった。そのため貸付金額算定の基礎となります貸付対象事業費の適否についての調査確認、事業実施状況等が的確に把握できないまま貸し付けがされた、そういうふうなことによって生じたと考えられました。したがいまして、貸付規則等の諸規定を整備されますとともに、貸し付けの担当者に対する指導を強化するなどされまして本件積立金の貸し付けの適正を図る必要があると考えられましたので、これに関し郵政大臣に対しまして是正改善の処置を要求した、こういうふうなものでございます。以上でございます。
  96. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 これは桶川市の学校用地取得の問題についての大変具体的な例になってしまうわけでございますけれども、埼玉県桶川市がそこに団地を開発するということで、これは小学校用地を取得するために住宅・都市整備公団から五億七千万円を受け取った。これは寄附という形になるわけですね。それが桶川市当局によると、これはつまり教育及び行政協力金だということで、これを一般会計に入れ込んでしまっているということ、こういう認識に立っておるわけですね。私は非常に考え方の行き違いが随分あるというふうに、この問題について思うわけです。  それから一方、郵政省の簡易保険局資金管理課では、この貸し付けは桶川市が埼玉県を通じて申請してきたのだから二重チェックの必要はないと判断して、すぐこれに応じた。何の検査もしないでこれに応じたというようなことが書いてあるわけですね。これをまず郵政省の方から御説明いただきます。
  97. 相良兼助

    政府委員(相良兼助君) 簡易保険、郵便年金の資金につきましては、現在三十兆に達しておりまして、この資金運用を行っておるわけでございます。現在、財政投融資に協力をするという観点から、地方公共団体等にも貸し付けを行っておりまして、総額約七兆円の貸し付けが現在行われております。  この地方公共団体に対する貸し付けにつきましては毎年監査を行いまして適正化を図っておるわけでございますけれども、先ほど来、先生指摘のように五十九年度の一部の貸し付けにおきまして過大に資金を貸し付けをしたといったような事例が発生をいたしました。私ども、その後直ちにその是正方、さらには当該公共団体に対しまして繰り上げ償還の措置を求めまして、現在その措置を完了いたしているわけでございますけれども、まずもって、このような事態を生じましたことをおわびを申し上げる次第でございます。  今御指摘の桶川市の件についてお答えをさせていただきますけれども、桶川市の貸し付けにつきましては、五十八年五月に桶川市が朝日小学校の用地を取得するということで、その取得事業に要する経費として郵政省の簡保資金の方から九億二千七百万円を貸し付けたわけでございます。先生の方からも一部お話がございましたけれども、このようなケースの場合は一般に総費用から国庫の補助金、さらにはそのために寄附受けをしたといったようなことがありますと、その寄附受け部分等も差っ引きまして、その残余に対して一定の率を掛けまして簡易保険の資金が貸与をされるという仕組みになっているわけでございます。この桶川市の場合は、先生お話のございました住宅・都市整備公団からの寄附金五億七千六十七万円を特定財源としてこれに使うべきでありますのに、一般財源の方に入れまして、私どもの方にその通報がなかったということがございまして、その分だけ余計に簡保資金が流れたという結果を生じたわけでございます。  実は、地方自治体から貸付申し込み書等をいただきまして、関係のところで審査をいたしてそれぞれ手続を確認した上で貸し付けをいたしておるわけでございますけれども、それまで一般に寄附受けという現象は非常に数が少ないというようなこともございまして、自治体から提出をしていただく書類にこの特定財源の項目をきちっと明示をしておりませんで、その他という欄にいたしまして、そこに摘記をしていただくという考え方でいたわけでありますが、その摘記もなかったということがありまして、このような事態に相なったわけでございます。  その後、他の御指摘等もあわせまして、私どもの方としましては、この貸付規則の改正方を図りまして、様式等につきましても特定財源の項目を明確に設けまして御記入をいただくという措置をとりまして、今後の再演防止ということを図ったわけでございます。その後、この貸付規則を二月に改正をいたしますと同時に、地方の関係担当者でありますところの地方郵政局運用課長会議を招集いたしまして趣旨を徹底すると同時に、その後、地方郵政局における担当者の講習会等を実施いたしました。なお、全国の都道府県市町村で簡保年金資金を取り扱う担当者の方に全国的にそれぞれの地域にお集まりいただきまして、すべての地方公共団体に簡保資金の貸し付けについての説明会を実施をいたしまして、これも徹底を図りまして、あわせて貸し付けの規定を改正をしたということも文書等で各自治体に通知をいたしたところでございます。  私ども、もちろん大事な国民の皆様からお預かりをいたしました貴重な資金でございますので、できるだけ有効運用を図ってまいるということで今後対処をしてまいりたいと思っております。  なお、桶川市に対します貸し付けの過大な分につきましては、当該年度中に二回に分けましてすべて繰り上げ償還を済ませました。なお、その間の経過の利子につきましてもこれを徴しておりますので、簡保年金資金には実損はなかったという結果に相なっております。  以上、御説明いたします。
  98. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 帳面上欠損がなくなっているとはおっしゃるけれども、これをこの年度内中で返済した桶川市にとっても、二億が一遍、それからあと三億四千万ですか、また返してということで、地方自治体にとってもとても痛い話なわけで、私はこういう問題はやっぱり借入団体に対する郵政省説明不足というか、足らない部分があったというふうに思いますよ。  それで、会計検査院から指摘された事項について、今、いろいろ改正等をなさって、教育等も徹底したということですけれども、院法の三十四条の規定によって処置要求が出ていますけれども、それはもうおまとめになってありますか。
  99. 相良兼助

    政府委員(相良兼助君) ただいまお答えいたしましたように、貸付規則の改正を六十一年二月に行いまして、御指摘をいただきましたような点の再演防止のために、先ほど説明いたしましたような関係者の講習会、さらには文書による都道府県への改めての通知等に全力を尽くして再演防止を図っておるということでございます。
  100. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 大臣、この問題を取り上げたのは、先ほど申し上げましたように、かつてない額なんです。五億という額でございます。それから資金の性格が国民の一人一人からちくちくと集めてきたお金だということ。このことを考えますと、この手の事故については二度とあってはならないというふうに思いますが、大臣の御所見はいかがですか。
  101. 唐沢俊二郎

    国務大臣唐沢俊二郎君) 簡保資金の御質問にお答えする前に、先ほど郵貯のことにつきまして先生が述べられました非常に心やさしい、しかも力強い御激励を、大変ありがたいことだと思って伺っておりました。  ところで、簡保資金の過大貸し付けにつきましては、どんな理由があるにせよ、また先生指摘されましたように、実損はなかったといっても、どういうところに影響があったかわかりません。そういう意味で、大変遺憾なことだと存じております。貸付規則の改正をしたり、関係者の説明をしておるということは相良局長答弁のとおりでございますが、本当に国民の皆様からお集めいただいた貴重な資金でございますので、これが有効、適切に使われますように、二度とこういうことの起きませんように全力を挙げて取り組むつもりでございます。
  102. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 よろしくお願いいたします。  郵便事業の財政状況については、これも先ほど山本同僚委員の方からお話がございましたので、その収支等については省略させていただきますけれども、その中で累積欠損金はだんだん減ってきて七十五億というふうにたしか言われたと思うんですが、つまり郵政行政がいい方向に向いてきているということだろうというふうに思います。  時間がないので、いろいろなことを全部省略いたしまして、私は、その中でひとつ大きな役を果たしている一般小包の中の特にふるさと小包についての問題についてお伺いをするわけですが、まず、このふるさと小包なるものの取り扱い数量とか、あるいはまた需要が増加していっているという状況について御説明をしていただきたいと思います。
  103. 富田徹郎

    政府委員(富田徹郎君) ふるさと小包につきましては、昭和五十八年度からこの制度を開始いたしまして、五十八年度は四十三万個、五十九年度は百万個、六十年度は二百九十三万個、そして本年度、六十一年度は四百万個弱というふうに見込んでおり、急激に普及するといいますか、ふえておることは事実であります。  このふるさと小包は、ふるさとの産地直送といいますか、その地元で有名な食品でありますとか、あるいは一村一品、村興し運動なんかで、その地元で扱われております商品を郵便小包によって消費者のもとへ届けるという制度であります。郵便小包もスピードが速くなってまいりました。それから壊れ物、生ものというものも、そういう表示をいたしまして、確実に翌日ぐらいには氷が解けないような時間で送れるというようなことが好評を博しておる主な理由だというふうに考えております。
  104. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 運輸省の方が扱っている、要するに宅急便、宅配便というもの、私も数字が違うのかと思って何回も見てみたんですけれども、取扱個数が三兆八千四百九十万個なんですね。これは全部の宅配便を入れての問題ですから、今のはふるさと便だけの個数でしょう。だけれども、運輸省所管の宅配便というものとはなかなか勝負ができないだろうというふうに思う。ただ、全国二万三千ですかになる郵便局をネットワークにして、そして郵政省がこの手のことをしてくださるということのこの意味と強みを私は生かしていかなければならないというふうに思っておる者の一人です。  この運輸省の方の所管の宅配便については、やっぱり私企業さんで、大変な努力をしていますね。そして大変なサービスぶりですね。日進月歩というサービスぶりです。これに対して、郵政省がふるさと便なるものをつくって挑戦をしていこうということについて、私は、大変賛意を送る者の一人なんでございますけれども、しかし、それに伴うていろいろなものも出てくるであろうということでございます。  私、持ち時間がだんだんなくなってきましたので、大変恐縮ですが、具体的にお伺いしたいんです。  各郵便局に、御存じのとおり、ガイドブックのこんな厚いのが全部備えつけになりました。三百九十円ですか、書店でも売っていますね。それで、ふるさと便のあれを買ってきて見るのは見るだけでも大変楽しゅうございまして、こんなものも手に入る時代になったのかということで大変楽しく読ませていただいておるわけです。ちょろっともらってきただけでもこんなにそのほかにあるわけでございます、大臣。これは全部郵政省さんが所管のふるさと小包のガイドでございまして、興味深く、私もこんなものを読むのが好きでございますので見させていただきました中で、少々気になることを、話が細かくなりますが、申し上げてみたい。それは足を引っ張るのではなくて、よくしていこうということで言うので、メモっていただきたいというふうに思うのでございます。  まず、郵政省の小包は、いわゆる近距離、中距離、遠距離と三つに分けてありますね。これは最近十月からお変えになったわけでございますけれども、例えば、中距離というのに当たるもので、同一圏内でも中距離に当たるところと遠距離に当たるところというのが出てくるというふうなことになっているんでしょう。そうすると、料金が違ってきますね。こういうような問題があるんです。  それで、この距離の問題が料金の問題にかかわってまいりますので、パンフレットを調べてみますと、その商品の中に送り賃、つまり、料金が含まれているのといないのとの表現の仕方、この問題が私は大変気になりました。三千種ほどありますが、例えば北海道ラーメンでいきましょう。これは料金を含むなんです。大体、料金を含むになっておるんです。ところが、そうでないものの中に無料ですというのもあるわけです。そうすると、これを見た消費者は、ああ無料もあるんだなというふうに思ってその無料に飛びつきたいのだが、よく見ますと、「料金は加入者負担となっておりますので無料です。」と書いてある。おわかりでしょうか、「加入者負担となっておりますので無料です。」ということになっているわけなんです。  そういたしますと、この場合の「加入者」というのは、例のポスタルサービスセンターあたりを中心に、そこに加入をしているということの意味だと思うんですが、まず、この「加入者」というものの説明を願います。
  105. 富田徹郎

    政府委員(富田徹郎君) 加入者の説明の前に、郵便小包は全体では一億五千万個ほどあります。それから、運輸省の御発表になっております宅配便の総数は、一年間では全体的には約五億というふうに聞いております。五億と、郵便小包全体は一億五千万、その中の二百九十三万個がふるさと小包だったという状況に六十年度はなっておるわけであります。  ただいま御指摘の地帯区分でございますが、確かに三つの区分を設けておりますが、圏を分けて、圏の中で地帯が違うということはありません。先回、十月一日の改正によりますものは、例えば東京から中国地方へ送る、山口県へ送る場合には山口県だけが第三地帯、やや高い料金で、ほかの県は安い料金というふうになっておりましたが、それを改めまして一つのブロックごと、中国地方につきましては東京から見た場合には全部の県に同じ料金で行けるように改正したところであります。  それで、その送料込みの表示と送料は別の表示が区々分かれておるようでありますが、それは不注意にも私どもよく気がついておりませんので、なるべく統一的に送料を含む値段の表示、この送料無料というのは、結果的にはその業者が送料を含んで、ふるさと小包の値段そのものの中に含めておるという趣旨でございますから、そういう方向で統一ができればできるように考えていきたいと思います。  それで、今御質問の「加入者」の意味が私にもちょっと判然といたしませんが、恐らくその業者かあるいはポスタルサービスセンターの加入者という意味かもしれませんが、いずれにしましても、送料がふるさと小包の値段の中に入っているというケースは、業者がその商品の価格に送料を含めて市価よりもやや安目に設定した商品の値段の中に入っているということでありまして、決して郵政省の取り扱い上無料になっている小包ではありません。
  106. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 そうすると、「無料」という表現は適切ではないと思います。  それからもう一つは、いわゆる払込料金。この振替用紙が一切全部下についています。それで、この振替用紙を使っての取引になるわけですけれども、その払込料金、これも全部ここに書いてあるのですよね。払込料金は「通常払込料金加入者負担」という判このように間違いなく押してあるんですよ、ほとんどの振替用紙に。ところが、そうでないのもあるわけですよ。つまり、この払込料金は申込者負担という分も出てきているわけです。こういうのも統一していかないと、まだ走り出しのところでございますからいろいろ不協和のところがあると思うので、私はそういう点をちょっと調べましたからお伝えをしておきますので、だんだん統一していかなきゃいけないというふうに思っております。  それからもう一つは、破損とか返品、これはもう通信販売等も含めて全部同じなんですけれども、このいわゆる瑕疵が起きた場合の補償の問題なんかについても、必ず「現品到着後一週間以内に」、これも「加入者」となっております、「加入者あてに返品理由を明示の上、ご返送ください。」と、こうなっているわけなんです、「ご返送ください。」。そう書いてないのもあるんだけれども、書いてあるのもある、この気になる条項。「この場合の返送料金はお客様負担でお願いします。」というのよ。消費者問題の中ではこういうことは大変に問題になる課題なんでございますの。でも、その瑕疵があるかないかが一つの問題の論点になるわけですけれども、こういうのもやっぱり統一しておかなければいけないというふうに思います。  それからもう一つ。「一週間以内に」というのは、大体クーリングオフも四日から一週間の間に延ばしましたので、これいいんですね。ところが、このふるさと小包なんかの中に、後で御紹介しますけれども、いろいろあって、例えばキノコというのが出てくるわけ。「きのこ栽培ファミリーセット」、こういうのがあるわけでございますね。これは、開封して十日から二十日の間に少しナメコの頭がちょろちょろと台の上に出てくるらしいんでございますの。そして、完全にキノコが出てくるのは三十日後と、こう書いてあるわけなんです。そういたしますと、万が一、三十日たってもナメコの頭が出てこなかったときには、これは返品できないのでございますね。こういうふうにふるさと小包というのは、本当に実はシビアに考えていきますと問題がある。だけれども、これは、ふるさとの産業を親子で都会で学ぼうという、とってもいいキャッチフレーズなのよ。だから好きなのよ。ところが、これがクーリングオフ七日というと、これどうにもならなくなってしまう。あるんですね、こういう種類。  それから、さっき言った瑕疵にかかわる問題で破損の問題のテーマを私ちょっと取り上げるわけですけれども、ここに、来年はうさぎ年でございますものですから、瀬戸市の瀬戸郵便局のう年のウサギの焼き物の置物もございますし、それからこれは尾張旭郵便局のやはりウサギの焼き物でございまして、これもふるさとの便りを届けるということで、これもまたPSセンターの承認商品として登録されているわけですね。これね、割れて届いたらどうするかということになる、こういう問題ね。そういえば、生の物がいささか経時変化を起こして、なっていた場合はどうかというような問題もたくさん出てきまして、このふるさと小包というのは、私は急成長で伸びていくと思う。だけれども、そのときに民間がやるのではない、郵政省というお国がやる事業だけに、民間よりももっとサービスを細かくし、そしてシビアにこういうもののルールづくりをしていかないとだめではないかなというふうにこの一つ一つを見ながら私は大変に考えたんですけれども、いかがでしょうか。  それからもう一つ、時間だからついでに言っちゃいますね。禁句の整理、つまりみんなおらが村、おらが町を主張して、我がふるさとの商品でございますというふうに送るものでございますから、これだけ調べただけでも日本一が十幾つ出てくるわけなんです。それから、ふるさと小包百選を代表する珍味とか、こういう公正取引委員会が神経を立てるようないわゆるPR用語ですね、キャッチフレーズ、こんなのも今後また私は問題になろうかなというふうに思いますので、こうした一般的に禁句、使ってはいけない禁じる用語のことでございますが、禁句の整理、こんなものもあろうかと思います。  それから大事な物については賞味期間を入れるべきです。食べ物だったら賞味期間を入れるべき。それから、取り扱いの仕方も丁寧に書くべきだと思う。そういうのも含めて御答弁お願いいたします。大事な事業で、成長していただきたい事業であることには、私は大賛成ですから、よろしくどうぞ。
  107. 唐沢俊二郎

    国務大臣唐沢俊二郎君) 時間でございますので、私がまとめてお答えさしていただきます。  ただいま刈田先生から議員にして主婦のお立場から少々気になる貴重な御意見をいただきまして本当にありがとうございました。メモれというものでずっと私もメモっておりましたが、まだ私ではちょっとわからない点もございますが、局長以下おりまして、大変に参考になったと思います。先生は、きっとふるさと小包が急成長するであろうというお話でございますが、そうなりますように、きょうの御意見も参考にさしていただきますが、また決算委員会以外でもいろいろ今後ともお気づきの点はおっしゃっていただき、またアイデアを出していただければ大変ありがたいと思います。
  108. 菅野久光

    委員長菅野久光君) 午前の審査はこの程度とし、午後二時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十五分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕