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政府委員(藤田公郎君) ただいま
委員が言及されました最近の
事件ということで、
金日成北朝鮮主席の死亡説をめぐっての
対応ということで申し上げますと、
情報ということから申しますと、
我が国政府及びマスコミを含めてでございますけれ
ども、当然のことながら
我が国はそういう
情報をキャッチするということについては一番早くかつ非常に多かったということは事実だと思います。そして、
我が国にとりまして最も重要な
関係を持つ
地域の、しかも政治指導者の安否ということでございますので、これが十七日に至りまして
韓国側から実際に北からの放送が行われたという
発表がございましたことを機にしまして、非常に大きく報道をされたということもそれなりにどちらかというと自然な姿だったんではないかと思います。私
どもは、これはマスコミも
政府もそうでございますけれ
ども、そういう話がある、それでこれは非常に事実とすれば大変なことである、しかしながら確認はできないというままで推移をいたしまして、結局次の日、十八日の朝御本人が出現をされたということで、安否と申しますか、死亡説というものは根拠がないということになったわけですが、それでは、このような
情報が出てきた原因は一体どこにあったのかということにつきましては、先ほど来
外務大臣からも御答弁を申し上げておりますように、
韓国側でもいろいろ後づけと申しますか、
調査をいまだに続けておられるというふうに
承知いたしておりますし、実際に何事かがあって行われたことなのか、それとも心理戦的なものであったのかといういずれであったかについては、いまだ結論を得ていないというのが今
の
状況かと思います。
それから、二番目に御
指摘になりました日中首脳会談についての御発言がございましたけれ
ども、これはそれほど食い違いということでもございませんで、中曽根総理が御訪中になりましたときに総理御自身が記者会見で、
韓国と中国の橋渡しとして役立てれば幸いであるということを言っておられ、かつ会談後の記者団に対するブリーフにおきましても官房副長官から
日本側の朝鮮半島情勢についての立場の表明が行われたこと、それに対して中国側は特にコメントはなかったということをブリーフをしておられまして、これがこのまま
日本の新聞に報道されております。恐らくは、
委員が御
指摘になっておられることは、その後に出てきた報道かと思いますけれ
ども、もうちょっと具体的な橋渡しの意図表明があったけれ
どもそれは中国側から断わられたと申しますか、そういう報道があったと、これはちょっと食い違っているのではないかという御
指摘かと思いますが、これは日中双方で会談の模様についてはこういうことで対外
発表を行うという合意をして、そのとおりの
発表を我が方も行っているわけでございまして、それ以外の
部分については私
どももコメント、言及をすることは差し控えたいと思いますし、その後も中国側から特に言及はないというのが今の
状況でございます。したがいまして、特に日中の双方で食い違ったことを言っているということはないと存じます。
それから、フィリピンの情勢についてもう少し歯切れのいい情勢分析をしたらいいんではないかという御注文かと思いますが、確かにもっとすっきりと、あしたはこういう
状況になるということが御説明できればいいと思うんですが、なかなかああいう混乱した国でもございますし、
問題点の
指摘とそれからアキノ大統領が直面しておられる諸困難等について御説明を先ほど申し上げたとおりでございまして、大筋においてそれほど間違ったことは今まで申し上げてこなかったんではないかというふうに思っております。