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1986-10-17 第107回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年十月十七日(金曜日)    午前九時十五分開会     ─────────────    委員異動  十月十六日     辞任         補欠選任      井上  計君     関  嘉彦君  十月十七日     辞任         補欠選任      大鷹 淑子君     永田 良雄君      岡田  広君     守住 有信君      高木 正明君     吉川 芳男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         矢野俊比古君     理 事                 大城 眞順君                 北  修二君                 中村  哲君                 及川 順郎君                 市川 正一君     委 員                 伊江 朝雄君                 板垣  正君                 岩本 政光君                 大浜 方栄君                 志村 愛子君                 永田 良雄君                 守住 有信君                 吉川 芳男君                 菅野 久光君                 鈴木 和美君                 中野  明君                 関  嘉彦君                 喜屋武眞榮君                 木本平八郎君    国務大臣        外 務 大 臣  倉成  正君    政府委員        総務庁北方対策        本部審議官    舩津 好明君        外務省欧亜局長  西山 健彦君    事務局側        第一特別調査室        長        荻本 雄三君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査  (北方領土問題の解決促進に関する決議の件)     ─────────────
  2. 矢野俊比古

    委員長矢野俊比古君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十六日、井上計君が委員辞任され、その補欠として関嘉彦君が選任されました。  また、本日、大鷹淑子君、岡田広君及び高木正明君が委員辞任され、その補欠として永田良雄君、守住有信君及び吉川芳男君が選任されました。     ─────────────
  3. 矢野俊比古

    委員長矢野俊比古君) この際、倉成外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉成外務大臣
  4. 倉成正

    国務大臣倉成正君) このたび外務大臣に就任いたしましたので、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。  まず、北方領土問題について申し上げたいと思います。  戦後の日ソ関係は、昭和三十一年の日ソ共同宣言による国交回復以来、既に三十年の歳月を経ておりますが、今なお北方領土問題が未解決のため、平和条約が締結されておりません。我が国は、戦後一貫して歯舞色丹国後択捉北方四島の一括返還により北方領土問題を解決し、平和条約を締結するようソ連に対して求めてまいりました。それにもかかわらず、これら父祖伝来領土が依然としてソ連不法占拠のもとに置かれていることは遺憾の念を禁じ得ません。北方領土問題を解決し、重要な隣国の一つであるソ連との間に平和条約を締結することにより、真の相互理解に基づく安定的関係を確立することは我が国外交基本的課題であり、その実現のためには、領土問題で厳しい姿勢をとり続けているソ連に対して一億二千万国民の不退転の決意を息長く示して、粘り強い交渉を行っていくことが不可欠であると信じます。  本年一月にソ連外相として十年ぶりに訪日したシェワルナゼ外相との協議の際、日本側より、北方領土問題を日ソ間の最重要懸案として提起して、この問題について三時間にわたり話し合い、領土問題を含む平和条約交渉が十年ぶりに再開されました。また、五月のモスクワにおける外相間定期協議の際にも、領土問題を含む平和条約交渉が継続され、さらに、ゴルバチョフ書記長との二時間にわたる会談の際にも、北方領土問題を解決平和条約を締結することが日ソ関係の将来にとって最も重要である旨主張いたしました。  私といたしましては、先般の国連総会に際してのシェワルナゼソ連外相との会談において、戦後四十年余を経たにもかかわらず日ソ両国の間に平和条約が締結されていない状況は極めて異常であり、この状況の是正を強く望む旨述べるとともに、領土問題を未解決のままに放置しておくことは、日ソ両国のためにならない旨を強く主張いたした次第であります。  北方領土返還を求める国民世論日ごとに高まりを見せていることは、外交交渉に当たる者としてまことに心強い限りであり、本特別委員会委員の諸先生方からも今後とも忌憚のない御忠告、御助言を賜りまして、全力を傾注してソ連との間で交渉を行っていく所存であります。  次に、沖縄に関する事項について申し述べます。  日米安保条約に基づく米軍の存在は、我が国の平和と安全、ひいては極東の平和と安全に寄与しており、政府としては米軍施設区域の円滑かつ安定的使用を確保することは、日米安保条約目的達成のために緊要であると考えております。  同時に、沖縄県においては米軍施設区域の密度が高く、政府としてもその整理統合について地元より強い要望があることはかねてより十分承知しており、これまでも沖縄県における米軍施設区域整理統合に努力してまいったところであり、これからも必要に応じ米側との話し合いを行いつつ努力してまいりたいと考えております。  また、政府としては、現地の要望、民生の安定、開発計画等に配慮するとともに、安保条約目的達成との調和を図りつつ、諸問題の解決のため今後とも一層努力していく覚悟でございます。これまでの沖縄県民理解協力に感謝するとともに、引き続いての理解協力をお願い申し上げる次第であります。  最後に、外務大臣の重責を無事果たせますよう、皆様方の御協力を切にお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。     ─────────────
  5. 矢野俊比古

    委員長矢野俊比古君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、北方領土問題の解決促進に関する件を議題といたします。  この際、便宜私から、自由民主党、日本社会 党、公明党・国民会議日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘サラリーマン新党の各会派共同提案に係る北方領土問題の解決促進に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     北方領土問題の解決促進に関する決議(案)   わが国固有領土である歯舞色丹及び国後択捉等北方領土早期返還は、国民すべての悲願である。   しかるに、戦後四十年余を経た今日もなお、北方領土問題は依然未解決であり、さらに近年、これらの諸島にソ連軍備増強が図られていることは、誠に遺憾である。   この間、北方領土返還を求める都道府県民会議の相次ぐ結成など、北方領土問題の速やかな解決を望む国民の声は地域と世代を超え、大きく高まっている。   本年は日ソ共同宣言締結三十周年にあたり、この機会に両国国交を発展させるため、ゴルバチョフソ連邦共産党書記長の訪日による両国最高首脳間の直接対話が早期に実現することを期待する。   政府は、かかる国民の総意と心情に応え、ソ連軍事的措置の撤回を求めるとともに、北方領土返還を実現して平和条約を締結し、日ソ間の真に安定的な平和友好関係を確立するよう、全力を傾注すべきである。   右決議する。  以上であります。  なお、決議案の作成の過程におきまして、北方領土の概念、アジアの平和確保等につき意見がありましたことを申し添えます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。  それでは、これより本決議案の採決を行います。  本決議案を本委員会決議とすることに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  6. 矢野俊比古

    委員長矢野俊比古君) 全会一致と認めます。よって、本決議案全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、倉成外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉成外務大臣
  7. 倉成正

    国務大臣倉成正君) ただいまの御決議に対して所信を申し述べます。  政府といたしましては、ただいま御採択された御決議の趣旨を十分に体しまして、今後とも粘り強く対ソ折衝を進めるべく、引き続き最大限の努力を払ってまいる所存でございます。
  8. 矢野俊比古

    委員長矢野俊比古君) 本件に対する本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前九時二十五分散会